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ゼロ金利・低金利・量的緩和策の犠牲は家計でした。世帯当たりで平均すれば、失った所得は528万円になる。
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/657.html
投稿者 TORA 日時 2006 年 3 月 20 日 14:59:55: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu116.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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ゼロ金利・低金利・量的緩和策の犠牲は家計でした。
世帯当たりで平均すれば、失った所得は528万円になる。

2006年3月20日 月曜日

◆量的規制緩和解除の意味を解く 2006年3月14日号 吉田繁治
http://blog.mag2.com/m/log/0000048497

(前略)
▼(6)ゼロ金利・低金利・量的緩和策の犠牲は家計でした。

負債をもつところにとって、ゼロ金利策は利益です。逆に、金融資産をもっている世帯にとっては損失です。合計は、ゼロサムです。金利は、所得移転です。

1991年のときの預金金利(6〜7%レベル)が続いていたとすれば、4500万の家計が得ていた金利の総額は、15年で238兆円です。世帯当たりで平均すれば、失った所得は528万円に相当します。(日銀の試算) 
 
米国や西欧なら、家計が反乱を起こし、政府を何回もを変える金額です。日本の世帯は、どんなに文句を言ってはいても、根底では政府に協力しますね。

マネー・エクソダス(金利差を求めた海外へのマネー逃避)も、大きくはなかった。実際す、ごい世帯であると思います。(注)今は、預金の海外流出は、海外投資信託の買いで、増えています。

世帯の金融所得のなさが、90年代から現在に到るまで、消費が伸びなかったもっとも大きな原因です。所得が増えねば、消費は伸びません。日本の世帯は合計では、金融資産の額で超成熟国です。
(注)金融資産には、所得差より大きな格差がありますが・・・

1400兆円の金融資産(預金が700兆円+年金+保険+債券+株)をもつ世帯は、2%の金利上昇があれば1年で28兆円の実質利益を得ます。金融資産の絶対額が大きな、日本のような国の世帯では、給料の伸びよりも「金利利益」が大きくなります。(この認識は大切です。)

しかしゼロ金利策のため、世帯は金融資産額でリッチではあっても、金融利益では貧困なままでした。(注)米国の世帯は、住宅の値上がり益を、1年で70兆円くらい得ています。逆に、資金を借りる企業側(銀行、企業、国家)が、ほぼ同じ額の264兆円を「超過利潤」として得てきました。この264兆円の超過利潤があったことが、150兆円と見積もられた不良債権の処理が進んだ理由です。

家計から企業・銀行・国(国債)への「264兆円の所得移転」が、企業と銀行の財務収支を改善し、収益を回復させます。これが日本の企業にとって、もっとも大きな「量的緩和+低金利の恩恵」でした。他方、家計にとっては「見えない課税」でした。

(注)官僚の天下りが非難される理由も、政府部門の借金である国債の低金利から生じる恩恵を、自分達の給料や退職金に使うからです。国債を含む政府部門の借金は、総額で1000兆円です。

1400兆円の、世帯の金融資産のうち、
・1000兆円を国が使い、
・残り400兆円を企業が使っているというのが、日本の資金循環の特徴です。

ここにも、普通の目でみれば、異常な構造があります。企業の設備投資が生産性を上げ、経済成長(=個人所得の増加)をもたらします。設備投資に回るべき資金で国、の赤字を埋めても、経済成長はないからです。

■7.日銀の資金供給を見る

銀行の資金の調達と運用を見ました。銀行の基本機能は、4500万世帯の預金を借り、250万社の企業への有効な貸付で運用することです。しかしこれが、「企業の返済100兆円」と「国の借り入れ増100兆円」という異常な運用になっていたことを確認します。

▼世帯の貯蓄における重大な変化

2000年以降は、さすがの日本の世帯も、
(1)所得の伸びの低下・減少と、
(2)高齢世帯の増加という構造変化から、1400兆円の金融資産を上限に。増えなくなりました。

世帯主が50代半ば以降になると、貯蓄の増加は止まり、次第に金融産を取り崩すように変わります。
(余談ですが)団塊の世代は年金を受けとらず、健康であれば70歳まで働くことになりますね。年金で支えるには、約1000万人は「数が多すぎます」 今の年金の基本は、30年も前の設計です。

世帯の金融資産が増えないという、重大な変化が2000年代になって起こっています。これは、わが国の資金循環において、後戻りしない刮目(かつもく)すべき変化です。

日本経済のもっとも重要な過去の前提は、
(1)世帯の貯蓄性向が高く金融資産を増やす、
(2)それを企業が設備投資に使い、経済が成長するということでした。

ところが今後は、日本の世帯も米国の世帯のように「貯蓄を増やさない(増やせない)」ことを前提にしなければなりません。これが今後の金融と経済を見るとき、もっとも重要な要素です。

日本では、国の毎年の赤字である国債、地方債を買う「元本資金」を、世帯は出すことができなくなっています。金融や経済で重要なのは、残額ではなくその増減です。国の1年での資金不足は、総額で60兆円くらいです。

(世帯の預金を使う代理として)国債を買ってきた金融機関に代わり、企業が国債を買うか? これは、あり得ません。海外から買うには、金利が低すぎます。

確かに、2000年代初頭は、250万の会社が、合計で年間10兆円〜20兆円の資金余剰(=返済と預金増加)を出すことで、資金の出し手になっていました。しかしこれはもう続きません。

事実、06年2月には、250万社の企業の合計では、資金の使い手に変わっています。これが8年6ヶ月ぶりの、企業融資の増加の意味です。物価が上昇するようになると、企業は資金の需要者に変わって行きます。設備投資を、増やすからです。

世帯も企業も、政府赤字を補う余剰資金を出せない。

残るのはどこか? 
海外からの資金流入か、日銀です。
海外から日本の、低利の国債を買うことは極く稀です。(後略)


(私のコメント)
ゼロ金利政策は日本の金融政策の失敗から来るものですが、その原因を探ればBIS規制を受け入れた事にあります。なぜBIS規制がなされるようになったかと言うと、海外進出する日本の金融機関を規制するためですが、日本の金融機関を規制することで利益を得るのがアメリカの金融資本であった。

日本やヨーロッパの金融機関は有担保融資が大きく無担保融資は少ないのですが、アメリカでは無担保融資が大きかった。そのような金融構造では金融機関の自己資本比率も日本やヨーロッパでは低くてもいいが、アメリカでは無担保金融だから銀行の自己資本比率は高くないとやっていけなかった。だからBIS規制で8%と言う高い自己資本比率に規制することでアメリカの金融機関を有利にする事にしたのだ。

その結果、日本の金融機関は貸し出した融資を回収せざるを得なくなり、日本の金融体制は破綻状態に陥ってしまった。多くの日本の金融機関は破綻してアメリカ資本に買い取られましたが、これは日本政府がアメリカの要求に屈したためであり、その責任は日本政府ならびに大蔵省にあるのですが、日本国民はそのような陰謀があったと知らされていないからおとなしい。

第一、BIS規制が何なのか知っている日本国民は非常に少ない。学者やエコノミストですらこのような陰謀が見抜けず、BIS規制をグローバルスタンダードとして認めた。しかしドイツなどはBIS規制の実施を先送りにして破綻を回避したのだから日本政府も回避しようとすればできたはずだ。さらにアメリカは時価会計原則を押し付けて日本の銀行を追い詰めていきましたが、日本の政治家たちはアメリカの陰謀を見抜くことが出来ずに日本は追い詰められて行った。

そもそも無担保金融のアメリカと有担保金融の日欧で同じ基準を設ける事に無理があるのですが、アメリカは無理やりにでも日本を”構造改革”して日本を思いのままにしようとしている。アメリカの最終目標は日本の金融機関を手に入れて、1400兆円の日本人の金融資産を手に入れることだ。郵貯の350兆円も民営化することでアメリカの金融資本は手にすることが可能になった。

「株式日記」ではBIS規制や時価会計を批判してきましたが、アメリカと言う国は自分の国が不利になるとルール改正して強引に自国に有利にしてしまいますが、日本の政治家たちはアメリカの言いなりになって自国民を苦しめ続けて平気なのだ。このような陰謀を学者やエコノミストは見抜けず、見抜いた人もテレビなどではしゃべる事ができなかった。

ゼロ金利政策も5年の長きにわたっていますが、その正体を日本の国民は知る事ができないようだ。分かりやすくいえば264兆円もの金が家計に入るはずが、金融機関の経営改善のために使われてしまったと言う事で、見えない税金として利子所得から天引きされてしまったのだ。そのようになったのも日本がBIS規制や時価会計を受け入れたからです。

一世帯あたりにすると失われた利子所得は528万円にもなりますが、これからはサラリーマン増税として所得や消費税として奪い取られてゆく事になる。なぜならばゼロ金利政策はそろそろ限界に来ており、直接税金として負担してもらわないと財政も成り立たなくなるからだ。

バブルの崩壊する前ならばBIS規制や時価会計を撤廃すればよかったのですが、日本政府はそれが出来なかった。バブルが崩壊して金融危機が起きた時は、銀行の不良債権を簿価で買い取って、すばやく銀行を再建させればよかったのでしょうが、何も分かっていないマスコミがモラルハザードと騒いだために出来なくなり、やむなく政府はゼロ金利と言う見えない税金264兆円を家計から見えないように徴収する事に成功した。

日本国民をいつまでも騙し続ける事が出来なくなると、今度は大増税で政府は家計を苦しめる事になりそうだ。それでも日本国民はじっと我慢をしている。日本の金融機関は保険会社をはじめとして次々とアメリカ金融資本に買収され、メガバンクも外資の手が伸びている。日本政府が税金として徴収した金はアメリカの金融資本に吸い取られていく構造が見えて来ましたが、日本国民はじっと我慢をしながら、じりじりと貧しくなってゆくのだ。

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