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今後、原油の高騰は止まらない 【SENKI】
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投稿者 愚民党 日時 2006 年 5 月 18 日 05:57:57: ogcGl0q1DMbpk
 

http://www.bund.org/editorial/20060525-1.htm

今後、原油の高騰は止まらない

エネルギー危機がやってきた

 4月21日、ワシントンで主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開催され、原油価格の高騰、アメリカの経常赤字と中国や産油国などの貿易黒字による「世界的な不均衡」問題などが討議された。G7以降、為替相場は1ドル118円台から一気に円高ドル安が進行。オイルピークを迎えた世界経済は、いよいよ「成長の限界」に近づきつつある。

バブル崩壊寸前のアメリカ経済

 G7で問題となったアメリカの経常赤字は、ブッシュ政権下で拡大を続けてきた。イラク戦争など「テロとの戦い」に約4400億ドル(約52兆円)もの支出をしてきた上に、原油価格の高騰も重なり、赤字幅は、昨年ついに8000億ドルを超えた。

 これだけの経常赤字を抱えながら、アメリカ経済はITバブル崩壊後今日までインフレなき景気拡大を続けてきた。それを支えてきた最大の要因は、不動産バブルだ。アメリカでは2000年から2005年までの5年間で、製造業の雇用は17%減少したが、不動産業の雇用は58%増えている。

 不動産関連の雇用が増えただけではない。不動産価格の上昇を前提に、不動産を担保として多くの国民が借金をして消費に回したことで内需が拡大した。2000年からの5年間で住宅ローンの借り入れが80%増え、クレジットカードの借り入れも60%増えた。アメリカ経済は借金によって成立していると言っても過言ではない。

 なぜ莫大な経常赤字を抱えながら、借金経済が可能なのか? それは、海外からアメリカに流入してくる多額の資金があるからだ。中国は輸出産業の優位を保つためにペッグ制により元安の為替レートを維持しており、対米輸出拡大にともない中国の外貨準備は急激に増加している。その外貨準備の多くはドル建てでアメリカの国債などに投資されている。

 日本が持っているアメリカの国債は、政府・民間を合わせて430〜500兆円とも言われる。アメリカ国債の約40パーセント、毎年50兆円前後も日本がアメリカの国債を買い支えているのだ。それでアメリカの借金経済は成立している。原油高騰によるオイルマネーも、流動性の高いアメリカの国債や株式に投資されている。

 2000年のITバブル崩壊以降、こうした潤沢な海外からの資金流入を前提にFRB(連邦準備制度理事会)が金利を低い水準まで下げ、ローンが借りやすくなって不動産バブルが生み出された。金を使いすぎて景気が過熱すれば金利は高くなり、金融が縮小していくのが通常の経済サイクルだ。ところが、いくら借金して赤字となっても海外からの資金流入で金融が縮小せず、インフレなきバブル経済という二律背反した構造を維持してきたのがアメリカ経済なのだ。

 こんな矛盾した経済構造を持続できるわけがない。1バレル70ドルを超える石油価格の高騰は、物価全般に波及して徐々にインフレが拡大しつつある。インフレを抑制し、同時にアメリカの借金経済の命綱である海外からの資金流入を確保するために、FRBは段階的な利上げを行い、5月10日には5%まで上昇し、5年ぶりの高い水準となっている。

 金利を上げればバブルは収束に向かう以外ない。かと言って金利を下げればアメリカの国債などを買っている海外からの資金は撤退していく。

 GM(ゼネラル・モーターズ)の衰退に見られるように、基幹製造業が国際競争力を失っているなかで、経常収支の赤字を縮小するにはドル安にするのが一番手っ取り早い。しかし、ドル安が進行すればドル建てによる海外からの資金は、為替差損を恐れて国外に逃げていくだろう。

 アメリカの異常なバブルに支えられてきた世界経済そのものが、持続不可能になりつつある。

経済成長主義からの転換を

 財務省が発表している国際収支速報によると、2005年の日本企業などが海外に持つ資産からの収益を示す所得収支の黒字額は12兆5634億円、貿易黒字は9兆5888億円となった。

 日本、中国、NIES(韓国、台湾、香港とシンガポール)と東南アジアの4つの経済有力国(タイ、マレーシア、フィリピンとインドネシア)を合わせて、アメリカの経常赤字の半分に匹敵する4000億ドル以上の黒字を出している。

 原油高騰により、OPEC加盟諸国は2200億ドルの経常黒字をあげたと見積もられ、大産油国であるロシアも880億ドルの黒字だ。バブル経済に踊るアメリカに輸出や投資をして得られたこれらの黒字資金のほとんどが、再びアメリカ国内に還流することでさらにアメリカの景気が拡大し、世界経済は膨張を続けてきた。

 アメリカの投資の4分の3程度が海外からの資金流入によって賄われており、アメリカへの純資金流入が2005 年には97年比で4倍近くになっている。

 米経済戦略研究所のクライド・プレストウィッツ所長は、「レクサスはいいクルマだ。トヨタは米国人に売っていると思っているが、我々は日本のクルマを日本人のカネで買っている。米国にとってこんなうれしいことはないが、こんなことがいつまで可能なのか」と語ったという。

 日本企業が必死の思いで生産性を上げ、省エネやリストラをして競争力を高め、黒字を稼ぎ出しても、稼いだ資金はアメリカ人の過剰消費に回される。

 そればかりか、日本から還流してくる潤沢な資金を元手にアメリカの金融・証券会社が日本の株式市場を席巻してぼろ儲けしていく。日本の労働者がどれだけ必死に働いても、一向に生活が良くならず、格差が拡大する秘密の一つが、こうした歪んだ経済構造にあることは間違いない。

 何より、大量生産―大量消費―大量廃棄というアメリカン・ウェイ・オブ・ライフが世界経済の牽引役を務めていること自体が無理なのだ。

 持続可能な社会への転換へ向けた指標の一つ、エコロジカル・フットプリント(Ecological Footprint)によれば、世界中の人々が日本人のような暮らしをはじめたら、地球が約2・4個必要になり、アメリカ人のような暮らしをはじめたら、約5・3個必要になると指摘されている。

 アメリカは、一人当たりのエネルギー消費量が日本の2倍以上で、世界の原油輸入量の約4分の1を消費している。にも関わらず、温室効果ガス削減への取り組みを放棄し、京都議定書から離脱した。

 アメリカの過剰消費とバブル経済に依拠すればするほど、地球環境は悪化し、世界はカタストロフィーに近づいていく。

イラン攻撃は世界経済を破綻させる

 G7では、「世界的な不均衡」の要因として、元安を維持している中国の為替政策を批判した。だが、ドルに対して各国通貨を切り上げることで問題が解決するわけではない。

 5月5日インドのハイデラバードで、アジア諸国の財務大臣らを集めて「アジア開発銀行」(ADB)の年次総会が開かれ、前日には、東南アジア10カ国と日本、中国、韓国の蔵相による「ASEAN+3」の会議が開催された。注目すべきことは、ADB総会において、アジアにおける地域通貨「regional currency units」(地域通貨単位)構想が発表されたことだ。

 莫大な経常赤字を抱えたアメリカにおけるバブル崩壊は、いつドル暴落にまで突き進むか分からない。万一ドルが暴落してもそのダメージを軽減するために、いよいよアジアにおいてもユーロのような独自通貨創設へ向けての動きが開始したのだ。

 既に多くの産油国の中央銀行はドルからユーロへの切り替えを始めている。石油価格が高騰し、石油収入が増加すればするほど、ドルをユーロに切り替える傾向は強まっているから、「強い石油」は「弱いドル」を助長している。世界の石油取引におけるドルの影響力は確実に低下しつつある。

 こうしたアメリカの足元を見据えるかのように、イランは核開発を巡って強硬な姿勢を貫いている。アメリカが安保理での制裁決議を主張しても、中国やインドはアメリカの意向を無視してイランでの油田確保に動いている。そもそもアメリカ自身、イランからの石油をボイコットするとは言えないのだ。

 ドイツ銀行のアダム・ジーミンスキー氏は、イランの日量250万バレルの原油輸出が止まったら「その穴埋めは誰にもできない」と述べ、日量200万バレルほどの供給が断たれるだけで原油価格は1バレル100ドルに達すると分析している。グローバル・インサイトの主任エコノミスト、ナリマン・ベーラベシュ氏も、「イラン攻撃のような動きが何か一つあるだけで、120ドルまで上がりかねない」と警戒している。

 ペルシャ湾をはさんだイランの対岸には、世界最大の産油国サウジアラビアがあり、イラン南岸のホルムズ海峡はオイル・ルートの生命線だ。イギリスのジェーンズ・インテリジェンス・レビュー誌は、イランはアメリカやイスラエルから限定的な攻撃を受けた場合、世界各地でのテロ、ペルシャ湾の石油輸送妨害といった「懲罰的抑止」という戦略で対応すると報道している。

 いずれにせよ、万一イラン攻撃が開始されたら、世界経済がパニックになることは間違いない。しかし、ブッシュ政権はイラン攻撃を完全に放棄しているわけではない。ライス国務長官は「イランはイラクと違う」と繰り返し、「外交的解決」を強調しているが、水面下では着々とイラン攻撃の準備は進んでいる。最近訪米した日本の外務省幹部は、アメリカの専門家から「(11月の)中間選挙も睨んで、約20カ所の核施設に外科手術的攻撃≠加える可能性がある」と聞かされ仰天したという。

 ブッシュ政権は、石油をユーロ建てで大々的に売ろうとしたフセイン政権を潰し、イラクの石油を支配するために、国際世論を一切無視してイラク戦争を強行した。ドル安がドル暴落にまで進展しそうになれば、アメリカは圧倒的な軍事力を行使して「戦時に強いドル」復活を画策するかもしれない。

 世界経済を破綻させ、多くの罪のない人々を犠牲にするイラン攻撃を阻止し、平和で持続可能な世界をつくり出すことが求められている。


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The Party's Over

大量消費は終わった

 今年1月、ダボスで開催された世界経済フォーラムにおいて、石油メジャーや中東の国営石油会社のトップ、アメリカ政府の高官や大手保険会社社長などが参加したあるシミュレーションが行われた。

 世界3カ所で同時テロが発生し、4カ月以上にわたって日量数百万バレル、世界供給量の約5%の原油が不足した場合、世界経済はどうなるのかをシミュレートしたのだ。

 シミュレーションの結果、原油価格は一夜にして2倍以上に跳ね上がった。2001年末に1バレル=20ドル以下だった原油価格は、今や70ドルを突破して値上がりを続けている。こんな状況下、わずかな供給減が起きれば原油価格は瞬時に2倍以上に高騰することが判明したのだ。

 現在、世界の石油需給は日々逼迫しつつある。中国、インドの急激な経済成長などを要因として世界の1日の原油消費量は約8500万バレルとなり、世界全体の生産量とほぼ同水準に迫っている。多くの経済アナリストは、需給関係を早急に改善するためには、産油国が設備投資を行い、石油の生産能力を上げるべきだと考えている。

 バークレイズ・キャピタルのアナリスト、ポール・ホースネル氏は「資源枯渇説は関係ない。本当の問題は需給関係だ」と述べている。ゴールドマン・サックスのアナリスト、ジェフリー・カリー氏もまた、需要増に追いつくためには、石油業界は今後10年間に3兆5000億ドルの投資を行わなければならないと指摘している。

 しかし、原油高騰の本当の原因は石油減耗=オイルピークの到来なのだ。早くからこの問題を指摘している石井吉徳氏(東京大学名誉教授)は、本年1月の「省エネルギー」Vol. 58のなかで、「石油ピークの意味するところ」という緊急提言を行っている。

 石井氏はこの提言のなかで、「石油の価格がいま高騰している。その理由として、いろいろなことが考えられている。中国、インドなどで需要が急増し、需給が逼迫しているにもかかわらず、投資が不十分であること、ハリケーンの影響が甚大であったことなどである。その視点に立てば、高騰は一過性であり、いずれ価格は下がることになる。科学技術が進歩し、市場が機能し、投資が進めば新規油田が発見されるから大丈夫、経済成長もいつまでも続く…。本当にそうなのだろうか?」と問い、次のように答えている。

 「現実はそうではないようである。北海油田はすでに生産量のピークを迎え、OPECの主要メンバーのインドネシアですら石油の純輸入国となった。近年、大きな油田は発見されない。どうやら人類は地球の有限性に直面しているのでは、その象徴が石油ピークOil Peak≠ネのでは、と思われてくる」

 1日約960万バーレルの原油を産出するサウジアラビア。世界最大のガワール油田は、かってEPR(Energy Profit Ratio)が60という高い値だったが、既に圧力が低下して自噴せず、毎日700万バーレルの海水を注入している。

 経済アナリストが主張する、莫大な設備投資をすれば原油の生産量が増えるなどというのは過去の話だ。原油産出のために投入するエネルギー量よりも、産出した原油から得られるエネルギー量が多くなければ、いくら設備投資しても意味がない。

 石井氏は先の提言のなかで、ある本を紹介している。  「『The Party's Over(パーティーは終わった) Oil, War And The Fate Of Industrial Societies』 (Richard Heinberg著・2003年)という本が読まれている。その主張は明快である。石油が支えた20世紀の『浪費型パーティー』──大量生産・消費・廃棄型社会が終わる、世界各地で起こる紛争は資源獲得競争が原因と警告する。そして、これからは"Relocalization"の時代が到来するというのである」

 すでに人類は、オイルピークという「成長の限界」に直面している。


(2006年5月25日発行 『SENKI』 1213号1面から)

http://www.bund.org/editorial/20060525-1.htm

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