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=== RPE Journal===================================================
ロシア政治経済ジャーナル No.398
2006/6/15号
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★歴史的な日（プーチンさんの巨大爆弾）
全世界のＲＰＥ読者の皆さまこんにちは！
ＲＰＥ北野です。
負けてしまいました。。。（涙）
もちろんサッカーの話。
まあ、悲しみは全世界の日本人共通でしょうから、歯をくいしばって本文にいきましょう。
歴史的な日。。。
「そのとき歴史が動いた！」
歴史的な日には二つの種類があります。
1、みんなが知っている歴史的な日。（例、9.11）
2、みんなが知らない歴史的な日。
今回は、ＲＰＥ読者の皆さまだけにこっそり、「みんなが知らない歴史的な日」についてお話します。
内緒にしておいてくださいね。
▼プーチンが落とした巨大爆弾
さて、世界の人々は、「アメリカがイランを攻めたいのは核兵器開発問題が原因だ！」と洗脳されています。
う〜。
イラクの時に「アルカイダつながり、大量兵器つながり」とだまされた全世界の人々。あいも変わらずコロっとだまされちゃうのは、アメリカの情報力と洗脳力の強さ。
では本当の理由はなんなんでしょうか？
これは昔からのＲＰＥ読者さんなら、ご存知ですね。
もううざったいくらい引用していますから。
「＜イラン＞石油取引所を開設 ★ユーロ建てで米国に挑戦か
【テヘラン春日孝之】石油大国のイランが石油取引所の国内開設を目指している。取引の通貨が★ユーロになるとの情報が流れ、オイルダラーに依存する★米国の「ドル支配体制」への挑戦ではないかと観測を呼んでいる。」（毎日新聞4月17日）
そうです。
イランは、イラクのフセインと同じように、石油をユーロ建てにしようと計画している。
イランは、原油とガスの埋蔵量が世界2位。
これを実行された日にゃあ。。。（涙）
で、最近の歴史的日。
この日は将来、「その時歴史は動いた！」と松平さんが熱く語るにちがいない重要な日なんですが。
2006年6月8日なんです。
この日世界で何が起こったのか？↓
「ルーブル建て原油取引開始 ロシア、影響力強化狙う
【モスクワ９日共同】モスクワの取引所、ロシア取引システム（ＲＴＳ）で８日、初のルーブル建てロシア原油の先物取引が始まった。サウジアラビアに次ぐ世界第２位の産油国であるロシアは、自国通貨建ての自国産原油市場を創設することで、国際原油市場での影響力強化を図る狙いだ。」
ロシアがドルでもユーロでもなく、ルーブルで原油を売り始めた。
歴史的な日ですが、日本の新聞もロシアの新聞も小さな扱いです。
しかし、この意味を理解している人々がいます。
そう、アメリカ・ロシア・ＥＵ・中国・インドなど大国の指導者たち。
一般の人たちはまったく気がついていないでしょう。
今回のメルマガは、皆さんの視点を世界の指導者レベルまで一気にひきあげることを目標にしているのです。
▼悟り
「アメリカの目標は基軸通貨体制を防衛すること」
ＲＰＥでは、大昔から繰り返し繰り返し書いているのですが、どうも日本人には理解が難しいようです。
先日も読者のＭさんから、こんなメールをいただきました。↓
「今回このメールをお送りしたのは、北野様に質問をしたいと思ったからです。
「ボロボロになった覇権国家」も購入し、つい昨日読み終えたのですが、どうしてもわからないことがありまして、このメールを書きまし
た。
「基軸通貨」
アメリカがこれからも覇権国家の地位に居座るためには、ドルが「基軸通貨」であることが必要不可欠であると、北野様はおっしゃいます。
「基軸通貨」の言葉の意味はわかりましたが、「基軸通貨」であることのアメリカにとってのメリットというものが、まだ理解できないでいます。」
日本人がなかなか基軸通貨についてわからないのは、円が非常に安定した通貨だからでしょう。
通貨の弱い発展途上国でお仕事をされている人は、基軸通貨についてすぐ理解できると思います。
基軸通貨の理解は、国際情勢分野の「悟り」です。
これがわかると、女性の心理は永遠にわからなくとも、世界のことは手にとるようにわかるようになります。
じっくり考えながらお読みください。
▼アメリカはなぜ破産しない？？？
アメリカは「双子の赤字がたいへんだたいへんだ！」
皆さんもよく聞くでしょう。
アメリカの財政収支と経常収支（貿易収支・貿易外収支・移転収支）は、もう何十年も大赤字がつづいています。
もっと具体的にいいます。
わかりやすく経常赤字ではなく貿易赤字の話からします。
アメリカは1981年以降25年間も貿易赤字をつづけている。
そして、短期では増えたり減ったりしながらも、長期では増え続けているのです。
アメリカ商務省は06年2月10日、2005年の貿易赤字が、7257億ドル（約80兆円）（！）だったと発表しました。
前年比で17．5％（！）の増加。
月約6兆6666億円（←悪魔の数字？）の金が国から流出していく。
次、財政赤字。
アメリカは、1964年から40年以上も財政赤字をつづけています。
この間、ニクソンの一年間とクリントン時代の98年から4年間をのぞいて、常に赤字。
アメリカがイラクを攻めた03年は、3771億ドルで過去最大の赤字。
04年はこの記録をさらに更新し4125億ドルの赤字。
05年は、またまた記録を更新し、05年は4270億ドル（約47兆円）。
アメリカ政府の債務残高は約7兆8000億ドル。（860兆円）。
もちろん日本もひと事ではありませんが、日本の場合ほとんどが国内債務。
アメリカは35%くらいが対外債務。
なんでアメリカは破産しないの？？？
これがわかると、世界の動きがだいたいわかるようになります。
詳しいことは次号でお話しましょう。
（つづく）
発行者 北野 幸伯
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http://blog.mag2.com/m/log/0000012950/107378475
ルーブル建て原油取引開始／ロシア、影響力強化狙う
2006/06/09 08:12
【モスクワ９日共同】モスクワの取引所、ロシア取引システム（ＲＴＳ）で８日、初のルーブル建てロシア原油の先物取引が始まった。サウジアラビアに次ぐ世界第２位の産油国であるロシアは、自国通貨建ての自国産原油市場を創設することで、国際原油市場での影響力強化を図る狙いだ。
ルーブル建て市場の整備を通じ、現在は国際市場で流通していないロシア通貨を主要通貨と市場で交換できる完全な国際通貨にすることも目指している。
タス通信によると、初日の取引では、ロシア原油の主要銘柄ユラルスの７月と９月渡しの取引高が計５万３３４０バレルに達した。取引所当局者は「初日はロシア人投資家が圧倒的に多かったが、１、２カ月もすれば外国人投資家がもっと活発に参加してくるだろう」と述べた。
http://www.shikoku-np.co.jp/news/print.aspx?id=20060609000051
6/8RIAノボスチ通信英語版記事
RTS launches ruble-contracts in oil, oil products and gold
09:47 | 08/ 06/ 2006
MOSCOW, June 8 (RIA Novosti) - The Russian Trading System, the country's premier stock market, starts Thursday trading in ruble-settled contracts for gold, oil and oil products, the RTS said.
"Russia's first trading in contracts for gold, crude, and oil products will start beginning June 8," the RTS said.
President Vladimir Putin said in his May 10 state of the nation address that Russia, as a leading oil exporting nation, should establish its own oil exchange to trade crude and petroleum products for rubles.
One-month contracts will be traded within the existing futures and options segment of the RTS,
FORTS (Futures&Options). Contacts with monthly settlements this year and until June 2007 will start trading simultaneously. The minimal margin is set at 10% for oil and oil products, and 5% for gold.
The RTS said it would collect a 1-ruble commission for each concluded contract.
http://en.rian.ru/business/20060608/49196647.html
【関連情報】
イランはユーロ建て石油市場開設との報道を否定：3/20 ロシア国営RIA novosti通信
http://www.asyura2.com/0601/war79/msg/571.html
イラン石油省によると技術的問題によりキシュ島の石油取引所開設は延期、新しい開設日も未定 -asia times-
http://www.asyura2.com/0601/war79/msg/592.html
イランの石油取引所開設は凍結状態、開設は今年半ばまで延期か -HAT TRICK LETTER-
http://www.asyura2.com/0601/war79/msg/591.html
http://en.wikipedia.org/wiki/Iranian_Oil_Bourse
Iran oil bourse next week Apr 26, 2006
http://www.iranian.ws/iran_news/publish/article_15158.shtml
Iran Oil Bourse to Begin Trading Spot Crude Market - 05.12.06
http://www.iranwartimes.com/?page_id=33
Iran sticks to US dollar for oil Jun 5, 2006
http://www.iranian.ws/iran_news/publish/article_16016.shtml
RTS Starts Trading In Contracts for Oil and Oil Products(08.06.2006)
http://www.rts.ru/?id=11386
RTS started trading in contracts for gold (08.06.2006)
http://www.rts.ru/?id=11502
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【私のコメント】
6/8にロシアでルーブル建て石油先物市場が開設された。これはドルの世界覇権に対する致命的な一撃の始まりとなるであろう。ドル暴落・米国株暴落と米国発世界恐慌はもはや目前に迫っている。ドル暴落後に国際基軸通貨の機能の一端を担うと予測される金の市場も同時に開設されていることにも注意が必要だ。
ただ、この市場はルーブルというエネルギー輸出に依存しすぎた国の通貨建てである点で、ロシア以外の国にとってはやや使いづらいものである。仮に世界恐慌で世界のエネルギー需要が縮小すればロシアの貿易収支は悪化しルーブルは暴落しかねない。やはり、先進工業国の通貨であるユーロ建てor円建てであることが最も望ましいと思われる。ドルの世界覇権の最期はイランがユーロ建て石油市場を開設する時であろう。しかし、イランとしてはロシアが既にドル以外の通貨での石油市場を開設していることで、石油市場開設がやりやすくなった効果は大きいと思われる。3/20の開設予定日が延期となり、4/26には来週開設との情報もあったが、今のところ開設されたという情報はなく、6/5の時点ではイランの石油輸出の大部分はドル建ての様である。イランの動向が最も注目される。
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