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警戒強める日本勢 アルセロール・ミッタル合併 【朝日新聞】
http://www.asyura2.com/0601/hasan47/msg/202.html
投稿者 愚民党 日時 2006 年 6 月 27 日 08:15:06: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: アルセロール、ミタルの買収受け入れ発表  【産経新聞】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 6 月 27 日 08:05:39)

【経済面】2006年06月27日(火曜日)付
警戒強める日本勢 アルセロール・ミッタル合併

 粗鋼生産量世界1、2位の鉄鋼メーカーの合併で圧倒的規模をもつアルセロール・ミッタルが生まれれば、日本の鉄鋼メーカーはシェアで一気に引き離される。高い技術力を武器に、派手な買収劇と規模拡大の熱気からは一線を画してきた日本勢だが、今後は鋼材の国際販売面で圧迫されたり、買収劇の標的にされたりする恐れもある。国際再編時代にどう世界戦略を描くのか、考える段階にきた。(吉川啓一郎、田島幸治)


●高級鋼への参入焦点

 「100年かけて積み上げた技術。簡単にはまねできない」。日本の鉄鋼メーカー幹部は自信を見せる。日本の大手鉄鋼各社は全生産量に占める自動車向けなど高級鋼の割合が高いのが特徴だ。

 これに対し、アルセロール(ルクセンブルク)に買収を仕掛け、国際再編の「台風の目」だったミッタル・スチール(オランダ)は、経営難に陥った各国の企業などを買収して規模を拡大してきた。だが、建材用など低価格品が中心だった。

 1トン当たりの平均販売額(業界推計)は、急速に規模拡大を進めたミッタルが6万円程度にとどまるのに対し、新日本製鉄やJFEスチールなど日本の大手4社は7万〜8万円前後と、大きな差がある。

 だが、ミッタルと合併するアルセロールは、自動車用などの高級鋼を作る技術も持つ。「技術移転には時間はかかるだろうが、一定品質の鋼材を世界中で作れるようになる可能性もあり、注意が必要だ」(国内大手幹部)と警戒する。


●問われる長期世界戦略

 新日鉄がアルセロールと包括提携を結んで欧州の日系自動車メーカーに鋼板を供給するなど、日本の鉄鋼メーカーは買収ではなく、主に提携関係を通じて世界的な鋼材供給網を築いてきた。

 「海外メーカーを買収しても、高級鋼を作るには結局は設備の入れ替えコストや人を育てる時間が必要で、むしろリスクになる」(大手首脳)という点が、買収に慎重な一因だった。

 新型車用の鋼材開発で協力するなど日本の鉄鋼メーカーは日系自動車メーカーと密接な関係を築いてきた。全世界に広がる自動車工場に鋼材を届ける供給網は競争力の生命線だ。

 だが、世界各地に拠点を持つアルセロール・ミッタルが規模を背景に原料を安く調達して鋼材の販売攻勢を仕掛ければ、自動車メーカーが流れないという保証はない。

 圧倒的な規模をもつアルセロール・ミッタルが日本の鉄鋼メーカーを新たな買収の標的にする可能性もある。日本格付研究所の島田卓郎チーフアナリストは「技術力を持つ日本メーカーは、依然買収対象として検討される余地がある」とみる。

 外国株式を使った企業合併(三角合併)が来年解禁されることなどをにらんで、日本の鉄鋼メーカーは相次いで買収防衛策を導入したが、別のアナリストは「実質的な効果はあまりない」と疑問視する。

 日本勢は、鋼材供給網で海外メーカーとの連携に頼り続けるのか、それとも好業績で生じた投資余力を買収などに振り向けるのか。日興シティグループ証券の城野俊之ディレクターは「今回の国際再編で日本勢の長期的な世界戦略が問われている」と指摘する。


●風向き変えた株主の声

 【ブリュッセル=岸善樹】アルセロールが再編の相手にミッタルを選び直したのは、株主の批判から逃げ切れなくなったからだ。ロシア鉄鋼大手セベルスタリとは破談になり、関係が悪化するのは必至。アルセロールの現経営陣は厳しい立場に立たされそうだ。

 ミッタルの買収案に対抗するアルセロールの切り札は、5月26日に打ち出したセベルスタリとの合併計画だった。だが、合併会社の株式の32%をセベルスタリのモルダショフ会長が握ることを株主が問題視した。同会長の持ち株比率は、アルセロールがミッタル対策で打ち出した最大65億ユーロ(約9500億円)にのぼる自社株買いなどの株主優遇策の結果、38%に上昇する可能性があった。同会長は後で持ち株を25%に抑える意向を示したが、風向きはミッタルの方に変わった。

 ミッタルによる買収案では合併会社の議決権の半数近くをミッタル一族が持つとしていた。これに比べれば同会長の比率は低く、セベルスタリの方が気心が知れた安心感があった。しかし、株主には、圧倒的な大株主が現れる点では同じ。ミッタルは最終的に、アルセロール株1株に40・4ユーロという高値を提示し、株主の賛同を吸い寄せた。

 アルセロールはミッタルとセベルスタリをいわばてんびんにかけ、再編を有利に運んだ面はあるが、結果的にセベルスタリはアルセロールの条件闘争に利用された形だ。


     ◇            ◇

◆アルセロールとミッタルの攻防

1月27日 ミッタルが総額186億ユーロでアルセロール買収を提案

  29日 アルセロール取締役会が拒否表明

5月18日 ミッタルが株式公開買い付け(TOB)開始

  19日 ミッタル、買収金額を258億ユーロに引き上げ

  26日 アルセロールがセベルスタリとの合併を発表

6月19日 アルセロール、自社株買いを決める21日の株主総会を延期

  21日 セベルスタリが合併会社の持ち株比率引き下げを表明

  25日 アルセロール、ミッタル両社が合併で合意

http://www.asahi.com/paper/business.html

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