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「為替」 ハト派寄りFOMC声明受けて利上げ観測後退、ドル急落114.85円／ニューヨーク外国為替市場概況
「ハト派寄りFOMC声明受けて利上げ観測後退、ドル急落114.85円」ニューヨーク概
況 2006年6月30日（金曜日）−株式会社フィスコ 平松 京子／片山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*06:48JST 「ハト派寄りFOMC声明受けて利上げ観測後退、ドル急落114.85円」
【ロンドン市場概況】
29日のロンドン外為市場では、人民元が切り上げ後の元最高値圏で引けたこと
や、本邦の投信設定に絡む思惑でクロス円の買い持ちができていたことなどから、
クロス円のポジション調整の売りが目立った。また、キング英中銀総裁がインフレ
報告に関する公聴会で政策金利の変更を急がない方針を示したことを受けてポンド
売りが強まった。ユーロ・円は146円13銭から145円83銭まで下落、ポンド・円も211
円47銭レベルから210円98銭まで下落し、ドル・円は116円50銭から116円38銭で弱含
みに推移した。ポンド・ドルは1.8161ドルから1.8113ドルまで下落、ユーロ・ドル
も1.2552ドルから1.2522ドルまで下落、ドル・スイスは1.2462フランから1.2500フ
ランまで上昇した。
【経済指標】
スイス・6月消費者物価指数：前年比+1.6％（予想+1.5％、5月+1.4％）
独・6月失業者数：季節調整後-4.9万人 季節調整前-13.8万人439.7万人、失業率
10.9％
ユーロ圏・5月マネーサプライ：前年比+8.9％（予想+8.8％、4月+8.7％）
（3カ月移動平均：+8.7％、4月+8.4％、ECB参考値+4.5％）
【金融政策】
台湾中銀：政策金利を0.125％引き上げ2.5％に
【要人発言】
ヤム香港金融管理局長官
「香港ドルの対米ドル固定相場制、変更の計画ない」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：116円48銭、ユーロ・ドル：1.2534ドル、ユーロ・円：146円03銭、ポン
ド・ドル：1.8137ドル、ドル・スイス：1.2489フラン
【ニューヨーク市場概況】
29 日のニューヨーク外為市場では、米連邦公開市場委員会（FOMC）が17回目となる
0.25ポイントの利上げを決定したが、声明内容が「見通し次第では追加的な金融引
き締めを行う可能性がある」とハト派寄りとなり“利上げほぼ利上げ終了”との観
測からドルが急落した。ドル・円はFOMC後の債券利回りの低下やユーロ・円絡みの
売りを受けて116円55銭から114円85銭まで急落し、115円15銭前後で取引を終えた。
ユーロ・ドルはドル急落の流れを受け、ストップロスを巻き込み1.2522ドルから
1.2668ドルまで上昇し、1.2660ドル前後で引けた。ユーロ・円はCTA（商品投資顧
問）主導の売りに押され、146円09銭からストップロスヒットし145円33銭まで下落
した。ポンド・ドルは1.8092ドルから1.8298ドルまで上昇した。ドル・スイスは
1.2501フランから1.2357フランまで下落した。
【原油市場】
原油相場は6/5の高値73.40ドルを突破し、約1ヶ月半ぶり高値水準まで続伸した。イ
ランが核関連包括案への早期回答を拒否する姿勢を示したことや昨日発表された週
次の在庫統計において原油とガソリンが予想以上に減少したことが買い材料となっ
た。NYMEX原油先物価格は一時73.55ドルまで上昇し、ほぼ高値73.52ドル（前日比
1.8％高）で取引を終えた。
【株式市場概況】
NY株式相場は大幅上昇。利上げは既に織り込み済みとの見方から朝方から上昇して
始まった。注目のFOMC（連邦公開市場委員会）では予想通り0.25ポイントの利上げ
が実施され、声明文が利上げ打ち止めに含みを持たせる内容となったことで一段高
となり、引けにかけても上げ幅を拡大する展開となった。セクター別でも全面高と
なっており、特に素材や消費者サービスの上昇が目立った。バンクオブアメリカが
投資判断を引き上げた保険のアメリプライズ（AMP）が4.7％高。増配と自社株買い
枠の拡大を発表したサーキットシティ（CC）も上昇。フリースケール・セミコンダ
クター（FSL.B）が8.06％高となるなど、これまで下落のきつかった半導体セクター
が急反発となった。ダウ構成銘柄では、メリルリンチの投資判断引き上げを受けた
マクドナルド（MCD）やアルコア（AA）が4％を超す上昇となった。結局ダウは
217.24ドル高の11190.80、ナスダックは62.54ポイント高の2174.38で取引を終了し
た。主要株式指数は2003年4月以来となる大幅上昇を記録した。市場では月末・四半
期末となる明日も上昇を維持できるかどうかが注目されている。
【通貨オプション】
ドル・円はFOMCの結果が市場予想通り25べーシスポイントの利上げ実施であった
が、声明内容がハト派よりとなった事を受けて急落している。オプション市場では
ドル・円の1％を超える下落を受けて短期物変動率が上昇し、1ヶ月物は8.600％から
8.80％、3ヶ月物は8.625％から8.925％へそれぞれ上昇、6ヶ月物は8.625％で昨日比
変わらずとなっている。
リスクリバーサルでは短期物の円コール買いが強まった。25デルタ円コール・ドル
プット1ヶ月物は+0.600％から+0.750％へ拡大した。3ヶ月物は+1.100％、6ヶ月物は
1.375％で昨日と同水準の取引となった。
【経済指標】
米・週次新規失業保険申請件数：31.3万件（予想31.0万件、前回30.9万件←30.8万
件）
米・1-3月期GDP確定値:前期比+5.6％（予想+5.7％、改定値+5.3％、前期+1.7％）
米1-3月期のGDPデフレーター確定値：前期比+3.1％（予想+3.3％、改定値+3.3％、
前期+3.5％）
カナダ・4月GDP：前月比+0.1％（予想+0.2％、3月+0.1％）
【金融政策】
米FOMC：FF金利誘導目標を0.25％ポイント引き上げ5.25％に決定
【要人発言】
連邦公開市場委員会（FOMC）声明
「経済成長は今年初めの強いペースから緩やかな速度に減速しつつある」
「景気減速には住宅市場の鈍化や利上げ、エネルギー価格の上昇が反映している」
「ある程度のインフレリスクは継続している」
「インフレ、景気拡大の見通し次第で追加的な金融引き締めが必要となる可能性も
ある（The extent and timing of any additional firming that may be needed
to address these risks will depend on the evolution of the outlook for
both inflation and economic growth）」
「ここ数ヶ月でコアインフレが上昇してきたが、インフレ期待は引き続き抑制され
ている」
「原材料価格高は物価圧力を継続させる可能性がある」
「全員一致での決定」
米大統領
「日米は強い同盟と緊密な友好関係を築き上げた」
小泉首相
「これからも日米が同盟国として2国間のみならず世界のあらゆる問題に協力して
“世界の中の同盟国”として一層貢献していきたい」
独Ifo経済研究所
「ドイツ失業率は06年には10.6％、07年には10.3％に低下」
「ECBは政策金利を07年末までに3.5％まで引け上げると予想する」
「06年GDPを1.7％から1.8％へ上方修正、07年は1.7％」
「原油価格は1バレルあたり65ドル、ユーロ・ドルは1.25ドル」
「付加価値税（VAT）の引き上げは懸念されるほどのネガティブ要因とはならないか
もしれない」
コンスタンシオ・ポルトガル中銀総裁
「金融政策決定は状況次第で事前約束は無い」
「インフレ上昇や、経済状況に応じ金利の緩やかな調整が行われてきた」
「ECBの最優先課題はインフレを抑制する事」
「50べーシスポイント利上げ観測はトリシェ総裁の発言内容に沿った見方でない」
【東京市場終値-ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 116.42 116.55 114.85 115.18
ユーロ・ドル 1.2551 1.2668 1.2520 1.2665
ユーロ・円 146.11 146.13 145.33 145.87
ドル・スイス 1.2464 1.2503 1.2357 1.2364
ポンド・ドル 1.8161 1.8298 1.8092 1.8281
株式市場：
NYダウ 10974.36 11195.54 10974.36 11190.80
ナスダック 2122.29 2174.38 2121.50 2174.38
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 5.281 5.248
米国債10年物 5.243 5.196
先物市場：
NY金先物 584.0 594.9 584.0 588.9
NY原油先物 72.55 73.55 72.50 73.52
シカゴ日経平均先物 15195 15495 15185 15480
（フィスコ） - 6月30日6時50分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060630-00000002-fis-brf
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