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『メード・イン・ジャパン』復活 デジタル家電 国内に生産拠点続々 【東京新聞】
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投稿者 愚民党 日時 2006 年 7 月 23 日 08:32:27: ogcGl0q1DMbpk
 

『メード・イン・ジャパン』復活
デジタル家電 国内に生産拠点続々

 景気回復に伴い、デジタル家電を中心に、国内に大規模な工場が続々と誕生している。技術や人材の海外流出による製造業の空洞化が問題になってきたが、最先端技術を使った国内工場製の高級家電に人気が集まっているからだ。この動きは関西で目立つ。モノづくりニッポンの面目躍如、「メード・イン・ジャパン」のブランド力が復活しているようだ。 (宮崎美紀子)

 東京都内の会社員男性は先日、量販店へテレビを買いに行った。「そろそろ薄型のデジタルテレビを」というわけだが、店員は意外な口説き文句で、ある商品をプッシュした。

 「お客さん、これは松下(電器産業)の製造拠点の尼崎で作ったプラズマテレビですよ」。男性は「シャープの亀山なら知っているが、尼崎とは…」と首をかしげつつ、「製造拠点」と「日本で作っている」という言葉にひかれ、松下のテレビを購入した。

 「公害の街」のイメージが強かった尼崎に、世界最大のプラズマディスプレー工場ができたのは、昨年九月。九百五十億円を投資した松下電器尼崎工場は、埋め立て地帯の突端の関西電力火力発電所跡地にある。

 白い外壁に「Panasonic」の青い文字だけのシンプルな建物。隣には来年七月稼働の「第二工場」の建設が進んでいる。

 今年六月末にフル稼働に切り替わり、世界最大級の月二十八万五千枚(42型換算)のパネルが製造されている。第二工場の生産能力はさらに高く、月産五十万枚。大阪府茨木市の茨木工場(月三万枚)、茨木第二工場(同十二万枚)、中国・上海工場(同二万五千枚)と合わせると、年産千百五十二万枚となる。

 茨木工場の建設は二〇〇一年。わずか五年で次々と工場を建設してきた。パナソニックAVCネットワークス社のテレビ事業の広報責任者、池田まき子氏は「例えば半導体などは日本で生まれたにもかかわらず、消費量を控えめに見たために、今や韓国勢の天下になっている。近視眼的に見たら一気に負ける」と説明する。

 尼崎に立地を決めた理由も、すぐに建てられるからだった。陸海空のアクセスもさることながら、工場地帯なので水や電気などのインフラが整っていた。

 一方で、誘致に成功した尼崎市産業立地課の名村欣裕課長は「波及効果をよく聞かれるんですが、実はわからない」と率直に語る。高度な製造技術は、企業秘密の固まりなだけに、どの工場が松下と取引を始めたのか把握できないのだ。

 ■「松下効果」から問い合わせ増加

 だが「松下効果」はある。製造業は低迷していたが「あの松下さんが立地した街ということで、工場進出に関する問い合わせが増えた」と同課長。同課のまとめでは、工場用地の問い合わせは、〇四年度の七十五件から〇五年度は百四十七件に倍増。五年ほど前までは「出て行くので土地を売りたい、貸したい」という相談の方が多かった。

 日本国内に生産拠点を置くメリットとは何か。先の池田氏は、こう語る。

 「生産技術そのものを常に進化させながら、モノを作っていける。尼崎工場は開発工場でもある。生産技術者が核になっている。水も電気も海外の方が安ければ海外に工場を持っていくが、新しく生み出すものは、日本人の勤勉性、手先の器用さを考えると、コストに見合うメリットがある。というよりも、そういうメリットを生み出していかなきゃいけない」

 ■投資の4割 関西に集中

 国内の設備投資では、シャープが〇四年、一千億円を投入して三重県に亀山工場を建設。今年十月に稼働する亀山第二工場は三千五百億円。富士通日立プラズマディスプレイの宮崎工場(宮崎県)は八百五十億円で、今年十月に稼働。東芝とキヤノンは液晶、プラズマに次ぐ第三のディスプレー「SED」の工場を、千八百億円かけて兵庫県に建設中だ。

 日立製作所、松下、東芝の合弁会社「IPSアルファテクノロジ」(液晶パネル)が千百億円かけて千葉県に建設した工場は、さらに八百億円の追加投資が決まった。富士写真フイルムは一千億円かけて熊本県に、液晶ディスプレー用の偏光板保護フィルムの工場を建設している。

 全国に大規模工場が誕生しているが、〇五年七月発表の関西社会経済研究所の報告書によると、面白いことに、デジタル家電の設備投資の四割は関西に集中している。同研究所の研究員は「関西の工業地帯が持つ水、電気、人のポテンシャルが見直されている。熟練工や中小企業群も残っている」と説明する。

 同報告書では、特に液晶やプラズマなどのディスプレー産業は「ハイテク製品には、手作りや汎用品を改良した製造装置が必要で、職人技術や匠(たくみ)の技が活用されている」「多数の高機能部素材を摺(す)り合わせて成り立つ『摺り合わせ型製品』で、部門間、企業間の微妙な調整が必要で、日本人の特性にあっている」と指摘する。

 もともと関西はシャープ、松下、三洋電機など家電メーカーが多い。生活に密着した家電製品は、シビアな関西の消費者に鍛えられ、競争力を付けたという見方もあり、先の研究員は「関西の消費者にうければ、どこででも売れる。常に世界のトップの製品を開発できれば、関西の製造業は復活できる」と期待する。

 「日本製」のブランド力を示した代表格は、「世界の亀山モデル」を売り出したシャープだ。ビックカメラ有楽町店本館の担当者は「『亀山の商品ですよね』と、お客さまから言われるほど認知度は高い。日本で作っている、技術力が高いというイメージでとられている」。

 ■「関東の企業にまねできない」

 経営評論家の梶原一明氏は、“亀山商法”を「関サバ、関アジと同じようなもので、本来はブランドになりえないものを、ブランド化した。さすがだなと感心すると同時に、がめついなとも思った。関東の企業にはまねできないね」と苦笑しながら、こう話す。

 「製造業が国内に回帰している一番の理由は、やはり日本の労働力の質の高さ、生産技術の高さ。労働者の高い技術に支えられ、高級路線に切り替えたから成功した」

 政策研究大学院大学の橋本久義教授(中小企業・ベンチャービジネス論)は「モノづくりは、ディズニーランドじゃない。毎日、ワクワク、ドキドキ楽しいものじゃなく、単調だ。日本人はそういう中でも働く喜びを見いだす。手間のかかるもの、面倒くさいものは日本でしか作れない」と指摘する。

 人件費も土地も安いから、海外は生産コストが安いとも言い切れない。橋本教授によると、日本と全く同じ品質のものを中国で作ることはできるが、材料を持ち込む関税も含むと「いくら人件費の安い国でもコストは日本で作る場合より二割高くなる」という。消費者も「高くてもいいもの」と「壊れたら買い替える安いもの」を価値観に応じて選別し始めた。薄型テレビは、まさに「吟味して、高くても買う」商品の筆頭といえる。

 橋本教授は「日本のものづくりには、まだまだ出番がある」と断言する。

<デスクメモ>

 インド人の友人から、日本メーカーのカメラの購入を頼まれたことがある。インドで手渡したら、すかさずカメラをひっくり返して底ぶた表示を見た。そして、落胆の表情に。そこにあった表示は台湾製だった。「日本国内で製造された日本製品」が欲しかったのだ。「メード・イン・ジャパン」の威力を思い知った。 (鈴)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060723/mng_____tokuho__000.shtml

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