★阿修羅♪ > 国家破産47 > 535.html
 ★阿修羅♪
JMM [Japan Mail Media]  アメリカ、利上げ休止の意味と影響
http://www.asyura2.com/0601/hasan47/msg/535.html
投稿者 愚民党 日時 2006 年 8 月 21 日 19:49:17: ogcGl0q1DMbpk
 

                              2006年8月21日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JMM [Japan Mail Media]                 No.389 Monday Edition
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                        http://ryumurakami.jmm.co.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼INDEX▼

■ 『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』【メール編:第389回】

   □真壁昭夫  :信州大学経済学部教授
   □中島精也  :伊藤忠商事金融部門チーフエコノミスト
   □飯田泰之  :駒澤大学経済学部専任講師
   □津田栄   :経済評論家
   □菊地正俊  :メリルリンチ日本証券 ストラテジスト
   □岡本慎一  :生命保険会社勤務
   □山崎元   :経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員

 ■ 『編集長から(寄稿家のみなさんへ)』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■ 先週号の『編集長から(寄稿家のみなさんへ)』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 Q:723への回答ありがとうございました。テレビ東京の番組「カンブリア宮殿」
を3本収録して、今から成田に向かい、2週間ほど夏休みを取ります。ただ普段も、
遊んでいるのか休んでいるのか仕事をしているのか曖昧な状態が多いわけですが…。

 現在レバノン国内に滞在されている安武さんからのレポートが相次いでJMMに送
られてきています。レバノン居住者である安武さんのレポートは、「日本から見たイ
スラエル・ヒズボラ戦争=対岸の火事」とはまったく違う文脈で書かれていて、示唆
に富んでいます。海外の戦争を「対岸の火事」として捉える視点には多くの弊害があ
ります。想像力を閉ざしてしまうことなので、自国の問題を外国・世界に共有しても
らうためのアナウンスメントができなくなってしまうのです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■ 『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』【メール編:第388回目】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
====質問:村上龍============================================================

Q:724
 先週アメリカ連邦準備理事会(FRB)が、ほぼ2年にわたって続けてきた利上げ
を休止しました。この措置にはどのような意味合いがあり、また日本経済にどのよう
な影響を与えるのでしょうか。

============================================================================
※JMMで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・
組織の意見・方針ではありません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ■ 真壁昭夫  :信州大学経済学部教授

 8月8日、注目のFOMC(連邦公開市場委員会)は、金利の据え置きを決めまし
た。これによって、2004年6月から連続していた金利の引き上げは一旦、小休止
になりました。ただし、今回の据え置き措置によって、金利引き上げに打ち止め感が
出たわけではないようです。発表された声明を見ても、今回は取り敢えず、金利を引
き上げなかったものの、今後、インフレ懸念の台頭等で必要と判断する場合には、金
融引き締め策の実施を行なう姿勢が読み取れます。金融市場も、FOMCのそうした
スタンスに対応する動きを示しています。

 元々、米国のFOMCは、二つの要因を天秤にかける格好で政策運営を行ってきま
した。一つはインフレ懸念で、もう一つは米国経済の減速懸念です。米国経済は、2
003年以降、とても順調に展開してきました。それは、3%台半ばと言われる潜在
成長率に近い成長を、ほぼ安定的に達成してきたことでも分かります。それだけの成
長率を維持する一方、生産性の伸びによって、米国では物価水準が大きく上昇するこ
とはありませんでした。

 ところが、最近、原油価格の上昇に伴う、ガソリンや石油関連商品の価格上昇で、
インフレ懸念が盛り上りつつあります。そのインフレ懸念を抑えるために、FOMC
は、小刻みな金利の引き上げを行ってきました。

 最近、米国経済の減速懸念も顕在化しているように見えます。FOMCは、200
4年半ば以降0.25%ずつ、既に17回の金利引き上げを繰り返してきました。そ
の利上げの効果は、徐々に経済全体に浸透しつつあるようです。特に、過去数年間、
一種のバブルといわれるほど堅調な展開を続けてきた住宅価格は、足許で、伸び悩み
傾向が顕著になっています。

 住宅価格の上昇は、米国の家計部門に大きなプラス要因として働いていましたか
ら、今後、価格水準が大きく下落するようだと、それはマイナス要因に転換すること
になります。現在の米国経済も見ると、企業部門がしっかりしているため、経済全体
が大きく落ち込むことは考えにくいものの、GDPの約70%を占める消費に陰りが
見えるようだと、景気減速の可能性は高まると見られます。

 今回のFONCの決定は、二つの要因を勘案した結果、取り敢えず、利上げを一旦
休止して、これからの経済動向を注視する姿勢を示したと考えられます。問題は、今
後、インフレ懸念を抑えることを優先して金利引き上げを行うか、それとも、景気下
落を防ぐために、金融政策の引き締めを転化するかというポイントだと思います。

 いまのところは、今後の政策については、専門家の間でも見方が分かれているよう
です。ただ、足許の金融市場の動きを見る限り、金利水準がやや強含みとなり、株式
市場がやや不安定になっていますから、来月以降、FOMCが金利引き上げに踏み切
る可能性が高いとの見方が多数派と考えられます。

 米国は世界経済の牽引役ですから、その動向が、多くの国の経済に影響を与えるこ
とはいうまでもありません。その意味では、米国の金融政策も、世界経済にとって極
めて重要なファクターになります。今回の利上げ小休止は、既に、世界の実体経済や
金融市場の動向には織り込まれていますが、今後の金融政策の展開は、相応の影響力
を持つことになるでしょう。

 最近の米国経済の状況で、気になることがあります。それは、今年4−6月期の生
産性の伸びが鈍化していることです。今まで、米国は高い生産性の上昇があったた
め、成長を達成する一方、インフレ懸念が、それほど高まらなかったと考えられま
す。頼みの生産性上昇率が頭打ちになると、そうした条件が崩れます。しかも、単位
当たりの労働コスト(ユニット・レーバー・コスト)が上昇傾向を示しています。

 それに加えて、原油価格の高止まり、あるいは一段の上昇の可能性は依然、高水準
が続いています。こうした状況下、労働コストが上がり、重要な原材料である原油価
格が上昇するようだと、インフレ懸念が高進する一方、企業業績にもマイナスの効果
が働くことになります。最悪の場合、企業部門にも黄色信号が灯ると、米国経済は、
一種のスタグフレーション(インフレ下の不況)に陥ることも考えられます。それ
は、世界経済にとっても、重要な打撃になるはずです。

 こうした状況を考えると、今後、米国の金融政策の運営は一段と難しくなるでしょ
う。従来はグリーンスパンという優秀なコンダクターがいたこともあり、景気は異例
の堅調さを維持することができました。今後、バーナンキ議長は、景気やインフレの
懸念、さらには生産性の伸び悩みなど、難しい経済状況の中で舵取りを求められるこ
とになります。それが上手く行かなければ、米国だけではなく、世界経済にも大きな
悪影響が及ぶことは避けられないでしょう。

                       信州大学経済学部教授:真壁昭夫

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ■ 中島精也  :伊藤忠商事金融部門チーフエコノミスト

 FRBが利上げを始めたのは2004年6月ですが、それまではITバブル崩壊後
の米国経済が日本が経験したようなデフレ経済に陥るリスクがあったために、FF金
利を6.5%から1%まで大幅に下げるという超金融緩和を採用していました。その
後、設備や労働の余剰が解消してデフレ突入の恐れがなくなったため、今度はそれま
での大幅な金融緩和が景気過熱とインフレを招かないように利上げを0.25%刻み
で17回連続して実施し、現行の5.25%までFF金利を引き上げました。

 当初は引き締めをここまで続けるつもりではなかったようですが、景気に大きな影
響を与える肝心の長期金利が、海外資本の流入などで金融引き締めにもかかわらず、
上昇しないどころか、一時は低下したりしたので、住宅バブルや過剰消費に代表され
る景気の過熱がFRBの予想以上に続きました。グリーンスパン前議長が「コナンド
ラム(謎)」という言葉を使い、引き締め効果が上がらない事態を嘆いていたのは有
名な逸話です。しかし、さすがにここまで利上げを続けると、最終的には長期金利も
緩やかですが上昇に向かいました。

 さて、8月8日のFOMC(連邦公開市場委員会)でFRBが利上げ休止に踏み切
った背景ですが、会議終了後の声明文にも記載されてますように、住宅投資が冷え込
んだこと、これまでの利上げ効果、そしてエネルギー価格の上昇を受けて経済成長が
鈍化したからです。事実、今年1〜3月期の成長率は年率5.6%でしたが、4〜6
月期には2.5%へと減速しています。FRBはこれまでの利上げ効果がまだパイプ
ラインのなかに入っていて全部出てきていないとの認識をもってますので、景気のオ
ーバーキルを引き起こさないように、利上げを休止してしばらく様子を見たいのだろ
うと思います。

 そのような利上げ休止については既に4月の議会証言でバーナンキFRB議長が心
情吐露しており、その後、議長の発言を巡って市場が混乱したので、タイミングを見
計らってようやく実現したということでしょう。ただし、今回はあくまで利上げ休止
であり、利上げ打ち止めと決まったわけではありません。実際、インフレ環境はまだ
楽観を許しません。消費者物価は4%台の伸びですし、FRBが注視しているコアイ
ンフレ指標(エネルギーと食料を除いた消費者物価や個人消費デフレータ)もやや伸
びを加速させています。更に、賃金の伸びが上昇する一方で、生産性の伸びが鈍化傾
向にあることは、単位労働コストの伸びの上昇から賃金インフレを招きかねず、これ
は大きな懸念材料です。

 今年6月にワシントンでFRB幹部と意見交換をしたのですが、インフレについて
は、期待インフレが抑制されているので、足元でインフレ率が上昇しても、一時的で
いずれ沈静化すると楽観的な見方をとっていました。しかし、利上げ打ち止めについ
ては「う〜ん」とうなって、必ずしも賛成ではないという表情でした。インフレ期待
が抑制されてる以上、インフレ加速の可能性は小さいと予想していても、まだインフ
レ加速のリスクがいくらかでも残っている以上は、手綱を緩めるわけには行かないの
かもしれません。次回の9月のFOMCはともかく、10月以降のFOMCでの利上
げの可能性を否定出来ません。全てはこれからのデータ次第と言えるでしょう。

 さて、日本経済への影響ですが、このFRB利上げ休止の背景が米景気の減速であ
ることは明らかですが、更に進んで米国が景気後退に向かうというならその意味合い
は大きなものとなります。しかし、米国における景気減速とは景気が過熱状態から巡
航速度へ軟着陸するプロセスと考えられますので、それほど深刻に捉える必要はない
かと思います。確かに住宅ブームと過剰消費の終焉が見られますが、企業業績の好調
とそれを受けての設備投資の強さ、更にはグローバル景気の好調から輸出が高い伸び
を維持していますので、米国が景気後退に陥ることは考えにくいと思います。よっ
て、日本の景気回復を頓挫させるような深刻な影響が及ぶということはないと予想し
ています。

 次に為替への影響ですが、FRBが利上げを休止したにもかかわらず、為替市場で
はややドル高の動きとなっています。これはFRBが今後の利上げに含みを残したこ
と、他方で日銀が7月にゼロ金利を解除したにもかかわらず、再利上げは年末辺りま
で先延ばしされると予想されるため、5%という日米金利差の縮小が当面考えにく
く、結果的にドル選好が強まったためと推測されます。ドル高・円安は日本の輸出に
とりプラスですから、景気という面では支援材料です。利上げ打ち止めでなければ、
なかなか円高ドル安に動きにくいというのが実際かと思います。

 もちろん、為替は金利差だけで決まるものではなく、9月に開催されるG7で再び
グローバル・インバランスの問題が取り上げられますと、ドル安へ動くことになりま
すので、予断を許しませんが、FRBの利上げが完全に打ち止めになるまでは、日米
金利差がドルを下支えするというこれまでの構図に大きな変化はないと見られます。
よって、結論として今回のFRBの利上げ休止は日本経済に対して、それほど大きな
影響を及ぼさないと思われます。

               伊藤忠商事金融部門チーフエコノミスト:中島精也

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ■ 飯田泰之  :駒澤大学経済学部専任講師

 金融政策姿勢は実体経済への判断に基づいてきまります。しかし,アメリカの景況
についての判断は,まさに真っ二つといってよいほどに割れているます。いずれの判
断が正しいのかは今のところ分からないというのがほとんどのエコノミストの正直な
感想でしょう。その意味で,FRBは難しい舵取りを迫られている状況です。

 第一の景況判断は「現在アメリカの景気は悪化に向かっており,金融引き締めを継
続すべきではない」という見解です。これを以下,景気派と言いましょう.景気派の
代表人物が,クルーグマン(Krugman, P. A.)です.景気派の論拠のひとつが経済成
長率(実質GDP伸び率)の低下です。米国経済の潜在的な成長率(景気がよくも悪
くもない状態で達成されるであろう経済成長率)は3−3.3%と推計されていま
す。それに対し,今年の第二四半期の実質成長率は2.5%と非常に低い値となりま
した。これをもって,景気が後退局面に至ったと判断して,金融引締の早期解除,ま
たは金融緩和への政策転換が主張されます.

 雇用統計の悪化も景気派の論拠となります。アメリカではここ3年,非農業部門の
雇用者数は増加を続けてきました。しかし,その上昇ペースは徐々に低下していま
す。昨年前半には,非農業部門の雇用者増加数毎月約17万人程度であったのに対
し,非農業部門の雇用者増加数は,昨年平均が6月が約12万人増加,7月が約11
万人と漸減しています。

 景気派の主張に批判的な主張も少なくありません。「経済成長率や雇用統計の悪化
は一時的なものであり,依然インフレ懸念は沈静化していない」という考え方,以下
インフレ派,の代表人物がバーナンキFRB議長です。景気派のエコノミストが増加
した大きな理由が今年の第二四半期成長率ですが,これにはひとつ留保が必要です。
というのも,昨年第四四半期から第一四半期の実質経済は5.6%と力強く成長して
いました。これは明らかな「景気過熱」です.潜在成長率を遙かに上回る成長のあと
に一時的な原則があっても,それが景気の転換を示すとは言い切れません。一方,イ
ンフレ率に関しては,消費者物価指数・卸売物価指数ともに前年同月費4%台の上昇
が持続しており,インフレ懸念が後退したとは言えないでしょう。

 継続的利上げから据え置きへの政策姿勢転換は,景気派の主張に一歩近づいたと言
えます。その大きな根拠となったのが,食品・エネルギーをのぞいた卸売物価指数コ
ア指数が7月に低下に転じたこと,同消費者物価コア指数も上昇幅が小さくなってい
ることです。ここから,金融緩和への転換が必要か否かは判断が分かれるものの,引
き締めの継続もまた疑問視されるという結論が導かれます。その結果が,一種の模様
眺めといってよい,利上げ停止といえるのではないでしょうか。

 90年以降の米国経済は,堅実な金融政策にも助けられ「短い(1年未満)の後退と
10年近い拡張」という好サイクルが続いています。実際,今回の利上げ停止は住宅
産業を中心に好感を持って受け止められ,早速の住宅投資刺激が予想されています。
このように,(1)実体経済に対し金融政策が機動的に対応してくれる(という市場
の信頼),(2)金融政策の強弱が大きな効果を持つだけの実体経済の裏付けがあ
る,という2点があるため米国経済の突然の悪化や景気過熱はともに生じにくいので
はないかと思います。

 したがって,景気動向の変化とそれによる米国の輸入増減を通じた日本経済への影
響は軽微なものに過ぎないでしょう。一方,日本経済に少なからぬ影響を持つのは為
替レートの変化の問題です.米国での利上げ予想が強力な限り,円相場は弱含みの展
開となります。ゼロ金利継続と米国の高金利の組み合わせは為替レートを円安圏で推
移させる材料となっていました。しかし,その条件の一方である米国金利の伸びが止
まった今,日本での利上げには円高転換懸念があります。近年の日本経済は,景気拡
大期間こそ長いものの,いまだ力強い経済成長が継続すると言い切れるまでには至っ
ていません。その意味で,円高は日本経済を再度のデフレへと押し戻しかねないと考
えられます。その意味で,日本銀行にとっても政策転換について慎重に検討すべき機
会が訪れたと言えるかもしれません。

                     駒澤大学経済学部専任講師:飯田泰之

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ■ 津田栄   :経済評論家

 FRBは、04年6月から毎回0.25%ずつ計17回連続利上げをし、FFレー
トを5.25%まで上げてきました。というのも、これまでFRBが、金融政策の判
断要因としてのインフレと景気において、堅調な景気によるインフレ懸念に軸足を置
いてきたからです。

 しかし、今回のFRBの決定は、インフレ懸念と景気減速の見極めが難しいと判
断、ここで無理して利上げを継続することで景気減速から失速になる恐れもでてきた
ため、一度休止して様子を見たというのが本当のところでしょう。というのも、GD
P成長率が1ー3月期の前期比年率5.6%から4ー6月期の同2.5%と伸び率が
半分以下になり、減速感が出てきているからです。一方、原油価格の上昇や高い賃
金上昇率から物価の動きには依然目が離せません。

 この決定で、市場は一瞬ほっとしたものの、その後の動きを見ると、インフレ指標
で一喜一憂する動きとなっています。株式市場は、乱高下し、債券市場も、一時4%
台に低下した長期金利もまた5%前後に戻っています。為替市場も、一旦114円台
とドル安・円高に振れたものの、その後は116円台にまでドルは戻っています。つ
まり、これは、利上げの休止であって取り止めではないからです。市場は、FRBの
声明文でもあるように、インフレ圧力が残っていて、場合によっては9月、10月に
でも利上げする可能性があることを懸念しています。

 この利上げの休止という措置は、FRBにしてみると、今後の経済の先行きについ
て不透明であることを意味していると思われます。これまでの2年以上の利上げを続
けてきて、さすがに経済成長の鈍化が見えてきたが、一方原油価格やその他資源価
格、農産物価格などの上昇により国際的なインフレ懸念が徐々に高まってきているた
め、これまでの低インフレのなかでの成長が難しく、金融引き締め政策を続けること
がいいのかという迷いが生じているといえましょう。

 この背景には、市場経済のグローバル化があります。市場経済のグローバル化は、
規制の緩和を促進し、技術移転と資本移動を容易にし、Bric’s諸国をはじめ世
界の多くの国の経済成長を促しました。そして、それが、最近まで生産と労働の市場
の拡大とともに競争を促進することになり、先進国では低インフレのなかの経済成長
というメリットを享受できました。

 しかし、それが世界各国の成長による需要の拡大につながり、資源をはじめ素材の
需要を高めて需給がタイトになり、価格の上昇によるコストプッシュ・インフレの懸
念が広がって、これまでのメリットを受けられなくなってきています。そこに生産が
追いつかなくなるとき、さらに問題が深刻になる恐れがあります。

 世界経済はアメリカ経済の堅調な発展に支えられ拡大してきた面もあります。た
だ、ここまでインフレ懸念がジワジワ広がるなかで金融引き締めをしてようやく景気
減速の兆候が出てきたからには、世界経済にもその影響がでるのかどうか、そしてそ
れが原油価格など資材価格の下落を通じて少しでもインフレ懸念の沈静化につながっ
て、アメリカ経済にプラスになるのかどうかを見極めたいと、FRBとしては判断し
たのではないかと思います。

 もちろん、イスラエル・パレスチナ紛争、ようやく停戦がまとまったイスラエル・
ヒズボラ(レバノン)戦争、そしていまだ内戦状態にあるイラク問題、イラン核開発
問題など原油が集中する中東における不安が、原油市場に投機資金が流入して価格の
高騰を招いています。今後中東に関する問題の成り行きによっては、原油価格の動き
も変わってきます。その他、北朝鮮のミサイル発射問題、イギリス飛行機爆破テロ未
遂事件など、様々な地政学的、大規模犯罪的な問題が世界の経済、市場にどのような
影響を与えるのか読めないこともあります。

 そうしたもろもろの事情から、世界経済の動き、それを受けてのアメリカ経済の動
向に対する今後の見通しが今ひとつ読みきれず、その不透明さが薄れるまで、下手に
政策を動かすことはせず、今の状況の見極めをしようと、FRBは考えて、金融引き
締めの休止を決定したのだと思います。

 さて、このアメリカの金融政策の決定が日本経済にどのような影響があるかです
が、今のところ、大きく目立った影響はでていません。もちろん今後のアメリカ経
済、株式・金融・為替市場の動きのほか、商品先物市場の動きによっては、日本に影
響は出てきますが、経済的には、FRBの様子見と同様、アメリカの経済が減速から
失速するのか、インフレ懸念が増幅するのか、その結果金融政策は金融引き締めを取
り止め、緩和に政策転換するのか、あるいはさらに一層の引き締めに走るのかを見守
っているといえます。

 ただ、アメリカ経済の減速傾向は、日本の輸出が鈍化していることからも伺えま
す。今後、この傾向が続けば、外需による景気回復のエンジンが不足することになり
ます。これは見方により考え方が違ってきますが、日本経済は依然にもまして、外需
依存度を高めた経済になっていると思われますので、アメリカ経済の減速は、アメリ
カへの輸出で拡大してきている中国や東南アジアの経済にも悪影響がでることにな
り、日本はアメリカと中国・東南アジアの経済の変調から、輸出に陰りが大きく出て
くると思われます。

 あとは、内需です。つまり、景気回復を支えるべき内需の回復が本物かです。日本
経済が内需主導型になっているという人もいますが、日本経済の回復は、輸出企業を
中心とし、設備投資が高水準なのも、こうした輸出の先行きの伸びを見越して行って
いるもので、まだ日本全体に景気回復感は広がっているとはいえません。

 最近のマスメディアや政府・日銀の発表は景気回復を示す調査内容を発表していま
すが、主に大企業、東京・名古屋など都市部、地方にあっても大手企業中心の調査で
あって、全体を把握しているとは思えません。それが、いざなぎ景気を超える長期回
復といいながら景気回復感が乏しいことに表れています。

 こうしたことから、今回のFRBの利上げの中止からさらに打ち止め・緩和に政策
変更してアメリカ経済が減速にとどまれば、日本の輸出にも減速感がでるものの、減
退することはありません。ただ、原油価格等の上昇によるインフレ懸念の強まりで利
上げを再開して、アメリカ経済が失速することになれば、輸出も大きな影響を受け、
日本経済が後退することもありえましょう。

 もう一つの問題は、利上げ中止によるアメリカの金利動向の行方です。その影響
は、企業の投資や個人の住宅投資のほか、為替や株式市場にも影響を与えることにな
ります。これまで投資した住宅を担保にした融資や金利切り替えによる実質的所得の
増加で個人消費の一部を牽引してきましたが、FRBの金利引き上げで、金利負担の
上昇からこの経路もようやく限界にきて、住宅投資に陰りが見え、個人消費も減速す
ると見られます。

 こうしたことがアメリカの景気減速につながり、今回の利上げ中止になっています
が、それを見越して長期金利は5%を超えていくという状況にはなく、落ち着いてい
ます。今後、アメリカの金融政策が利上げ取り止めから緩和に向かうのであれば、長
期金利は低下し、アメリカ経済の柱である個人消費の減速は一時的に終わるかもしれ
ません。

 またアメリカの長期金利の低下は、日本の長期金利の上昇との関係で、日米金利差
をもとに円高・ドル安に変わることも予想されます。もちろん、インフレ懸念で金融
引き締めを再開すれば、アメリカの長期金利の上昇で日米金利差は縮小せず、円安・
ドル高の状況に変更はないと思われます。それでも、タイムラグで日本の経済にも影
響を与え、また為替市場はもとの水準に戻ることもありえます。

 もちろん、FRBの金融政策によっては、株式市場にも大きく影響します。今のと
ころ、景気減速かインフレ懸念の判断がつきかねるための金利引き上げの休止で、当
面株式市場は静けさの中にあります。ただ、FRBの政策が利上げの取り止めから金
融緩和に移れば、これまでのインフレ懸念による引き締め政策を恐れて軟調であった
株式市場は反発すると見られています。

 ただ、それも一時的で、景気鈍化から企業業績の悪化を気にして再び軟調になる可
能性があります。また、インフレ懸念が依然残っているとして引き締め再開となれば、
株式市場は再び下げ基調に戻ることもありえます。そのまま日本の株式市場はアメリ
カ株式市場の動きに連動して推移することになりましょう。

 結局、このFRBの決定で、日本経済への影響は今のところ少ないといえますが、
景気及びインフレというアメリカ経済の動向が明らかになってくれば、FRBの次の
手がはっきりしてくることになります。その時、アメリカの経済状況から、そして為
替、債券、株式の各市場の動きを通じて、日本の経済及び各市場も、アメリカの金融
政策の影響を受けることになりましょう。

                             経済評論家:津田栄

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ■ 菊地正俊  :メリルリンチ日本証券 ストラテジスト

 FRBは2006年6月までの2年間に0.25%の小刻みな利上げを17回、合
計で1%から5.25%への利上げを行いましたが、8月8日に利上げを休止しまし
た。休止と呼ぶのはまだ利上げを終了したかどうかわからないからで、個人的には9
月20日か10月24日のどちらかにもう1回の利上げがあり、それで今回の利上げ
局面における利上げが終わると考えています。

 歴史的にみて、米国の利上げ打ち止めは、日本経済や日本株にとって良いことでは
ありませんでした。米国の利上げが終わるということは、米国経済が鈍化して、日本
の対米輸出が減少したり、日本企業の米国における利益が減少することを意味するか
らです。米国の実質GDP成長率は前期比年率で1−3月の5.6%から4−6月は
2.5%に鈍化しました。一般に米国経済は底堅い、またはソフトランディングする
という見方が多いようですが、メリルリンチのエコノミストは米国経済がかなり減速
すると予想しています。2007年7−9月まで2%台の成長が続き、2007年の
実質GDP成長率は2.3%になると予想しています。利上げの累積的な効果が響い
て、住宅投資が6%減少して、消費の伸びが3%から2%へ鈍化すると予想していま
す。これに対して、2007年の実質GDP成長率のコンセンサス予想は2.8%で
す。米国経済は潜在成長率が3%程度あるといわれていますので、2%台の成長であ
れば、不況感が出ると思われます。

 年初に前年比で2割近く伸びていた日本の北米向け輸出伸び率も6月に8%まで鈍
化しました。米国経済の動向は、日本の自動車や電機産業に大きな影響を与えます。
日本は消費が良いといわれながらも、国内で自動車は全く売れずに(若者人口の減少
や若者が携帯など他の趣味にお金を使っているからといわれます)、自動車メーカー
は米国市場に大きく依存しています。電子部品・デバイス産業は6月の生産者在庫率
が前年同月比で7.8%高まりました。電機や電子部品産業の4−6月の決算は予想
以上に良く、ソニーなどを除くと、在庫問題は感じられず、マクロ統計が示す在庫率
の上昇はどこに行ったのか不思議に感じられました。中小企業に在庫が積み上がって
いる可能性があります。4−6月決算は円安の影響もあり、自動車も電機も良かった
のですが、今後の業績減速が懸念されます。中長期的に見ると、日米の企業収益は全
く同じように動いているので、米国の経済または企業収益が鈍化すると、日本の経済
または企業収益も鈍化します。

 1990年以降3回の米利上げ打ち止め局面で、TOPIXは平均10%ほど下落
しました。ただ、1990年代は日本経済が様々な構造調整を迫られた異常期だった
といえます。日本株は今回の米国の利上げ打ち止め局面で、米国株よりパフォーマン
スが悪いかもしれませんが、米国株同様に回復基調を辿ると予想されます。日本の4
−6月GDP発表を受けて発表された各社の経済予測では、輸出伸び率予想の下方修
正を設備投資伸び率予想の上方修正が相殺して、2006−7年度のGDP伸び率予
想は前回予想とほとんど変わりませんでした。コンセンサス予想は、日本の実質GD
P成長率は2006年度2.5%、2007年度2.1%です。日本経済は潜在成長
率が1.5%程度ですので、米国景気の鈍化下で、2%成長は上出来といえましょう。
1990年代と異なり、日本は内需が堅調で、外需依存でなくなったので、米国経済
の鈍化に対して抵抗力がついてきたといえます。ただ、日本の経済及び株式市場は、
米国が利上げを止める時よりは、利上げを始める時の方が、パフォーマンスが良いと
いえます。これは発展途上国も一緒で、日本株及びエマージング株は世界景気に対す
る敏感株といわれる所以です。

               メリルリンチ日本証券 ストラテジスト:菊地正俊

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ■ 岡本慎一  :生命保険会社勤務

 アメリカの金融政策の変遷を観察すると、概ね一定のルールに従って運営されてい
ることが分かります。そのルールからすると今年中に金融引き締めが終了するのでは
ないかという観測が年初頃からありました。そのルールの一つが「テーラー・ルー
ル」です。

 テーラー・ルールとは、インフレ率の目標からの乖離と、GDPギャップに対応し
て、金利水準を変化させるルールです。インフレ率が高まったり、景気が潜在的な成
長力を上回って推移する局面では金融引き締めを行い、逆の場合は金融緩和を行うこ
とを定式化しています。

 私が年初にテーラー・ルールに従って独自推計したFFレート水準は5%でしたの
で、概ね予測の範囲で政策運営が実行されたことになります。別の言い方をすれば、
私は、アメリカの金利は景気やインフレ率をほぼ適正にコントロールできる水準にセ
ットされたとみていることになり、アメリカ経済が今後大きくスローダウンして日本
経済に大きな悪影響を与える可能性も小さいと考えていることになります。

 今後の日米経済については比較的楽観視していますが、長く続いたアメリカの金融
引締政策を見ていて、私は2つの点に驚かされました。第一にアメリカの金融政策当
局に対する市場の信認の強さです。この2年間、利上げという行為自体が市場を大き
く動揺させることは殆どなかったと思います。FRBが一定の「ルール」の範囲でし
か「裁量」を行使しないという安心感と信頼感が市場参加者の期待をコントロール
し、無駄な驚きを与えずに済んでいると思います。

 アメリカはインフレターゲット等の明示的な金融政策目標値は公表していません
が、やるべきことをやってきた実績と政策の結果責任をしっかり取るというアメリカ
的実績主義がFRBへの信認を高めていることを痛感しました。FRBの様な信認の
高い中央銀行を持つ金融システムにおいては、今話題となっているインフレターゲッ
ト政策を導入してもしなくても結果はあまり変わらないのではないかと感じています。

 また、この2年間、アメリカで金融政策以外の経済政策を求める声があまり出なか
ったことにも驚かされました。日本ではインフレ局面でもデフレ局面でも、政策割り
当てに関する議論が起こり、どの政策も後手に回る傾向があります。しかし、アメリ
カでは、一般的な規制緩和などの潜在成長率の向上をターゲットとする政策と、金融
政策の果たす役割が峻別されています。

 金融政策は効果は緩やかだが、すぐに発動できる政策であり経済全体に薄く広く効
くという特長を持っていることがアメリカでは広く理解されているのです。そのた
め、循環的なインフレやデフレに対して規制緩和や産業政策の割り当てを求める声は
あがらず、インフレには金融政策が迅速に割り当てられていました。この2年間を振
り返って、市場経済のゲームのルールが浸透していることと、ゲームを監視する審判
(政策担当者)に対する信頼度が高いことがアメリカ経済の強さの一因だという思い
を強くしました。

                         生命保険会社勤務:岡本慎一

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ■ 山崎元  :経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員

 「FRBの利上げの休止」もその一つですが、何らかの意思決定の「意味合い」と
呼べるものには、(1)なぜ、そういう意思決定が行われたかという「背景」と、
(2)その意思決定が今後どのような影響をもたらすかという「効果」の二種類があ
るように思えます。今回のFRBの利上げ休止の決定の場合、アメリカの経済成長が
明確に鈍化しているというFRBの判断と、アメリカの景気及び資産価格のサポート
が、それぞれに該当するのではないでしょうか。

 目下の対前年比で4%前後の消費者物価上昇率は、バーナンキFRB議長をはじめ
とする米国の経済政策の関係者が明らかに不満とする高水準ですが、にもかかわら
ず、利上げが休止されたことは、経済成長(いわゆる「景気」)が明らかに鈍化して
おり、そのことが、物価と同等或いはそれ以上に重要であると認識された、というこ
とではないでしょうか。経済成長の鈍化は、総需要の総供給に対する増加スピードの
鈍化を意味するので、物価上昇圧力の低下を意味するので、ひいては、物価上昇への
懸念が軽減されることを意味しているとも言えます。

 経済の先行きに関する正確な予測は困難ですが、アメリカの長期金利が、10年国
債の金利で見て5%を超えず、短期金利と逆転しているという状況は、利上げ休止の
「背景」に関する上記のような景気に対する見方を、相当程度サポートする状況証拠
だと考えていいように思えます。

 日本にあっては、今回の利上げ休止の背景にあるFRBの状況判断は、今後の外需
の伸びの鈍化を意味し、日本自体の景気の先行きにとっても、マイナスをもたらすか
も知れない状況を意味しているといえるでしょう。

 しかし、上記の状況にあって、FRBの利上げがこれまでのように続いていた場合
と、今回のように休止された場合とを比較すると、後者の方が、米国の経済成長鈍化
は軽減されるわけですから、日本の各種の経済主体にとっては、今回のFRBの利上
げ休止の判断は、「ありがたい判断」と言うべきですが、そういった判断に至るよう
な米国経済の状況は「ありがたくない」と言わざるを得ません。そして、たとえば、
今後の日本の経済の推移を見たときに、両者のどちらの影響が強く出ているのかを
別々にクリアに把握することは、易しくありません。

 しかし、日本にある経済主体にとっては、今回のFRBの利上げ休止の判断は、概
ね歓迎すべき事ではないでしょうか。日本では、先般、ゼロ金利政策が解除され、年
内或いは、年明けくらいに次の金利誘導目標の引き上げが予想されています。一方、
アメリカやヨーロッパでは、原油価格の高騰などを背景とした物価の上昇は懸念され
つつも、金融引き締めはもう「終盤」の段階であると認識していいでしょう。

 陸上競技に喩えると、日本は、トラックの中で、一周遅れなのか、一周半遅れてい
るのか、という感じですが、各国の景気の連動性が強まっている中で、日本は、今
後、経済成長が鈍化する中で利上げに向かうという、タイミングの悪い金融政策を発
動する可能性が出てきています。

 特に、日本経済が、こうした間の悪い状況に陥った場合、先の(2)の「効果」の
意味でいうと、FRBの利上げ休止は、(A)アメリカ、ひいては世界の景気に対し
てプラスであることと、(B)アメリカ、ひいては世界の株式・不動産などの資産価
格にとってプラス、であることを通じて、日本の景気や資産価格にとってプラスで
しょう。一方、(C)米ドルの減価ないしは上昇にとってマイナスであり、つまり円
高を通じて、日本の総需要にとってはマイナス(日本人の購買力にとってはプラス)
の影響があると考えられます。(A)、(B)の影響と、(C)の影響と、どちらが
勝るかの比較の問題になりますが、(A)の影響が大きそうなことと、(C)にあっ
ては、日本人の購買力にとってプラスであることも含めると、総合的に見て、今回の
FRBの利上げ休止判断は、日本の経済主体にとって概ね「ありがたい」ことだ、と
いえるのではないでしょうか。

 論理的な可能性としては、現時点でのFRBによる金融引き締めが不十分で、将来
により大幅な金融引き締め措置のマイナスの影響を被らなければならなくなる、とい
う場合もあり得ますが、その確率は小さいように思います。

              経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員:山崎元
                 <http://blog.goo.ne.jp/yamazaki_hajime/>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■編集長から(寄稿家のみなさんへ)■■

 Q:724の回答ありがとうございました。マウイに来て10日間が過ぎました。
到着した当初、落雷で電話線が使えず、ネットにつながらない日々が1週間ほど続き
ました。近くのホテルのビジネスセンターまで出向けばメールを見ることができたの
ですが、すっかりレイジーになっていてPCに触れるのもおっくうで、テニスとプー
ルと読書とカリフォルニアワインを楽しんでいました。メールを見られないのは不便
ですが、ネットから一定期間離れるのは精神的に悪くないなと思いました。

============================================================================

Q:725
 財政破綻した夕張市が市長らの給与を減額したそうです。
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20060819/m20060819001.html
 自治体が財政破綻した場合、その責任は、誰が、どのような形で、負うべきなので
しょうか。

============================================================================

                                   村上龍

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JMM [Japan Mail Media]                 No.389 Monday Edition
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行】  有限会社 村上龍事務所
【編集】  村上龍
【発行部数】128,653部
【WEB】   <http://ryumurakami.jmm.co.jp/>
----------------------------------------------------------------------------

 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ HOME > 国家破産47掲示板


  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。