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ありきたりの生活をちょっとだけよくする  あなたは生きものを愛したことがありますか  【SENKI】
http://www.asyura2.com/0601/health12/msg/139.html
投稿者 愚民党 日時 2006 年 8 月 11 日 00:09:43: ogcGl0q1DMbpk
 

http://www.bund.org/culture/20060805-2.htm

ありきたりの生活をちょっとだけよくする

あなたは生きものを愛したことがありますか


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犬と暮らすのは人と暮らすのと同じ

三田洋子


 今年6歳になる我が家の愛犬「ハナ」(ラブラドールレトリーバー)の下痢が止まらなくなった。嘔吐も繰り返すし、食欲もない。これはおかしいと動物病院に連れて行った。昨年11月のことだ。

 血液検査をすると極端に血中の蛋白質とアルブミンの値が低いという。診断の結果は蛋白喪失性腸炎。腸に炎症が起き、蛋白質の吸収が出来なくなり、大量に漏出してしまう病気だ。ひどくなると胸や腹に水がたまってくるという。自然に治ることはないので、腸の炎症を治すためにステロイドを内服する事となった。

 1ヶ月が過ぎ2ヶ月が経過しても、血液検査の結果がよくならない。症状的には下痢も収まり、とても元気になっていたので、飼い主としては「もうそろそろ薬を飲まないでいいかな」と期待して病院に行くのだが、期待はいつも裏切られた。それどころかステロイドの量を今までの倍にすると言われた。

 ステロイド治療と聞くと、ひどい副作用を連想するし、見た目はとても元気なのだ。薬を増やすことなどないではないかと、夫が医者の治療方針に不信感を持ち、「よくなっているんだからステロイドを減らしていくほうがよい」と主張した。それが我が家の治療方針になった。

 しかし、この判断は結果としては間違いだった。2月の末、ハナはまたひどい下痢をするようになった。何も食べないのに、何度も胃液を吐いた。ハナに夜中に外へ連れていけと促され、出かけると空き地の草むらで水のような下痢を何度もした。帰ると体を丸めてうずくまり、かたかた震えている。このときばかりは死んでしまうかもしれないと本気で思った。

 今まで行っていた医者から同じ町内の医者に駆け込んだ。再度一連の検査を行い、診断はやはり前の獣医と同じ病名だった。ステロイドと併せて、免疫抑制剤が使われた。長期にわたるステロイド治療により、肝臓にも影響が及んでいるとかで強肝剤が注射された。 

 その後とりあえず激しい症状は落ち着き、ステロイドと抗生剤、下痢止めの内服治療が6月まで続いた。毛が抜けたり、皮膚から激しくフケがでたり、いろいろあった。

 7月になってようやく体重が増えだした。医者がもういいのではと言ったのは7月の半ばだった。

 言葉で症状を訴えないペットは、人間が日々観察し、異常を発見し対処してあげる以外にない。ステロイドを飲んでいるとやたらと水を飲むため、ものすごい大量のおしっこをする。夜中に起きて外に出してやらないと、居間でお漏らししてしまうこともあった。そんなとき自分を責めてるみたいなハナの眼がとても哀しかった。玄関に向かって階段を駆け下りる音に飛び起きる生活だったが、苦しそうに震えているハナのことを考えれば何でもないことだった。

 病気になる前のハナは、ゴミ箱あさりをしたり、洗濯物から靴下だけを取ってきて噛みちぎったりして手を焼かせた。病気中はそんな元気もないのか、すっかりおとなしくなっていた。足腰が弱って車にも自力で乗れないし、しょっちゅうつまずいてこけた。6歳なのにすっかり年を取ってしまったかのようで、こちらとしてはとても切なかった。

 でも7月も半ばになり光が見えてきた。体重が増えてきたからもう大丈夫だろうと思う。犬と人間は心が通いあうと言葉がつうじるようになる。ペットと暮らす生活は楽しい。  

(地方公務員)


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ヘビに睨まれる毎日をあなたにあげたい

磯生練磨


 昨年11月末に事件が起きた。何と、わがホンジュラスミルクヘビが忽然と消え失せたのである。本紙1189号にヘビ原稿が掲載された直後だった。

 事の発覚は、所用で1日留守にした後の帰宅時だった。多数の飼育水槽・容器のチェックを始めた私は、ミルクヘビの容器が無人(無蛇か)状態になっているのを発見したのである。

 「こ、これはーっ!」というわが魂の血叫びが部屋中に反響した。クワガタ飼育定番の蓋付きプラケースを飼育容器としていたが、蓋部分のスライド式開閉窓が2p程開いていた。まさか、窓をスライドさせて脱走するとは思いもしなかった。正直に云って、ヘビの知能と筋力をナメていた。

 しかし、どうやって窓を開けたのだろう? どの飼育書にもヘビは脱走の名人(名蛇では)なので要注意と記されていたが、よもや自分の身には起こるまいと高を括っていた。

 よくよく考えてみると、スライド式窓は使わず蓋そのものを取り外して作業していたのが原因の様だ。スライド式窓は、最後まで押し込むとカチッと嵌って容易には開かない仕組みだが、取り外しの際に繰り返し蓋に接線応力が加わる事により、窓の嵌り具合がゆるんでしまったのだろう。私は理科系として、何故蓋に掛かる応力で窓がゆるむのを予想出来なかったのかと、悔やむ事しきりであった。

 自分の余命が後幾ばくもないと告げられた時、或いは最愛の人が急死したと知らされた時、その事実を受け容れられないという場面がドラマなどで描かれたりする。ミルクヘビ失踪に直面した私もまさに同様の状態だった。思考では「逃げちゃった」と認知しているのだが、感覚が受け付けないのだ。直後にとった私の行動は、「さあて、オーディオでも聴くか」だったが、すぐにハッとして「こんな事をやっている場合じゃない」とヘビ捜しを始めた。わが部屋には地層よろしく物が積み重なっていた。奇蹟でも起きない限り見つかる事はあるまい。諦観せざるを得ず、程なく捜索を断念した。


そして数日間、ミルクヘビと暮らした9ヶ月間の想い出が走馬燈の様に脳内を駆け巡っていた。ケース掃除の際に噛まれた事を、パッと覗き込む度ヘビがビクッと硬直していた事を、シェルターに隠れて殆ど姿を見せなかった事を、飼い主の私は全く眼中になく動き回っていた事を。いざ記述してみるとろくな場面じゃない。しかしながら、このヘビは私に生活力を与えてくれたのだ。購入当初35p程度だったヘビも、約50pにまで成長していた。最近では、エサの準備を始めると頭を近づけてくるまでに慣れてきたし、宝石の様に美しいヘビだったのだ。

 かくして私はペット・ロスに陥った。感覚が失踪という事実を受容せず、蓋の窓を開けたままケースを放置した。ヘビが戻るかも知れないと期待したのである。計算上の確率はゼロではなくても、実際に起こる事はまずあるまい。まあ戻ってくるのは有り得ないと理性は判断するのだが、どうもヘビが逃げたという実感が湧かない。事実への直視を避けてストレスを回避する心理的防衛規制だと思われた。

 実は、後日談がある。昨年末にヘビを再び購入したのである。前のヘビを買ったペットショップで店長に失踪の顛末を話した所、私の意気消沈ぶりが相当哀れを誘ったらしい。この若い店長とは以前から意気投合していた事もあり、後続のヘビを破格の条件で奨めてくれた。定価1万7000円を5000円も値引きしてくれたのだ。それは、プエーブラミルクヘビ(プエブランミルクスネーク)というヘビだった。実は元々、ヘビを飼うならプエーブラミルクヘビだと思っていたのだ。ホンジュラスミルクヘビを飼う事になったのは、たまたまそれのタンジェリン・タイプに遭遇して、一目惚れしたという偶発的事態だった。

 プエーブラミルクヘビは、メキシコのプエーブラ州及びモレーロス州に生息する成体でも80p程度の小型ヘビである。赤・黒・黄のバンドが並ぶ「アプリコット」と呼ばれるタイプの入荷が多いが、私が購入したのは赤・黒・白の「ノーマル」という色調型だ。以前のホンジュラスミルクの様な宝石的美しさではないが、こちらはこちらで独特な美しさだ。ちなみに、入手した個体はまだ25p程度の幼体で、くりくりとした円らな瞳がホンジュラスミルクと共通している。

 ところでである。この話にはさらに後日談がある。春先になってミルクヘビが何処からかでてきたのである。万歳! もう一度万歳! 

 私はいきなり2匹のヘビに囲まれて生活できる幸福者になってしまったのだ。ヘビはきちんと飼えば15〜20年もの長きに亘る生活の同伴者になり得る。2匹と私は一心同体。出来れば私よりも長生きさせたいと思う毎日だ。     

(高校実験助手)


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たまという猫を人に預けたが、毎日が寂しい

龍野元気

 「たま、すぐに連れて帰るからね」。私が約2年間飼っていた、猫のたまとしばらく別れることになった。たまは元々捨てられてた猫であり、非常に人なつっこい猫であった。

 いつもたまは私が帰ってくると、玄関の前まで走ってきて、ニャーニャー鳴いて私を出迎えてくれた。扉を開けるとあくびをしながら玄関先でゴロンと横に転がって、部屋の中に入ろうと歩いている私の足元に摺りよってきた。たまはほとんど人見知りはせず、たまに嫌われる人はまれであった。

 たまと別れて、他の人に面倒を見てもらうことになったのは、私の仕事量が急増して、たまの面倒を見るのが時間的に難しくなったからだった。

 仕事の納期に追われるときは帰るのが午前様になることもあり、たま1匹で、1日のうち大半を留守番していることになってしまった。

 不況で仕事がないと騒がれている今でも、私の残業時間は月あたり70時間以上もある。それであまりにも私の帰りが遅いがゆえに、たまがひとりぼっちでいる時間が長くなるばかりなのが心苦しくなり、もっと帰りが早い人に面倒を見てもらうことにしたのだ。

 離れ離れになった今、部屋に帰っても、いつものように玄関先でゴロンと転がるたまの姿がない。とても寂しい。ペットロスとはこのことかと思う。捨て猫だったたまに私が捨てられたような気がするのだ。

 私はたまの面倒を見る時間を作れるように、職場での仕事の改善や転職も考えている。しかし実際にはどちらの道のりも遠いだろう。

 でもたまよ。必ず迎えにいくからね。それまで、いい子にしてるのだよ。たまが帰ってこれるように生活を変えねばならないと毎日努力している。     

(建築設備業)


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(2006年8月5日発行 『SENKI』 1220号6面から)


http://www.bund.org/culture/20060805-2.htm

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