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お金を取れない宿泊客が一杯いるホテル
http://www.asyura2.com/0601/health12/msg/557.html
投稿者 どっちだ 日時 2007 年 3 月 19 日 00:12:58: Neh0eMBXBwlZk
 

「 食い放題 」のビジネスが成り立つ仕組みは誰でも想像できますよね。
日本の急性期医療はヤス定食積算方式から低額食い放題方式に移行してしまいました。

食い放題メニュー付き泊まり放題ホテル、なんてえビジネスモデルですからねえ、中身がちっとくらい薄っぺらになったのは我慢ガマン。なんしろOECD最下位の医療費でOECD最高の医療を提供しても、まだ高コスト構造(by アベタン)なんて酷怪で答弁されるくらいなんだから。

お客さんが事情によっちゃ訴える、ってんだったら、そこんとこは別料金にして欲しいなあ。

混合診療導入か破産かの選択、迫られてます。

---勤務医 開業つれづれ日記-----------------------------------------
http://ameblo.jp/med/entry-10028198765.html


2007-03-18 00:00:24

DPCで医療費:定額病院の治癒患者減少、4.84%

ネタ元は

ステトスコープ・チェロ・電鍵

DPC

http://nuttycellist.blog77.fc2.com/#entry329


です。

いつもありがとうございます。


大学病院をはじめとして

多くの病院で

導入されているDPC。


さっそくマイナス面が載せられています。


------------------------------


医療費:定額病院の治癒患者減少、4.84%に−−厚労省調べ
毎日新聞 2007年3月15日 東京朝刊

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070315ddm003100040000c.html


 厚生労働省は14日、1日の医療費を定額とするDPC(入院費包括払い)を試行・準備している731カ所の病院について、06年7〜12月に退院した約85万人の追跡調査結果(中間報告)をまとめた。03年度から試行している82病院は、

06年の平均入院日数が02年の20・37日から16・83日に減るなど入院日数は短縮したが、

「治癒」した患者の割合は12・51%から4・84%に落ち込み、

長短両面の影響が表れた。

 通常、医療費は治療をするほど膨らむ出来高制だが、DPCは1日の医療費を手術料などを除いて定額とし、医師にムダな医療をさせない仕組み。入院日数減による医療費抑制を目的に03年度から始め、毎年試行病院を増やしている。

 平均入院日数をみると、04年度から導入した62病院でも、03年の15・97日から14・36日に減っており、厚労省は「入院医療の効率化が進んでいる」と分析している。

 しかし、同じ病気で6週間以内に再入院した人の割合は、03年度に始めた病院の場合、02年の2・54%から4・63%へ約倍増。


日本医師会は「入院させていても収益があがらず、十分な治療をせずに退院させている可能性がある」と指摘している。【吉田啓志】


------------------------------

比較は2002年と2006年。


入院期間
20・37日→16・83日

治癒患者の割合

12.51%→4.84%


同じ病気で6週以内に再入院

2.54%→4.63%


------------------------------

さてDPCとは何ぞや?

日医の勤務医のページ

DPCの概要

http://www.med.or.jp/nichinews/n161120o.html


週刊医学界新聞トップ
「DPCに基づく包括支払い制度」
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2003dir/n2554dir/n2554_05.htm

をごらんください。

簡単に言うと、

通常の診療報酬は

出来高払い制

で、

DPCは

定額支払い制度

です。

入院患者さんにこの制度が

導入されています。


------------------------------

私の理解している範囲での話になりますので、

異なる点がありましたらお教え下さい。


実際にDPCが導入され、


入院中の患者さんが他の科にかかれない


直っていても直っていなくても退院させる


長期入院になりそうな患者さんは入院させない


などの問題も出ています。

DPCは「包括医療」ですから、

定食のように、

○○病はXX円

と決められています。


そうなると、入院患者さんには

少しでも薬を使わず、

(仕入れなど原価を安く)

そして短期で退院させる

(客の回転率を上げる)

という事が病院の方針になります。

さらに、○○病のときに

他の科、たとえば骨折で入院していて、

眼科や耳鼻科にもかかりたい、

として実際に受診してしまうと、

眼科や耳鼻科の収入は

ゼロなのです。

ですからDPC適応の入院場合、

他科受診は基本的に出来ない、

という事になります。

「入院しているのになぜ他の科に受診できない」

これが現実です。

そして、

外来では入院予定の患者さんに

徹底的に

「この病院では、一定の期間を超えると絶対に退院しなくてはなりません」

と説明します。


もしも説明しないなら、万が一長期入院になったとき、古いイメージをもっている患者さんとの間で、

「厄介扱いして、直っていないのに退院させる」

などとトラブル必発です。

原因は、入院しても医療費が取れないからです。

お金を取れない宿泊客が一杯いるホテルのようなものです。


入院期間
20・37日→16・83日

が「病院の経営努力」の結果です。

患者さんを追い出す涙ぐましい努力ですね。


急性期病院(特定機能病院)になるには

平均在院日数が少なくなくてはいけません。

DPCでは、長期入院するほど支給される金額が減ります。

長期入院をするのが分かりきっている患者さんは、

少なくともうちの病院には入院してほしくない患者さんになってしまいます。

治癒患者の割合

12.51%→4.84%

の結果にあるように、

治っていようと、治っていまいと

退院させないと病院がつぶれてしまいます。


同じ病気で6週以内に再入院

2.54%→4.63%

これも当然です。

治癒率が下がると

再入院をしますし、

さらに

短期入院を繰り返した方が

病院としてもメリットが多いのです。


医学的に正しいことかどうかは分かりません。

厚生労働省が

病院を続々倒産させるほどの

医療費抑制の方針を変えない限り

不利益は現場の医療関係者と患者さんがこうむるでしょう(2,3)。


------------------------------

急性期病院はほとんどDPCを

導入するようになっています。

というか、

厚労省は今後、

DPCを導入している病院だけを

将来的に「急性期病院」として

残す方向のようです。

現在、

療養型病院や

DPCを導入していない病院は

これから「負け組」になる予定です(1)。

(私はこの言葉が嫌いなんですが)


いまDPCを導入している病院の

総ベット数はすでに

厚労省の削減後のベット数に

相当しています。

ですからDPC導入病院を

「急性期病院」

として残し、

「療養型病院」の半分は

ぐっと医療費を安くしてつぶれるようにして(1)、

「介護施設」に転換する。


それ以外の病院は

(多くの公立病院など)

当然つぶれるぐらいの

入院医療費にしてしまうようです。


まとめると、長期入院では


療養型病院の連続倒産

老人クライシス


急な病気では、

急性期病院でのDPC包括医療による

超短期、不十分な医療

がこれからの日本医療の現実になるでしょう。


------------------------------

(1)

「満床でも自己破産」 療養型も終了 松井病院が自己破産 診療報酬改定で収入減 洞爺湖町

http://ameblo.jp/med/entry-10024790504.html


「病院がなくなる日」民間医療機関の損益分岐点 危険水域 

http://ameblo.jp/med/entry-10021137792.html


(2)

すでに崩壊ですらない いまだ生きる「医療費亡国論」

http://ameblo.jp/med/entry-10019868542.html

(3)

何が医療現場を疲弊させるのか 濃沼 信夫 東北大学大学院教授・医療管理学

http://ameblo.jp/med/entry-10019312788.html

医療費さらに抑制へ 経済財政諮問会議

http://ameblo.jp/med/entry-10019963693.html

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