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Re:加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実「加古川、心筋梗塞事件」
http://www.asyura2.com/0601/health12/msg/700.html
投稿者 町医者 日時 2007 年 4 月 25 日 16:44:20: Jlt0pjLrwYKl6
 

(回答先: Re: (政治版リンク)またまたどうかと思う判決が、告発された同じ町医者として一筆 投稿者 町医者 日時 2007 年 4 月 23 日 11:00:46)

加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実「加古川、心筋梗塞事件」
「加古川、心筋梗塞事件2」の続きです。
まだ読んでいない人は、こちらを先に読んでね!

最初の記事のコメント欄に、
ある内部関係者の方から事件当日の話が届いて。
あまりに酷い話だったので、それが、
ネット上でいろいろ紹介されたようです。

非常に真実味のある話だと思ったので、
その方とコンタクトを取って、
更に詳しい話を聞くことができましたので。
今回は、その話を紹介させて頂きます。


まずは、前の記事までの復習。

ある日曜日に、患者が歩いて来たんです。
で、いろいろ検査して、心筋梗塞だろう、と判断した。
その病院では、最新のカテーテル治療
(経皮的冠動脈再建術:PCI)ができないので。
それができる専門の病院に搬送しようと思ったのですが。
それまでに、70分の時間がかかって、
残念ながら、患者は亡くなってしまったんです。

それで、患者側が医療裁判を起こした。
で、神戸地裁では、70分搬送が遅れて、
それで亡くなったのだから、医療ミスだ。
って事で、医師側が敗訴した、という事件です。


70分搬送が遅れた、って裁判官は言っていますが。
その70分の間に、医師がどんな事をしていたか。
そのどこに過失があったのか。
これを読んで、皆さんで考えてみて欲しいです。

まず、電話で「胸が苦しく気分が悪い」というような
内容の訴えと受診依頼があり、すぐに受けた。
何回か加古川市民病院の受診歴はあるものの、
定期通院をしている方ではなかった。
確か64歳の男性。

奥さんと一緒に歩いて来院され、
診察室に入ったのは昼の12時過ぎ。
二次救急の日ではなかった。
小児の患者さんは数人おられ、
小児科医師が対応していた。

たまたまアルバイトで来ていた内科医師
(前回の記事で、循環器ではない医師って書きましたが、
循環器内科医だと思われます。すいません)は、
すぐに患者さんをベッドに寝かせ
アナムネ(患者の症状とかの話)を聴取しつつ
心電図をとり、モニターを付け、採血をした。
ただちに心筋梗塞を疑っての処置です。

採血にはトロポニンTも含まれており、
その陽性と心電図でAMI(急性心筋梗塞)と診断した。
トロポニンTが出てすぐ。
時間は「12時40分位かなぁ・・」
と、言っていましたがはっきりしていません。

診断後すぐにミリスロールとリドカイン開始(点滴治療)。
すぐ家族にカテ(カテーテル治療、経皮的冠動脈再建術:PCI)
のできる施設に転送の必要ありと
ムンテラ(患者、患者の家族への説明)をし、
すぐ転送先を探す電話をし始めた。
本当に診断後、即、だそうです。

まず神鋼加古川に電話。
しかし、神鋼の当直医師も循環器医師に
連絡して確認しないといけません。
一旦電話を切ってその返事待ちです。
結果は受け入れ出来ない、との事。

その後同じ事を繰り返しました。
一件につき10分〜15分はかかります。

高砂市民病院、姫路循環器病センター、
三木市民病院、神戸大学病院にあたりましたが全てダメ。

結局、高砂市民病院(神鋼加古川?記憶があいまい)
に転院する事になったそうです。

搬送先が決まり、救急車を要請。
救急隊がストレッチャーに乗せようとした瞬間。
おそらく報道の14時30分「容態悪化」
の事だと思いますが全身性の痙攀がおきた。
その後、心マ(心臓マッサージ)、
挿管(気管内挿管)を行っていますが
全く無理な状態だったそうです。

容態悪化の14時半から死亡確認の15時半までは
蘇生治療をしていたと思われます。

小児科の看護師さんも含め、麻酔科の医師や
皆総出で頑張ったけれど、もう痙攀の時点で
ほぼ頓死に近かっただろう、との事。


という事です。
医学用語があったので、( )で私が補足をしていますが、
いただいた原文ほぼそのままです。

トロポニンTっていうのは、心筋梗塞になった時に
上がる酵素の一種です。
トロポニンTの採血は、簡易キットっていうのがあって。
普通の採血だと、結果が出るのに30分〜1時間位
時間がかかるんですけど。
このキットを使えば、陽性か、陰性か、
ってのが15分位でわかります。

診断精度は、教科書的には90%近いんですが。
擬陽性(本当は陽性じゃないのに、陽性になること)
も結構あるので、実際は80%位ではないでしょうか。


ここからわかる事は。
当直医の診断、処置は非常に早く、
そして、処置そのものものも適切であった。

そして、最も大事な事。

70分って時間のほとんどは、
他の病院に搬送先を決めるために
電話をかけたり、待っていたりした時間。

って事です。

新聞記事では、

>担当医師は同0時40分ごろ、急性心筋梗塞と
診断して点滴を始めたが、症状が変わらないため、
同1時50分ごろ、効果があるとされる
経皮的冠動脈再建術(PCI)が可能な
同県高砂市の病院への転送を要請した。


って書いていますけど。
実際は、「点滴をして症状が変わらない為」、
ではなく、診断した「直後」に搬送しようとして
いろんな病院に電話をした。

しかし、いろんな病院に電話したけど。
受け入れることが難しい、って事で
最終的に70分の時間がかかった。
という事が真相です。

搬送先にいろいろ電話をして。
全部断られて、一巡してもう一度、高砂市民病院
(神鋼加古川?)に2回目の搬送要請の電話をしたのが、
13:50という事です。

そして多分一旦電話を切るか保留されて返事待ちでしょう。
ようやくOKが出たらそれから救急隊を呼びます。
この時点で少なくとも14時は回っているでしょう。
救急隊が14時15分に着いたとして、
ストレッチャーに乗せる14時半頃から痙攣、頓死。

真実はそういう事ですよ、おそらく。


他の病院に断られて、結果的に時間がかかっても、
それは、全部現場で働いている医師の責任。

そういう事ですか、この判決。

全く納得がいきません。
どこに過失があるか、この裁判長には
きちんと説明して欲しいですね。


残念ながら、家族にどんな説明をして
何時何分にどこに転送要請をした。
という医師(看護師)のカルテ記載が
全くなかったようですので。
それで、裁判で負けた、って事なんだと思います。

あえて言えば、この医師の過失は、
「カルテに記載をしなかった事」、という所でしょうか。

緊急で何よりも患者を搬送する事を優先して、
カルテの記載がなかった。

そしたら、処置そのものは適切でも、
結果が悪かったら訴えられて、
負ける世の中になってしまいましたね。

残念です。

小生のコメント
これで医師が敗訴なら、患者が亡くなったらすべて敗訴のレベルです!!!
そして、患者は長年みてればいつかは亡くなるものです。
医師はすぐ患者を転送できる大都市周辺で働くしかなくなります!
僻地で働こうなんてのは、「お人好し」もいいとこになります。

http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/blog-entry-182.html

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