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痛風患者「ビールNG」 「焼酎ならOK」の非常識 [J-CASTニュース]
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投稿者 white 日時 2007 年 5 月 08 日 20:22:31: QYBiAyr6jr5Ac
 

□痛風患者「ビールNG」 「焼酎ならOK」の非常識 [J-CASTニュース]

 http://news.livedoor.com/article/detail/3150988/

痛風患者「ビールNG」 「焼酎ならOK」の非常識
2007年05月08日18時37分

「ビールを焼酎に変えたから大丈夫だ」。足の親指付け根などに激痛が走る痛風の予防対策で、こんな「常識」を耳にする。実際、似たような飲み方を実行している人も少なくない。「常識」は正しいのか。

「何かと飲む機会が多かったせいか、昨夜から痛風の症状が出てしまった」
「先週の日曜に痛風の発作を発症してから一週間。(略)お薬を飲んでいるので(略)症状はかなり痛みも無くなりました」
いずれも2007年4月末のミクシィ(mixi)の書き込みだ。日本の痛風患者は、推定50〜60万人。女性は数パーセントでほとんどは男性という。痛みの発作は出なくても、健康診断の際、「尿酸値が高いですね」と言われる「予備軍」は成人男性の約20%ともいわれる身近な問題だ。かつて50代だった発症年齢のピークは30代に移ってきている。

かつては、飲食物から取るプリン体量を制限していた

「万力で締め付けられたように激烈で、大の大人が2、3日歩けなくなるほどの痛みです」。痛風に関する研究者への助成や医師らへの研修を行う「財団法人痛風研究会」(東京・港区)は、会のホームページで、痛風発作の痛みをこう説明している。痛みが起きる仕組みは、だれの体にも血液中に一定量含まれている尿酸とよばれる物質が、飽和濃度を超えると体に蓄積し結晶化、関節にたまってある日、激痛を生み出す。痛む関節は足の部分が多く、足の親指の付け根だけという訳ではない。

尿酸は、肉や野菜といった食べ物に当たり前に含まれているプリン体が分解された「ごみ」みたいなものだ。プリン体は、体内でも新陳代謝や運動などに伴い毎日作り出され、尿酸に分解後、尿便などで排出される。「プリン環」という化学構造を持つ物質で遺伝子の構成物質の一部などがあてはまる。プリン体が増えて尿酸の「体内生産」が過剰になったり尿酸排出量が低下したりしてこのバランスが崩れると、尿酸の蓄積が始まる。

痛風治療の「大御所」とされる御巫(みかなぎ)清允・自治医大名誉教授に話を聞いた。かつては、尿酸値が高めの人には、飲食物から取るプリン体量を制限すべきだ、と多くの医師が指導した時代があった。「レバーを食べながらビール、ではプリン体の取り過ぎ。やめましょう」と医師から聴かされた人は少なくない。痛風研究会のHPで紹介されている数値で見ると、100ミリリットル当たりのプリン体量は、ビールの場合、3.3〜6.9ミリグラム。ウイスキー0.1ミリグラム、焼酎は0.0ミリグラムとある。「ビールを焼酎に変えたらOK」の「常識」はこのあたりの数値から生み出されたもののようだ。

 
「アルコールはどの種類でも取り過ぎはだめ」が新常識

しかし御巫さんによると、この「焼酎ならOKが常識」は今では、専門医の間では「非常識」と烙印を押されている。「アルコール全般のとり過ぎはだめ」が新常識だ。日本痛風・核酸代謝学会が2002年にまとめたガイドラインでも「酒(の種)類を問わず過剰摂取は厳格に慎むべきだ」としている。

アルコールが体内で分解されるとき、尿酸の体内生産を促す働きをし、かつ排泄を妨害する作用がある。二重に悪い働きをするというのだ。焼酎も飲み過ぎは尿酸値を高める結果になる。「常識」が「間違い」という情報を拡大解釈し、「ビールでも、いくら飲んでも大丈夫だ」と都合のよい「新常識」を唱える酒飲みもいるようだが、あくまで「適量ならば」が大前提だ。

では適量とは。一般向けの痛風対策講座などで話をすることも多いという、帝京大学薬学部の金子希代子教授に話を聞いた。

「強いて言うならビールなら中ビン1本、焼酎ならシングル2杯分が目安」
アルコール全般の適量化だけでなく、食生活全体のカロリー制限やバランスが大切という。肥満は尿酸値を高くする危険要因だ。週に何日か酒を抜き、酒類でない水分を多く採ることも必要だ。ストレス対策も重要だそうだ。

確かに摂取されたプリン体が吸収されるのは一部だ。吸収効率を考慮に入れて計算すると、体内で生み出すプリン体量と口から摂取する量は概ね「3対1」。しかし、これは野菜や魚中心の健康的な和定食などでカロリーも適量に抑えて3食食べた場合の計算。酒を飲んだり過食したりすると、そうはいかない。飲食物の尿酸値への影響も決してないわけではないからだ。カロリー制限に加えて、食生活のバランスも考えて、「結果としてプリン体摂取も制限される」状態が望ましい。

引き合いに出されるビールよりプリン体含有量が多い「健康食」は多い。ビール350ミリリットルでプリン体約25ミリグラム(代表例)に対し、金子教授の調べでは、納豆(100グラムあたり、以下同じ)に113.9ミリグラム、干ししいたけ379.5ミリグラム、マグロ157.4ミリグラムなど。ちなみに鶏レバーは312.2ミリグラム。ガイドラインでは1日当たり摂取量は400ミリグラム以下が望ましいとする。ただ、これも完全に実行するのは困難だし、1週間なり1ヶ月の単位で注意していくしかないという訳だ。

プリン体の含有率だけを見て「何だ。ビールは大丈夫ではないか」と思うのは早計だ。ビールはアルコールもカロリーも含む。あくまで適量が大切で、「ほどほどに」が現状の新常識のようだ。もっとも御巫さんは「専門医へ相談する、が常識」。「不勉強な医者」へ行くと、不十分な「常識」指導を受け、「すぐに薬を使いたがる」からだそうだ。


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