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「森田さん、あなたはどうして日本のマスコミをきびしく批判しているのか」(その1)【森田実の言わねばならぬ】
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投稿者 天木ファン 日時 2006 年 8 月 25 日 12:54:56: 2nLReFHhGZ7P6
 

2006.8.24(その1)
森田実の言わねばならぬ[293]

質問に答えます――「森田さん、あなたはどうして日本のマスコミをきびしく批判しているのか」(その1)

「人間を蔑視する者たちは自分を偉人だと思いこんでいる」(ヴォーヴナルグ『省察と箴言』、1746年)


 マスコミで中心的に働いている者に共通する最悪の特徴は、人間を蔑視することにある。 四十数年前、社名は著名だが小さな出版社に入社したとき、会社の幹部からこう言われたことを私は今も鮮明に覚えている。
 「君は今日からわが社の編集局の名刺をもって行動する。わが社の名刺を出して『会いたい』と言えば、日本中どんな偉い人でも会ってくれるだろう。そんなとき、多くの編集者は勘違いする。自分が偉くなったと錯覚する者が少なくない。だが、この名刺がなければ誰も会ってくれないのだ。この名刺には、多くの先輩編集者が築いた出版社の信用の裏付けがある。それは君自身がつくったものではない。新人編集者の力は個人であればゼロだ。名刺がなければ誰も会ってくれないことを肝に銘じておくべきだ。謙虚に生きなさい」。
 昔は、入社の時、どの会社でも先輩社員が新人社員に名刺の話をしたものだが、最近はきびしいことを言う先輩が少なくなっている。だから勘違いする若い編集者や記者が増えている。
 誰でも知っている著名な大新聞社の若い記者が社の名刺をもち、誰でも知っている著名なテレビ局の若いディレクターやアシスタントディレクターが社の名刺をもって歩き回っていれば、自分が偉くなったと錯覚する者が出てくる。謙虚さを失う者も出てくる。大新聞社の記者、大テレビ局のディレクター、有名出版社の編集者の名刺は一種の麻薬である。この麻薬に心と頭を犯される者は少なくない。これにかかると傲慢病に罹るのだ。

 最近のマスコミはきわめて危険な状況にある。
 第一は、政治権力に弱い。頭を押さえられている。自立心・独立心に欠けている。政治権力の側がマスコミ報道に神経質になりすぎて、マスコミを監視しており、事実上、第二次大戦時のマスコミ(政治権力の広報機関化)のようになってしまっている。
 第二は、マスコミは独占的巨大広告会社の電通の独裁的支配下に置かれてしまっている。この電通がアメリカの独占的巨大広告会社と連携している。そして日米の広告業界全体がブッシュ政権と小泉政権の手先化している。
 日本の民放テレビは百パーセント広告料に依存している。この広告を仕切っているのが電通である。あるテレビ関係者は「電通に睨まれたら会社はつぶれる」と言っていた。
 新聞社も収入の約半分は広告料である。ある新聞社幹部は「電通を怒らせたら大変。会社はつぶされる」と言った。
 いまテレビや新聞で大々的に広告するために多額の広告料を使うことができる企業のほとんどは「勝ち組」である。「負け組」企業が多額の広告料をつかうのは、あるとしてもきわめて稀である。
 テレビ局はほぼ百パーセント「勝ち組」派の立場に立っている。大新聞社は、広告収入からみると、50パーセント「勝ち組」派ということになる。「勝ち組」の大部分は外資(主としてアメリカ系企業)である。いまの日本で荒稼ぎしているのはほとんどが外資系企業であり、外資が裏で動かしている日本企業である。極論すれば、日本の広告業界、したがってマスコミは外資に牛耳られている。
 外資系を中心とした「勝ち組」企業がテレビ局に求めているのは、単に自社製品のコマーシャルだけではない。日本人から独立心を奪い取り、日本国民全体を愚民化し、アメリカに従順に従う無気力な国民にすることである。テレビ局はこのアメリカ系「勝ち組」企業の要求に従順である。
 かくして、民放テレビは日本の破壊者になってしまっている。
 これに対し国民の聴視料で成り立っているNHKは電通の影響を受けない。NHKが民営化されて広告収入に頼るようになれば、NHKも電通の支配下に置かれ、民放テレビと同様、堕落したテレビ放送を流しつづけることになる。NHKまで電通(実はアメリカの広告会社)に支配されてしまったら、真面目な放送はなくなってしまう。
 NHKは日本国民にとって大変に大切な放送局である。日本国民はいまのNHKを支持し、擁護すべきである。いま、外資系を中心とする「勝ち組」企業と電通の支配下に置かれ、日本的精神と日本文化を破壊させようとして堕落した放送にうつつを抜かしている民放に抗して、NHKは質の高い放送をするため頑張っている。われわれ日本国民は、NHKの価値を認め、NHKを守るために努力しなければならないとつくづくと思う。

 大新聞も半分は「勝ち組」にどっぷり浸かっている。いや7割5分「勝ち組」派といって過言ではない。しかし、新聞社には2割5分の良心がある。大新聞社は、この2割5分の良心をせめて5割にしてほしい。そのためには、紙代による収入を増やす必要がある。広告料に頼っていたら大新聞は堕落する。
 最近の大新聞は新聞としてもつべき理想を失い、政治権力の手先になってしまった社もある。目を覚ましてほしいと思う。 


http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02844.HTML

森田実の時代を斬る:
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/TEST03.HTML

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