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陰謀論
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投稿者 影 日時 2006 年 9 月 10 日 15:03:29: .O7udrPTR2yso
 

陰謀論
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陰謀論(いんぼうろん)とは、歴史上の出来事が、通説に反して何らかの陰謀、策謀のもとに起こったとされる考え、もしくは考え方。これから起こりうるとする出来事や、出来事自体が秘密にされているとするものも含む。

陰謀論に基づいて世界史を再解釈することを、「陰謀史観」と呼ぶこともある。
目次
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* 1 陰謀論の概要
* 2 著名な陰謀論の例
* 3 事実だった「陰謀論」
* 4 陰謀論を参考にして作られた作品
* 5 参考文献
* 6 関連項目

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陰謀論の概要

「政府は国民に秘密で何事かを行っている」、「世界や国家は何らかの団体にコントロールされている」、「ある戦争や事件は一般に知られているのとは別の理由で起こったものだ」、などが代表的なものである。

また、流行や風俗・文化などにおいても陰謀論が語られることがある。「3つのS、スポーツ(sport)、セックス(sex)、スクリーン(screen=映画)は日本人を堕落させる為のアメリカの陰謀である」とするもの、「ルービックキューブ(あるいはテトリス)の流行は西側の生産力を低下させる為のソ連の陰謀である」などといったものがあげられる。また「外国産のタバコや清涼飲料水には男性の精力を減退させる成分が含まれていて、我々(国、民族)を衰退させようとしている」などというものもある。

陰謀論そのものを陰謀であると主張する陰謀論もある。たとえば「この事件はCIAの陰謀である」という陰謀論にたいして「その陰謀論はKGBが流布しているものだ」などというもの。

この語は往々にして否定的な文脈で使用される。これは陰謀論が唱えられることにより、その論で陰謀を企てているとされる団体や個人に対する激しい侮辱や攻撃、人種差別の温床となることがあるからである。

自身が起こした犯罪を隠蔽する為に陰謀論を主張することもある。オウム真理教による弁護士一家拉致殺害事件で「我々を陥れる為に公安(あるいは他の宗教団体)が仕組んだもの」などと主張したことがあげられる。また、大韓航空機爆破事件で北朝鮮が主張した「韓国による自作自演」説もそのような陰謀論であると言われている。

一般には、単なる妄想、風説、デマにすぎない。ジョークとして語られることもある。まれに、当初は陰謀論と考えられていながら、通説に応する異論のひとつにまでに至るものもあるが、真実性が証明されてしまえばそれは陰謀論ではなく、単なる事実となる。しかし、あいまいさ、根拠の不確実さ、証明が難しいことが陰謀論の陰謀論たるゆえんであり、大きな事件がおこるたびに、何らかの裏の理由、策謀があったという考え方が止むことはない。

非存在証明の難しさ、つまり、存在を証明するには現物を見せれば良いが、その否定を証明することは非常に難しいこと(参考:悪魔の証明)が影響しているとも考えられる。また、仮に証明できたとしても陰謀論者の中には「(その証明自体の中に)陰謀による捏造が含まれており、証明にはならない」と主張するケースもある。

また不可解で原因が不明な事件は人心を不安定に陥らせるが、正否はともあれ「理由は何かの陰謀」というように陰謀論を、人心安定に利用することもある。この効果は精神医学上も認められている。

噂、都市伝説とも似ているが、陰謀論という場合には、より規模が大きく、通常一国もしくは複数の国が政府の方策として関わる規模のものを指す。
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著名な陰謀論の例

ジョン・F・ケネディ暗殺に関する陰謀論
ケネディ大統領暗殺事件について、公式に発表されているオズワルド単独犯行説を認めず、陰謀があったとする説は多数ある。有名なところでは、ベトナム戦争を終結させないため軍産複合体が暗殺したというものなどがある。ただし、オズワルド単独犯行説そのものが陰謀によるものとする説も根強い。

宇宙人に関する陰謀論
地球には既に知的な宇宙人が到来しており、政府などが秘密裏に接触しているとする説。もっとも著名なものに、ネバダ州にあるアメリカ空軍の実験施設「エリア51(w:Area_51」)(かのステルス戦闘機、F-117もここで開発された)に関わるものがあり、多数がおとずれる有名な観光名所となっている。「NASAは宇宙人の存在を隠している」と主張されることもある。
グレイ、アトラン人、ニャントロ星人など具体的な名前があげられることもある。

フリーメイソンリー陰謀論
石工ギルドから発展した自由・博愛・平等をうたう親睦団体フリーメイソンが、実はフランス革命やアメリカ独立戦争、ロシア革命など市民革命を引き起こしていたり、ナチス・ドイツ、大日本帝国など独裁国家に対して戦争をしかけるなど政治権力を操っていたとする考え。フリーメイソンのメンバーには地位の高い者が多く、イギリス王室をはじめフランス革命やアメリカ独立戦争の主要人物や中国の著名政治家の多くが加入していたこともあり、人気の高い陰謀論である。このような場合、フリーメイソンはしばしばイルミナティと混同あるいは同一視される。

ユダヤ陰謀論
ユダヤ人が秘密結社を通じて手を結び、世界(ことに経済)に影響力を及ぼしているとするもの。昔から存在した陰謀論であり、日本ではユダヤ=フリーメイソンの陰謀が説かれることが多い。日本のユダヤ陰謀論を説いた本が海外で問題にされたこともあった。偽書とされる「シオン賢者の議定書(プロトコール)」が有名。アメリカ合衆国などには単なる一般庶民にも多数のユダヤ人がいるにもかかわらず世界的財閥、報道機関、ハリウッドにユダヤ系の人が多いと無理やり関連付ける論者がいるためこのような陰謀論となった。

ナチス陰謀論
ナチス・ドイツの残党らが南米あるいは南極に逃げ延び、今も影響力を保持しているという考え方。これは人気が高く、ノンフィクション仕立ての関連本や、これを題材にしたフィクション(漫画『HELLSING』など)が発表されている。この説が唱えられた原因にはアイヒマン事件やアドルフ・ヒトラーの遺体発見を巡る謎などがある。ナチスの残党が「最後の大隊」を温存して世界制覇を狙っているという説や、他にもナチスによるUFOの開発説など様々なバリエーションがある。

アポロ陰謀論
NASAのアポロ計画では実際には月に到達しておらず、月面上からの中継画像は地球上の特撮スタジオで撮影されたものという考え。もともとはアメリカのキリスト教原理主義の一派である地球平面協会が人類が地球外に行けるはずが無いとして唱えた説が俗説化したものらしいのだが、21世紀に入ってからテレビ朝日系列のバラエティ番組「不思議どっとテレビ。これマジ!?」で取り上げられたことで、日本でも広く知られるようになった。これを踏まえ火星探索に置き換えて製作されたのが映画『カプリコン・1(ワン)』。日本でもこの陰謀論を唱えて、単行本まで出版した言論人が存在する。アポロ計画捏造説も参照せよ。他にも、「アポロ計画では実は宇宙人を目撃していた、あるいは宇宙人と密約を交わしていたが、NASAはそれを隠している」とする考えもある。

アメリカ同時多発テロに関する陰謀論
アメリカ同時多発テロ事件について、アメリカ政府は事前に事件を察知していたが、なんらかの理由でその発生を見逃したとする説。もしくは、イスラム圏への反感を煽る為の、アメリカ政府による自作自演であるとする説。特に、アメリカ国防総省への旅客機による自爆攻撃については、残骸や破壊の規模などから、「アメリカ政府によるミサイル攻撃であり、自作自演だ」とする説が唱えられた。この事は日本でもテレビ朝日系列のバラエティー番組で有名なジャーナリストの肯定的なコメントを交えて取り上げられ、放送倫理・番組向上機構に視聴者からの抗議が寄せられた事があった。この陰謀論の根拠には、ハイジャックされた旅客機がアメリカ国防総省の建物に突入する瞬間の監視カメラの映像が公開されていなかった事もあった。米国の保守派の市民団体の情報公開運動によって突入の瞬間の映像が公開された事について、マスメディアは「陰謀論に終止符が打たれた」と報道したが、画像には動画ではなく連続撮影型で、写っていた物は白い細長い物体で航空機に見えないことも無いがミサイルの様にも見え、小物体で旅客機の残骸が確認されないなど、陰謀論を払拭しきれていない。

(本件を扱う著作)
ベンジャミン・フルフォード著『9.11テロ捏造 日本と世界を騙し続ける独裁国家アメリカ』 徳間書店 ISBN 4198621950

ダイアナ元英国皇太子妃暗殺疑惑
イギリスのウィリアム王子の母であるダイアナ元皇太子妃が事故死したのは、彼女がアラブ人であるドディ・アルファイドと再婚するために改宗し、将来のイギリス国王の母親がイスラム教徒となる不名誉(及び国家機密の漏洩等)を未然に防ごうとしたイギリス情報局秘密情報部による暗殺との説。アラブ世界を中心に流布されたが、イギリス国内でも信じている者は多いとの調査結果がある。漫画『ゴルゴ13』には、この陰謀説を題材にした話が存在する。(単行本124巻所収「イングリッシュ・ローズ」)

大日本帝国の世界征服計画
大日本帝国が中国を手始めに世界征服をたくらんでいたとする陰謀論。現在でもアメリカ合衆国、中華人民共和国、ロシアなどの一部では信じられている。偽書とされる「田中上奏文」が根拠として取り上げられ、それが世界に広まった。アメリカ合衆国では現在も日本はこれを企んでいると一部で信じられており、日本企業の海外進出とそれに伴う日米貿易摩擦はその根拠だとされている。彼らは日本が持て余している生産力と技術力を使ってアメリカに匹敵する軍備を構築し、核兵器またはそれに替わる大量破壊兵器を短期間に生産、配備し、やがて第三次世界大戦(または「第二次太平洋戦争」)につながるという恐怖を持っている。黄禍論も参照。

「太平洋戦争開戦はアメリカの陰謀」説
太平洋戦争の始まりとなった大日本帝国海軍による真珠湾攻撃について、アメリカ政府は事前に察知していたが、参戦の大義を獲得する意図からそれを黙殺したとする説。実際、日本の外交暗号はほとんどだだ漏れの状態であり、国務長官のハルはほぼ開戦の時期を察知していた。だが、当時の常識(大艦巨砲主義)では6隻もの空母が太平洋を越えて真珠湾に航空機による攻撃を仕掛けることは予測するのはまず不可能であったとされ、また明治時代からアメリカ国内で長期に渡り続いていた日本人に対する白人の人種的偏見(日本のパイロットは近眼ばかりで戦闘機もろくに操縦できないなど)も重なり「開戦の時期は察知していたが、それが真珠湾攻撃との予測は不可能だった」との結論に落ち着きつつある。

日本航空123便墜落事故の陰謀説
日本航空123便墜落事故の事故原因は圧力隔壁の破壊による垂直尾翼、油圧の喪失と発表されたが、事故調査委員会が公表した内容と生存者の情報に明らかな矛盾点がある、急減圧も起きなかった事が証言されているとして、自衛隊機の衝突説等の陰謀説がささやかれている。

在日朝鮮人の陰謀説
日本において、在日朝鮮人がある意図をもって陰謀をたくらんでいるとする考え。憂国的な街宣活動を行っている集団(所謂「行動派右翼」)が、実はすべて、あるいは一部が在日朝鮮人による右翼のイメージ低下を狙った工作であるという話や、芸能界に在日朝鮮人が多いことから芸能界のトラブルなどは在日、被差別部落出身者による陰謀とされる話まで様々である。

盧溝橋事件の陰謀説
盧溝橋事件において撃たれた最初の銃弾について、中国側研究者は「日本軍の陰謀」説を、また、日本側研究者の一部には「中国共産党の陰謀」説を唱える論者も存在する。なお、日本側研究者の見解は、「中国側第二十九軍の偶発的射撃」ということで、概ねの一致を見ている。

サブリミナル効果に関する陰謀論
テレビや雑誌などの広告には性的な言葉や画像が刷り込まれており、サブリミナル効果によって淫らな性行為が広まっているという説。ウィルソン・ブライアン・キイが著書『メディア・セックス』『メディア・レイプ』で取り上げて有名になった。

大韓航空機爆破事件の陰謀説
大韓航空機爆破事件が、韓国国家安全企画部による自作自演であり、金賢姫が北朝鮮の工作員ではなく、国家安全企画部員であるという陰謀論。当初、北朝鮮が主張したが、爆破自体の物証が少ない事や、彼女が死刑判決を受けながら、政治的判断から特赦され、国家安全企画部員と結婚した事、そして北の思想的浸透を背景に韓国国内でも信じる者が多く居た。そのため盧武鉉政権の過去史検証の名の元、この陰謀論に基づき再調査がなされたものの、再び否定される結果に終った。

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事実だった「陰謀論」

* トンキン湾事件

ベトナム戦争において、アメリカの駆逐艦が北ベトナムにより攻撃を受けたとされる事件。北爆開始の理由となった。しかし、北ベトナムは事件の一部について否認していた。後に事件の一部がアメリカによる捏造だったことが発覚。

* 松本サリン事件

松本市で多数の患者が発生したいわゆる松本サリン事件は、当初は近所の農薬所有者が妻を殺害する目的でサリンを製造して撒いたのではないかとして、連日にわたる聴取を受けた。これで事件は解決されるかに見えたが、事件の半年後に、「某宗教団体が検察の官舎を狙った犯行」という陰謀論が出版されその分析の緻密さで一部で評判になっていた。その後1995年3月、東京の地下鉄駅にサリンが撒かれる事態になり(地下鉄サリン事件)、過去の松本サリン事件も、オウム真理教の犯行と明らかになった。

* 日本人拉致問題

日本海沿岸などの各地で日本人が行方不明になる事件が多発していたが、これは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による犯行との噂があった。行方不明者の家族による運動があったが、当時は産経新聞が「外国情報機関が関与?」という見出しの記事を掲載した他は荒唐無稽な陰謀論と考えられてまともに扱われなかった。その後、十数年を経て北朝鮮についての新たな情報が見い出され、最終的に北朝鮮の最高指導者金正日自身が拉致を認めたが謝罪はしていない。実際に北朝鮮の国家機関による拉致が行われていたことが判明した。

* P2ロッジ事件

イタリアで著名な銀行家の不審死から明らかになった、フーリーメーソンP2ロッジによるイタリア国家転覆計画。フリーメーソンが様々な陰謀を行ってると言う噂は常に流れているが、事実として明るみになった稀有な例。

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