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あるトルコ外交官の勇気
http://www.asyura2.com/0601/holocaust3/msg/292.html
投稿者 凡人 日時 2006 年 7 月 04 日 20:49:48: pV3QNylzAqCv6
 

3年前の今頃、国立大学の一部の教官は「国立大学の法人化」に強い危機感を抱き、多面的な活動を展開していた。北大数学科の辻下徹教授はその中心的な存在であった。自らの足元である北大にあっても大学当局にしかるべき意思表示をさせるべく努力していた。その一駒が下記である。教授の熱のこもった活動には大いに打たれるのであるが、これを読むと、ホロコ−ストの「真実」はまだまだ広まっていない事を痛切に知る思いである。
ところで、何故、トルコか?当時の文科省大臣は、前トルコ大使遠山敦子氏であった故である。
因みに、ホロコーストとは直接の関係はないが、国立大学が法人化されたため、国が必ずしも重きを置かない国立大学の生き残り策は涙無くしては語れない。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/daigaku/news/20060626ddm004040089000c.html
私のコメント:タルムードによれば、ユダヤの人々は何よりも教育を重んじたという。そして現在の「吾が世の春」を謳歌している。銀行、マスコミ、エネルギは完全に支配した(ほころびはじめてるのかも知れぬが)。日本の為政者がシオニストに牛耳られているというのであれば、よい機会だ。シオニストの手先に甘んじるのでなく、彼らのやり口を学んだらどうだ。教育研究を目先の利益、競争にさらすことに危惧をもち、日本民族のために遠大な展望を持ちその戦略を構築せい。

以下、引用
=====
http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/~nakamura/diplomat.pdf
あるトルコ外交官の勇気

2003 年 6 月の北海道大学大学院理学研究科教授会では,辻下徹教授により
理学研究科教授会は,参議院文教科学委員会に対し,
「国立大学法人化法案の慎重な審議を要望する」声明を送る
という提案がなされた.この提案は審議,採決の結果可決された.この小文
は,その教授会での筆者の発言に若干加筆したものであるが,内容は教授会
発言とほぼ同一である.
先日,長い間書架で眠っていたマルク · アルテール『救出者』を読んだ.現
在の日本の『国立大学法人化』をめぐる大学関係者の動きと無関係とも思え
ないので,それについて書いてみたい.
1933 年ドイツで政権をとったナチは,1938 年以降ポ−ランドを初めとし
て,ヨーロッパ数カ国を侵略し支配した.その中で,ドイツ国内のユダヤ人
にとどまらず,これらの占領した諸国のユダヤ人を次々とゲットーや収容所
の中で虐待し,あるいは虐殺したことは周知の事実である.虐殺されたユダ
ヤ人の総数は 450 万とも,600 万とも推定されている.
1943 年 7 月ムッソリーニ政権が倒れた後,2 か月後ナチスはイタリアを侵
略し占領する.ローマのゲットーに集められたユダヤ人は虐待を受け,トリ
エステなどのユダヤ人収容所に送られ,その多くは虐殺された.ローマでは
そのナチの暴虐に対抗してカトリックの司祭やローマ市民のネットワークが,
少数ではあったがユダヤ人を救出し保護した.ひとりのユダヤ人を救うには
1000 人の助けが必要であった.しかし 1000 人のユダヤ人を告発するには,ひ
とりの密告者で十分であった.(『救出者』)
惨劇をまのあたりしてバチカンのローマ教皇ピーオ 12 世は,驚くべきこと
に,何の具体的な政治的行動も起こさなかったという.一片の抗議声明すら
出していないのである.バチカン市国はローマの中心部に隣接し,ローマ市
中にあると言っても差しつかえない.テレベ河畔のゲットーとはわずか 2 キ
ロ余りの距離にある.もしローマ市内のユダヤ人をめぐる惨状を知らなかっ
たとすれば,それは怠慢という他ないであろう.ユダヤ人差別のそもそもの
発端は,キリストの死に関わるものである.そのために,カトリック教会内
部には微妙な感情が横たわる, と聞く.しかし,その歴史的経緯を差し引い
てもなお,ローマ教皇の行動は不可解の域を超えて,非難に値するものであ
ろう.
のちのローマ教皇ヨハネ · パウロ 2 世は当時を回想し「残念ながら当時,
ローマ教皇は何の政治的行動もとらなかったのです」と語った,と『救出者』
は伝える.ローマ市民の戦いは,その一方で危険を極めた.ユダヤ人救出の活
1

動の中で,ナチスに捕らえられたり射殺された市民,司祭もいた.ユダヤ人
の幼児たちが収容所に送られるとき,最後まで彼等の心の不安を取り除くた
めに,自ら進んで収容所まで付き添い,ともに処刑された司祭もいたという.
ナチスの軍隊は,1940 年 5 月電撃的な攻撃でフランスを侵略,1 か月後に
は支配下においた.1942 年 8 月,そのフランスでユダヤ人をめぐって一つの
事件があった.マルセイユのサン · シャルル駅で,トルコの外交官がユダヤ
人移送の貨車に乗り込み,銃を持ったナチの兵に抗議したのである.サン ·
シャルル駅では押問答の末,トルコの外交官とひとりの随員を乗せたまま貨
車は発車してしまった.あわてたナチスの兵は次の駅で貨車を停車させ,外
交官を降ろそうとしたが,再び押問答となった.「ひとりもユダヤ人はいない
のか? ここにいるのは全員トルコ人か?」「全員,トルコ人だ」外交官は一歩
も退くことはなかった.そしてその押問答の末,素手のトルコ外交官の抗議
の前に,ついにナチスの兵は引き下がったのである.
このひとりの外交官の勇気ある行動と,ローマ教皇ピーオ 12 世の行動か
ら,今日私達は何を学ぶべきであろう.『国立大学法人法』の衆議院審議は,
これが文化国家とも,先進国家とも,民主主義国家とも自認する国の最高立
法機関の法案審議の姿であろうか.これだけの重要法案を議論しながら,委
員の質問にまともに答えることのできない政府文科省,さらには参考人国立
大学協会石副会長の「大学関係者からは反対の声は出ていない」という,い
ささか驚くべき発言.(この発言は, 6 月始めの朝日新聞紙上「一部の大学関係
者からは反対の声が出ているが」と実質的に訂正された.)こんな馬鹿げたこ
とを目の当たりにして,もし黙して声をあげることもないなら,それはまさ
に,かつてのピーオ 12 世の姿そのものではないか,と私は思う.現在の『国
立大学法人法』では文部科学省の干渉に歯止めがない.自由な自律的な環境
こそが学問を真にはぐくむのだ.こんなことではいずれは,もの言わぬ大学,
ゆとりのない大学に変わっていくことは目に見えている.政府の干渉,外部
の干渉の歯止め,それをいかに制度的に保証するか.地方大学の多くが財政
の問題を抱えることになるのではないか.いずれ地方大学のリストラにつな
がっていくのではないか.若い人達がリストラの危険を抱えた大学に転任を
希望するだろうか.これではかえって流動化を妨げる要因を作っているよう
なものではないか.こういう問題にひとつひとつ納得できる答を出して,法
案の中に具体化してこそ,国会の審議であろう
ひとりのトルコの外交官の勇気ある行動を,歴史からのひとつの励ましと
して,せめて国会に「問題点が多いので,十分審議をつくせ」と求めたい.「今
さらそんなことを」「自己満足ではないのか」「立場上言えない」そういう声
が聞こえないわけではない.しかし,当事者である大学の,とりわけ責任あ
る立場の人間が問題点のあることを指摘しないで,だれがそれをするのだろ
う.それでは,戦時中の「立場上やむをえなかった」という,あのいまわし
い述懐にも似て,ピーオ 12 世の繰り返しではないか.ほとんどの大学が黙し
たままであるなら,なお一層その訴えは貴重なものになるだろう

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