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[barbaroi:5554] 論争的場面における証拠の扱い。要証事実、証拠能力。レトリック。
http://www.asyura2.com/0601/holocaust3/msg/436.html
投稿者 たけ(tk) 日時 2006 年 9 月 09 日 16:53:14: SjhUwzSd1dsNg
 

これも某MLからの転載です。

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[barbaroi:5543] Re: 糾弾のある形態

・・・

 あたしは、かねてから、歴史修正主義は恐るべき難敵だと思っています。な
にしろ、正統派歴史学と同じ手法――「事実」を積み重ねて「真実」に至ると
いう手法――を採って、まさしく正統派歴史学の陰画を描き出すのですから。
ですから、どうして歴史修正主義と真正面から対決しないのか(対決せずし
て、単に力で押さえこもうとするのか)、それが不思議でした。
 しかし、最近は、歴史修正主義とは対決できないのだと思うようになりまし
た。それは、
1)事実を積み重ねて、事実はこれだけだ、これ以上でも以下でもない。
と主張するのと、
2)事実を積み重ねて、真実はこれ以上だ。
と主張するのと、どちらにリアリティーがあるでしょうか。
 まさしくアイヒマンが言ったという、「百人の死は悲劇だが 百万人の死は
統計にすぎない」の問題ではないでしょうか。相手(=歴史修正主義者)の挙
げる事実を一つひとつ潰していって、その全部を潰したとしても、それで、相
手(=歴史修正主義者)を論破したことには、けっしてならないのではないか
と、そう思うわけです。
 とするなら、イスラエル大使館の「『謝罪をせずに中立的な立場を取るつも
りなら執筆無用』と拒否」は、正しい対応であったと言わざるを得ません。
 しかし、それですむのか?
 このあたりになると、あたしには何ともいえません。糾弾者に対して、「何
様のつもりだ?」と叫びたい気持ちも、わからぬではない(^^ゞ

・・・

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[barbaroi:5554] 論争的場面における証拠の扱い。要証事実、証拠能力。レトリック。

たけ(tk)です。

[barbaroi:5552] Re: 糾弾のある形態 にて
>  ただ、レトリックがあるということはあたしにもわかる。例えば、
> > 「戦後、生き残りの証言などをもとに、このガス室をポーランド政府が
> > 歴史記念物として復元した」というのが事実であるなら、「そこにある
> > 建物は偽物である」という発言にはなんの問題もないような気がします。
>  と言うのには異論があります。
>  松浦寛は、文脈を無視した引用--->悪用の例として挙げているのであって、
> 単純化すれば、
> 1)ガス室はあった。--->しかし、あのガス室は*偽物だ*。
> 2)(あの)ガス室は*偽物だ*--->ガス室はなかった。
>  後者の立論が前者の立論を前提にしているとしたら、この発言に何の問題も
> ないのでしょうか?

「後者の立論が前者の立論を前提にしているとしたら、この発言に何の問題もな
いのでしょうか?」。これは微妙です。意図をもって行われる証拠の提出に疑念
をもつ気持ちは分かりますが、結論としては「問題なし」と言わなければならな
いでしょう。

というのは、訴訟手続においては、常に、(証拠は)一定の事実を証明するために提出され
る(べき)ものであり、一般的に言っても論争的場面における証拠というのは一
定の事実を証明したいが故に提出されるものだからです。

つまり、論争的場面における証拠(前者の立論:あのガス室は*偽物だ*)は証明
すべき事実(要証事実。後者の立論:ガス室はなかった)を証明する意図をもっ
て提出されるからです。

* 科学的場面においては、仮説が要証事実(実験によって検証すべき仮説)に
相当するだろう。

したがって、証拠提出に前提(となる隠れた意図)があることをもって「問題あ
り」とするわけにはいかないでしょう。

* 科学的実験であっても、それに「仮説」立証の前提があるので、その正当性
を疑う見解もあります。

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本場面での「証明すべき事実」(要証事実)は「ガス室はあった」です。
「ガス室はあった」か?、という事実が争われているのだから、「ガス室があっ
た」かどうかを、双方で証拠を提出し合って、いずれであるかを証明しなければ
ならない。

「ガス室はあった」という事実を証明するには、それを示す確実な証拠を一つで
も提出できればよい。「あった」派は一つでも確実な証拠を提出できれば勝ちで
す。

それに対して「ガス室はなかった」という直接の証明は不可能です。
「なかった」と主張したい場合には、「あった」ことを示す証拠を全部潰さなけ
ればならない。「なかった」派は、「あった」派が提出したすべての証拠を潰し
た時に、引き分け(真偽不明の状態)に持ち込むことができる。

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http://civil.exblog.jp/m2005-10-01/
(4)本証と反証
本証:証明責任を負う当事者が行うべき立証活動またはそのための証拠
→裁判官に事実の存在につき確信を抱かさなければ目的を達することができない
反証:証明責任を負わない当事者が行うべき立証活動またはそのための証拠
→本証によって形成される裁判官の確信を動揺させ、真偽不明の状態に持ち込む
ことで目的を達する
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>  これをさらにtake_tkさんは、
> > 実物を調査検証したうえで、
> > 保存のために再現したのであればまだしも、証言を元に「再現」した建物
> > であれば、歴史的事実の検証には役に立たない「偽物である」という判断
> > で良い
> という文脈に置き換えたわけです。これがレトリックでしょう?

或る事実を証明するために提出された証拠が「当該事実の証明に役立つ」かどう
かを証拠価値とか証拠能力、証拠力とかいいます。

「あった」派が提出した「現存するガス室」が、「ガス室があった」という「事
実の証明に役立」たないこと(証拠力を有しないと)を証明することは、反証の
方法の一つです。

「証言を元にして復元されたモノ」では物証としての証拠価値を有しません。
「証言を元にして復元されたモノ」は証言者の意思に基づいて作られたモノであっ
て、元の建物ではないからです。つまり証拠としての価値を有しないモノ=偽物
=だからです。

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http://ja.wikipedia.org/wiki/書証
文書の証拠力(証拠価値)
書証を事実認定に用いるためには、その記載内容が当該事実の証明に役立つこと
(実質的証拠力)が必要であるが、その前提として、文書が真正に成立したもの
であること(形式的証拠力)が必要である(民事訴訟法228条1項)。文書が真正
に成立したとは、文書が、ある特定人の意思に基づいて作成されたことをいう。
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あと、「レトリック」を非難めいたニュアンスで使っているようなのが多少気に
なります。「まっすぐにものを言わない」という意味で使っているのでしょうか?

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http://ja.wikipedia.org/wiki/比喩
修辞技法(しゅうじぎほう)とは、文章に豊かな表現を与えるための技法。、ギ
リシア・ローマ時代から学問的な対象となっており、修辞学(レトリック、
Rhetoric)という学問領域となっている。
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http://www.h5.dion.ne.jp/~japling/main/rhetoric.htm
相手にものを頼むときに間接的に言ってみたり、怒りを直接的に表さずに皮肉を
言ってみたり。そういう「まっすぐにものを言わない」方法のことをレトリック
と言います。
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