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ナチスドイツ下の「白バラ」の世界は、今の日本のことを思えば決して他人事ではない
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投稿者 heart 日時 2006 年 3 月 18 日 21:31:25: QS3iy8SiOaheU
 

映画「白バラの祈り〜ゾフィー・ショル、最期の日々」、見てきました。

雑談板でgataroさんが紹介された時から随分たってしまいましたが、本当に、見に行ってよかったと思える映画でした。

この映画は、第二次世界大戦時、白バラというグループに属していたゾフィーという21歳のドイツ人女性が、大学でナチスを批判するビラ巻きをしたところを逮捕され、尋問され、死刑になる、その一部始終を描いた、実話を元にした作品です。

以下、感じたこと等を少々。

ゾフィーは、逮捕後、最初はビラ巻きへの関与を否定し、釈放されるよう努力する。
しかし、動かぬ証拠を突きつけられ、また、同じくビラ配りをして捕まった兄がビラ配りを認めたことを知ってからは、ビラ配りをしたことを認め、自分の考えは間違っていない、と、毅然とした態度で取り調べ役人に対して主張をしていく。
取り調べ役人がゾフィーに同情し、減刑の機会を与えようとしたのも撥ね付け、自分が正しいと思う主張を貫いた。

ゾフィーは身体の自由を拘束され、死刑という身体の自由を奪う形としては究極の仕打ちを受けた。が、心の自由は守り抜いたのだ。たとえ死んでも、心を殺すことはできなかったということだと思う。

映画の中では、ゾフィーが太陽を見上げるシーンが何度も出てくる。
これはゾフィーが自分が正しいと信じているからこその仕草ではなかろうか。
体はナチスに拘束されていても、心は太陽のように輝き、青空のように晴れ晴れとしている。そんなゾフィーを象徴しているように思えた。

取り調べ役人もカーテンを開け、外を見るシーンがあるが、取り調べ人とゾフィーとでは目に映るものも違うのではないかと思われた。
世界観が全く違うし、取り調べ人の目は曇っているのか、ヒトラーへの批判は全て嘘だと決め付けるか、ヒトラーの味方をする。

取り調べ人は、ヒトラーがいなければ自分はただの仕立て屋だった、ヒトラーのおかげでこのようなよい職につけた、と言ってヒトラーを全面的に支持・擁護する。
ゾフィーは、ナチスの悪事として、ユダヤ人の収容所送りの話をするが、取り調べ人は、彼らは「移住」したに過ぎない、と言う。
また、ヒトラーは精神病の子供たちをトラックに乗せてどこかへ連れていって殺した、という話をしても、取り調べ人は、精神病の子供たちにとってはそれが幸せだったのだ、と言う。
命は尊い、という、基本的な価値観さえも、見失ってしまっているのか最初からないのかわからないが、そういう考え方をするのだ。

ヒトラーが精神病かもしれない、とゾフィーが言った時は、どこかの首相のようだなと不謹慎かもしれないが笑ってしまった。


この映画は、よその国の、昔の出来事だと思って片付けてしまってはいけない映画だ。
当時のナチスドイツは、言論が弾圧されていた。
今の日本も、それに近いのではないか。

例えば、裁判の場面では、ゾフィーが、大学では政治の話をすることはみんな控えている、と言っていた。今の日本の大学の学生の姿と重なった。もちろん政権寄りの発言は大きく聞こえてくるが、体制批判をする者の声は小さい。

治安維持法よりもひどい法律とされる共謀罪がもし今国会で成立すれば、まさにこのゾフィーたちが弾圧を受けたのと同じ社会に日本もなるだろう。

また、取り調べ役人や、裁判官、裁判を傍聴した軍服姿の人たちなどの、いい年をした大人が、ヒトラーのような独裁者を崇め、信じ込んでいるらしいことも、今の日本の有権者の姿と重なった。もちろんあの選挙もデタラメでマスコミの発表する内閣支持率もデタラメなのだろうが、それでも、売国奴・小泉自民党が国会で絶対安定多数をとることを許してしまった日本国民というのは、ヒトラーのナチスドイツの台頭を許した当時のドイツ国民と同じくらい愚かだ。もちろん、あの時自民党・公明党に票を投じなかった人たちにとっては本当に迷惑な話なのだが。いや、迷惑どころではすまない話だ。

もう一つ個人的に気になったのは、取り調べ役人や裁判官が、ゾフィーらが配給や大学で学ぶことといった国のサービスを受けていることを指摘し、その国に楯突くとは何事か、といった責め方をしたことだった。

ゾフィーは、この国を思うからこそ批判をしているのだ、といった内容のことを言っていたが、
国からサービスを受けながらもその国を批判するということは、実際、反体制側の人間にとってジレンマになり得ることだと思った。

人にお世話になっておきながら刃を向けるのと同じようなことだからだ。

いや、国を批判するのは国を愛すればこそ、と言えるのであり、そのこと自体は問題ないのだろう。しかし、国に一方ではお世話になりながら、その同じ国を批判するのは、何か矛盾を感じる。なにかイマイチ説得力に欠けるような気がする。

とは言っても、国家の下で生きている限りは、国から完全に独立した存在でいることはほぼ不可能に近い。
だから、このジレンマは、自分の中で飲み込んでおくしかないのかもしれない。


阿修羅には、どんな時代も、国民に真実を伝え、社会を正しい方向に導こうとする存在であってほしいと思う。

白バラのビラのように、と言いたいところだが、白バラグループのように死刑になる人が出てほしくはないので、白バラのゾフィーのように、いかなる時も太陽を晴れ晴れとした気持ちで見あげられるような、そんな掲示板であってほしいと思う。

そして、私自身も、真実を追求し、体制側に負けず飲まれず、よりよい社会のシステムを作る人間になりたいと思う。


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見てみたい映画 − 「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」【この映画を見て勇気を得よう!】
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投稿者 gataro 日時 2006 年 2 月 03 日 10:50:04: KbIx4LOvH6Ccw

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