投稿者 ピノキ 日時 2006 年 7 月 10 日 16:50:16: /cgEbzQ/iEx0c
聖書には、「嘆きの家に行くことは,宴会の家に行くことに勝る。それがすべての人の終わりだからである。生きている者はそれを心に留めるべきである。賢い者たちの心は嘆きの家にあるが,愚鈍な者たちの心は歓びの家にある。」という言葉があります。(伝道の書7;2,4)
嘆きの家っていうのは、喪に服している家のことで、意味としては、時には、浮かれ騒いで時を過ごすより、そうした家で人生を考えることも益があるってことです。
ピノキは特別養護老人ホームというところに、時々お見舞いに行っています。
知り合いのおばあちゃんのお母さんという人が、入っているんだけど、そのおばあちゃんの付き添いでおいらも行っているんだ。
でもそこはね、始めていった時は、すごく暗い気持ちになったよ。入所している人たちは、みんな表情が無くて沈んだ顔をしていてね。頭のおかしくなってる人も何人かいて、時々、奇声をあげたりしている。うつろな顔で、ボーっとしている人もいるし、怒ったような顔でじっと前を見つめてる人もいる。
食事の時間とかも大変。駄々をこねる人とか、なかなか食べようとしない人、途中で寝ちゃう人、職員の人たちも介護で大忙しだった。
知り合いのお母さんって人は、昔は小学校の先生をしていたらしく、かなりしっかりした人だったみたい。でも今は見る影もなくて、枯れ木のよう。お見舞いに行っても、段々相手が分からなくなってきているんだよね。
「もっと頻繁に来てあげたほうがいいんじゃないですか?僕、毎週でも来てもいいですよ。」
「う〜ん、でもねぇ、こっちが疲れちゃうから・・・。」
そのおばあちゃんも80歳の歳で無理もないんだけど、なんか悲しくなっちゃう。
でもね、もっと悲しかったのは、気がついたんだけど、老衰やボケてしまっている人たち中にも、2、3人くらい、正気というか意識のはっきりしている人もいるんだよね。その人たちはいったい毎日何を考えているんだろう。ゆくゆくは自分もこんな風に、溶けてなくなっちゃうんだろうかって考えてるんだろうか。なんか怖くて悲しい。
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