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(回答先: 親の因果が子に報い。 投稿者 ぼけ仙人 日時 2006 年 7 月 11 日 21:24:23)
實は此の手紙は關係が逆なのです。本當の關係は、
自分の殼に閉ぢ籠る父に宛てた、自分の殼に閉ぢ籠る事から脱却した或る息子の手紙、
となります。そして其の息子も父に宛てた形を採つてゐるが實は自分自身に宛ててゐる
ことを知つて坐す。
父へ
此れは必然として起こつた事である。
此の機會を逃がしてはならない。自己と嚮き合ふ事から逃げてはならないのだ。どんなに
辛く、苦しくとも、自分の心の奥底に有る醜惡な己から逃げてはならないのだ。與へられた
此の機會から逃げてはならないのだ。此の現實からは逃れられない。其れを一番知つてゐる
のは彼方の筈である。此の與へられた必然としての機會から逃げてはならないのである。
答へは己の中にある。己の心と眞正面から嚮き合つて欲しい。私の望みは只其れだけである。
息子より
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