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和歌山県の移民関連HP
http://www.asyura2.com/0601/idletalk19/msg/655.html
投稿者 たかす 日時 2006 年 8 月 22 日 21:55:35: ifeEPcYg7BdHI
 

紀伊半島の海洋民族と移民の環太平洋サルサ 
http://homepage3.nifty.com/creole/nomad.htm
(貼付け開始)
潮岬の出雲崎という漁村からは明治、大正、昭和初期にかけて、主としてオーストラリア北部のアラフラ海にある木曜島に移民し、真珠貝採取のダイバーとして活躍した。その潜水技術は彼らによって持ち帰られ、やがて全国に広まっていった。
 またハワイに移民した人々もいる。彼らの持ち帰った一本釣り漁法は「ケンケン釣り」と呼ばれ、カツオやマグロ釣り漁の手法として今でも残っている。南紀でよくみかける、長い竿を立てて海上を走る中小型の漁船がそうだ。そのほかにも北中南米に渡った人たちがいる。
 日本の移民史をひもとくと紀州の漁民が非常に多いことに気がつくであろう。
 当アイランドストリームのベースとなっている湯浅のちょっと南に行くと、日の岬という岬がある。高台を登ると遥か四国や紀伊水道の真ん中に位置する「伊島」という島が見渡せ素晴らしいのだが、ここの漁民も明治、大正、昭和にかけてかなり移民している。大阪の堺あたりの漁民との漁業権争いに負けた彼らはカナダ・バンクーバーに渡り、サケ漁に従事した。成功して帰ってきた彼らは向こうの習俗も持ち帰ってきて、その名残の洋風の建物が今でも残っている。それは太陽の光がポップなこの地の景観と非常にマッチしている。
 そこは「三尾のアメリカ村」と呼ばれている。
 いかにも日本的ですという風物よりもむしろマッチしているのが興味深い。ちなみにぼくはいかにも日本的なものも嫌いではないが、日本の自然と絶妙なバランスで溶け込んでいる異国的なものが面白いと思う。
 いかにも日本的ですという風物よりも土地にマッチした異国情緒と言えば、潮岬の隣の串本大島にあるトルコ記念館あたりも面白い。100年以上前、明治天皇にあいさつに行った帰りにこの付近の海域を通過しようとしたトルコ軍艦「エルトゥール号」は嵐に見舞われ座礁した。そして500人以上もの犠牲者を出したのだが、生き残った人たちを助け出したのがこの大島の住民だった。で、のちのち彼らを神戸に移し、本国へと無事移送したのだが、その一連の活動が日本赤十字社の最初の本格的な対外活動だったとされている。そのことを記念して串本町はトルコのヤカマント市と姉妹都市提携を結び、大島の樫野崎という岬にトルコ記念館が建っているのだが、そのあたりの空気が非常にいい。記念館の壁のトルコ的色彩が太陽光線と非常にマッチしているのだ。
 こういう場合、あまり悲劇的に捉えて今ここの感覚を曇らせる必要はない。
 そばにトルコ民族のみやげ物屋があり、トルコ人のアンチャンが日本語で声をかけてくる。店先に並べられているトルコ石のターコイズブルーと海のブルーとが絶妙なバランスを醸していて味わい深い。
 彼は言う。
 「大阪に住んでたんだけど人が多すぎて嫌になった。で、ここは素晴らしいね。この海は最高だよ。これが本物の日本かもしれないね。」
 スペース上これくらいにしておきたいが惜しいので駆け足で言おう。
 リゾートで有名な南紀白浜近くの田辺は、かの南方熊楠を輩出した地だ。彼はイギリス留学に飽き足らず、サーカス団に入りキューバに行ったりもした人だが、帰国後田辺に定住し、研究にふけった。
 think grobaly,act locallyを地で行く所作。
 日本人離れしたグローバルな視野を持った彼の魂が、「まあ定住してもいいだろう」と決意させた、ボーダレスなにおいのする場所と海なのだと解釈したい。
 ボーダレスな視野を持ちつつの「定住」という観点で言えば、我らがアイランドストリームのベースになる湯浅湾で修行した鎌倉時代の高僧であり、華厳経の祖とも言われる明恵(みょうえ)上人が挙げられるだろう。彼は釈迦の生誕の地であるインドに行きたくて行きたくてもうのたうちまわっていたが、春日明神のお告げで日本にとどまって人々を救うことを決意したという。で、春日明神の本地は東大寺の大仏で、大仏は華厳経の「ルシャナ仏」のこと。華厳経とは仏教哲学でも最高の哲学とされているらしいが、要は「世界の全てのものは相関をなしている。そして独自であればあるほど普遍であり、その普遍とは世界のあらゆる独自と繋がっている」というものらしいが、その辺のいきさつとバックグランド思想、日本に居ながらにして釈迦そのものと繋がっていると考えた明恵の思想は面白い。彼が残した有名な言葉「あるべきようは」とは、普遍に繋がる「独自性」のことなのであろう。さらにそんな彼が湯浅湾の刈藻島という無人島そのものにラブレターを書いたというのも興味深い。で、彼は紀州有田郡出身である。
 しかし宗教的なことはやはりよく分からない。で、庶民に眼を戻すと、全国に地引網漁を広めた紀州加太の漁民たち、江戸の鎖国期に操業中流されそのまま女帝エカテリーナの皇帝ロシアまで旅した大黒屋光夫のスケール大きい旅話、朝鮮半島の鴨緑江まで渡り技術を伝えた熊野川の筏師たち、紀州特産のウバメガシを素材とした備長炭製造を全国に広めた炭焼師たち、さらには海の道を使って商売の活路を開いた栖原屋角兵衛や紀伊国屋文左衛門(100円ショップのダイソーに文左衛門の面白い浪曲のCDが売っている)、そしてイタリアでも人気を博した作家・中上健次など、この紀伊半島にはなかなか凄い「ボーダレス」な文化の伝統があり、それは海が、黒潮の通る太平洋が育んだものなのだろう。
(貼付け終了)

和歌山県市民図書館移民資料室
http://www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/wkclib_doc/imin-top.htm
和歌山県移民の特色
http://www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/wkclib_doc/sub3.htm
 ハワイ移民史年表
http://www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/wkclib_doc/sub14.htm
カナダ移民史年表
http://www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/wkclib_doc/sub12.htm
ブラジル移民史年表
http://www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/wkclib_doc/sub19.htm
ペルー移民史年表
http://www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/wkclib_doc/sub17.htm
アルゼンチン移民史年表
http://www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/wkclib_doc/sub20.htm
オーストラリア移民史年表
http://www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/wkclib_doc/sub21.htm

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