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「自治体間でODFとOpenOffice.orgにより文書交換」---IPAがOSS導入実証成果報告(IT pro)
http://www.asyura2.com/0601/it09/msg/621.html
投稿者 こげぱん 日時 2007 年 5 月 02 日 21:17:00: okIfuH5uFf.Lk
 

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070425/269583/

「自治体間でODFとOpenOffice.orgにより文書交換」---IPAがOSS導入実証成果報告


 「近隣市町村とオープン標準であるODFで文書を共有するため,Microsoft OfficeとOpenOffice.orgとの相互変換やマクロ互換性などを検証」(栃木県二宮町海老原慎一氏)---独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は4月25日,「自治体におけるOSS活用に向けての導入実証対象自治体・実施企業連絡会議」を開催。オープンソース・ソフトウエア導入実証を行っている自治体と実施企業の担当者が結果を発表した。

「オープンな標準の活用」に重点

 IPAは2005年度から「自治体におけるオープンソースソフトウェア活用に向けての導入実証」を実施している。電子政府へのオープンソース適用のため,自治体に導入し実用性を実証するとともに課題を検証するとともに解決のための開発などを行う事業である。

 第1回は札幌市,栃木県二宮町,大分県津久見市,沖縄県浦添市で実証を行った(関連記事)。ここで浮かび上がった課題をもとに,外字管理システム,Linux印刷環境環境の拡充(OpenPrintingプロジェクト),Webコンテンツの互換性に関する調査,OpenOffice.orgの改良のための調査などがIPA OSSセンターによって行われている。

 2回目となる今回は山形県庁,大分県庁,千葉県市川市,栃木県二宮町の4自治体に,オープンソース・ソフトウエアを使用したシステムやデスクトップPCを導入した。

 ちょうど2007年3月,総務省から「情報システムに係る政府調達の基本方針」が正式に公開された。この中では「原則として、独自の機能、独自のデータフォーマット及び独自の方式を使用せず、国際規格・日本工業規格等のオープンな標準に基づく要求要件の記載を優先する」ことがうたわれている(関連記事)。「第2回の実証は,この基本方針を先取りする形でオープンな標準の活用に重点を置いた」(田代氏)。

山形県:オープンソースSOA基盤でワークフロー文書管理

 山形県庁では,オープンソース・ソフトウエアによるSOA(サービス指向アーキテクチャ)基盤を導入し,その上に,承認や棄却などワークフロー機能を持つ文書管理システムを構築した。ServiceMix,Tomcat,ActiveMQ,PXEといったオープンソース・ソフトウエアを採用。県庁内の一部での利用した。「システムの一部改善や機器構成の検討が必要ではあるが,山形県全体での利用も可能」(山形県伊藤丈志氏)との評価が得られたという。

 また,デスクトップでのLinuxの利用も検討した。Linuxでは外部とのファイルのやりとりには問題があり,適用範囲や運用方法を検討する必要があるものの,「山形県が現在使用しているマシンでは,要求スペックの高いOSの利用は難しく,マシンの買い替えを検討しなければならない。Linux はメモリーが512Mバイトであれば問題なく稼動する。大幅に費用が削減できると予想できる」(SRA東北 阿部嘉男氏)。


栃木県二宮町:近隣自治体とODFでオフィス文章を共有

 栃木県二宮町は昨年度も同事業に採択され,町役場の全職員の事務用パソコン約140台をWndowsからLinuxへ移行している(関連記事)。

 今年度は,近隣の自治体にもオープンソース・デスクトップの導入を働きかけ,データの交換などを行った。真岡市,市貝町,益子町,茂木町,芳賀町,芳賀広域組合の総務課や情報システム課などIT担当部門に,Linuxデスクトップ2台,FirefoxとThunderbirdを搭載したWidnowsデスクトップ1台を導入した。

 これら自治体間で,オープンソース環境でデータを交換する,あるいは既存文書を活用する実証を行った。連携用サーバーにODFを Microsoft Office文書形式に変換するデータコンバート機能を導入し有効性を検証。またOpenOffice.orgでVBマクロを利用する際の問題点を分析し,OpenOffice.orgコミュニティにフィードバックした。Microsoft Office文書をODFに変換する方法の検証も行い,手順者やガイドラインを作成している。

 実証を担当したNECの大木一浩氏は「国や県庁からの調査・報告依頼は,VBマクロやVBscriptを利用したExcelなど,特定のソフトウエアに依存するものがほとんど。これらの調査報告依頼についても特定技術への依存から脱却するための取り組みが必要」と指摘した。

千葉県市川市:システムを他の自治体にも無償提供へ

 千葉県市川市ではオープンソース・ソフトウエアで公共施設予約システムを開発した。「予約システムは非常に利用ニーズの高いシステム」(市川市日下保裕氏)。サーバーだけでなく,市役所職員が使用する管理端末もLinuxを利用。職員がシステムを利用する際にはICカードを使用しているため, LinuxクライアントからもICカードを使用できるようカードリーダー/ライターのデバイス・ドライバも改造した。

 市川市の男女共同参画センターウィズで実証を行った。3月からモニターによる試験運用を開始しており,2007年5月から本格稼動させる。実証実験終了後も継続して利用していく方針である。

 「ここで開発したシステムは,他の自治体にも無償で提供していきたい」(NTT PCコミュニケーションズ 吉田善幸氏)。


大分県:SambaとOpenLDAP,Rubyで1万2000ユーザーの基盤

 大分県では,ファイル管理基盤,職員認証基盤,電子決済基盤システムをオープンソース・ソフトウエアで構築した。職員認証基盤はSamba, OpenLDAP,UltraMonkey,MySQL,Apacheで構築,そのポータルおよび管理ツールはRuby on Railsで開発した。した。ファイル管理基盤はSamba,負荷分散にDFS,全検索にHyper Estraierを利用。電子決済基盤はRuby on Rails,MySQL,Apache,UltraMoneyを採用し,Ajaxも活用している。

 全職員1万2000ユーザーの利用を想定した負荷のもとで,実用的な性能が得られるかどうかを検証した。

 また職員情報システムは地元の小企業も参入できるよう,分割発注を前提とした開発を行った。その際に要求分析を実施するために,スターロジックが開発した分析手法「マジカ!」(関連記事)を利用した。

 システムは5月から導入実証を開始する。大分県では今年度移行に統合サーバーの稼動を予定しており「そこで今回開発した共通基盤システムを本番環境に移行していきたい」(大分県 安部弘氏)としている。

来年度は“心臓部”に

 来年度の実証について,IPA OSSセンター長の田代氏は「第1弾はデスクトップでOSSの有効性検証と移行ノウハウの確立を行った。第2弾はサーバーを中心にオープンな標準の活用に主眼を置いた。第3弾はレガシー・システムなどの“心臓部”がターゲットになる」と語った。

 もちろん“心臓部”に切り込むには課題も多い。「レガシー・ソフトウエア,人名漢字などの文字コード,セキュリティ,システム連携などが問題になる」(田代氏)。2007年度の自治体実証実験の公募は,2007年5月末に開始し,7月末に締め切る予定である。

(高橋 信頼=ITpro)  [2007/04/25]

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