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Re: 「Microsoft社による特許侵害の申し立てはFUD」──Torvalds氏とMoglen氏の意見が一致
http://www.asyura2.com/0601/it09/msg/668.html
投稿者 こげぱん 日時 2007 年 5 月 19 日 12:50:45: okIfuH5uFf.Lk
 

(回答先: Microsoft、Linuxベンダーらに特許侵害の賠償金を要求――「われわれの特許を235件も侵害している!」 投稿者 こげぱん 日時 2007 年 5 月 18 日 19:58:53)

http://opentechpress.jp/article.pl?sid=07/05/17/0110225

タイトル 「Microsoft社による特許侵害の申し立てはFUD」──Torvalds氏とMoglen氏の意見が一致
日付 2007年05月17日
Joe-Barr(2007年5月15日(火))


 Microsoft社がFortune誌の記事において、フリーソフトウェアに対して新たな威嚇攻撃を仕掛けた。Linux.com編集部では記事の該当部分を読んだ後、「Linuxカーネルは42件の Microsoft社所有の特許を故意に侵害している」というMicrosoft社の主張について、Linuxカーネルの生みの親であるLinus Torvalds氏にコメントを求めた。

 取材に対しTorvalds氏は次のように答えた。

 まずは侵害しているとされる具体的な特許のリストを見せてもらえないだろうか。というより、そもそもそれは単にFUDに過ぎないので、それに対して僕がコメントしたり対応したりできることはあまり多くない。先行技術はないのか?その分野の技術者にとっては取るに足らない当たり前のことではないのか?その技術の使用を回避する必要はあるのか?現時点ではFUDしか聞いていないので、僕らにはそのようないずれの点についても何も分からない。

 MSが本当に僕らに対して特許の侵害を「やめてほしい」と思っているのなら、僕らにそう言ってくるだろう。しかし実際には言ってきていないので、それはつまり、MSにとっては実のところFUDを行なう方が好ましいということなのだろう。

 Torvalds氏とFSF(フリーソフトウェア財団)顧問弁護士のEben Moglen氏の考え方はいつも一致しているとは言い難いものがあるが、この件に関しては意見が一致したようだ。Moglen氏は先週サンディエゴで開催されたRed Hat Summitの講演の中で、実際に訴訟を起こすよりも訴訟を起こすと脅すことの方が現実的な効果を得られることが多いと述べていた。その理由は、実際に訴訟を起こすと、侵害にあたる特許がどれかを具体的に挙げるとともに、その特許の有効性を示すことが必要になるためとしていた。

NewsForge.com 原文
リンク

1. "Fortune誌の記事" - http://money.cnn.com/magazines/fortune/fortune_archive/2007/05/28/100033867/index.htm?section=money_latest
2. "NewsForge.com 原文" - http://applications.linux.com/article.pl?sid=07/05/15/1455258&from=rss

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参考:FUD
http://www.yamdas.org/column/technique/fuddefj.html

FUD とは何ぞや?

著者: Roger Irwin

日本語訳: yomoyomo

以下の文章は、Roger Irwin による WHAT IS FUD? の日本語訳である。

本翻訳文書については、以下の方々にご教示を頂きました。ありがとうございました。

* 坂口哲郎さん:PSU (Power Supply Unit) に関する誤訳の指摘
* 武井伸光さん:誤記の指摘
* 小野剛さん:誤訳の訂正

FUD とは、不安(Fear)、不確実(Uncertainty)、不信(Doubt)を表す。

FUD は、競合相手が自分達のものより優れていて、しかも価格も安い、つまりは自分達の製品では太刀打ちできない製品が発売されるときに利用されるマーケティングのテクニックである。具体的な事実でもって応酬できない場合に、不安による扇動が「ゴシップ筋」を通して、競合相手の売り込みに対し疑惑の影を投げかけ、競合相手の製品を使うのを思いとどまらせるのに利用されるのだ。

一般に、FUD は市場で大きなシェアを握る企業に用いられ、大体のところ「おい、今来た道を降りるのはリスキーだろうが。我々の製品に忠誠誓って、大衆にならえよ。我々の「まもなくリリースされる」バージョンはどんなものより優秀だよ」という意味である。

コンピュータの世界では、FUD を最初に広範囲で実践したのは、1970年代における IBM だった。多くの人が例によって Amdahl 社を挙げるだろう。彼(Gene Amdahl)は自分の会社を立ち上げるのに IBM を退社すると、彼自身が FUD のターゲットになったのだ。

IBM が、IBM PC の発売でもってデスクトップ市場に参入した際、FUD 戦術も同時に使用した。IBM 自身は、10万〜20万台あたりの PC の売り上げを当てにしていたに過ぎなかったが、「全てを IBM にまかせる」企業の間で、Apple II にとってかわるぐらい売れた。ハードウェアに対する優れたフレキシビリティと互換性を有した、16ビットのマルチユーザ、マルチタスクを実現する域に既に達していたデスクトップ市場において、多くの局面で、IBM PC が高値を維持し、退化させたことを忘れてはならない。IBM PC は前記の特長を持たず、価格が高かった代わりに、IBM ブランドの強み(我々に従え、我々はビッグなのだ)でもってマーケティングを行い、あらゆる予想を越えて売り上げ、既存の市場を皆殺しにした。

勿論、IBM PC の成功は、計画的な FUD 扇動よりも、ビッグネームのマーケティング力によるのだろうが、同時に IBM PC のために、マイクロソフトが ROM 内蔵型ディスク・オペレーティング・システムの供給者として浮上した。マイクロソフトはすぐに IBM から FUD の技巧を身につけ、80年代を通して、その前の十年間 IBM がやったように、主要なマーケティングの手段として FUD を利用した。彼らは、OS2 と Windows 3.1 が対決した間、しまいには IBM 自身に FUD を用いることになった。

MS による FUD の好例であり、その威力が分かるのが、デジタル・リサーチ社が MS-DOS5 に対抗して DR-DOS を発売したときのことだ。DR-DOS はより優れた機能を持ち、価格もより安く、あらゆるところから広範囲に賞賛された。そこで新しい MS Windows 3.1 のリリースされると、DR-DOS のもとで動作した場合に些細なエラーメッセージが出るようになり、DR-DOS は優れているが、Windows を走らせるには問題があると急に言われるようになった。それと同時にマイクロソフトは、DR-DOS よりもはるかに優れている MS DOS6 が「もうまもなく」リリースされると発表した。実際には彼らは何もしておらず、DR-DOS の発売への対応として「DOS6」を視野に入れ始めたに過ぎなかったし、MS の製品が優れていたかどうかも疑わしい。この一連の古典的な FUD は、販売業者が MS-DOS と Windows を併せて売れば金銭的に有利となるような抱き合わせ商法とともに現れ、その結果は歴史が示す通りである。こうして MS は独占を築き上げたと多くの人が信じている。

DR DOS のケースが PC の歴史において、最も重要な出来事の一つかもしれないが、私のお気に入りの FUD の要素を持った出来事がこれ以前に起こっている。FUD が身近な言葉になる前のこと(訳注:原文は "FUD was a household world" となっているが、world は word の間違いだと思われる)、ソフトウェアでなくハードウェアについての話である。

イギリスで家電を製造していた AMSTRAD は、OKエレクトロニクス商品を底値で良心的に売っているという世評を得ていた。彼らの成功の多くは、合理的なデザインに依っており、構造をシンプルに保ったままで、顧客が最も望むものを提供していた。ある時、彼らはホームコンシューマーに向けた PC の発売を決定した。デザインの最適化により、AMSTRAD は、例えハードディスクとテープストリーマーを加えても(当時多くのローエンド PC は二対のフロッピードライブを備えてるに過ぎなかった)、35ワットの電源装置で十分と判断した。コンピュータはモニターを含めることで完結したので(そしてモニターに要求される電源装置は複雑である)、(多くの製造者が今日にいたるまでそうするように)ボックスの隅に標準の電源装置を設置するのでなく、適宜アップグレードされる、モニターの電源装置からコンピュータの電力を供給することも決めた。

これによって、実は別の利点もうまれた。モニターは多量の熱を放散し、それにより多くの場合、効果的な還流冷却を実現する。競合他社によるコンピュータは循環式のボックスになりがちで、そのため電源装置にファン(送風機)が組み込まれるのが普通だった(そして今尚そうだ)。AMSTRAD のはケースに電源装置を持たなかったので、中身は普通20ワット消費し、ファンなしに実に快適に動作し(ケース内に還流冷却装置を組み込んだ)、おまけにより静かにもなった。

AMSTRAD のコンピュータは大成功をおさめた。余りにも急激だった。AMSTRAD が昔から持っていた消費者市場のみならず、同程度の「伝統的な」モデルの価格が一般に 50〜100% 増しであった、オフィス環境にも市場を見出し、勿論のこと AMSTRAD はつつましくやっていた。そこに FUD キャンペーンが動き出した。「AMSTRAD の製品は冷却ファンを持たない」という文句が衝撃を与えた。「AMSTRAD の製品にハードディスクを固定したら、溶けてしまう」ああっ……、「もしプログラムがクラッシュするとしたら、それは AMSTRAD の製品が冷却ファンを持たないからだ」

FUD はたやすく論破される。AMSTRAD 製品は実によく動作し、一日中使え、それでもボックスに触れたら、製品が冷えているのが確かめられた。それにもかかわらず、多くの新たな顧客は、他のあらゆる製品にあったファンがついてないという理由で AMSTRAD の製品に不安を覚え、離れていった。そこで結局 AMSTRAD は、電源装置が普通ある右奥の隅にファンを設置した。勿論のこと、AMSTRAD の製品にはそこに電源装置がついてなかったが、通常の空気の流れがあることを前提としてケースはデザインされていたので、煙草の煙で試せばすぐ分かるように、空気は単にぐるぐる回るだけである(内部には取り込まれない)。

しかし、それでみんな幸せだったんだ!  事情に通じた合理的な人達は、ファンへの電線を切った(そうしても何の問題もない)が、ユーザの大部分は必要なものとして競合他社のファンの出すヒューという音を受け入れたというわけだ。それこそが FUD の威力なのだ。

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