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堀江マネーの奇々怪々 香港、スイス、沖縄の「点と線」 [朝日新聞]
http://www.asyura2.com/0601/livedoor1/msg/382.html
投稿者 white 日時 2006 年 2 月 23 日 22:11:57: QYBiAyr6jr5Ac
 

□堀江マネーの奇々怪々 香港、スイス、沖縄の「点と線」 [朝日新聞]

 http://www.asahi.com/business/aera/TKY200602200133.html

堀江マネーの奇々怪々 香港、スイス、沖縄の「点と線」

(2006年2月20日号)


 いくつもの投資事業組合を介在させたライブドアの「錬金術」。捜査当局は、海外ルートを辿る複雑な資金の流れの全容を解明できるか。

     ◆

 「空港で4人の男性と会ってるのは分かってるんですよ。なぜ、その4人を調べないんでしょうか。ホテルの人が言うことが本当なら自殺だと思います。でも、自分でそうしたいと思ったのか、そうさせられたのか……」

 沖縄でなぞの死を遂げたエイチ・エス証券副社長の野口英昭の夫人は、そう言って声を詰まらせた。

 4人の男とは、那覇空港に到着した野口とともに監視カメラに映っていたとされる人物のことだ。

 国会では2月7日、沓掛哲男国家公安委員長が、

 「犯罪に起因するものではないと承知している」

 と断言し、他殺説を否定している。だが、野口がなぜ、死にいたらざるを得なかったのか、その真相は薮の中である。

 ライブドアに家宅捜索が入った1月16日、後に逮捕される同社ナンバーツーの宮内亮治は、しきりに野口と連絡を取ろうとしていた。翌17日午前11時ごろには、なかなか野口と連絡が取れないことに業を煮やし、共通の知人で、ベンチャー界に豊富な人脈を持つA氏に電話をよこしてきた。

 「何度かけても、野口が携帯に出てくれないんですよ」

 だが、ライブドアだけでなく、エイチ・エス証券も前日夜から東京地検の家宅捜索を受けていたため、野口の携帯電話は押収されていたのだった。宮内がかけても、電話に出るはずもない。 

 宮内と野口の電話連絡

 このA氏は昨年10月、一時疎遠になっていたという宮内、野口の間をとりもってゴルフをしている。東証マザーズ上場時のオン・ザ・エッヂ(現ライブドア)で、二人は社長の堀江貴文の両腕だったが、宮内がナンバーツーの地位を固め、野口は、その後エイチ・エスに転じている。

 「二人がゴルフをするのは5年ぶりだったよ。だから、そんなに親密な間柄でもなかったんです」

 A氏はそう振り返る。

 だが、さほど親しくないはずの宮内が、なぜ、しきりに野口と連絡を取りたがったのか。1月17日の午前中といえば、まだ宮内が出張中の中国・大連(ターリエン)にいた時間帯である。

 結局、A氏がエイチ・エスに電話し、17日の昼ごろに宮内と野口は連絡がついている。その後、野口は、夫人から「自宅に検察の家宅捜索が入った」という知らせを受けて、かなり動揺した様子だったことがエイチ・エス社内で目撃されている。

 同日夕、会社を出た野口は「これから帰るよ」と自宅に電話したものの、帰宅せず、18日朝、沖縄へ飛び、その後、瀕死の状態で発見された。

 救急車で病院に運ばれた野口が息を引き取ったとされる時刻とちょうど同じ18日午後3時ごろ、A氏は六本木ヒルズで宮内と会っている。A氏は、すでに野口の行方が分からなくなっていることを知り、不安な面持ちで宮内にたずねた。

 「野口が行方不明なんだよ。おまえたちライブドアとの間に、なんかあったのか?」

 「ファンド(投資事業組合)を組成してもらい、資金を入れ、リーガルのチェックをしてもらっただけですよ」

 宮内からは、そんな返事が返ってきた。 

 投資組合の責任者

 野口は、今回のライブドア事件の舞台となった投資事業組合の責任者として、真相を知る重要な人物だった。

 野口が取締役をしていたエイチ・エスインベストメントが組成した「M&Aチャレンジャー1号投資事業組合」は、ライブドア(当時エッジ)がネットを使った金融会社のウェッブキャッシング・ドットコム社を買収した2003年12月、ウェッブ社の親会社からライブドア株を取得した。野口は同投資組合の業務執行組合員として契約書に署名している。

 さらに、04年10月、ライブドアがロイヤル信販とキューズ・ネットを買収した件では、やはり野口が取締役をしていた日本M&Aマネジメント(エイチ・エスインベストメントが50%出資)が組成した「JMAMサルベージ1号投資事業組合」がかかわっている。

 両投資組合は、「株式交換」によって発行されたライブドア株を得て、その売却代金は、いくつかの投資組合を経由するなどして、投資組合の出資者であるライブドアに分配されたものとみられている。ライブドアは04年9月期と05年9月期の2期にわたって、自社株の売却益を原資として得た投資組合からの分配金を、売上高・利益に計上したことを明らかにしている。

 関係者によると、投資組合に入っていた資金の90%以上がライブドア関連のもので、残りの数パーセント分をエイチ・エス側が集めたとされる。しかも投資組合の投資先の90%強が、株式交換で得たライブドア株だった。

 こうしたみえみえの自社株売却による利益計上という後ろめたさがあったのか、こうした投資組合の背後に海外の投資組合を介在させるなど、ライブドアは、当局に捕捉されにくい仕組みに工夫を凝らしたようだ。その舞台のひとつが、香港だった。 

 香港の証券会社は?

 エイチ・エス証券が昨年10月、香港の証券会社の株式を5%取得した際に、野口はその発表資料の問い合わせ先に名を連ねている。この証券会社の前身は日系準大手証券の香港法人で、00年3月に香港大手の華僑系銀行の傘下に入っている。現地では、香港や台湾の投資家が日本株に投資する際によく使われる証券会社といわれる。

 この香港の証券会社は、ライブドア周辺で頻繁にその名前が登場する。

 04年3月と同9月のライブドアの株主名簿によると、この香港の証券会社は上位10位以内の大株主に入っている。また、一時ライブドアの大株主だった個人投資家が最高戦略顧問を務めていた上場企業でも、6位の大株主(05年3月末時点)に登場している。この上場企業は前述したウェッブ社の親会社である。

 「現在、証券取引等監視委員会が株と資金の流れを詳細に追跡していますが、香港以外にもスイスなど、世界のタックスヘイブン(租税回避地)を転々として資金が動いている状況が浮かび上がりつつある」

 と、捜査関係者は打ち明ける。

 今回の事件では、堀江がクレディ・スイス・グループのプライベートバンク部門に口座を開設していることも判明している。ライブドア側は「堀江の個人口座で、問題はない」と説明しているが、舞台の大きさを感じさせる。

 ライブドア株を売った表のカネが、見えにくい回路を伝わって、再び表のカネとしてライブドアの売上高に計上される。資金洗浄を疑われかねない行為である。

 タックスヘイブンに所在するファンドや投資会社に関する情報はほとんどが閉ざされ、脱税や資金洗浄の温床になっていると指摘されて久しい。だが、これまで海外のルートを何重にも辿った資金や株の流れについて、日本の当局が把握することは極めて難しかった。今回ばかりは、そこにメスが入れられるのか。

 因縁のコンビで捜査

 金融庁の中堅幹部が言う。

 「現在、この海外資金ルートの解明で陣頭指揮を執っているのは、証券取引等監視委員会の佐々木清隆特別調査課長。この佐々木さんと東京地検の大鶴基成特捜部長は、実は以前から深い関係にあるんです」

 1999年、クレディ・スイス・ファイナンシャル・プロダクツ銀行がタックスヘイブンを使った金融派生商品(デリバティブ)の一種、「仕組み債」に関する資料を検査の際に隠したとして、当時の金融監督庁が検査妨害で刑事告発したことがある。その時の金融監督庁側の担当者が当時、検査部にいた佐々木で、検察側の受け手が大鶴だった。

 さらに因縁がある。

 億円単位の資金移動

 前述の金融庁幹部は続ける。

 「野口さんが99年当時在籍していた国際証券(現・三菱証券)は問題とされた仕組み債を大量に扱っていた。野口さんは直接の担当ではなかったかもしれないが、海外ルートを通じた複雑な仕組みに早い時期から触れていた可能性は小さくない」

 現在の捜査は、証券取引法違反容疑が中心だが、当局は決算の粉飾(商法違反)や脱税をにらみ、徹底解明の構えだ。証券取引等監視委員会の佐々木特別調査課長自身、昨年6月までIMFで、資金洗浄の問題を担当していた。

 「金融機関に関する調べは、まさに『虱潰し』という表現がふさわしい。実際、資金の流れはものすごく複雑で、逮捕された4人の国内の個人口座だけをとっても、億円単位での行き来がある。それらを全部、調べています」

 と捜査関係者は言う。

 「利益を上げた場所がタックスヘイブンだからといって、日本の税制は、全世界課税。いくら海外に貯ためてある資産でも、それが日本に居住する個人、法人の利益に帰属するということが判明すれば日本の税率が課税される。納税者には同じように申告義務があるのです」

 そう、税務当局幹部は話している。

(文中敬称略)

(AERA編集部・大鹿靖明、川村昌代)

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