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被告人の権利と共謀罪−山口母子殺人事件の被告弁護人から―JANJANブログ
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投稿者 天木ファン 日時 2006 年 6 月 21 日 22:54:29: 2nLReFHhGZ7P6
 

被告人の権利と共謀罪−山口母子殺人事件の被告弁護人から 2006/06/21

 6月6日(火)18時30分より、文京シビック小ホール(東京・後楽園)にて、「おかしいぞ!警察・検察・裁判所」シンポ実行委員会主催による、シンポジウム「おかしいぞ!警察・検察・裁判所」第4弾! ≪共謀罪をぶっつぶせ!≫が開催されました。

●第1部 安田好弘弁護士のお話

 右派メディアを中心にこのところ猛烈なバッシングを受けている安田さんは、山口母子殺害事件がどういう事件なのか、この事件の中に司法の現状を見て取れる、と指摘します。

 安田さんが山口母子殺害事件の被告の事件の弁護を受任したのは、最高裁の裁判が開かれる約2週間前だったそうです。記録を調べ、依頼人の言うことを根本的に聞きなおさなければならないと考え、裁判所に3ヶ月間の裁判の延期を申し出たそうです。しかし、即座に却下されました。

 裁判に欠席したのは、当日弁護士の集まりがあったことと、この日に出廷すれば当然結審し、判決が出ることがわかっていたからだそうです。裁判制度が変わり、以前は裁判所と検察と弁護人は対等の立場であったのが、裁判所の権限が強くなり、弁護士が裁判所の出廷命令に従わないときは、ほかの国選弁護人に変え、裁判所の都合のいいように裁判の手続きができるようになったと安田さんは指摘します。もし安田さんが裁判に出廷しないことが早い段階でわかっていれば、裁判所が決めた国選弁護士に変えられる可能性があるため、裁判の前日の午後に欠席の届けを出したそうです。

 裁判に欠席した最大の理由は、「このままでは被告人の権利を守ることができないと考えたからだ」と安田さんは述べました。「弁護士として被告人の権利を守らなければならない。それが基本的に守られない法律ができた。弁護人のいない裁判が、体制によっても、刑事訴訟法によっても、できるような制度ができた。被告人を守るべき弁護人が、裁判所に異を唱えると、国選弁護人に変えられる。裁判所に抵抗する弁護士を徹底的に排除するシステムになった」と安田さんは裁判制度の改革によって弁護士が被告人の権利を守る活動ができなくなっている現状を訴えました。

 安田さんが広島拘置所で依頼人のA被告とはじめて会ったとき、開口一番、A被告が言ったのは、検察の言っていることは「事実とはちがう」ということだったそうです。安田さんは記録を見たり、鑑定書を見て、検察官の調書にあるような残虐非道な殺害の痕跡が遺体になかったと主張しました。たとえば、「指先が真っ白になるまで両手で主婦の首を絞め、全体重をかけて絞め続けた」と検察の調書にはあるそうですが、その場合、当然遺体に痕跡がなければならないが、鑑定の結果はなかったそうです。また、赤ちゃんを床に叩きつけたとありますが、そのような痕跡は遺体になかったこと。また紐で首を二重巻きにしたという検察の主張も、二重巻きにした跡は首に残っていなかったそうです。

 本人は最初の段階で、「あまりに大きな声で叫ぶので叫ぶのをやめさせようとした」と述べ、計画的な犯行ではなかったと主張しているそうです。法廷でも同じことを述べているそうです。安田さんは「自白は事実とは違っていた。これは検察官が被告に言わせ、こういう事件であることを意図的に作り上げた事件」だとの認識を示しました。検察が主張しているのは、少年であっても残虐非道な犯行に及んだ場合は死刑にするべきというものですが、一審、二審は、事件を起こしたとき少年が18歳1ヵ月であったこと、反省してなんとかしようとしている、偶発的な犯行であるとして、無期懲役の判決を下していると安田さんは言います。

 検察がなぜデッチ上げと思われるような調書を作って事件の凶悪性を主張したのか。その理由は、「事件の背景に少年法の改正があったから」と安田さんは指摘します。その上で、事件が起きた1999年に少年法の改正が行われ、この事件は少年犯罪の厳罰化のために作られた事件であるとの見方を示しました。事件を検察が政治的に扱い、弁護人も裁判所もそのことに気づかなかったと、安田さんは述べ、本人も、取調べでは事実関係については聞かれなかったと話しているそうです。最初から計画的な犯行ではなく、「声をあげられ、頭が真っ白になった」と話したら、「一部否認しているというのは反省していない証拠だから、そういう反省していないことに対して無期なんてとんでもない」と検察が主張し、死刑を求刑していると安田さんは主張しています。

 安田さんは、「弁護人も裁判所もまったくあてにならない」と断じながら、「検察官が政治的に作り上げた事件を、弁護人も裁判所も検証しない。事実でさえも認知されず、法廷で話したことも無視される。司法の能力は驚くほど衰退している。公正公平が貫かれる場ではなくなっている」と司法の劣化を指摘しながら、「もっぱら大衆に迎合し、司法ではなく行政そのものになっている」と現在の司法のあり方を厳しく批判しました。

 その上で、「このようなあてにならない司法に共謀罪を委ねたら、警察や検察官のいうままに、だれも助けないままに拡大されることは目に見えている。抵抗すれば、国選弁護士が裁判所の思うとおりの裁判を行う」と述べ、裁判所が司法の役割を果たしていない現在、共謀罪が成立したら警察や検察によって恣意的に運用される危険性があると訴えました。(次ページにつづく)

(ひらのゆきこ)


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