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日本型犯罪報道・9つの大罪 [Henkyo Lab.] 【捜査本部の調べでわかった。】
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投稿者 white 日時 2006 年 7 月 22 日 02:03:59: QYBiAyr6jr5Ac
 

□日本型犯罪報道・9つの大罪 [Henkyo Lab.] 【捜査本部の調べでわかった。】

 http://iccho.me.uk/hl/hrmedia/jcr01.html

日本型犯罪報道・9つの大罪

2001.2.10(2004.5.30補足)
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1. 日本型犯罪報道はジャーナリズムの原則に反する
2. 日本型犯罪報道では肝心な事実がわからない
3. 日本型犯罪報道は違法である
4. 日本型犯罪報道は司法改革を妨害する
5. 日本型犯罪報道は官業癒着型利権産業である
6. 日本型犯罪報道は記者の感覚を非常識にさせる
7. 日本型犯罪報道は犯罪被害者の権利を侵害する
8. 日本型犯罪報道は取材をうける地域の社会を破壊する
9. 日本型犯罪報道の報道被害者は報われない

1. 日本型犯罪報道はジャーナリズムの原則に反する
 18世紀、君主の専制に対し市民が自由に情報を伝え、意見を表明する権利がヨーロッパで認められて以来、言論の自由は権力に対する自由、すなわち当局を批判する自由であり、民主主義社会におけるジャーナリズムの役割は当局を監視し、彼らが何をしているかを人々に伝えることによって、人々が政治的・社会的によりよく行動できるための判断材料を与えることが主な責務と考えられている。
 ところが、日本のマスメディアにそのような原則はほとんど当てはまらない。彼らの主な役割は、当局が伝えたい情報を人々に教え広めることである。人々にとって重要な(しばしば当局に不都合な)情報はほとんど報道されないので、報道は健全な権力批判の道具になり得ない。官僚や警察の責任者はたいてい匿名にされ、彼らが権力を高度に発揮するのに寄与している。
 そういう傾向が顕著に現れるのが、犯罪報道分野である。日本のマスメディアは、刑事事件で逮捕された容疑者をあたかも「犯人」であるかのように伝える。(ときにより、逮捕前から「犯人」扱いすることがある。)言い換えれば、警察(=権力)にとって万事都合のよいように容疑者を扱うということだ。

2. 日本型犯罪報道では肝心な事実が分からない
 日本のマスメディアは、容疑者が「犯人」であるという印象を読者・視聴者に植え付けるために、次のような情報操作を行う。

* 逮捕された容疑者のプライバシーや実名(未成年者を除く)を書き立てる一方、取り調べた警察官や検察官の身分を明かさない。
* 容疑者や弁護人の主張をほとんど伝えず、初公判までに容疑者に不利な事実を大量に流す。これらの情報の伝達経路はほとんど明らかにされず、調書の内容が漏れることさえある。
* 長期勾留、自白強要、「別件捜査」など、捜査や司法の不正を批判しない。
* 取調室で事件関係者が捜査員に話した内容のように、記者が直接に取材していない、あるいは取材不可能な事実を、あたかも見てきたかのように伝える。
* 事件の社会的背景を考察せず、被疑者個人の「人間本性」、「心の闇」に迫ることこそが重要であるといいくるめる。
* 事実と推論を区別せず、推論の部分で容疑者が「犯人」であることを前提にする。
* 「立件へ」などといって未来の事実を印象づける。(未来の事実を伝えるのは報道機関の役割だろうか)
 外国のメディアが「刑事A(実名)」または「名前を明かさない捜査員は〜と話した」と表現する個所で、日本のメディアは「わかった」という単語を用いる。「わかった」は「知った」(knew)「理解した」(understood)「判明した」(found out)のほかに、「証明された」(proved)という意味を含み、犯罪報道に用いられる場合、ヨーロッパの言語で主語に相当する名詞は省略される。この用法のあいまいさは、日本の報道機関にとって二つの「メリット」があるように思われる。一つは情報の出所を効果的に隠せること、もう一つは真実が証明されたかのような印象を読者・視聴者に与えられることだ。
 冒頭に掲げた民主主義社会における報道の本来の機能からすれば、捜査した警察官や検察官、取材した記者は誰か、情報源は信頼するに値するか、取り調べは適正に行われているかというような情報こそ人々にとって必要なはずだ。ところが日本型犯罪報道では、人々がまともな判断を下すためのこのような材料がことごとく奪われているのだ。

3. 日本型犯罪報道は違法である。
 容疑者を公判前から実質的に「犯人」扱いし、公判前に社会的刑罰を加える日本型犯罪報道は、報道倫理に違反するというだけでなく、憲法33条以降に定められた被疑者・被告人の権利を侵害し、「世界人権宣言」や「市民的及び政治的権利に関する国際規約」に定められた「無罪の推定」に違反する。
 もっとも、報道機関は必ずしも法律に縛られる必要はないが、憲法や国際法に定められた人権に関する規定を否定したいのでなければ、違法な報道は直ちに止めるべきだろう。

4. 日本型犯罪報道は司法改革を妨害する。
 日本における犯罪報道の不正は、刑事司法の不正と深い関係がある。自白はマスコミにとって、容疑者に対する犯人扱いの有力な材料である。マスコミは容疑者が長期にわたり勾留されて反撃できないことを利用して、容疑者を長期間攻撃することができる。警察は、容疑者が犯人扱いされたマスコミの記事を自白の誘導に利用できる。被告人にとって圧倒的に不利な報道は、裁判官に予断を与えるかもしれない。
 従って、マスコミをよりよくするためには、刑事司法をより民主的、市民的なものに改革することも必要だ。ただし前述の通り、報道と司法の不正は互いに深く結合しているので、日本型犯罪報道が司法界改革の足を引っ張ることもあり得ると認識しておきたい。
 例えば、日本の司法界で陪審制など市民参加の司法が検討されているが、犯罪報道によって妨げられる可能性がある。捜査機関にとって都合のよい情報ばかりを流し、被告人を犯人扱いする報道が陪審員に予断を与えるというのが陪審制反対の理由に挙げられても決しておかしくはない。市民参加の司法が日本型犯罪報道でつまずくとなれば、じつに馬鹿らしい。

5. 日本型犯罪報道は官業癒着型利権産業である。
 一部マスコミ企業に所属する社員を除くジャーナリストの自由な取材を妨害し、重要な当局の情報を阻止する「フィルター」としての日本の記者クラブ(kisha club)は、フリージャーナリストや、日本で取材する外国の報道関係者が特に問題視している。
 日本の記者クラブの正確な数は公表されていないが、1000近くあるといわれ、官公庁や公益企業の一室を占めている。これらの「部屋代」に相当するものは、税金でまかなわれているものと考えるのが当然だ。このような利益を当局から受け取っている記者クラブ所属の記者たちは、当局の主張することをそのまま伝え、突っ込んだ取材をしないことで、当局の利益に寄与しているのだ。
 当局と報道機関の癒着は記者クラブの外でも展開されている。犯罪報道の例を挙げよう。警察担当の記者は捜査を終えて帰宅した警察官の自宅を訪ねたり(夜討ち)、出勤する警察官を自宅前でつかまえたりして(朝駆け)、非公式な捜査情報を取材する。マスコミはこの断片的な情報を特報として「わかった」と伝える。送り手の情報源や取材経路が隠されているので、受け手側は報道の信ぴょう性を判断できない。
 このやり方は、警察当局にとってもメリットがある。被疑者にとって不利な、言い換えれば警察にとって有利な情報を、労せずばらまくことができるのだから。朝から晩までべったりまとわりつく取材を批判する警察官も少なくないようだが、警察当局は警察官に対し、記者と良好な関係を築くように指導している。

6. 日本型犯罪報道は記者の感覚を非常識にさせる。
 早朝から夜遅くまで仕事する日本の警察担当記者。彼らの多くは、入社数年以内の若手である。日本の報道機関は、たいてい新人記者を警察担当にさせるからだ。入社後の記者研修はごく短期間で、人権意識の教育はほとんど行われていない。
 警察担当記者の取材生活の実態はどのようなものか。新聞労連編「新聞が消えた日」(現代人文社刊)によれば、オウム真理教に対する捜査を取材した記者は、朝から深夜まで取材する生活を「修行」、よく泊まり込んだ記者クラブのボックスを教団施設の「サティアン」にたとえていた。
 メディア学を教え、学生をマスコミ企業に送りだしている同志社大学の複数の教員も、記者の長時間労働を問題にする。
 『そもそもマスコミという世界では、長時間労働が強いられていて、「言論の自由」などという大切な教育がなされていない』(渡辺武達教授。人権と報道・関西の会2000年度シンポジウムより)
 『三人とも簡単な研修を受けて、すぐに警察担当にされている。・・・彼や彼女らは午前六時半に起き、支局に午前一時すぎまでいる生活だ。私のゼミにいたので法律や人権について理解しているが、他の新人記者は法律の勉強をほとんどしていないという。メディアの倫理やジャーナリズムの在り方について勉強したこともないそうだ。大学からストレートに警察記者クラブに放り込まれて、先輩の仕事ぶりを見て学べというのである。』(浅野健一教授。寺沢有氏「記者クラブ裁判」意見書より)
 日本型犯罪報道は、まともな社会生活を記者から奪い、言論の自由をはじめとするジャーナリズムの思想を学ぶ暇さえ彼らに与えない。犯罪被害者の遺族に「お棺の中を撮らせてほしい」というような非常識な取材が生まれるのも、このためだろう。

7. 日本型犯罪報道は犯罪被害者の人権を侵害する。
 犯罪被害者に対する取材攻勢はすさまじい。1997年に神戸で起きた小学生の連続殺傷事件で被害者の代理人をつとめた弁護士によれば、マスコミは遺族の自宅マンションを連日包囲し、インターホンのベルを絶え間なく鳴らし続けたという。
 遺体が発見されたときには、外出しようとする遺族の車の前に報道陣が立ちふさがった。隣の棟からカメラを狙われ、カーテンを開けることができなかった。被害者の父親が医師だったので、患者を装って取材に来た記者もいた。さらに「あなたのアリバイは?」と聞きに来た記者さえいたという。
 遺族は取材被害に加え、実名報道も問題にしている。銀行で名前が呼ばれるとき、クレジットカードに署名するときにいちいち注目を浴びなければならなかったのである。

8. 日本型犯罪報道は取材をうける地域の社会を破壊する。
 取材被害は、取材を受ける地域にまで拡大する。
 1999年に京都で小学生が刺殺された事件で、地元小学校のPTA会長は「事件そのものよりも、洪水のように押しかけるマスコミが怖かった。それらから、何とか守れたのは、学校、地域、PTAが一体となれたからだと思っている。・・・もし後一ヶ月続いていたら、私たちはとても持たなかっただろう」と述懐した。
 マスコミの犯人探しで、地域社会は疑心暗鬼に陥る。PTA会長によれば、隣の中学校に通う誰かが犯人であるという前提で取材され、そのような目で見られた中学生は、今も精神的に立ち直れないままという。98年の和歌山毒カレー事件でも、地域住民の中に犯人がいると推定したマスコミが住民の姿を片っ端から撮影し、容疑者と間違えて掲載した雑誌もあった。
 日本で事件が起こると報道関係者が膨れあがる原因に、テレビの取材がある。一つの放送局がニュースを制作する部署、ワイドショーを制作する部署というように何組もの取材陣を派遣し、道行く人を片っ端から囲んであれこれ聞く。洪水のように押しかけるマスコミ関係者の姿は、20世紀末日本を象徴する姿の一つだった。

9. 日本型犯罪報道で報道被害者は報われない。
 日本の犯罪報道で取材され、被害にあった人が、司法に訴える前に報われる手段はあるだろうか。
 北欧を中心とした二十数か国には報道評議会が存在し、報道被害に関する市民の申し立てを、具体的な基準をもつ報道倫理綱領に照らし、報道界自らが審議して裁定する。スウェーデンでは、まずオンブズマンが調査して申し立てに根拠があるかどうかを判断し、その判断に市民・報道機関のどちらかが不服なら報道評議会に回される。
 被疑者・被告人の実名報道についても、日本のように「逮捕されたら実名」というような形式的なものは存在せず、スウェーデンなどでは原則として匿名とされる。
 米国では現在、一部の州をのぞいて報道評議会は存在しないし、十分な証拠がない限り被疑者の名前を出してはいけないというルールもほとんど破られているが、名誉が侵害された場合の賠償額が極めて高く、陪審制のため犯人視報道が困難である。
 フランスでは反論権が法的に認められているほか、プライバシーの侵害に厳しいことで知られる。
 以上のような報道被害の抑止手段が、日本には存在しない。放送界は98年、「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC)を設立したが、これは当時の郵政省(現在の総務省)の後押しでできたもので、市民的な基盤をもっているとはまだいいがたい。また2000年末から01年にかけて一部の新聞社が報道被害に対処する機関をつくったが、これらも具体的な判断基準がない、委員の選出過程が不透明などの根本的欠陥がある。

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