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「尊厳死」立法宗教界は・・・ 国内アンケート(読売新聞)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo18/msg/641.html
投稿者 熊野孤道 日時 2006 年 1 月 14 日 23:12:24: Lif1sDmyA6Ww.
 

読売新聞からhttp://osaka.yomiuri.co.jp/kokorop/kp60111a.htmより引用

「尊厳死」立法宗教界は・・・ 国内アンケート

「弱者に配慮」慎重姿勢

 末期がんなどで助かる見込みのない患者が、自らの意思で延命措置を拒否できる「尊厳死」の法制化へ向け、超党派の議員連盟が法案作りを進めている。早ければ今年の通常国会に提出される。読売新聞は、国内48の宗教団体を対象にした脳死・臓器移植などに関するアンケートで、尊厳死立法についての考え方も聞いた。まだ見解のまとまっていない教団が多いが、弱者への配慮などから、慎重な議論を求める意見が目立った。

(科学部・秦重信)


賛成なし、反対2団体 深い議論まだ足りず

 法制化の動きの背景には、日本尊厳死協会(井形昭弘理事長)の働きかけがある。同協会は故太田典礼医師らが日本安楽死協会として1976年に設立。83年に現在の名称に変更した。

 尊厳死を「『不治かつ末期』になった時、自分の意思で延命治療をやめてもらい、安らかに人間らしい死をとげること」と定義し、末期患者の権利として認めるよう運動してきた。

 「尊厳死法制化を考える議員連盟」(中山太郎会長)も、それを受けて設立され、昨年11月に7項目の骨子案を示した=別項。本人の事前の意思表示に基づき、末期、または持続的植物状態にある患者の生命を維持する措置をやめた場合、医師の責任を問わないとする内容だ。

 本人意思に基づかない「慈悲殺」、致死性の薬物などによる「積極的安楽死」に対し、生命維持手段の停止は「消極的安楽死」とも呼ばれる。具体的には人工呼吸器、気管挿管、栄養・水分の補給、薬剤投与などの中止・不開始が考えられる。単なる治療方針の変更とは異なる。

 こうした立法を宗教界はどう考えるのか。アンケートでは、この項目に17団体が回答した。

 法案の内容が未確定なこともあり、「賛成」はなかったが、幸福の科学は「尊厳死そのものには反対しない」、カトリック中央協議会は「過度の延命措置の拒否は許される」とした。

 「反対」は2団体。臨済宗妙心寺派は「作為的な延命措置の打ち切りには手放しに賛成できない」、崇教真光も「慎重を期すべき」と答えた。

 社会的な観点を重視して、慎重な姿勢をとる団体も多い。

 浄土宗は「高齢者や弱者に自死を強要する可能性を排除できず、立法は好ましくない」と否定的な意見で、『尊厳死』という用語についても「延命治療の停止による死を美化する価値基準を含み、一般的な呼称としては適当でない」と指摘した。

 真宗大谷派は「背後に『いのちを選別する』意識が働いていないか」と問いかけ、金光教も「経済的な理由等で心ならずも通常の延命治療を中止するケース」への懸念を表明した。

 創価学会は、延命治療の現状に問題点はあるとしつつ、「消極的安楽死、尊厳死を認めることが最も適切な解決の道とは言えない。難病患者など弱者への配慮が必須条件」と強調する。

 立正佼成会は「社会的合意が何よりも重要」としている。

 医療技術による延命が不自然なのか、その打ち切りによる死が不自然なのか、という視点の違いもうかがえる。

 天理教は態度保留だが、「意図的な死は認められない」という立場。日本ムスリム協会は「患者が苦しみから逃れるための治療行為の停止は認められない」という。一方、ものみの塔聖書冊子協会は「自然な成り行きに任せることは神の律法に背かない」としている。

 真言宗豊山派、曹洞宗、日本基督教団は「個人の判断にゆだねる」と答えた。


 議員連盟の骨子案について、衆院法制局は「死期が切迫した状態とは何か」「家族の同意による延命措置の停止は許されなくなるのか」「意思表示に従わなかった医師はどんな責任を負うのか」など14の論点を指摘。殺人や自殺ほう助との線引きが必要なだけに、法案の形にするには課題が山積している。

 反対運動も起きている。昨年4月には尊厳死立法について討論する集会が東京で開かれ、「難病患者に『迷惑をかけずに早く死のう』という心理的圧力が加わる」「遷延性意識障害(植物状態)から回復した例は多い」「身体的苦痛はたいてい取り除ける」といった批判が相次いだ。6月には研究者、医師、弁護士、障害者らが「安楽死・尊厳死法制化を阻止する会」(原田正純代表)を発足させた。

 生と死のあり方が問われる終末期医療(ターミナルケア)。脳死・臓器移植と比べても、はるかに身近な問題だが、国民レベルでも宗教界でも検討は足りない。深い論議が望まれる。


■尊厳死立法の要点(議員連盟の骨子案から)

1. 何人も、末期の状態で生命維持の措置を受容すべきか否かを自ら決定する権利を有する
2. 末期とは「合理的な医学上の判断により、助かる見込みがなく、死期が切迫していると認められる状態」をいう
3. 末期の状態で延命措置を拒否する事前の意思表示は15歳からできる
4. 末期の状態の確認は、担当医を除く医師2人以上で行う
5. 本人の意思表示に沿った医師の行為には民事・刑事上の責任を問わない
6. 生命保険契約上、自殺とはみなさない
7. 意識を回復する見込みがない「持続的植物状態」も末期に準じて扱う


アンケート回答要旨「尊厳死の立法をどう考えますか」 (カッコ内は個人の責任で回答)

真言宗豊山派 統一見解は出さず、個々の判断にゆだねる

浄土宗 社会的・経済的影響を受ける可能性が高く、高齢者や弱者に自死を強要する可能性を排除できないため、立法は好ましくない。しかし肉体的・心的苦痛を取り除くことを希望する人々がいるのも確かで、対応できる仕組みは必要。拙速な立法化より慎重な議論を

真宗大谷派 宗派として十分な議論がなされていない。何をもって「過剰な延命医療」とするのか、死を選ばねばならないほど苦しんでいるという判断を誰がするのか、どういう人間関係や医療環境におかれているのか、背後に「命を選別する」意識が働いていないかなどを問うことなく、尊厳死が語られるとすれば問題

曹洞宗 個人の判断。栄養、水分の補給まで打ち切ることは問題

臨済宗妙心寺派 反対。四大五蘊(しだいごおん=身体と精神の構成要素)の縁が去り、消滅することが人の死。作為的な延命措置の打ち切りは手放しに賛成できない

天理教 詳細不明なので保留。息を引き取るのも神の働きの一つと考えられ、意図的な死は認められない (天理やまと文化会議議長)

金光教 自然な死を迎えたいという個人の尊厳は尊重されるべき。しかし経済的な理由等で心ならずも通常の延命治療を中止するケースも生まれると思われ、それは命の軽視につながる。慎重な検討を願う

大本 教団の統一的見解がまだ樹立されていない

創価学会 過剰な延命治療が尊厳性を損なっている面があることは否めない。しかし人間の尊厳性をめぐる考え方が確立されていない社会状況を考えると、必ずしも消極的安楽死、尊厳死を認めることが最適な解決の道とはいえない。難病患者など弱者への十分な配慮が必須条件

生長の家 現時点で見解がまとまっていない

立正佼成会 法案の詳細や論拠が明確でないので回答は控える。安易に法案成立を急ぐのではなく、議論を尽くし、社会的合意を図ることが重要

崇教真光 反対。法律的判断で生命の尊厳を歪めないよう慎重を期すべき

幸福の科学 立法には検討の余地があるが、尊厳死そのものには反対していない。過度の延命治療で安らかにあの世へ旅立つ権利が害されることがある。魂は永遠の生命を持ち、この世の生存がすべてではない

カトリック中央協議会 基本的な考え方は、〈1〉直接的な安楽死は認められない〈2〉過度の延命措置の拒否は許される〈3〉緩和ケア、ターミナルケアは積極的に勧められる〈4〉栄養、水分補給は原則的には義務 (広報部長)

日本基督教団 個人の判断 (教団総会議長)

ものみの塔聖書冊子協会=エホバの証人 法律制定への意見は控える。聖書では積極的行為を伴う安楽死は認められていない。一方、臨終を人為的に延ばすことを求めていない。自然な成り行きに任せることは神の律法に背かず、患者の事前の指示は尊重すべき

日本ムスリム協会 過剰な延命治療は専門医の判断で停止できるが、苦しくてもアッラーに与えられた生命を最後まで真剣に生きるよう教えられており、苦しみから逃れるための治療行為の停止は認められない

(2006年01月12日 読売新聞)

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