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与党追及質問のしかた考【斬るか斬られるか緊張感を】―「東京新聞」特報
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投稿者 天木ファン 日時 2006 年 3 月 02 日 21:38:47: 2nLReFHhGZ7P6
 

◇与党追及質問のしかた考

 ライブドアの送金指示メール問題は、民主党の完敗となった。国会で質問した永田寿康衆院議員は、メールの情報源に直接確認していなかったばかりか、永田氏の主張を鵜呑(うの)みにした同党執行部の危機管理のお粗末ぶりも露呈した。かつては、爆弾発言や調べた事実を突き付けて与党を追い詰めた野党議員もいた。永田氏に何が欠けていたのか。国会での与党追及の仕方とは。

 「永田君が初当選した五年前に会った際、『私のような政治家になりたい』と永田君が言うもんだから、私は注意したんだ。国会で爆弾のつもりで質問すれば、相手によってはその人を殺してしまうことにもなるし、誤ると自爆にもなる、とね。永田君は忘れていると思うが」

 「国会の爆弾男」の異名を取った、元衆院議員の楢崎弥之助氏は、二十八日の永田氏の記者会見のもようを見ながら、同氏との初対面の場面を思い起こした。

■国会の爆弾男 永田氏に忠告

 会見での釈明を「全然、説得力がないね」としながら、「一番の問題は、前原執行部の責任だ。権力の根幹を揺るがすような問題を追及するのであれば、情報の信ぴょう性について執行部は一つ一つ確認を取るのは当然だ。それができないというのは、前原執行部が未熟で、経験がないだけでなく、指導する人がいないからだ」と切り捨てる。

 楢崎氏といえば、一九八八年のリクルート事件が有名だ。リクルートコスモス社の未公開株が中曽根康弘元首相ら大物政治家にも譲渡されていた事実が判明した。この問題を国会で取り上げようとした楢崎氏に、手心を加えてもらおうと同社社長室長が現金を渡そうとした。その様子を隠し撮りしテレビで放映した。

 その告発の方法をめぐり、右翼から攻撃も受けたが、捨て身で証拠を押さえた行動に世論が味方した。

 「能力の問題ではなく、明らかな経験不足だ。提供者の情報源を秘匿するのはいいとしても、提供者に対し『ひょっとしたら、国会に出てもらって証言してもらう場面もありますが、それでいいですね』と念を押さないといけない。それができないのであれば、国会で質問することはできない、ときっぱりと言うべきだった」。返す刀で「前原執行部は直ちに退陣すべきだ。永田君もまだ若い。辞職すれば、懲罰も関係なくなるし、次の選挙で捲土(けんど)重来を期すこともできるが、このままだと、それも危うくなる」と話す。

 だが、疑惑を追及する実力について、永田氏は自信があったようだ。「僕は委員会での質問時も原稿は見ない。十五分程度質問するにも二、三十時間くらいは勉強している」「はっきり言ってメディアの前で闘ったら、小泉さんの敵は鳩山(由紀夫民主党代表=当時)さんじゃなくて僕だと思っています」

 二〇〇一年、本紙の取材に、永田氏はこう国会質問の仕方を説明した。

 〇二年には田中真紀子元外相の秘書給与流用疑惑について、独自資料をもとに追及、田中議員辞職の一因となったこともあり、「ファイトはあった」(民主党関係者)と評価する声もある。

 ただ、東大、旧大蔵省とエリートコースを歩いてきたわりにはパフォーマンスで混乱も招いた。

 初当選間もない二〇〇〇年十月、公職選挙法改正案の参院審議に際し、議場前で「与党議員や衛視に対して暴力を振るった」として懲罰動議が出された。同年十一月の本会議では、松浪健四郎衆院議員(当時)が演説中にコップの水をぶちまけた事件の“被害者”となった。永田氏がヤジを飛ばしたことに対する報復だったとされる。

■『功あせった』 懲罰動議5回

 最近では昨年七月、公明党支持団体について「選挙に合わせて住民票を移動させている疑念がある」などと国会質問し、同党が事実無根として懲罰動議を提出。今回の問題で出された動議を含め、在任七年の間に五回の懲罰動議が出された。一方、同月の衆院外務委員会で、他議員の質問中、折り紙を折っている様子が衆議院が収録したビデオにより発覚。一部で「折り紙議員」と批判されていた。

 昨年九月の総選挙で落選するまでの一年九カ月の在職中、社会保険庁に絡む監修料や随意契約問題などを追及してきた前衆院議員の中根康浩氏は「永田君は功をあせっていたのではないか。メディアは麻薬みたいなもので、常に取り上げられていないと、不安感にとらわれがちだ」とみる。

 フリージャーナリストの経験がある前民主党衆院議員の木下厚氏は「追及する資質がない若い人が調子に乗っていると、いつか自爆すると思っていた。わが党の若さ、未熟さが出てしまった」と残念がる。

 「中川秀直氏が官房長官だったころの官房機密費の使途について、独自に支出証明書を入手して追及した。こうした物証が、疑惑追及の基本だ」とし、さらに「けんかの仕方がヘタすぎる」と話す。

 「二の矢、三の矢が出せないのに、最初から断定調で質問してしまっては、相手を利するだけ。だんだんと矛盾点を突いていく手法が必要だった。私が週刊誌に署名記事を書いたときは、一週間は眠れなかった。まして国会質問は重みが違う。相手の政治生命を奪う可能性のある質問ならば、斬(き)るか斬られるかという緊張感をもってやるべきだったが、永田氏も執行部も、どうにも軽い感じがした」

 二〇〇二年、鈴木宗男衆院議員の「ムネオハウス」疑惑を最初に取り上げた共産党の佐々木憲昭衆院議員も「これは本物かどうかは分からないが、どうですかとボールを投げるという手はある」と秘訣(ひけつ)を明かす。

 ムネオハウス疑惑では、当時、外務省と鈴木氏のやりとりを克明に記した同省「秘」文書を、同氏参考人質疑の当日朝に入手、追及した。「党の疑惑追及チームが文書に押してある秘の印について、ほかで見たことがあり、間違いなく外務省の内部文書だと判断したこと、それまでの経緯で疑問だった部分がこの文書で説明ができること、などから急きょ質問を差し替えた。それでも最初から断定調で聞くことはしなかった」

 楢崎氏同様、民主党の問題点を指摘する声もある。木下氏が初当選した二〇〇〇年当時から、民主党内には「スキャンダル、不正の追及は格好悪い。それよりも政権交代のためには政策論争だ」という雰囲気があり、同氏がさまざまな疑惑追及のために調査チームをつくるべきだと党上層部に進言しても受け入れられなかったという。中根氏も「今回の問題は党挙げて調査すべきだった」と指摘する。

 佐々木氏はこの騒動で、野党の国会質問にブレーキがかかる危機感を抱く。実際、逢沢一郎自民党幹事長代理は民放番組で「国会の品位を確保するためには何が必要か。国会法や衆院規則をいじらなければならないかもしれない」と発言した。「質問主意書に対する制限の動きと同様で、質問に枠をはめて自民党に都合のいい質問しかできないようにする狙いだ」(佐々木氏)

■続く前原体制 喜ぶのは自民

 楢崎氏はこう危惧(きぐ)する。「前原執行部が退陣しないで一番喜ぶのは自民党。傷だらけで死に体の方が組みやすい。これ以上深追いせず、『生かさず殺さず』だろう」


<デスクメモ>

「突然、携帯にかけてきて、本当に東京新聞の記者ということをどうやって証明するのか」。電話した「こちら特報部」の記者に、楢崎氏はこう迫った。「偽自衛隊クーデター計画」を追及してしまうなど失敗もあったが、85歳の今も、事実を確認しようとする姿は「爆弾男」の面目躍如といったところか。(鈴)

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060302/mng_____tokuho__000.shtml
(一部紙面から)

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