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小泉改革で荒廃する日本社会 防衛施設庁談合・耐震偽装・ライブドア  【SENKI】
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投稿者 愚民党 日時 2006 年 2 月 09 日 20:46:57: ogcGl0q1DMbpk
 

防衛施設庁談合・耐震偽装・ライブドア

小泉改革で荒廃する日本社会


http://www.bund.org/editorial/20060215-1.htm

 耐震偽装・ライブドア・米国産牛肉に続いて防衛施設庁談合事件が発覚し、9月総裁選前の退陣を待たずに小泉政権は「レームダック(死に体)」と化しつつある。小泉政権の4年間で日本は、所得格差が拡大するとともに社会的モラルが低下し、社会全体が大きく荒廃してしまった。

偽装業者と癒着する政治家

 小泉首相は「小さな政府」を実現し、「抵抗勢力」から権力を奪えば政官業の癒着はなくなると繰り返し主張してきた。だが実際はどうか。耐震偽装事件や防衛施設庁談合事件では、あいもかわらぬ政官業癒着の腐敗の構図が浮き彫りになっている。

 小嶋社長に対する国会での参考人質疑や証人喚問では、ポスト小泉の本命=安倍晋三官房長官をはじめ伊藤公介元国土庁長官・伊藤信太郎外務政務官・阿南元代議士・石原慎太郎都知事ら複数の政治家の関与が明らかとなっている。ヒューザーの小嶋社長ら偽装業者は、特定の政治家との「特別な関係」=癒着を利用して耐震偽装の隠蔽・もみ消しを行おうとしていたのだ。

 耐震データ偽造発覚の直前、元国土庁長官の伊藤公介衆院議員(森派)は、「友人が困っているんだ」と国土交通省に電話をかけ、「ヒューザー」の小嶋社長を伴い同省の課長と面会していた。伊藤議員とヒューザーとの関係は親密だ。ヒューザーは昨年、伊藤議員から政治資金パーティー券100万円分を購入。小嶋社長は、昨年12月に開催予定だった「衆議院議員伊藤公介と明日の日本を熱く語る集い」の発起人に名を連ねていた(事件発覚で中止)。伊藤議員の三男が経営する会社が昨年11月、ヒューザーが販売したマンションの管理業務を請け負っていたことも明らかになっている。

 安倍幹事長との関係についても小嶋社長は、1月17日の証人喚問で問題発覚後の国土交通省への働き掛けについて、「安倍晋三官房長官の秘書に議員会館で相談したことがある。飯塚さんというお名前だったと思う」「(飯塚秘書から)それなら事務次官候補がいいでしょう」とアドバイスされたと証言している。小嶋社長は、安倍晋三官房長官の後援会「安晋会」(安倍事務所は「有志の親睦会」と弁明)にも所属していた。

 姉歯元建築士が耐震データを偽装したマンションは震度5で倒壊する恐れがある。地震大国日本では、いつ震度5の地震が起こるかわからない。耐震偽装は、マンション住民をはじめ国民全体の安全と生命を危険にさらす大問題だ。

 ところがホリエモンを「我が弟、息子です」と持ち上げた武部幹事長は、昨年11月26日の北海道釧路市での講演で、「悪者探しに終始すると、マンション業界つぶれますよ、ばたばたと。不動産業界も参ってきますよ。景気がこれでおかしくなるほどの大きな問題です」などと発言している。マンション業者保護と景気維持を優先して、実態調査や責任追及を止めろというのだ。市場原理主義と競争原理を至上の価値とする小泉改革こそ、金儲け優先で安全性や企業倫理を無視した耐震偽装やライブドア事件を生み出した元凶に他ならない。

絵に描いたような官制談合

 1月30日、東京地検特捜部は、防衛施設庁が2004年度に発注した空調工事の入札をめぐり、競売入札妨害(談合)の疑いで、同庁ナンバー3の河野孝義技術審議官ら3人を逮捕した。新聞報道によると、生沢容疑者が技術審議官、河野容疑者が同庁建設部長、松田容疑者が同部建設企画課長だった04年11月〜05年3月、空調メーカーの大気社・新菱冷熱工業・三機工業の営業担当者らと共謀。同庁東京防衛施設局が04年11月に行った自衛隊中央病院新設空調工事の一般競争入札で、大気社など3社の共同企業体(JV)に落札させるため、他のJVが大気社JVより高い金額で入札することを協定していた。大気社JVはこの工事を11億5500万円で落札している。

 新菱冷熱など3社のJVが10億5000万円で落札した04年11月の自衛隊中央病院新設空調工事の一般競争入札や、三機工業など3社のJVが12億6000万円で落札した05年3月の市ケ谷庁舎(防衛庁庁舎)新設空調工事の指名競争入札でも同様の談合が行われていた。施設庁が04年に発注した@硫黄島浄水施設新設等土木工事、A米海兵隊岩国基地(山口県)の滑走路移設、B佐世保基地の岸壁工事といった基地・施設の発注でも官製談合が行われた疑いが濃厚になっている。

 談合の手口は以下のようなものだった。防衛施設庁は、公益法人「防衛施設技術協会」を通じ建設会社や空調メーカーに仕事を受注していたが、防衛施設技術協会にも取引先の業者にも、多数の防衛施設庁官僚が天下っていた。談合は天下った元防衛庁官僚によって組織的に行われ、その取りまとめ役をやっていたのが今回逮捕された3人の現役防衛施設庁官僚だった。

 自衛隊法は、自衛官を含む防衛庁・防衛施設庁の職員について、両庁と密接な関係にある企業・団体への再就職を退職後、原則2年間禁じている。ところが、防衛施設庁OBはまず防衛施設技術協会に天下って制限期間を過ごした後、再度、取引先の業者に天下っていた。防衛施設技術協会は、腰掛け就職する「トンネル組織」の役割を果たしていたのだ。防衛施設技術協会は、年間約14億円の事業収入の9割近くを防衛施設庁との随意契約による委託業務で得ていた。天下ったOBたちの給料も退職金も防衛施設庁の予算で賄われていた。

 天下り―特殊法人―官業癒着、まさに絵に描いたような官製談合だ。「聖域なき構造改革」(小泉首相)が、聞いてあきれる。

防衛予算という「聖域」

 現在、米軍再編に伴う米軍や自衛隊基地の移転や拡張などの「公共事業」が急増している。ゼネコン・建設業界にとって、防衛施設事業は旨味のある公共事業となっている。防衛施設庁は、防衛庁の外局として、在日米軍基地や自衛隊の基地・施設の取得や管理を担当する機関であり、今回の在日米軍再編でも、地元自治体・住民に対する「説得・調整」に当たっている機関だ。沖縄の辺野古沖合いへの滑走路建設、キャンプ座間への第一軍団の移設、原子力空母の横須賀母港化など、地元住民の反対を押し切る形ですすめられている米軍再編。その再編に伴う工事において防衛施設庁の幹部官僚が官製談合を組織し、ゼネコンや装備納入業者に不当な利益を供与すると共に、私腹を肥やしていたのだ。モラルハザードにもほどがある。

 「小さな政府」を掲げる小泉政権は、今後5年間に国家公務員を5%純減、10年間で総人件費をGDP(国内総生産)比で半分に減らすなど大幅な公務員削減を強行しようとしている。財政赤字の増大で公務員の削減が必要だというのなら、教育や医療・社会福祉などの国民サービスにたずさわっている現場の公務員労働者の削減ではなく、官制談合や天下りで私服を肥やす中央官庁の高級官僚を大幅にリストラし、地方自治体へと大幅に権限と予算を委譲するべきだ。

 市場原理主義に基づく小泉改革によって、日本社会は金儲け第一の殺伐とした階級社会へと変貌してしまった。真面目に働く者が普通に生きられる社会へ、改革の方向性を抜本的に転換していくことが求められている。


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クリアランス制度導入スタートの矛盾

放射性ゴミが一般ゴミになる

 2005年5月に「原子炉等規制法の一部改正案」が国会で成立した。この中に「一定レベル以下の放射性廃棄物を一般廃棄物と同様に処分できる制度」(『朝日新聞』2005・5・14)が盛り込まれ、昨年12月1日から実施可能となった。クリアランス制度と呼ばれる(本紙1172号に既報)。

 これまで原子力発電所からだされた放射性廃棄物は、高レベル放射性廃棄物はもちろん作業服や漏れた冷却水を拭いた雑巾などの低レベル放射性廃棄物も、一般の産業廃棄物とは別扱いとなっていた。それに対しクリアランス制度では放射性廃棄物の一部だけを放射性廃棄物扱いとし、残りの大部分を「放射性廃棄物として扱う必要のない物」や、「放射性廃棄物でない廃棄物」として処理することを可能としたのである。今後は原発から出た鉄材・コンクリートなどはリサイクルされ、新たな建物に使われることもありうるのだ。

 クリアランス制度は、老朽化した原発からの解体ゴミ処理問題のために導入された。1966年から稼働していた茨城県東海村の東海原発第1号機が老朽化のため、1998年に廃炉となり解体されている。今後、老朽化した原発は続出する。原発を新規立地で建設することは、住民の反対運動で困難になっており、三重県の芦浜原発などは住民投票で計画が白紙撤回された。そこで老朽化した原発を解体して、その場所に再度建設するための救済処置として導入されたのがクリアランス制度なのだ。

 1992年に台湾の台北にある台湾電力の社宅で、リサイクルされた鉄材の中に放射性物質のコバルト60が混入していた事件が発覚した。その後の調べで他に85棟以上汚染住宅が見つかった。ガンや白血病による死亡などの被害が住民に出たのである。これと同じことが今後日本でおこりうるのである。

産廃業者はどう思っているのか

 実際日本では、法改悪後どのような状況なのか。茨城県内の産業廃棄物を扱う会社に現状を電話で問い合わせた。およそ30件問い合わせた。那珂市に事務所をおく建築廃材などを扱う運搬業者は「うちは放射性廃棄物は扱えないが、放射性廃棄物ではないと明確に判断できる文書が出されれば、普通の産業廃棄物として扱えることになる」と答えている。排出業者がどのような形で廃棄物をだすのかが肝心で、「放射性廃棄物であるかないか」の実際は関係ないということなのである。水戸市にある東海原発の廃材を扱っている運搬業者も同様の回答だった。廃棄物は茨城県内の処分場へ運んでいるという。

 コンクリート廃材は基本的に中間処理施設へ運ばれる。リサイクルされるのだ。「原発は解体されてから数年放置され、放射能が低くなってから排出されるので大丈夫だ」と答えた業者もいた。

 ひたちなか市の中間処理施設業者は「法律の改正は知っている。日本原子力研究開発機構(旧核燃料サイクル開発機構)から出る廃棄物はお断りしている。風評被害等あるので、会社の方針として放射性廃棄物の恐れのあるものは扱わないことにしている」と答えていた。このような会社も「放射性廃棄物でない廃棄物」として別業者から運搬されれば、実際は受け入れてしまうのである。

 茨城県産業廃棄物協会の話では、2004年6月に経済産業省から全国産業廃棄物連合会に対して、法律が変わるため理解を求める文書がだされた。連合会はこれに対し「安全面において国民や地域住民から理解を得られないから、民間の施設としては扱えない。むしろ、公共施設で扱うべきものではないか」という回答を出したという。

 にもかかわらず法律は成立してしまった。その後、全国連合会も茨城県産業廃棄物協会も、この件について各事業者に通達を出しているわけではない。放射性廃棄物を、各業者が知らないうちに普通の産業廃棄物として扱ってしまうおそれがあるのだ。作業者は自覚なく被曝する。廃炉からでた鉄くずや配管はリサイクルされることで、その後何に使われるのかはわからない。最悪、自動販売機で買った缶ジュースで被曝するようなことになるのである。

 「鉄鋼業界では、このような危険物がリサイクル鉄くずとして溶鉱炉に入ってくれば、製品の信頼性を失い、海外輸出などで大打撃を受けることがあきらかなので、すでに中古鉄材受け入れ時の放射能チェック体制を固め、ガード」(『原子力発電で本当に知りたい120の基礎知識』広瀬隆・藤田祐幸共著)しているという。劣化ウラン弾被曝どころではない事態が生み出される可能性があるのだ。

 破壊される前に放射能の値が低くとも、破壊後には拡大するケースもある。「鉄材やコンクリート材を貫いてでてこられない放射線がたくさんあります。例えばベータ線を出す核種だったら…せいぜい数mmぐらいしか飛びません。アルファー線を出すものだったら放射線はまったく飛びません」(市川定夫講演録)。

 生命体の遺伝子はアルファー線でも被曝し破壊される。経済産業省はクリアランス制度についての詳細で「腕時計やベルトのバックルへの再利用など局所被曝となる場合には、線源形状が小さいので全身に対する影響は小さいと考えられるため評価経路には選定しない」としている。そこでは一般市民の被曝は想定内なのだ。すべての矛盾が住民に押しつけられる日本の政治は、既に制度疲労に陥っている。

(飯塚今日子・グリーンアクションさいたま)


(2006年2月15日発行 『SENKI』 1203号1面から)

http://www.bund.org/editorial/20060215-1.htm

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