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<社説> 日本人民の苦難とアジアの戦争の根源なす武力占領  【長周新聞】
http://www.asyura2.com/0601/senkyo19/msg/534.html
投稿者 愚民党 日時 2006 年 2 月 11 日 12:12:01: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 「在日米軍再編」 岩国は出撃拠点化 空母2隻体制を準備 関東は司令部集中  【長周新聞】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 2 月 11 日 12:04:22)

<社説>日本人民の苦難とアジアの戦争の根源なす武力占領 2006年2月9日付

http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/nihonjinminnokunantoajianosensounokonngen.htm


 岩国市の井原市長は、岩国基地への厚木基地機能移転問題をめぐって住民投票をすることを発議した。これは市民のかつてない強い反対世論を反映すると同時に、国をバックにした住民圧迫の道具ともなり、鋭いたたかいとなる。

 米軍再編問題で、山口県の岩国基地の大増強計画は突出したものとなっている。岩国では早くから「安全のための沖合移設」とだまして滑走路増設をすすめてきた。空母が接岸できる巨大岸壁も建設、米兵住宅のための愛宕山開発もすすめてきた。現在の海兵隊航空部隊に加えて、厚木基地の空母艦載機部隊を移駐、1600人の部隊配備で、米兵は現在の2倍になる。そのため広島湾周辺の無人島に着艦訓練場を建設したり、もう一つの滑走路・メガフロート増設の話もあがっている。

 アメリカ側はさらに普天間基地の空中給油機部隊の移駐を求めている。また普天間基地機能を丸ごと岩国に移転する計画や、もう一つの米空母艦載機部隊の配備計画もあがっている。これは岩国基地機能を数倍化して巨大な軍事要塞にするものであり、米軍再編計画全体を左右する位置にあることを示している。岩国は町のどまんなかのもっとも広大な土地を占領されてきたが、これを大拡張し今後何十年にもわたる恒久化し、「基地のなかの岩国」にしようというのである。

 このなかで地元岩国をはじめ、被爆地広島県まで、岩国基地増強に反対する住民の世論と行動はかつてない強い盛り上がりとなっている。原爆によって親兄弟を虫けらのごとく殺されたこの地域の人人は、広島湾を原水爆基地とすることを黙って見ているわけにはいかないのである。

 米軍基地は、日本にいったいなんのためにいるのか。

 第1の問題は、太平洋戦争は60年まえに終わったが、それ以後ずっと日本がアメリカ軍に武力占領されており、日本民族が隷属の鎖に縛られて、それをますます強めるという問題である。

 今度の米軍再編のいきさつが示すことは、日本の小泉政府が日本の国民に相談し、日本国民の必要から決めたものではないということである。アメリカに呼びつけられて、一方的に押しつけられ、それをあたりまえのような顔をしてそれぞれの地元に認めさせようとして、どこでも強烈な反発を食らっているものである。

 さらに、岩国基地の沖合拡張も米兵住宅も、辺野古の埋め立ても、米軍のグアム移転費用も、何兆円におよぶ米軍再編費用を日本国民の税金でまかなおうとしている。国民を縛りつけている外国の軍隊の費用を日本政府が負担するというのである。不安定雇用と低賃金のもと重税と高負担で国民が食っていけなくなることを代償にして、米軍再編を推進しているのである。

 さらに小泉政府は、米軍が戦争をはじめた場合、日本の港や道路、空港をはじめ、米軍が必要とみなすなら民家を自由に接収したり、公的機関や企業などを指揮下に置いて利用するような戦時法制をすすめてきた。自衛隊は米軍の指揮下に入り、弾よけになる態勢をすすめている。そしてアメリカがかれらの都合のためにはじめた戦争に、日本が自動的に参加するという態勢である。日本が戦争をするかどうかという問題を、日本が決めるのではなく、外国の都合で戦争に参加するというのである。小泉政府は、日本の命運を日本国民が決めるのでなく、外国にゆだねるという屈辱的で売国的な政治を実行している。

 日本人民の生活の困難はいよいよせっぱつまったものとなってきた。アメリカのいいなりになって、市場原理主義とか構造改革といって、アメリカ資本の企業乗っとりをすすめ、ホリエモンのような詐欺師をはびこらせ、大企業は100兆円もの利益を抱えながら、大多数の働くものは食っていけない。日本の農漁業はアメリカ農水産物の輸入でさんざんに破壊され、あげくのはてには毒入り牛肉を食わされる。教育も文化もメディアも、アメリカのいいなりで、荒廃のきわみにある。小泉は靖国問題などで強情にごねているが、それはアメリカの鉄砲玉となってアジアと対抗するものである。構造改革と称する小泉政治は、アメリカ大使館が毎年発表した計画を忠実に実行するものである。

 このような日本社会全体の対米従属・植民地的な荒廃は、米軍による武力占領を根幹としている。太平洋戦争で原爆を投下し、沖縄戦をやり、岩国でも全国でも空襲をやって武力によって占領したのであり、「文句をいうなら力でこい」というのである。米軍の増強は、日本を隷属の鎖に縛りつけるためであり、日本人民の苦難の根源であるというのが第一の問題である。日本人はどこの国に住んでいるかわからない、流浪の民のようになっているのだ。

 第2の問題は、米軍再編は、アメリカが朝鮮、中国、アジアをはじめ、南アジア、中東など世界で戦争をやるために持ち出したものであり、日本人の生命、財産を守るためなどではない。かれらが戦争をやるためには日本の国力を動員しなければできないのである。イラク戦争は、「大量破壊兵器」などの開戦理由がウソであったことが証明され、イラクの石油を略奪すること、「民主化」などといってアラブ世界をかれらの市場にする目的であったことがだれの目にも鮮明になった。第2次大戦における対日戦争は、日本占領を目的とした侵略戦争であったし、朝鮮戦争、ベトナム戦争など戦後の戦争はアメリカの侵略の野望によってひき起こされたものである。

 かつての戦争の痛ましい体験を持つ日本のすべての人民も、アジアの人民もみな、戦争に反対し平和を願っている。中国、朝鮮、アジア、世界の緊張をつくりだしているのはアメリカであり、アメリカこそが戦争放火者である。米軍基地を撤去するのではなく増強することが、アジア近隣諸国との戦争をひき起こし、日本人をアメリカの弾よけにして、かつての戦争と同じような惨禍に日本国民を突き落とすものである。

 犯罪的な米軍再編を許さないたたかいは、日本の平和と独立を実現する日本人民の死活の利益がかかった重要課題であり、アジア諸国人民との友好連帯をすすめる重要課題である。直接の被害にあう岩国市民だけではなく、全県、全国を結びつけること、とくに隣接する広島の原爆被爆体験者や戦争体験者をはじめ、社会を担う現役世代、労働者、農漁民、中小業者、都市勤労人民、教師や文化・知識人などすべての人民の独立、平和、民主、繁栄を求める共同斗争を発展させなければならず、なにがなんでも勝利させないわけにはいかない。岩国基地の増強をとん挫させることは、米軍再編全体をとん挫させ、アジアと世界の平和に貢献することである。

http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/nihonjinminnokunantoajianosensounokonngen.htm

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