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「救援新聞」２月１５日号が共謀罪の問題点を取り上げている。「救援新聞」は冤罪事件などで救援活動をしている「国民救援会」の月三回発行の機関誌である。
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相談しただけで犯罪になる共課罪。この共謀罪が継続審議されている衆議院法務委員会で、問題点を追及している社会民主党の保坂展人衆議院議員にお話を伺いました。
―まず、共謀罪の問題点について。
政府自身、当初、「国内法制になじまず、共謀罪を必要とする事情はまったくない」と言っていました。それなのに共課罪をつくるのはおかしい。そこで政府は「国際組織犯罪防止条約を批准するために必要だ」と説明しました。それなら取り締まる対象を国際・越境の組織犯罪集団に絞るべきですが、法案では限定していない。これもおかしい。
そして、根本的な問題点は、憲法で保障された内心の自由、思想・信条・表現の自由を侵すことです。犯罪を行うときに、企画書をつくり署各・捺印するなどありえません。ですから、話し合ったときの互いの理解や思考過程が捜査対象になります。戦前に引き戻されるようなことが起きる恐れもあります。
■『恐怖政治』を繰り返させるな
―「戦前に引き戻されるようなこと」とは……。
戦前、治安維持法のなかでも猛威をふるったのは「目的遂行罪」です。「目的遂行罪」では、「国体の変革」をめざし実際に策謀するのではなく、心の中で考えたことが処罰されました。当初は共産党が監視や検挙の対象になっていましたが、対象もだんだんと広がり、「戦争は負けるぞ」と話しただけで拘束をされる「恐怖政治」が行われました。
この反省から、憲法は二度と国家権カが暴走しないように箍（たが）をはめましたが、共謀罪はその箍を一気に緩めることになりかねません。
会社も労組も共謀罪の対象
―法務委員会の審議で明らかになった問題点は。
まず、共謀罪の対象となる「団体」の定義についてですが、政府は「犯罪の目的」をもった団体が対象だから、正当に活動している市民団体や会社などは対象とならない、と説明しています。一方で、組織犯罪対策関連法の解説書のなかで、法務省の担当者は、犯罪集団だけでなく、営利を目的とする会社も対象になると書いています。たとえ「犯罪集団」に限定したにしても、労働組合の団交や抗議行動に対し組織的な強要罪などの容疑をかけたい場合、捜査当局は「労働組合が変質して犯罪集団になった」と言いかねません。
それから、共謀罪の対象団体を規定している組織犯罪処罰法の対象が、暴力団および暴力団のフロント企業から、一般の社会犯罪に拡大していく傾向があります。たとえば、ライブドア事件や耐震強度虚偽事件でも、組織犯罪処罰法が使えないかという話も出ています。
「入口」では、暴力団など犯罪集団に適用するといわれていた対象が、会社の犯罪などにも広がっていく。できてしまえば、いかようにも対象は広がるわけで、共謀罪も同様の恐れがあります。
次に、共謀の問題です。共謀罪では、なにをもって共謀したとするかが問題になります。
政府は当初、居酒屋で盛り上がって「やろう」というようなことは共謀にならない、実行役や見張り役などの分担が行われ、どういうふうにやろうという話があって共謀になると説明しています。この点について、前国会で私が「リーダーが配下に目配せをしても共謀罪は成立し得るのか」と質したところ、政府はそういう場合も成立すると答えました。また、言葉のやりとりや「目配せ」などなくとも暗黙の共謀や、犯行を黙認した場合も共謀になると回答しています。共謀の認定が極めてあいまいです。
―今後の運動について。
最近、ビラ配りや「反戦」落書きなど政党や市民の活動を、住居侵入罪や建造物損壊罪などを理由に逮捕する事例がつづいています。「表現の自由」が保障されているいまの社会で、本来そのようなことに法律が使われてはいけないわけです。それだけに、共謀罪が、政治的な弾圧に使われる恐れがあると思います。
いま問題なのは、残念ながら、まだまだ一部の意識をもった市民団体・個人・ジャーナリストなどの反対にとどまっていることです。労働組合の人たちもまだ知らない。昔、「おい・こら」警察の復活を狙う警察官職務執行法の改悪に反対する運動のなかで「デートもできない警職法」とアピールして運動が広がりましたが、共謀罪でも、「うっかり話しもできない共謀罪」などのキャッチフレーズを考え、共同の輪をもっと広げていく必要があると思います。
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【関連投稿】
共謀罪『組織的犯罪集団に限定』与党修正案 今国会成立目指す―「東京新聞」
http://www.asyura2.com/0601/senkyo19/msg/656.html
投稿者 天木ファン 日時 2006 年 2 月 15 日 10:35:31
集会は終わっているが、集会案内の投稿は ↓
「共謀罪に反対する表現者たちの会」メンバー/ロフトにて
http://www.asyura2.com/0601/senkyo19/msg/664.html
投稿者 箱根 日時 2006 年 2 月 15 日 16:45:46
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