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急転合意 地元困惑/普天間移設―「沖縄タイムス」
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投稿者 天木ファン 日時 2006 年 4 月 08 日 23:44:19: 2nLReFHhGZ7P6
 

急転合意 地元困惑/普天間移設

 日米両政府が普天間飛行場の返還に合意してからちょうど十年。移設問題の歯車が、また動いた。急転直下で決定した滑走路二本の修正案。「大変うれしい」と、政府の“配慮”に感謝する名護市の島袋吉和市長。額賀福志郎防衛庁長官は笑みを浮かべた。一方、寝耳に水の新案に辺野古周辺や経済界の代表は、慎重に言葉を選んだ。市長選の公約との整合性を問う市民団体は強く反発、一年後の島袋市長のリコール運動にも言及した。
 移設先に近い名護市豊原区の宮城稔区長は「こんな案があるとは。全く聞いていない」と驚いた表情。飛行ルートが住宅地上空を外れることを評価しながらも、「住民の理解がないと受け入れられない。今後、住民説明会で意見を聞き、市から正式な説明を受けて判断したい」と述べるにとどまった。

 辺野古区行政委員の一人は「合意案は沿岸案の場所と変わりなく、事故や騒音被害の危険性は否定できない。市が合意したからといって、地元もすべて容認ではない」と強調。今後、行政委員会で対応を検討するとした。

 宜野座村松田区の当真嗣信区長は「飛行場の面積が大きくなった。滑走路の向きが少しずれただけでも影響が考えられる」と懸念材料を挙げ、「まだまだ楽観はできない」と当惑した。

 区民の一人は「ほかの飛行場や演習場に行くときには必ず民間地上空を通るだろう。根本的な解決にはならない」と語気を強めた。

 島袋市長の後援会長を務める荻堂盛秀市商工会長は「地元住民の同意を受けられると市長が判断した上でのことだろう。まずしっかり話を聞きたい」とねぎらった。

 突如現れた新修正案に「ここまでするのか」と唖然とする「ヘリ基地いらない二見以北十区の会」の渡具知智佳子共同代表。「普天間の使われ方を見れば、二本の滑走路で被害は倍増だ」と批判した。「(前市長の)岸本さんの『妥協するな』という遺言は最後の本音だったかもしれない。市長は彼に泥を塗ったのと同じだ」と断罪した。

 平和市民連絡会の平良夏芽共同代表(43)は「市長が気にかけるべきなのは、市民や県民の表情であり、政府高官の表情ではない」と、妥協を批判した。

 沿岸案に反対して先月開かれた県民総決起大会で、実行委員会共同代表を務めた山内徳信さん(71)は「合意したのは沿岸案以外の何物でもない。こんなまやかしの受け入れを許すわけにはいかない」と切り捨てた。「この案も、必ずや県民の鋭い反発を受けて挫折するだろう」と強調した。


     ◇     ◇     ◇     

続く県内負担 反発/「市長は経過説明を」
宜野湾市民 複雑


 新たな基地建設の受け入れに合意した名護市、住宅密集地に飛行場を抱え長年危険にさらされてきた宜野湾市。どちらの住民も、引き続き沖縄に負担を強いる形での決着にやりきれない思いだ。特に移設先の名護市では、集落上空の飛行ルートを回避したことを評価する声がある一方、「市長の選挙公約とかけ離れている」「子や孫に負担を残す」「国に押し切られた」と不満の声が強く、市民への明確な説明を求めている。

 名護市民は反発、不安、評価などで交錯した。

 兼次成一さん(49)=自営業=は「新しい基地ができても名護市の経済は活性化しないのでは。潤うのは基地で働く一部の人だけ。他の大勢の市民は逆に迷惑を被る。危険も付きまとう。市長は市民に経過をしっかりと説明する責任がある」と力を込めた。

 会社員の女性(45)は「名護に基地ができると不安だ。沖国大にヘリが墜落しており、名護でも起こり得る。今、新たな基地を建設するということは、子や孫に負担を残す」と強調。「市長は国に負けてしまった。普天間の軽減には賛成だが、名護に移す必要はない」と市長の対応を批判した。

 「反対、賛成は半分半分」と言うのはタクシー運転手の男性(45)。「本当は撤去してほしいが、結局どこかが犠牲にならなければいけない。基地があるおかげで経済的にも共存共栄している部分が確かにある。合意は、せめて陸地部分の上空を飛行しないことになったので評価できる」と複雑な胸の内を明かした。

 一方の宜野湾市。西平晃さん(70)は「宜野湾も名護も同じ県民だ。県内という小さな器に限定した移設の仕方に問題がある。一方的に政府の方針を押し付けておいて、この通りやれというのは納得がいかない。話の前提条件がおかしい」と政府の対応を疑問視する。

 同市野嵩に住み、長年米軍機の騒音に悩まされてきたという松島春子さん(75)も「普天間飛行場がなくなるのは正直うれしいが、移設先の名護は大変だと思う。とても心苦しい」と移設先の名護市民を気遣った。


反対協リコール視野


 ヘリ基地反対協議会は七日夜、市内で緊急の幹事会を開き、週明けの十日午前に名護市役所を訪れ、島袋吉和名護市長の基本合意に抗議することを決めた。十一日午後六時半から緊急の市民集会を開催し、合意に対し強く反対を表明することを決定した。当選後、一年間はリコール請求はできないため、一年後の市長リコールを視野に入れ反対運動を強化することを明らかにした。

 名護市の基本合意に、役員らは「基地の固定化につながり、県民に負の遺産を残すようなものだ。滑走路が増え、米軍に使い勝手のいい基地になるのは間違いない」と怒りの声を上げた。

 幹事会では合意の動きが強まったことに、役員は一様に厳しい表情を浮かべた。

 幹事会後に、名護市が基本合意したとのニュースが流れると、役員からは一斉に怒りの声が上がった。同協議会の大西照雄代表委員は「市長がこの案を持ち帰っても、市民には到底受け入れられない。最悪の形だ。埋め立てで環境破壊が進み、基地機能も強化される」と話した。


協調PRも具体論乏しく/合同会見
額賀長官 県民も理解/島袋市長 危険は回避


 額賀福志郎防衛庁長官が「誠意を持って話し合った結果は画期的」と表現したのに対し、「市の要望を受け入れていただき評価する」と返す島袋吉和名護市長。米軍普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への移設で合意した会見で、政府と地元の代表者は互いの努力をたたえあい、「協調」をPRした。ただ、合意案の具体論や地元住民への説得には「今後協議」を繰り返し、玉虫色の説明に終始した。

 会談はこの日までの計六回で最も長い四時間半に及んだ。防衛庁十一階の会見場に入った額賀長官は笑みを浮かべ、後から続いた島袋市長は、口を真一文字に硬い表情を崩さぬままだった。

 マイクの前に立った二人はがっちり握手。額賀長官が合意文書を読み上げる間も、島袋市長の表情が緩むことはなかった。「甲論乙駁、口角泡飛ばしてやってきた。市民や県民にも理解してもらえる」と、時折笑顔を浮かべ合意の意義を強調する額賀長官。

 一方の島袋市長は「(市が求めた)住宅の上空を飛ばない原則に配慮していただいた」と、住民の危険を回避したという認識を繰り返し言葉にし、公約違反にはあたらないとの見解を示した。

 だが、記者とのやりとりでは額賀長官の顔も曇りがちに。滑走路二本建設による費用増加の可能性を指摘されると、「試算していないが、(従来案は)埋め立てる計画だったので、そんなに差はないのでは」とコスト増の可能性を認めた。合意案が沿岸移設に反対している県や地元住民から理解を得る自信があるかとただされたのに対して「今日合意したばかり。仮定の話にはお答えできない」と一瞬表情をこわばらせ、言葉をにごした。


識者談話・我部政明氏/より巨大化 危険性高まる


 さらに大きな基地建設というひどい案となった。名護市と政府の両方の意見をうまく取りまとめたような形だが、基地の整理・縮小、基地負担軽減という点に相反している。進入経路を変更することで、より展開が可能となり、より危険性が高まるともいえる。

 これまでの沿岸案をめぐる協議では政府が名護市を一本釣りした格好で、名護市は四面楚歌の状態で話し合いをしてきた。名護市はより弱い立場で協議を進めざるを得なく、今回の合意は政府が誘導してきたともいえる。県も名護市と政府の協議にあまりかかわってこなかった。そういう意味で、協議は熟しないままで、合意は早過ぎる。

 県内でも今回の合意を認める雰囲気は出てこないだろう。さらに大きな基地を造ってしまったという拒否反応は大きくなる。大きな問題は、今回の基本合意は沿岸案が入っているということ。名護市もそもそも沿岸案反対というのがスタンスだったはずだが、結果的に受け入れた格好だ。

 基本合意は名護市と政府がサインしたにもかかわらず、合意書の中で、県や関係地方公共団体も合意したかのようになっている。名護市が合意したからといって他市町村がサインしたわけではない。沿岸案反対の立場の県は当然今回の合意を認められないはずで、今後政府にきちんと説明を求めていく必要がある。(琉大教授・国際政治)


もともと無理ある計画/軍民共用化の可能性も


 元全日空機長で航空評論家の前根明さんの話 滑走路をV字型に設置することは珍しく、住民の危険を回避するためにこうした計画を作るのは世界でも例を見ない。住民の安全は確保されるが、風向きの影響もあり、航空機に多少、無理が生じる可能性もある。飛行場は住宅地から離れ、土地にゆとりのある場所に造るのが一般的で、もともと無理がある場所への設置計画であることを示している。

 軍事アナリスト小川和久さんの話 防衛庁長官と名護市長が合意した移設案は妥協の産物だが、集落の上空を飛行ルートから外すなど名護市側の要求をある程度満たす案となった。さらに滑走路を二本にすることで、将来的に軍民共用空港として整備できる可能性も出てきた。軍民共用で滑走路を利用し、沖縄県北部の振興につながることを示せば、依然として移設に反対している県知事の態度を軟化させる材料になり得るのではないか。


本紙号外3000部


 沖縄タイムス社は七日午後九時半から、米軍普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への移設案修正で政府と名護市が基本合意したことを伝える号外三千部を那覇市内と名護市内で配った=写真。

 本紙号外で合意内容を知った糸満市の島袋利加さん(38)は「細かい修正が何度もなされたようだが、何も変わらないのでは。米軍基地があるという事実は動かない」と厳しい表情を浮かべた。


http://www.okinawatimes.co.jp/day/200604081300_03.html

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