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代表選における小沢一郎演説
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投稿者 white 日時 2006 年 4 月 08 日 23:53:30: QYBiAyr6jr5Ac
 

□代表選における小沢一郎演説

 http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/dpj-col00102.html

代表選における小沢一郎演説
 
掲載日2006.4.7

小沢新代表の政見表明要旨

 以下は代表選挙の投開票を前に行われた政見表明のうち、小沢一郎衆議院議員の政見表明要旨です。

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 皆さま、小沢一郎でございます。今、民主党が直面している危機を乗り越えて、もう一度政権交代を実現する態勢を確立するため、私は、私の全てを賭けて本日の代表選挙に立候補いたしました。どうぞ皆さま、よろしくお願いいたします。(拍手)

 政権交代こそが日本の真の構造改革であります。私はその信念に基づき、13年前、自民党を割って出て、同志とともに細川連立政権をつくりました。

 そして2年半前、自由党を解党して、民主党に合流いたしました。民由合併にご尽力下さった、当時の民主党代表、鳩山さん、菅さんをはじめ、皆さまには本当に感謝をいたしております。

 民由合併の原点は、政権交代可能な二大政党制を日本に確立することでありました。

 ところが今、民主党はきわめて深刻な危機に直面しております。このままでは二大政党制そのものが崩れ去り、政権交代が永久に起きないという、民主主義ではきわめて変則的な事態に陥ってしまう恐れがあります。

 私は、36年間に及ぶ政治家としての経験と思いの全てを賭けてこの局面の最前線に立ち、ここにいらっしゃる一人ひとりの同志とともに、この事態を真っ正面から受け止めて、民主党の信頼回復を果たし、再度政権交代へののろしを上げたいと思います。

 民主党への合流を決断した時、民主党こそが自民党に代わって政権を担い、政治を官僚の手から国民の手に取り戻して、国民に夢と希望を与えることができると確信をいたしました。

 だからこそ私は、それまでの全てを投げ捨てて、民主党に入ることができたのだと思います。私は民主党で温かく迎えられ、多くの同志に巡り会いました。

 それは私の政治生活において、自由党とともに捨ててきたものを上回る大きな財産であります。ましてやこの代表選挙において、幅広い同志の方々からご推薦をいただいたことは望外の喜びであり、今こうして政見発表の壇上に立っていることが信じられないような気もいたしております。

 その民主党が、今いわゆる「堀江メール」の問題により、きわめて深刻な危機に直面し、あと半歩しかないというような崖っぷちに立たされているのであります。

 今、同志の皆さまのご厚情を意気に感じ、もはや若くはなくなりましたこの体に、最後の鞭を入れて立ち上がりました。命がけで難局を乗り越え、民主党への国民の信頼を取り戻したいと思います。ここで二大政党制と政権交代の火を消しては、国民に申し訳が立たない。

 日本を見捨ててしまうことになるのであります。このままでは私の政治生活の幕を閉じるわけにはいきません。ただただその一念で、民主党と国民のために立候補を決意した次第であります。

 その飛躍によってしか、信頼回復はできないのではないでしょうか。また、ここで身を捨てることが、皆さまへの唯一の恩返しの方法であると信じております。

 民主党再生の要諦は、ただいま菅さんからもお話縷々ございましたけれども、挙党一致の実現であります。先の世界野球選手権、WBCの日本チームは、一度は敗退かと思われた時に、選手一人ひとりが個性を発揮して、持てる力を全て出し切って、世界一の場で金メダルを獲得いたしました。

 民主党もオールキャストで全員が力を出し切れば、政権交代という金メダルを必ずとることができると確信しております。まずは来年の参議院選挙には、私と民主党の命運を賭けて臨まなければなりません。

 民主党内では、参議院の存在感がますます高まっております。自民党・公明党を参議院過半数割れに追い込み、そして1日も早く衆議院の総選挙を実現し、一気に政権交代を果たさなければなりません。

 参議院議員選挙の必勝のためにも、参議院議員の皆さま、そして衆議院議員の皆さまとともに今から全力で走り出したいと思います。

 それでは、具体的に私の政策につきまして、その一端を申し上げたいと思います。日本は今、でたらめな小泉政治の結果、屋台骨が崩れ、迷走を続けています。それを立て直すには、明確な理念と設計図が不可欠であります。

 その理念は、共生、共に生きるということであります。人間と人間との共生が平和の問題であり、人間と自然との共生が環境の問題であり、その両面で日本が世界のリーダー役を果たしていかなければならないと考えております。

 市場万能主義が世界全体を覆って、ともすれば地球環境や人の命よりもお金や利益が優先されがちな昨今の日本社会や世界の中で、私たち日本人は千年以上前から、共生の知恵として、「和」の文化を築いてまいりました。

 それだけに私は、共生の理念と政策を世界に発信できる能力と資格が、日本人には十分にあると考えております。特に人間と人間との共生、いわゆる平和の問題について言えば、日本国憲法の理念に基づいて国連を中心とする安全保障の原則を確立するとともに、日米関係を基軸にしながらも、中国・韓国をはじめとする近隣諸国との関係を改善して、アジア外交を強化しなければならないと思います。

 次に内政の重要な課題を三点申し上げます。第一に、新しい日本を担いうる人材を育成するため、人づくりを何よりも重視したいと私は考えております。

 今日の日本社会の荒廃は、日本人の心の荒廃そのものであります。このままで推移すれば、日本は本当に滅亡への道を歩んでいくに違いありません。先日お目にかかりました瀬戸内寂聴さんのお言葉を借りれば、日本社会を立て直すには100年かかるとのことでありましたけれども、私は従来から、どんなにがんばっても、ワン・ジェネレーション、30年はかかると主張してまいりました。

 いずれにせよ人づくりの問題は、短期間になし得るものではありません。今から政府がそして全ての国民が、真剣に取り組んでいかなければならない重要な課題であると考えます。

 第二に、地域の自主性と個性を重んじる地域主権の国造りを実現し、政官業のもたれ合い構造と官僚主導の中央集権体制を打破しなければなりません。

 その第一弾として私は、中央省庁からのひも付き個別補助金は全廃して、全て自主財源として地方に一括交付して、地域のことは地域で決められるような真の地方自治を実現しなければならないと思います。

 第三に、経済社会の真の構造改革であります。小泉政治は自由と身勝手を混同した結果、まさに弱肉強食の格差社会という妖怪を生み出してしまいました。本当の自由とは、誰もが共に生きていける共生の理念が前提であります。そしてそれを補強する規律と責任を伴うものであります。その共生のルールが公正というものでありましょう。

 民主党の政権構想の基本は、これまでの党内論議を踏まえつつ、政治・経済・社会の全てにおいて、筋の通った公正な国をつくることだと考えております。

 それによって初めて、でたらめな小泉改革によってぼろぼろになってしまった日本を立て直し、本当に豊かで、世界からも尊敬される日本を築くことができると信じます。一部の勝ち組だけが得をするのは、自由ではありません。公正でもありません。

 私たち民主党のめざすべき社会は、黙々と働く人、努力する人、正直者が報われる公正な社会であります。その公正な国造りのビジョンに基づいて、政策立案、国会論戦、日常活動の全てにおいて、自民党との対立軸を明示していかなければなりません。

 私自身が戦いの先頭に立ちます。その準備として既に13年前に世に問うた、「日本改造計画」を更に具体化させ、新しい日本の設計図を国民に明示する著書を執筆中であります。その設計図を元に党内論議を更に深め、合意を得た上で民主党の政権構想を高く掲げて、来年の統一地方選挙、参議院選挙を戦い、必勝を期そうと考えております。

 また、もし私が代表に選出されても任期の切れる9月には、党所属地方議員、党員・サポーターも参加する代表選挙を実施し、よりオープンな形で徹底した政策論議を行わなければなりません。

 このように挙党一致を実現してこそ、民主党は初めて国民は一度は政権を任せてみたい、安心して政権が任せることができるような、信頼され、安定感のある野党第一党になることができるのだと思います。

 最後に、私は今、青年時代に観ました、映画「山猫」のクライマックスの台詞を思い出しております。イタリアの統一革命に身を投じた甥を支援している、名門の侯爵に、ある人が、あなたのような方が何故、革命軍を支援するのかと尋ねました。

 バート・ランカスターの演ずる老貴族は静かに答えました。変わらずに生き残るためには、変わらなければならない。横文字で言いますと、”We must change to remain the same.”ということだそうですが、確かに人類の歴史上、長期にわたって生き残った国は、例外なく自己改革の努力を続けました。

 そうなのだと思います。より良い明日のために、かけがえのない子どもたちのために、私自身を、そして民主党を改革しなければなりません。まず私自身が変わらなければなりません。

 そして皆さまに支えていただきながら、民主党を改革し、そして日本を改革しようではありませんか。私はこの戦いに政治生命の全てをつぎ込んで、ひたすら目標に邁進し続けることを皆さまにお約束いたします。皆さまのご理解とご支持をお願いいたします。有り難うございました。(拍手) 

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