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国家の崩壊 佐藤優 から見える小泉とゴルバチョフの共通性
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投稿者 万事急須 日時 2006 年 4 月 09 日 12:25:53: 9cF6fjLpIkoG.
 

国家の崩壊 佐藤優
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4931344119/503-8715056-9227935
 
 期待していたが、読んだ感想は「ええええ(笑)」である。
 本人の体験によるアネクドートのつなぎあわせで、しかも内容にも疑問が多く、この程度の内容かよ!と思わず突っ込みを入れてしまう程度の本である。
 というより、猛毒の類。
 特に、因果関係、即ち理由→結果の、「理由」の部分がスッポリと抜け落ちている。
 そして「結果」に関する、著者の「小噺」がいろいろと入っているから(その内容にも著者が聞きかじっただけじゃないかと思えるような、疑問符がつくような内容のものが多いのだが)、こちらは結局何もわからないが、なんとなく分かったような気にさせてくれる。
 大使館という象牙の塔、言い換えれば「バカの壁」が、いかに厚いかを思い知らされる。
 ロシア政経ジャーナルとは比較にもならない。
 この佐藤自体が、ミスガイディングを行っている、どこぞのエージェントなのかという問題は後日に譲りたい。
 
 ただ、最後の宮崎学の「まとめ」だけが多少まともで(笑)、興味深いので抜粋して転載。
 
 
 
 
国家が崩壊するとき――まとめに代えて   宮崎学
 
 本書は、私が主宰する研究会が、佐藤優さんをゲストに呼んで、八回に渡って「ソ連崩壊」について語ってもらった内容をまとめたものである。主題はソ連崩壊に見る国家の崩壊ということにあった。もう15年前のことになってしまったが、ソ連崩壊という世界史的事件の現場にいて、しかもその情報を外交官として把握し評価しようとしていた佐藤さんのお話だけに、そこからは実に豊富な、示唆に満ちた情報を得ることができた。ソ連認識、ロシア認識、社会主義認識という天はもちろんであるが、それだけではなくて、現在の日本国家を考える上でも、重要な視点を得ることができた。ソ連論、社会主義論については、研究会として別途まとめる予定なので、ここでは現代日本国家のあり方との関連で、私が考えさせられたことを述べて、まとめに代えることにする。
 
 リーダーがアホだと国家が壊れる
 結論的に言って、ソ連を崩壊させた首班は、ずばりゴルバチョフであった。ゴルバチョフという男は、私が考えていた以上にアホだったということが、佐藤さんの話でよくわかった。
 ゴルバチョフは、今でも時々日本にきて講演をしたりしていて、人権を抑圧する「悪い」体制を自分が倒したのだと、手柄のように語っているが、その「悪い」体制を、本質的にはそのままに、構造的に改革しようとして失敗し、意図に反してつぶす結果になってしまったのが、改革共産主義者としてのゴルバチョフの姿だったのである。
 ゴルバチョフは、もちろん、最初は、沈滞し活力を失ったソ連社会を活性化させて上昇させ、強いソ連を取り戻すために、ペレストロイカという名前の構造改革に取り組んだのだった。ソ連国家を崩壊させて、別の体制で置き換えようなどと思っていたわけでは、まったくない。にもかかわらず、その構造改革が国家崩壊につながってしまった。 なぜか。
 佐藤さんの話でわかったのだが、ゴルバチョフは、ソ連の建国イデオロギーであるボルシェヴィズムを、もともとそれと根本的に対立していたイデオロギーである社会民主主義によって中和しようという考えを、どうも最初から持っていたようなのである。というとむしろ買いかぶりすぎで、そういう理念を持っていたというより、そういうものにつながるやり方を、十分に意識せずに系統的にとってきた、と言ったほうがよい。
 これは、根本的な考え違いである。ボルシェヴィズムというのは発展させるか打倒するか、どちらしかないものなのだ。エリツィンは、そのことをよく知っていたのに、ゴルバチョフはまるでわかっていなかった。もちろん、ゴルバチョフは、はじめのうちは、自分がやっていることは、ボルシェヴィズムを「現代的」に発展させることだと思っていたのだ。だから、党の活性化、再生をやろうとした。
 ところが、党の活性化、再生が難しいとわかると、国家と塔を分離してしまって、当から切り離された国家主導で社会を立て直していく、自分が大統領としてそれを指揮する―――ゴルバチョフはこんな手法をとろうとした。この国家と党を分離して国家に基盤を移したことがペレストロイカ失敗の始まりだったのだ。
 今、振り返ってみると、構造改革を進めるためには党を解体しても言いと、党の解体を簡単に選択肢に入れてしまう超名人間を当初貴重に選んだ段階で、ソ連は崩れるべくして崩れる道に踏み込んでしまっていたのだ、ともいえる。
 
 亡国のリーダー?ゴルバチョフと小泉純一郎
 ところで、共産党の解体を視野に入れていた共産党書記長というと、「自民党をぶっ壊す!」といった自民党総裁を思い出す。実際に、この時期以降のゴルバチョフは、小泉首相と不思議に似ているのだ。
 まず、二人とも、国家と癒着した万年政権党――ソ連共産党も自民党もその点では同じだ――のリーダーとして、活力を失った社会の建て直しを過大にして登場した。それをゴルバチョフは「ペレストロイカ」、小泉は「声域なき構造改革」とスローガン化したわけだが、二人とも、スローガンは繰り返すものの、何のためのペレストロイカか、何のための構造改革化、国民にきちんと説明しようとしない点もよく似ている。
 そして、「ウスカレニエ(加速化)」、「ノーヴォエ・ムィシュレーニエ(新思考)」、「グラスノースチ(情報公開)」など次々にキャッチフレーズを打ち出しては耳目をそれにだけ集中させて局面を乗り切るワンフレーズ・ポリティクスの点でも、ゴルバチョフは小泉の大先輩である。ゴルバチョフは、ワンフレーズで事態のすべてを説明しようとした。ぺらぺらよくしゃべるのだけれど、キーはいつもワンフレーズ。それによって短い局面での風をつかみ、その連続で状況対応的に動いていく。この政治スタイルは小泉とも実によく似ている。
 それは裏返せば、もともとリーダーとしての政治理念、哲学、政策体系を持っていなかったということなのだ。この点でも二人は共通している。ただ、後付として理念を打ち出したりしたが、それも抽象的であいまいなものだった。そして、その後付の理念として、「自由化して競争を導入すればみんな上手く行く」というような市場原理・民営化万能論を持ち出す点においても、ゴルバチョフと小泉は共通していたといえる。
 また、この時期以降のゴルバチョフは、党書記長でありながら、党の問題、党内での対立を党内に訴えることによって解決していくのではなく、うちの問題を外に出して国民に訴えることによって党内の力関係を変えていく手法をとっていった。これは、党内の意見の相違を党内で論議して解決するのではなくて、国民に訴えて反対勢力を「抵抗勢力」として排除していく小泉のやり方と酷似している。
 そもそも、他人の意見を聞くのが嫌なのだ。独裁者というよりは独善者なのだ。独裁者というのは、独裁の責任を一身に負うもののことだが、二人ともそんなことは使用とはしない。そして、二人とも党や政府のリーダーでありながら、「大統領的書記長」「大統領的首相」を目指し、それに近いふるまいをしてきた点でも共通している
 特に、1989年3月に複数候補制による人民代議員選挙を実施して、守旧派の共産党役員を大量に落選させ、党内の力関係を買え、国会に当たる人民代議員大会に確固たる権力基盤を築いたゴルバチョフの手法は、2005年8月に郵政民営化法案が参議院で否決されたとき、衆議院を解散して「郵政民営化の是非を問う国民投票」だと称し、反対派を落選させて、党内の力関係、国会での権力基盤を劇的に変えた小泉の手法とよく似ているし、発想が殆ど同じだ。
 例えば外交手腕の違い、教養の差など、二人の間にはいろいろな違いはある。ゴルバチョフは、さすがに他国首脳との付き合い方、交渉の仕方を身につけていたけれど、小泉はまるでだめだ。ブッシュの肩をたたいて「サン・ライジング、ジャパン」と叫ぶだけだ。ゴルバチョフは、旧約聖書を性格に引用でき、プーシキンを語ることができたが、小泉はせいぜい信長を書いた時代小説に読み耽るだけだ。
 だが、このように政治スタイル、手法においてココまで共通しているということは、なにやら不気味な結末を暗示しているように思われてくる。ともあれ、ソ連では、ゴルバチョフのこうしたスタイルと手法が、急速に破滅を招きよせて言ったのだ。日本でも、同じことになるのは十分に考えられるのではないか。憂慮を深めざるを得ない。
 
 エリツィンをみくびってはいけない
 ソ連崩壊という危機におけるリーダーのあり方という点で、ゴルバチョフと対照を成しているのはエリツィンだ。状況の組み合わせでたまたまのし上がってきた酔っ払いのおっさんというイメージを裏切って、この政治家は、ポイントをはずさない、実に賢い奴なのだということが佐藤さんの話からわかってくる。イメージはいいが中身はあほなゴルバチョフと反対である。
 エリツィンは、急進改革派を率いながら、いわばペレストロイカ徹底派として行動してきたわけだが、ある時点で、ペレストロイカという方式自体が間違っているのだ、ということを悟ったわけである。この体制の構造というものは、改革できないものだったのだ。しかし、ここまでいじってしまったら破壊するしかない。そう悟ったのだ。この悟り方がまず賢い。
 そして、エリツィンは、1990年7月の人民代議員大会で離党を表明して退場したが、もうこの時点で、ペレストロイカの遂行がもはや不可能であるという認識をはっきりと持っていたのである。実際、後から振り返って考えてみると、この時点ですでにペレストロイカ自体が終わっていたのである。エリツィンは、それがわかっていた。
 ゴルバチョフは、当時、特に西側諸国の評価が高いことに気をよくして、今だ得意の絶頂であった。まだ、国内でも気体が残っていたので、混乱はしているが、ここを乗り切れば上手くいくぐらいに思っていたのだろう。
 ゴルバチョフとエリツィンの現実認識の違いは、すでにここら辺で如実に現れているが、それはさらに1991年の8月クーデターを通して、決定的になった。それは、クーデター失敗後の状況をどう捉えるかという点での違いとして鮮明に現れている。
 『ゴルバチョフ回想録』と『エリツィンの手記』を読み比べてみると、それがはっきりとわかる。例えば、佐藤さんも触れていたが、8月クーデターの結果に対する2人の評価がまったく違う。
 ゴルバチョフは、これによって経済改革や政治改革を進めていく上での障害がなくなってやりやすくなった、だけど、その一方で遠心力が強まってしまったのが問題だ、という評価である。クーデター葉が破れて改革を進めていく条件がより整ったのだから、分散的にならないように引き締めていけば上手くいき、というわけだが、まったく寝ぼけた認識だ。
 これに対して、エリツィンは、すでに前年の人民代議員大会で離党を表明して退場した時点で、スターリン=ブレジネフ体制の構造改革という意味でのペレストロイカは、不可能であることが明らかになって終焉したという認識を持っていたわけだが、そうした正しい現実認識の上に立って、クーデター失敗の時点で、今直ちにソ連の当、連邦、国家、そして社会主義経済システム、これらをすべて解体しなければならないという認識に到達している。
 クーデター失敗後、すべてのイニシアティヴをとったのがゴルバチョフではなくてエリツィンであったのは、これらの認識の落差からするならば、当然のことだったといえる。
 結局のところ、ゴルバチョフは、ロシア社会のそこにあるものを理解できず、普遍的なものを啓蒙していけば社会は変わると考えたわけである。エリツィンの周りにいた急進改革派の多くもそうだったと思われる。しかし、エリツィンは、ロシア社会の底にあるものがわかっていたのだ。そして、同じようにそこのところがわかっているプーチンに権力を委譲したわけである。
 佐藤さんは、エリツィンとプーチンの統治手法の共通点として、『民衆の欲望に関するところは権力の手で触らない』『民間暴力装置とか教会とかに関係した利権構造に手をつけない』『裏の世界と表の世界の間にきちんとした棲み分けを確立している』といった点を上げているが、こういった統治をダーティーだと感じ、ただ単に自己満足的なエエカッコをしていたに過ぎない法と理性一辺倒のゴルバチョフ型のクリーンな統治を賞賛するのが、日本のインテリやマスコミの、何もわかっていないところなのである。
 だから、彼らはゴルバチョフに幻惑されてエリツィンを見くびることになるし、バブル崩壊後の日本の首相で最高だったのが小渕であり、まったく持って最低なのが小泉だということがわからないのである。
 (略)
 
 
 
 最後の方の、宮崎自身の信条が入っている部分や、エリツィンの評価に関しては手放しで受け取るわけにはいかないだろうが、前半の観察は秀逸と思われる。
 
 『ひょっとして、ゴルバチョフは、何も分かっていなかったのではなく、すべて承知の上でやっていたのだとしたら?』
 
 と付け加えると、つまり、今日本で起こっている事は、ロシアで10年以上前に起きたのと同じ筋で、同じ人間がシナリオを書いている、という事に思い至るようになっている。その為のステップはたった1つである。
 
 
 
 
 
 
 ☆アマゾンのレビューがあまりに思考放棄ロボティックで受けるので転載(笑)
 こんなに内容とかけ離れた事書いていいんですかね?
 まあ、アマゾンのレビュアーが何か盛られてるってのは、定説になりつつあるのでまあどうでもいいちゃどうでもいいのであるが。
 (笑)は自分の追加である。
 
 
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
改めて感心, 2006/03/26
レビュアー: djwaraji (東京都) - 自分が書き込んだレビューをすべて見る

本書は、佐藤優が外交官時代に体験したソ連の崩壊について、宮崎学に対して語ったものをまとめたものである。この人の本を読んでいつも感心するのは、学者 肌なのにすごく「実戦」経験を積んでいるということ(笑)。こんなに頭も体も使える人って、なかなかいないと思う(笑)。当時のソ連で、本当に役にたつ、信頼するに足る人脈(笑)を築き上げるのは、東京ドーム何杯分のウォッカを飲み干さなければならなかったのだろうか(笑)。とにかく相当の苦労をしたはずだ(笑)。「外交官として当然の 仕事だ」と佐藤優なら言うだろうが、この人物と肝臓に頭が下がる(ちょ笑)。

そしてもう一つ感心するのは、一貫してマイルドな語り口だ(笑)。刺激的な内容を、淡々と冷静に語っているのに好感が持てる。これは、単にぼくたちが東スポ的な創られた過激さ、過剰さに嫌気がさしているからというだけではなくて、この語り口に人間としての誠実さがあらわれているから(笑)だと思う。
 
 
 
※ここまでくると上司に対するおべんちゃらレベルですな。

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