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06年4月:民主党再生の道(Yamaguchi Jiro.com)<山口二郎氏の「松下政経塾出身の政治アニマル」批判>
http://www.asyura2.com/0601/senkyo20/msg/1109.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 4 月 11 日 22:05:08: KbIx4LOvH6Ccw
 

以下 http://yamaguchijiro.com/archives/000269.html から転載。

 偽メール事件に端を発した民主党の混乱の責任を取って、前原誠司氏が代表を辞任することになった。民主党を救うにはこれしか道はない。当然の選択だと私も思う。もちろん、代表選挙は民主党再生の第一歩でしかない。この党が政権を担いうる政党になるためにはいくつものハードルを越えなければならない。

 結論から言えば、今の民主党で政権交代を起こすなどと叫ぶのはおこがましい。政党としての組織体制の整備にしても、政策理念の彫琢にしても、これからしなければならないことは山ほどある。とりあえずこの危機を収拾するには、菅直人や小沢一郎などのベテラン政治家が代表になって、党の再建を指揮することが必要だろう。しかし、そうしたリーダーは党運営の安定感を回復するのが精一杯で、政治を変革する清新なリーダーという期待感を国民から勝ち得るというところまでには至らないであろう。

 どこの国でも政権交代に至る道は長く険しいものである。今の民主党は、一九九二年の勝てるはずの総選挙でよもやの敗北を喫し、意気阻喪したイギリス労働党になぞらえることができるだろう。この時、労働党はベテランのジョン・スミスを党首に選び、再生を図った。スミスは経験と人望を持つリーダーではあったが、次の首相候補という期待感とは無縁であった。スミスの最大の功績は、自らのリーダーシップによってトニー・ブレア、ゴードン・ブラウンなどの若手を登用し、国民に次のリーダーとして認知されるところまで鍛え上げたことであった。

 イギリス労働党は一八年かけて政権を奪回した。しかし、その救世主であったはずのブレア首相もイラク戦争や腐敗で人気は凋落し、政権末期の惨状を呈している。政治にはそういうサイクルがあるのだと思えば、今の民主党の混迷もさほど嘆くには及ばない。

 よく探せば、今の民主党にブレアやブラウンに相当する中堅、若手は存在する。平岡秀夫、近藤昭一、達増拓也、櫻井充などがすぐに思い浮かぶ。まだ一期生だが、前栃木県知事の福田昭夫、前ニセコ町長の逢坂誠二もこれに加えたい。もちろん、これらの政治家は政策や信条をある程度、異にするであろうが、小泉政治と対決する上での基本的な理念は共有しているはずである。

 彼らは同じ中堅、若手といっても、松下政経塾出身の政治アニマルとは異なる。(もちろん、松下政経塾出身者の中にも、福山哲郎や山井和則のようなまともな政治家もいる。念のため。)政治アニマルは、実体的な社会経験を持たず、若い頃からひたすら政治家になることだけを目指して生きてきた人種である。偽メール事件による政治の空白は実に腹立たしいことではあったが、民主党内を我が物顔に徘徊していた政治アニマルを黙らせるための決定的な転機だと思えば、無駄ではなかったということになる。このアニマルたちは、憲法論議をもてあそび、アメリカの猿真似をしたがっていたので、彼らの信用が失墜したことの意味は大きい。これに対して、ここで挙げた人々は自治体首長、行政官、医師、新聞記者として、実体的な仕事の経験を積み、それに基づいた理念、理想を持っている。これから五年かけて、彼らのような政治家に、国会論戦や党運営の経験を積ませて、次代を担うリーダーとしてのイメージを確立することが、今の民主党にとって最善のシナリオだと私は信じている。菅や小沢が十数年前のイギリス労働党におけるジョン・スミスの役割を演じることができれば、それこそ日本政治に対する最大の貢献となるであろう。

 では、民主党はどのような野党になるべきであり、これからの政党政治はどのような姿になるべきなのであろうか。政局の最大の関心事は、ポスト小泉の行方である。ここでもっとも警戒すべきことは、自民党内の疑似政権交代によって国民の不満がガス抜きされ、政策的失敗が中途半端に糊塗されるという事態である。一つの政権の失敗について、次に毛色の変わった首相を押し立てることによって覆い隠し、国民の気分を変えるというのは、自民党の得意技であり、長期政権の秘訣であった。自民党内の振り子の振れによって民意が政治に反映されたことも否定できないが、長期政権が持続されることによって根本的な政策転換が封じ込められたという弊害のほうが大きい。

 小泉政権が放置してきた格差や民のモラルハザードに対する国民の不安が高まり、アジアにおける日本の孤立を憂慮する声が広がる中で、たとえば穏健派の福田康夫が次期総理に選ばれるということになると、またしても振り子の論理が繰り返されることになる。前回の本欄でも書いたように、その程度の疑似政権交代で御の字だという声が国の内外にあることも確かであろう。反小泉派の首相が誕生すれば、現状よりはましな政治になるのかもしれないが、社会保障や雇用の危機に対して根本的な政策転換が実現できるとは思えないし、官僚組織が嫌がる地方分権が実現するはずはない。やはり意味のある政策転換のためには政権交代が必要なのである。

 自民党内の振り子の論理を抑止するためにも、民主党は反小泉政治の路線を具体的に明確化しなければならない。前原代表時代に示唆されたように、憲法改正に血道をあげるとか、小さな政府競争に参加するなどというのはもっての外である。小泉政治でよいのだろうかという国民の不安に答え、別の道筋を示すことこそ民主党の使命である。

 ポスト小泉の自民党は、実は人材難である。小泉政治は小泉を脅かすような有力政治家を党外や党内傍流に追いやり、イエスマンや経験不足の若手を登用してきた。その意味で、自民党政権も決して磐石ではない。民主党の出直しは、緊張感のある政党政治、さらに市場中心の保守政党対公平を重んじる中道政党という二極的政党システムを日本で実現するための新たなスタートとなるべきである。(週刊金曜日4月7日号)

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