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田代教授による日本の農政批判(日本農業経済学会シンポジウム「徹底討論・日本の農政改革」での基調報告より)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo20/msg/1169.html
投稿者 heart 日時 2006 年 4 月 13 日 19:54:46: QS3iy8SiOaheU
 


農業協同組合新聞の記事(2006.4.11)(http://www.jacom.or.jp/ronsetsu/kaisetsu/kaisetu06/rons103s06041105.html)を元に、横浜国立大大学院の田代洋一教授の意見で重要と思った部分を箇条書き風に紹介させていただきます。
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田代洋一教授

●<与件対応型の農政>
現在の農政改革は(1)WTOでの国際規律の強化、(2)農林予算の3兆円以下への削減を「与件」として考えられている。
WTOでの国際規律の強化への対応からは「品目横断的直接支払い政策」、
予算の縮小という与件からは「担い手限定」という手段が導き出された。
このように、現在の農業政策は、「与件対応型政策」だ。
しかし、農政が与件とすべきは格差社会である。

●<担い手を限定した日本型直接支払い制度について>
関税引き下げの影響を受けるにのは全農家であることから、担い手だけを補償する政策は公平性に欠ける。

●<構造改革を加速させるための担い手育成について>
担い手以外の農業者の「追い出し効果」をもたらすのみ。

●<政策(担い手を限定した日本型直接支払い制度など)の大目的の「自給率向上」について>
担い手限定の政策であることや、支払いが過去の作付け面積ベースで行われることなどを考えれば、自給率向上との整合性は持っていない。
また、自給率よりも自給食料の確保こそ目的とすべき。

●<今回の農政改革では産業政策と地域政策を明確に区分することも強調されていることについて>
農業資源・環境保全施策も地域振興策と位置づけられている。
しかし、日本はWTO交渉で農業の多面的機能の重要性を主張し、それが農業生産活動と密接不可分のものであることから国内農業が支持されるべきとしてきた。
その点で産業政策と地域政策の区分は農業生産と多面的機能を切断するものであり、自らの主張の根拠を否定することになっている。

●<各地で担い手育成への取り組みが、集落営農の「大合唱」となっていることについて>
協業は人の心の問題で無理強いできるものではなく、まして最初から法人化など経営体としての要件を押しつけるべきではない。

●<企業、株式会社の農地取得問題について>
企業の農業進出の実態は、地元農家出身というのがほとんどであり、調査(田代教授による)によれば農地取得のための投資を希望する法人はなく事業拡大のための投資を望んでいるのが実態。
 農地制度について:全国的に開発不自由の原則に立った土地利用計画の強化こそ求められている。
株式会社の農地取得は農地耕作者主義の崩壊につながり、それは農地をあくまで農地として利用することが確実な者にのみ取得を認める農地耕作者主義が、一方で転用規制にもなっているという法的な根拠を失うことになる。
 
●<東アジアとの関係が今後の課題>
東アジアが米をめぐる関税引き下げでつぶしあいをしても先進輸出大国がほくそえむだけ。

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農政については、下記投稿も参考にしてください。
新農政2006「『攻めの農政』の美名でトゲを隠していないか」(日本農業新聞論説)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo20/msg/1141.html

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≪農業協同組合新聞掲載の、田代氏の基調報告の内容全文≫

基調報告(1)東アジア共同体のなかの日本農業−農政「改革」批判

◆農政が与件とすべきは「格差社会」

 横浜国立大大学院の田代洋一教授は、現在の農政改革は(1)WTOでの国際規律の強化、(2)農林予算の3兆円以下への削減を「与件」として考えられていると指摘。国際規律の強化への対応からは「品目横断的直接支払い政策」、予算の縮小からは「担い手限定」という手段が導き出されたとした。田代教授は現在の農業政策をこう分析し、「与件対応型政策」だとした。
 しかし、現在の与件としてふまえるべきものとして、田代教授は食料消費支出の減退を強調した。とくに若い世帯ほど食料消費支出の減退傾向が激しく、その背景には非正規労働の増加による格差社会、下流社会化があると指摘、これが人口減少化社会と重なれば、日本農業は需要面から存立基盤が大きく狭められると語った。

◆整合性に欠ける農政改革

 また、「政策目的」と担い手を限定した日本型直接支払い制度などの「政策手段」が整合性を持つかどうかを検討した。
 関税引き下げによる内外価格差の是正、収入変動の緩和という目的については、関税引き下げの影響を受けるにのは全農家であることから、担い手だけを補償する政策は公平性に欠けるとした。構造改革を加速させるための担い手育成についても、交付金額の絶対水準が上がるわけではなく特別な効果は期待できず、むしろ担い手以外の農業者の「追い出し効果」をもたらすのみと分析する。
 WTO協定への対応という点では、複数作物の組み合わせ、生産量・品質に基づく支払い、面積拡大への配慮などの仕組みや、米の生産調整を認定農業者の要件としたことなどが、農業協定の「緑」の政策要件である生産量、生産形態などに関連させないといった規定にすべて反すると指摘。さらに政策の大目的の「自給率向上」についても担い手限定の政策であることや、支払いが過去の作付け面積ベースで行われることなどを考えれば自給率向上との整合性は持っていないと批判した。また、自給率よりも自給食料の確保こそ目的とすべきと強調した。
 今回の農政改革では産業政策と地域政策を明確に区分することも強調されている。農業資源・環境保全施策も地域振興策と位置づけられている。しかし、日本はWTO交渉で農業の多面的機能の重要性を主張し、それが農業生産活動と密接不可分のものであることから国内農業が支持されるべきとしてきた。その点で産業政策と地域政策の区分は農業生産と多面的機能を切断するものであり、自らの主張の根拠を否定することになっていると指摘した。

◆東アジアと多次元の関係を

 こうしたなか、各地で担い手育成に取り組んでいるがなかでも集落営農の「大合唱」となっている。田代教授は協業は人の心の問題で無理強いできるものではなく、まして最初から法人化など経営体としての要件を押しつけるべきではないとした。
 また、企業の農業進出の実態も地元農家出身がほとんどであり、田代教授の調査によれば農地取得のための投資を希望する法人はなく事業拡大にための投資を望んでいるのが実態だという。
 農地制度については、全国的に開発不自由の原則に立った土地利用計画の強化こそ求められていると主張。また株式会社の農地取得は農地耕作者主義の崩壊につながり、それは農地をあくまで農地として利用することが確実な者にのみ取得を認める農地耕作者主義が、一方で転用規制にもなっているという法的な根拠を失うことになると指摘した。
 今後の課題としてあげたのが、東アジアとの関係。「東アジアが米をめぐる関税引き下げでつぶしあいをしても先進輸出大国がほくそえむだけ」とし、灌水稲作農業という共通点に立ち、農村貧困問題の解決など多様な次元での国際協力を組み合わせていくことが必要などと語った。

http://www.jacom.or.jp/ronsetsu/kaisetsu/kaisetu06/rons103s06041105.html

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