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社会を映す、消費者金融の行政処分〔内橋克人氏〕(弱者を食い物にする強者たち)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo20/msg/1335.html
投稿者 heart 日時 2006 年 4 月 18 日 19:44:19: QS3iy8SiOaheU
 

以下、今朝のNHKラジオ第一のビジネス展望(6:43〜6:55)で、内橋克人さんが「社会を映す、消費者金融の行政処分」と題して話されていたことをテープ起こししたもの(箇条書き風、一部ですます調にもなりますがそこはご愛嬌ということで)を掲載します。
聞き間違いがあったらご容赦願います。

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「社会を映す、消費者金融の行政処分」

(略)
そもそも、JR、私鉄の主要な駅という駅の前に消費者金融の大きな看板、あるいは建物が立ち並ぶ、異様な風景。
これは先進国では日本だけ。
日本を訪ねる外人には、七不思議の一つと言われている。

自由化だけを進めて、市民を守るというルール作りあるいは規制の組み換えということをほとんど無視してきた、ということの、ある意味では当然の帰結、と言えると思う。

社会が民主的に成熟しているかどうかということを計るものさしの一つは、困窮者の救済制度がきちんと整備されているかどうか、ということ。

理由が何であろうと、生活、あるいは生存の危機にさらされている市民に対して支援する、あるいは救援する公的な制度が発動されなければならない。
だが、それを可能にする制度と体制が、足腰強く整えられているかどうかが、社会の本質を見抜くバロメーターであると言える。

これは消費者金融とは区別されてはいるのだが、阪神淡路大震災の後、システム金融と呼ばれる新しいヤミ金融がはびこった。
これにより、震災の上に、倒産や自己破産という不幸に追い込まれる被災者が相次いだ。

今回のアイフルに対する営業停止なども、今日の日本社会でいかに社会的な病理が深く進んでいるのかを実感させるものだった。

(略)

――――それにしても、消費者金融業界の業績は大変好調というふうに言われておりますね。

そうなんですねー。
つまり好調であるということは、いかに困窮者が多いか、ということだと思う。
遊興目当てに借りるという人はごく少数。
今回行政処分を受けたアイフルだが、3期連続で最高益を更新している。
業界トップクラスだ。
アイフルの貸し付け残高2005年9月中間決算で実に2兆1701億円。
業界全体で70兆円というから、いかにすごいかだ。

一方、過払い金(かばらいきん:返済のためにもうすでに支払いすぎた金額)の返済請求が今訴訟で相次いでいる。
今年の3月期、通期(?)の見込みでは、4社合計500億円近くになると言われている。
つまり借り手はグレーゾーン、灰色金利によってこれだけ払わされているということだ。

こうした現実と裏腹に、消費者金融の企業の大手の経営者は、高額所得者がずらり並んでいる。
去年6月、アメリカの経済誌フォーブズが、日本の富豪40人というものを発表した。

まず、福田吉孝アイフル社長だが、二位だ。
武富士の前会長、武井やすおさんは、三位だ。
アコムの木下会長は、五位。

このように、消費者金融の現在の経営者あるいは旧経営者が上位を独占している。

ところが、消費者金融の利用者は、年収で300万円未満の人が6割。
消費者金融を利用した理由も、低所得、あるいは収入の減少によるものが多いという。
そのうちの2割の人が、1年未満で返済が困難になると言われている。
強引な取り立てを受けて、借金返済のために、多重債務に陥ってしまう、そういう悪循環に陥っているわけだ。

取り立てのあくどさだけでなく、金利の異常な高さ、これも他の先進国に比べて、利息制限法でもいかに高いか、これが特徴だと言える。


―――――今回の消費者金融問題に限らず、投資や投機に関するマネー犯罪も多発しているようですがどうなんでしょう?

そうなんですねー。
問題を三つ指摘しておきたいと思う。

まず、行政の対応がとても遅いということ。
2004年1月に、改正貸し金業規制法が施行されているが、これは例のヤミ金融対策、つまり出資法を上回る金利を取るヤミ金融の対策が中心であり、登録業者への規制というものはそのまま残ったままだった。

二番目に、大手メガバンクから、社会的公器の概念が喪失してしまっていると言ってよいだろう。
預金者からゼロ金利で預金を集めて、それで消費者金融と提携して極めて高い高金利の貸し金業をやっているわけだ。
住友信託銀行はアイフルと戦略的パートナーを結んでいるし、三菱東京UFJ銀行はアコム、三井住友フィナンシャルグループはプロミス。
アイフル、武富士ともに独自路線と言うが、銀行と業務提携を結んでいる。
しかも、銀行の提携ローンは、15%と高い金利を取っている。
大手銀行は個人向け融資の拡大を目指しているが、消費者金融の持っているノウハウがとても魅力的であるということだ。
一方で消費者金融は、大手銀行ブランドを使っていくことで顧客を集める。
つまり、持ちつ持たれつの関係を築いてきた。

三番目は、テレビコマーシャルのあり方だ。
これはもう言うまでもない。
非常に親しみのある懐かしいようなコマーシャルをどんどん流す。
実態とかけ離れたものだ。

他に、イギリスの金融サービス法との比較もお話したいのですが、残念ながら時間がありませんので
(アナウンサー:またの機会に是非)
また機会を変えて海外の事例をお話したいと思います。

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