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「小沢一郎の『変化』と『不変化』」 平野貞夫  (メルマガ「直言」宮崎学責任編集の連載 日本国漂流)
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投稿者 レイ 日時 2006 年 4 月 19 日 00:35:05: mRt2rX4ca0PnA
 

2006.04.18  日本国漂流
第8回「小沢一郎の『変化』と『不変化』」

 「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない。まず、私自身が変わります」という演説で、民主党代表の座を得た小沢一郎について、世の中はいろんな見方をしている。「60歳すぎた人間が変わるはずない」とノーテンキな総理の発言もある。そこで、30年付き合ってきた私が、小沢一郎の「どこが変わり」、「どこが変わらない」のか論じよう。
 小沢一郎は「武士は己を知る者のために死す」という信条の持主である。これまで「己を知る者」について、「特定の個人」と考えていた。自分を信用してくれる人間のために、最大のエネルギーを出す、という性格である。それが成功したのが、平成5年の細川連立政権の樹立である。自社55年体制を崩壊させたのだ。細川首相のために死ぬ気であった。
 ところが信じていた人間に裏切られたことがわかると、とたんに「人間不信」に陥る性格でもある。これを回復させるのに時間がかかった。かつて「雲隠れ」といわれる行動の多くはこれであった。良く言えば「純粋な人間」、悪く言えば「権力闘争に弱い人間」である。人間不信になった小沢一郎のエネルギーを回復させるのに、私は苦労した。
 自民党悪質グループは小沢のこの性格を熟知していて、さまざまな謀略の手を打ってくるのが、これまでの小沢をめぐる政争の特徴であった。今回の民主党代表選挙でも、自民党悪質グループによる妨害が表裏で行われた。裏のことは証拠がないので明確に言えない。
 表の話でいえば、杉浦法務大臣の「小沢代表が選ばれたら民主党は分裂する」という発言である。民主政治を破壊するものだ。政治的指揮権発動であり、有識者やマスコミが何の批判もしない日本人の堕落に腹が立つ。野党党首の選挙に内閣が干渉する国家である。実は、私の危惧は小沢の「人間不信」の発生であった。「偽黄門や阿波狸」の動きに、不可解なものがあったからだ。
 ところが小沢一郎は、今回は「人間不信」を起こさなかった。その理由に「私自身が変わります」の根拠がある。「己を知る者」は特定の個人でないことに開眼したのだ。それは小沢自由党が崩壊するといわれた平成12年の総選挙で小沢改革に投票してくれた660万人(比例票)の有権者、さらに小泉政治が壊した日本人の人間性を再建することを民主党に期待する数千万人の「集団的意識」の存在に気がついたからである。これが今回の民主党代表選挙での小沢一郎の「精神革命」なのだ。
 小沢一郎の「不変化」の実体は何か、ということだが、政見演説で小沢は「共生」と「公正」を理念とする国づくりを訴えた。小沢が昭和44年12月の総選挙で、父佐重吉急逝の後を継ぎ27歳で出馬したときの選挙公約に原点がある。「現代の社会は各種多様化した欲望が生まれ、政治がこれに応え切れず、政治不信が拡大し混乱が起きている。このままでは日本の行く末は暗たんたるものだ。先ず、官僚政治を打破し、政策決定を政治家の手に取り戻さなくてはならない。政治は新しい考えを入れ、浄化と刷新を行う」と、有権者に訴えているのだ。
 この時期は大阪万博開会の直前である。日本人が豊かさと贅沢さを追っかけ、高度経済成長を謳歌したときだった。日本の行く先はバラ色であった。その時代に「このままでは日本の行く末は暗たんたるものだ」と絶叫していた青年がいたのだ。小沢一郎は27歳で今日の日本を洞察していたのだ。
 自民党衆院議員となって田中角栄に可愛がられながら「田中の内在的否定者」として生きてきた。しかし小沢の心の中にあるものは、「貧しい者でも学問をしたい人間が、学校に行ける社会をつくりたい」という、少年時代苦学した父佐重吉の信条の継承である。

http://web.chokugen.jp/hirano/2006/04/post_95b8.html

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