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序章 誰かが、どこかで、動いている  広瀬 隆 著 【私 物 国 家 日本の黒幕の系図】
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投稿者 愚民党 日時 2006 年 3 月 07 日 06:14:26: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 300億円献金事件と金丸信の不正蓄財   広瀬 隆 著 【私 物 国 家 日本の黒幕の系図】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 3 月 07 日 06:10:32)

序章 誰かが、どこかで、動いている


野村證券・第一勧銀事件の総会屋が知っていた秘密

http://members.at.infoseek.co.jp/saitatochi/jo.html


 本書は、わが国の中枢部の人脈から発生したほぼ20年間にわたる事件、特に、数々の利権がからんだ暗黒事件を追跡したものである。
 それらの事件は、政界だけでなく、その政治家を動かす霞ヶ関官僚に、銀行や証券会社の金融界、石油・土建・電力業界に至るまで 、この国の主な産業分野がみな、からみついている。

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 これら一連の事件の中心人物たちは、政治家や官僚、あるいは財界人として分類されてきた。最近逮捕された卑近な人間の名前をあげれば、衆議院議員・山口敏夫が「政治家」、厚生事務次官・岡光序治は「官僚」、野村證券社長・酒巻英雄は「財界人」というように、われわれは彼らを、それぞれが別の世界に生きる人間とみなすように教えられてきた。しかし実際に、彼らが一個人として生きる家族関係は、誰もが知っているように、世に閨閥と呼ばれる無数の結びつきによって、深い利害関係を秘めた過去の歴史から誕生したものである。

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 本書が視野に入れた代表的な事例は、次のようなものである。

「野村證券・第一勧銀・味の素などをめぐる一連の総会屋事件」
「数十億円の不正資金が動いた石油業界タニマチと通産省腐敗の泉井事件」
「住宅金融専門会社(住専)の巨額不良債権発生と幹部の不正蓄財」
「オレンジ共済組合と新進党をめぐる詐欺事件」
「事務次官・岡光序治らによる厚生省収賄事件」
「イ・アイ・イ・グループ高橋治則と山口敏夫らがひき起こした東京二信用組合の破綻」
「大蔵省の腐敗と無能監査による日本全土の金融崩壊」
「末野興産らのビル不動産業者が暗躍した木津信用組合の破綻」
「地上げ屋と不動産業界による地価暴騰とバブル経済の崩壊」
「ゼネコンの談合を取り仕切った金丸信の不正蓄財事件」
「暴力団が背後にあった住友銀行・イトマン事件」
「仕手集団・光進による国際航業乗っ取り事件」
「野村證券が暴力団・稲川会の前会長に口座を開いた東急株仕手戦がからむ東京佐川急便事件」
「大口顧客のための損失補填が発覚した証券不祥事」
「大量の政治家に未公開株が配布されたリクルート事件」
「300億円と言われる財界の自民党献金事件」
「大蔵官僚OBが直接関与した武富士未公開株事件」
「仕手集団・誠備グループによる平和相銀不正融資事件」
「竹下登に巨額資金が渡った疑惑をはらむ金屏風事件」
「児玉誉士夫・小佐野賢治らの右翼政商が政界の田中角栄を動かしたロッキード事件」
「ゼネコン企業による無数の談合事件と自然破壊」
「新幹線建設に端を発した旧国鉄債務による国民の巨額負債」
「製薬会社と学者・官僚の利権のため無数の人が殺された薬害エイズ」
「地方税を使い放題の官官接待と茨城県知事・竹内藤男ら全国自治体の構造腐敗」
「電力会社の独占体制による原発事故の続発」などである。

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アメリカのロッキード社が、日本の政商・児玉誉士夫をコンサルタントとして雇う契約書にサインしたのは、今を去る28年前の1969年だったが、これが76年に表面化して、巨額の政治家収賄事件に発展していった。
 ついにその年7月27日、首相だった田中角栄が逮捕されてから今日まで、ほぼ20年間、絶えず類似の事件が続発し、無数の新聞とテレビ、雑誌などのマスメディアで痛烈な批判を受けながら、暗黒事件が一向に消滅しないという厳然たる事実を見なければならないからである。
 しかも今年最大の事件となった野村證券・第一勧銀の事件は、すでに事件としての名前だけが枯れ木の芯のように残っているロッキード事件の黒幕、児玉誉士夫の流れをくむ総会屋・小池隆一によってひき起こされたものであった。
 登場人物の人間関係が、20年前と変わっていないのである。

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 国政をあずかる政治家や官僚が、自宅や料亭、ホテルの一室、あるいは堂々と彼らの職務室や大企業のオフィスなどで、トランク一杯の汚れた札束を暗黒の世界から受け取り、そのかたわら、 - - 日本の国民から集めた税金を使い込み、さらにその挙句、この国全体を、経済崩壊という末期的な事態に導いてきた。

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野村證券の総会屋事件で明らかになった証券会社のVIP口座には、政界・官界・財界の大者が名を列しており、その数は1万とも言われながら、97年9月現在、いまだに公表されていない。
 わずかに漏れて出た報道では、橋本龍太郎内閣の農相・藤本孝雄、法相・松浦功、郵政相・堀之内久男、科学技術庁長官・近岡理一郎、厚生省スキァンダルで事務次官を辞任し、逮捕された岡光序治などの名前が聞かれただけで、全貌はとらえられていない。これを追及するべき報道界の幹部も、検察・司法界の幹部も、みなそこに名前があるだろうと疑われている。

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大手の第一勧銀内部では、「小池隆一という総会屋に迂回融資するよう」巨額の資金を提供する計画がたてられていた。それを考案し、実行に移したのが、融資の審査を担当する役員だった副頭取の金沢彰であった。主にこの男の主導のもとに、総会屋の小池隆一が第一勧銀から融資を受けて、総計117億円という銀行資金が、四大証券会社の株購入資金として流れはじめた。
 こうして第一勧銀の頭取たちが、預金者の金を流用して社会の悪を育てあげながら、ようやく97年になって、芋ずる式に銀行と証券会社の幹部が逮捕される事件を招いたのであった。
 ところが驚愕すべきことに、金沢彰は、この総会屋事件が発覚して逮捕される前に、すでに第一勧銀から、別の職場に移っていた。国民の怒りを買ったもうひとつの金融界の不祥事、不良債権処理の最も重要な機関として設立された「共同債権買取機構」の社長として君臨していたのである。
 この組織は、バブル経済のなか、銀行などの金融機関が不良の不動産担保をもとに貸し付けたために発生した不良債権を、担保つきで買取り、それを売却して、不動産を有効に生かす目的で、93年1月に162の金融機関が共同出資して設立した株式会社であった。ところが実際には、不良債権を買い取るだけで、それを売却したのは、わずか数パーセントという実績が示すように、まるで目的を果たしていなかった。
 それでも金融機関は、この会社に売却すれば、無税で不良債権を償却できるので、これを隠れみのにして、世間体をとりつくろうことができる。事実上これは、銀行の倒産を防ぐための一時的なトリックであった。

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 不良債権が発生した最大の原因は、不動産業界が演出した地価暴騰のバブル経済と、その崩壊にあった。しかも地価暴騰の実行部隊は、暴力団と密着した地上げ屋であった。彼らもまた、総会屋と重なりあい、ほぼ同じ集団であった。このバブル経済で最も大きな利益をあげたのが、問題の大手銀行であった。また当時、日本の企業全体で最も大きな収益をあげたのが野村證券であり、彼らと暴力団は互いに、共同作業をしてきた仲にあった。

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 石油業界のタニマチと呼ばれる泉井純一が、豪華ホテルで開いた売春まがいのパーティー接待で、通産官僚を大量に腐敗する作業がはじまっていた。
 特に泉井は、ベトナムの油田開発をめぐるフィクサーとして活動していた。しかし、三菱石油からほぼ40億円という途方もない金の提供を受けていたことが発覚し、 96年11月7日に脱税の容疑で、97年1月8日には詐欺罪の容疑で再逮捕されたのである。泉井事件で国民が驚いたのは、逮捕された元運輸事務次官の服部経治だけでなく、現役の通産官僚と大蔵官僚たちが、目をおおうばかりに腐敗していたことであった。また、これだけの構造汚職が明らかになりながら、現役官僚は誰も逮捕されない不思議さであった。

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和田当人は、オイルショック後の78年6月に通産事務次官を退職すると、海外の石油開発で独占的な支配力を持つ日本興業銀行(興銀)の顧問から、エネルギー財団副会長を経て、82年には、自ら支配してきた業界の石油公団総裁に就任して、今度は実業界のトップに君臨した。同時に彼は、無数の関連企業で社長をつとめたが、石油公団の子会社のひとつである石油資源開発の社長にも就任していた。
 石油資源開発は、70年に設立され、その名が示す通り、中東やアジアなど海外での原油開発を目的としていた。87年には、通産省を動かせる和田敏信を社長に迎えたが、 10年後の今年、97年7月現在も、会長に和田が君臨している会社である。

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徳永久次が60年の次官、和田敏信がやや遅れて76年の次官。
 続いて徳永が78年の石油公団総裁、和田がその後を継ぐ82年の石油公団総裁という上司・部下の関係だったが、現在は逆に、和田の傘下企業の社長が徳永、という主従関係になっていた。一心同体のふたりである。
 - - この徳永の娘ムコが、金沢彰だったのである。第一勧銀で、総会屋・小池隆一に迂回融資をする巨額資金提供の計画をたて、今年逮捕された副頭取である。

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"泉井事件の海外油田人脈に入る副頭取の金沢"が考案した第一勧銀の迂回融資によって、総会屋の小池隆一が野村證券に密着したことになる。そうして小池は、野村の株主総会で最大の問題となっていた社会的批判をおさえこむよう、闇の世界で活動したのである。
 その株主総会対策とは、91年の証券スキャンダルの責任者として、会長と社長を辞任した田淵節也と田淵義久を復活させることであった。証券スキャンダルとは、当時誰もが耳を疑ったように、広域指定暴力団・稲川会の会長だった石井進が、野村證券に口座をを開いて、石井の関連企業を通じて東急電鉄株を買い占めると、それを野村證券が支援する形で株価が暴騰するよう資金を投入した深刻な事件であった。

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 こうして「第一銀行」が出発し、のち1970年代になって、「日本勧業銀行」と合併して、現在の「第一勧業銀行」が誕生した。その時、第一勧銀誕生の調整役として登場したのが、なぜか、児玉誉士夫と木島力也であった。
 この合併を成功させた第一銀行頭取の井上薫の息子が、自由民主党総裁の鳩山一郎の孫娘と結婚し、その鳩山一郎に児玉誉士夫が戦後の莫大な政治資金を提供していた、という関係があったからである。
 しかし、鳩山一郎と孫娘のあいだには、もう一世代入るはずである。ちょうど「第一銀行」と「日本勧業銀行」が合併して「第一勧銀」が発足した71年10月1日に、大蔵事務次官だった鳩山威一郎である。つまりこの銀行は、児玉誉士夫から資金を得た大蔵省トップが認可して初めて、誕生していたのである。事実上この合併を成功させたのは、鳩山威一郎の前任者にあたる事務次官の澄田智であった。
 澄田も鳩山〜井上ファミリーにつらなる一族であり、後年、大蔵省OBの天下りを支配する "霞ヶ関のボス"として君臨する人物であった。

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泉井事件の通産官僚接待がおこなわれていた時代の86年から88年にかけて、通産事務次官だったのが、福川伸次だが、彼もまた、第一勧銀の金沢彰にかなり近い一族であった。福川は次官を退任後、天下りして、田淵節也会長のもとで、野村総研の顧問となっていた。不思議なことに、両田淵と同じように、彼も野村事件と泉井事件のあいだに立つ人物であった。

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 迂回融資を考案した金沢彰の周囲には、前述の徳永久次だけでなく、ぞろぞろと石油関係者が登場してくる。とりわけ従弟の山田繁は、石油業界のタニマチ泉井純一に 40億円を送った三菱石油の山田菊男社長のもとで、直属の部下にあたる常務をつとめていた人物である。そもそも、その父・山田敬三郎が、三菱商事で石油部長をつとめて副社長になり、サウディ石油化学社長、通産省石油審議会委員となった石油業界の実力者であり、入りムコとなって山田姓を名乗る前は、逮捕された金沢彰の叔父にあたる"金沢敬三郎"であった。

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 三菱石油常務の山田繁側から40億円近い大金が泉井純一に提供され、身内の徳永久次や篠島義明が働く通産省側にばらまかれた事実を示している。徳永が属する石油資源開発の取引き銀行のひとつが、第一勧銀であった。

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