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教育基本法と「富士山敬愛法」の近未来  【保坂展人のどこどこ日記 】
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投稿者 愚民党 日時 2006 年 5 月 08 日 23:28:40: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 共謀罪 人とつきあわず、内心を明かさず、また怪しげなところには近寄らず、人を見たら疑え! といという社会が訪れる 投稿者 愚民党 日時 2006 年 5 月 08 日 23:24:04)

教育基本法と「富士山敬愛法」の近未来


教育・こども / 2006年05月07日
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/b4973c81e8db4c3f9a948f459a298d1a


教育基本法が「巨大与党」の手でギロチン台に乗せられる段取りになっている。そして、処刑にかかる時間は特製ベルドコンベアー(連日開催できる特別委員会)で2週間程度とされている。委員長には法務大臣として死刑執行の指揮命令書へのサインをためらわなかった森山真弓さんが内定しているという。連休の間、与党合意の上で生まれた教育基本法の条文を見ながら、考えてみた。

外を歩くときは、人間は前を見て歩かなければならない。地下鉄の階段を昇る時にも油断してはならず、周辺への注意を欠かさないこととする。(時には、車が飛び込んでくることもあるから……)

また、1分に何度かはまばたきをして、眼球の乾燥を防止する努力を怠ってはならない。食事の時には、消化にいいようによく噛むことが必要である。また、夫婦はたとえ何十年よりそっても互いに信頼を得る努力を重ねることで、不朽の愛を打ち立てることに努めなければならない。

世の中には矛盾や不公平もあるが、つねに感謝の気持ちを持って現状に満足し、自分より不遇である人々を前に奉仕の心で社会福祉の増進に尽力すべきである。また、政治家の汚職などを針小棒大に騒ぎ立て、いたずらに政治不信を煽るようなマスコミに踊らされてはならず、常に国家国民のため粉骨砕身する多くの政治家をいたずらに揶揄する言動に陥ってはならない。

読む方もつらいだろうが、書く方はもっとつらい。「心の持ち方」「日々の過ごし方」を法律事項にしていったら、とめどもなく法律は増える。まばたきは人間のDNAに埋め込まれている自然的生理作用であって、法律で禁止されても困るのである。つまり、必要ない法律の典型例である。それでは、次の例はどうだろうか。

「何人も我が国の象徴として、古来親しまれている富士山を敬愛し、大切にする心を育まねばならない」

OKだよ。富士山はきれいだし、外国でも有名だからね。国旗国家法に習って、「国山は富士山とする」と規定すれば法的根拠も生まれるから、学校でも日本中が同じ時間に富士山を向いて一礼する指導を行う必要が出てくるよね、と戦前回帰派にはマジで採用されてしまう「富士山敬愛法」が立法されるかもしれない。

「だけど俺は八ヶ岳の方が好きだ。富士山のような単純な形より、あの天空にそそり立つダイナミズムがいいと思うよ」

という人は、「それはあなたの趣味にとどめて下さい。国の法律で、国民全体が愛する山は富士山と決まってますから」と諫められる。たしかに海外から帰ってきた時に飛行機の中から富士山がばっちり見えた時に、ホッとする。芦ノ湖から見た富士山をほれぼれ見ていたこともある。だけど、法律で決まってしまうと妙なことになってしまう。飛行機の機長がアナウンスで「皆さん、国山富士山がご覧の通り右側に見えます」と言うと、日本人は全員が手を合わせ瞑目する。なぜ、こんなことになったのだろう。心の中は表現できないから、「瞑目」と「合掌」という外形的な表現で敬愛の意を表現することになったからだ。

伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。(教育基本法改正案・2条5)

公明党は「愛国心」は統治機構を愛することを意味するから反対だと主張したと言うが、「我が国と郷土を愛する」という文言を教育版憲法である教育基本法に入れると、付属法として「富士山敬愛法」や「伝統文化愛好奉仕法」「夫婦和合調和法」などゴタゴタと修養や態度に関わる法律が出来ることを阻めない。すでにある法律では「健康増進法」などの例もある。

法律違反になるから夫婦喧嘩は遠慮するという夫婦は、ベストカップルだろうか。この教育基本法の時代錯誤的提案は、「生き方」「楽しみ方」「人生の送り方」「喜怒哀楽の制御と解放」「感動の仕方」「人生の価値」など究極の個人の領域に国家が入りこみ、ガサツな立て札をもって「規範」と呼んで、青少年を誘導しようというところにある。

教育基本法が出来たら、青少年基本法をつくり、最近の年寄りはワガママだとして奉仕活動への感謝義務を課す高齢者基本法、団塊の世代が「個人主義」から脱却できないとすれば、「団塊世代・奉仕連帯法」(『連帯を求めて孤立を恐れず』から『我が国と郷土を愛する奉仕活動への連帯義務』をうたう)と、際限なく急坂を転がり落ちる。

まさか、まさかで、まっさかさまだ。信じられないほどに政治はアナクロニズムへと退却し、「国家の幻影」が膨張する。「ちょっと妄想ひどいんじゃないの」とたしなめてくれる人がいたら、小石や岩石が転がってくる坂を登りゆく隊列に加わってほしい。今日は冗談で書いてません。


http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/b4973c81e8db4c3f9a948f459a298d1a

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