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[暴政]小泉流「狂気のリアリズム政治」で“地獄変”化するニッポン
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投稿者 鷹眼乃見物 日時 2006 年 5 月 09 日 22:59:24: YqqS.BdzuYk56
 

[暴政]小泉流「狂気のリアリズム政治」で“地獄変”化するニッポン

<注>ここでは「地獄変=地獄変相図(地獄絵)」を仮設した。地獄変相図とは亡者が地獄で苦しみに合う様子をリアルかつ残酷に描いた絵である。芥川龍之介の短編小説『地獄変』(http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/60_15129.html)は、藤原道長の全盛期(10世紀末から11世紀初め頃)を代表する画家(宮廷絵師)で日本絵画の古典様式を完成したとされる絵師・巨勢弘高(生没年不詳/作品は現存せず)が描いたとされる鬼気迫る傑作『地獄変の屏風絵』(古今著聞集に出てくる)の伝説に着想を得て書かれたものである。 

  5月7日付のマスコミ各社は、“2002年までの15年間に「ジニ係数」(所得格差の度合いを示す指標値)が30〜40代の男女で最大約30%上昇したことが厚生労働省の「所得再分配調査」のデータ再集計で分かった”と報じています。所得格差拡大の問題については、今年の1月に内閣府が“主に高齢者世帯の増加などによる見かけ上のもので、実質的な格差拡大は統計データからは確認できない”と公表していましたが、この厚生労働省の発表でそれが否定された形となりました。無論のこと、これは2002年までの統計なので、この格差拡大の全ての原因を小泉政治に責任があるとはいえ切れません。

  しかし、2006年3月.26日付・東京新聞が「記事・核心」で“日本経済がデフレにあえいでいた時期に誕生した小泉政権は、景気が回復軌道に乗るまでさまざまな事態に直面した。不良債権処理はヤマを越え、企業業績はV字回復を遂げたが、各種データを分析すると、労働・生活面などで随所に「改革のひずみ」が生じている。・・・途中略・・・企業の雇用コスト負担を示す労働分配率は一貫して低下。これはリストラによる業績向上に比べ、家計部門が受ける恩恵が少ないことを意味し、景気回復の実感が得られにくい要因の一つになっている。雇用形態も大きく変化した。正規労働者が減る一方、パートなどの非正規労働者が増加し学業にも仕事にも就かないニートやフリーターが巷にあふれ、それが若者の間での所得格差にもつながっている。生活保護世帯数は増加の一途。それとともに公立小中学校で就学援助を受ける児童生徒数は、2004年度が約133万人と2000年度と比べ4割近く増えた。自殺者数は3万人以上で推移し、中高年を中心に社会問題化している。民間に自ら道を開くことを求めた小泉政権下で、優勝劣敗が加速した。結果的に、かつての日本で感じることが少なかった「格差」が生じていることを数字は示している。”と分析していることも現実です。従って、この統計が3年ごとに見直されることから、次の2005年までの15年間の統計では、更にこの格差の大幅な拡大が懸念されます。他方、小泉政権が靖国参拝問題、改憲準備と国民投票法の整備、教育基本法改正、共謀罪の整備、防衛省格上構想など、はじめから予想されたとおり反動化の度合いを強める中で、ポスト小泉の話題ばかりがマスコミを浮つかせ続けており肝心の小泉流「狂気のリアリズム政治」に対する根本的な批判の声はか細くなるばかりです。

  このため、今や日本の社会は「貧富格差の拡大、労働者保護関連法の改悪、医療・福祉関連法の改悪と同サービス内容の劣化、自然環境の悪化、地方・地域生活圏の崩壊、財政赤字負担の弱者への押し付け分担」と「国家体制の右傾化・ファシズム化、治安維持のための言論統制強化、忠君愛国型軍事国体への回帰志向」という、いわば二本の「暴政の頚木(くびき)」による国民一般への締め付けが強化されようとしています。残念ながら、これは、昨年11月に下記の記事(★)で予想したとおりの流れとなっています。

★『小泉流「自己陶酔の美学」がもたらす日本ファシズム化への誘惑』
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20051116

  ところで、このような“悲惨”(=地獄変相図のような日本社会)をもたらした淵源には「小泉流・狂気のリアリズム感覚」の存在があります。そして、それを象徴するのが、余りにも尋常ならざる「靖国神社参拝への執拗なこだわり」です。そこで観察されるのは、政治に関する常人の感性を遥かに逸脱した「狂気のリアリズム感覚」の存在です。言い換えれば、それは小泉首相が「独裁的で傍若無人な政治権力を行使することの悦び」と「最高のディレッタントであることを自負する芸術鑑賞の法悦」の二つを混同するという、一種の倒錯した精神環境(=常軌を逸した美意識)に嵌っていることであり、それは、図らずも生身の人間である日本国民の一人ひとりの「肉体と心のリアリズム」を見誤っているということです。これは、恰も芥川龍之介の傑作『地獄』変の主人公である、異形の絵師・吉秀の犬畜生にも劣る“忌まわしい狂気の感性”(強いナルシズム感覚)に重なります。以下に、芥川が描いた吉秀の「狂気のリアリズム」についての描写の一端を引用しておきます(以下、『 〜 〜 〜 〜 』の部分)。

  堀川の大殿から『地獄変の屏風絵』を描くよう命じられた吉秀は、自らの芸術の完成度の高さと自己満足を求めるあまり魂を悪魔に売り渡します。そして、自分より大きな力(政治権力)を握る大殿の残忍な罠に嵌り、絵師としての『地獄変のクライマックス』のリアリズム描写のために“こよなく愛する一人娘が生きながら炎上する姿”を目撃することとなり(最愛の一人娘が入れられた牛車に火が付けられ炎上する光景を目撃させられ『地獄変』のクライマックスを描写する破目になる)、吉秀は、そこで最高の芸術家としての異様な歓喜と感激を図らずも覚えてしまいます。そして、吉秀の最高傑作である身の毛もよだつような鬼気迫る『地獄変の屏風絵』が完成するのです。・・・以下は短編『地獄変』からの部分引用・・・

『(以前、省略)・・・その火の柱を前にして、凝り固まったように立っている吉秀は、−−−なんという不思議なことでございましょう。あのさっきまで地獄の責苦に悩んでいたような吉秀は、今は言いようのない輝きを、さながら恍惚とした法悦の輝きを、皺だらけな満面に浮かべながら、大殿様の御前も忘れたのか、両腕をしっかり胸に組んで、たたずんでいるではございませんか。それがどうもあの男の目の中には、娘のもだえ死ぬありさまが映っていないようなのでございます。ただ美しい火焔の色と、その中に苦しむ女人の姿とが、限りなく心を悦ばせる−−−そういう景色に見えました。・・・(以下、省略)』

(参考URL)http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/

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