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「共謀罪をめぐる根本的な議論をやり直す必要」:国連の『立法ガイド』に書かれていること (保坂展人のどこどこ日記)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo23/msg/124.html
投稿者 heart 日時 2006 年 6 月 07 日 23:42:16: QS3iy8SiOaheU
 

(回答先: 共謀罪はなくても構わない?〜条約の立法ガイドに明記?(情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士) 投稿者 gataro 日時 2006 年 6 月 07 日 19:37:53)

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/0fe83e6568ef164cdec9496177d67173より転載。

国連の『立法ガイド』に書かれていること

政治 / 2006年06月07日

条約の各国の法制化に向けた国連の『立法ガイド』(http://www.unodc.org/pdf/crime/legislative_guides/Legislative%20guides_Full%20version.pdf)に注目が集まっている。
2004年に出来上がり、国連のホームページで誰もが見れるようになっているが500ページという分量である。
共謀罪のこの国会での攻防が一段落して、条約を批准した各国での状況を調べてみようということになり、この『立法ガイド』を何人かの専門家に見てもらった。
私は英語が不得意なので、友人たちに頼んで、急いで届けてもらった仮訳は、「目から鱗」的な内容でもあり、共謀罪をめぐる根本的な議論をやり直す必要を感じるものだった。
以下、その概要を紹介したい。

条約には、条約の実施は各国の国内法の原則に沿って行えばよいと言う条項がある。
34条1項である。
ここには、以下のように定められている。
「締約国は、この条約に定める義務の履行を確保するため、自国の国内法の基本原則に従って、必要な措置(立法上及び行政上の措置)をとる」

 国連が作成した立法ガイドの43パラグラフには、次のような興味深い言及がある。
「各国の国内法の起草者は、単に条約テキストを翻訳したり、正確に言葉通りに条約の文言を新しい法律案または法改正案に含めるように試みるより、むしろ条約の意味と精神に集中しなければならない」
「法的な防御や他の法律の原則を含む、新しい犯罪の創設とその実施は、各締約国に委ねられている」
「国内法の起草者は、新しい法が彼らの国内の法的な伝統、原則と基本法と一致するよう確実にしなければならない」
とされており、条約の文言をなぞる必要はなく、条約の精神に忠実であれば、かなり広範囲の裁量が認められていることがわかる。

(National drafters should focus on the meaning and spirit of the Convention rather than attempt simply to translate Convention text or include it verbatim in new laws or amendments.
The drafting and enforcement of the new offences, including legal defences and other legal principles, are left to the States parties (see art. 11, para. 6).
Therefore, they must ensure that the new rules are consistent with their domestic legal tradition, principles and fundamental laws.)
同様のことは、68パラグラフにも言及されている。

 (68.(e) The description of the offence is reserved to the domestic law of a State party.
The domestic offence established by a State to implement the criminalization requirements of the Convention need not be described in exactly the same manner as in the Convention, as long as the required conduct is criminalized (art. 11, para. 6))

 さらに51パラグラフはさらに決定的なことを述べている。
「適切な法的な概念を持たない国においては、共謀罪又は結社罪という名の制度を導入することなしに、組織犯罪に対して効果的な措置を講ずるという選択肢は許容されている。」
( The options allow for effective action against organized criminal groups, without requiring the introduction of either notion−conspiracy or criminal association−in States that do not have the relevant legal concept. )

つまり、共謀罪でも結社罪でもない、効果的な組織犯罪対策というオプションも認められているのである。
このオプションは、まさに共謀罪も結社罪も持たない日本のような法伝統に配慮したものといえる。

 しかし、62パラグラフは.「上記の罪は両方(共謀罪と参加罪)とも、犯罪の未遂もしくは犯罪の既遂とは別のものである。」とされており、共謀罪における合意、参加罪における参加がいずれも、未遂に至る前に処罰可能でなければならないことを求めていると理解されているようである。
したがって、我が国の法制度の中で未遂以前に犯罪が可罰的とされ、犯罪を未然に防止するための諸規定がどのように整備されているかを検討する必要がある。
(Both of the above offences are distinct from any offence addressing the attempt or completion of a criminal activity.)

以上が現段階で得ている情報だ。
「共謀罪」「参加罪」のいずれかを選ばなくとも、「犯罪の既遂・未遂」以前に処罰可能な法的諸規定はどのようにありえるか。

これから他の野党にも呼びかけて、きちんと考えてみたい。
国連の『立法ガイド』が完成した時点では、すでに法務省を中心に『共謀罪・条約刑法』を国会に提出してしまった後であり、政府は十分な吟味・検討を加えないままに「条約」の要請を金科玉条にして、国内の法体系とは無関係に大幅な「共謀罪」を新設しようとしたのではないか。

今回は、そもそも論の入口の所に立ち戻って考えてみたい。

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