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教育基本法、着地点見えず(朝日新聞)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo23/msg/442.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 6 月 27 日 20:10:50: KbIx4LOvH6Ccw
 

2006年06月26日16時28分
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200606260356.html

 18日に閉会した国会で注目を集めた教育基本法改正案の審議は、衆院特別委員会で約50時間を費やしながら、結局は次の国会に先送りとなった。集中的な審議でどんなやりとりがあり、法案は今後どうなるのか。

◆「文科省シナリオ狂う」

 これまでの審議と論点を振り返り、西原博史・早稲田大教授(憲法)の分析を交え、展望した。

 ◇世の中が変化

 「なぜ今、改正なのか」。審議の序盤、この質問に対する小坂文部科学相の答弁は長かった。

 「21世紀という新たな世紀に入り、IT社会という新たな流れの中でグローバル化した世界での日本の位置づけが変革をしている」と時代状況を分析し、「倫理観の低下、社会的使命感が喪失しているのでは、との指摘もある」「核家族主義になって家族の崩壊という現象も言われるようになった。都市化も進んだ」と背景を説明した。

 さらに、「道徳心や自立心、公共の精神、国際社会の平和と発展への寄与など、今後、教育においてよりいっそう重視しなければならない新たな理念というものを規定する必要がでてきた」。

 つまり、世の中は変わったのに教育基本法は変わっていないからという説明なのだが、審議の中で、小坂文科相は、同趣旨の長い答弁を何度となく繰り返した。愛国心教育に関連し、国を愛する「態度」と「心」の違い、「国」の概念は何か、宗教教育の条項で新たに改正法案に加えられた「宗教に関する一般的教養」の中身なども、新鮮味はなかった。

 西原 審議はぼんやりしていましたね。「国旗国歌法」のときのように明確な争点が意識されていなかったからでしょう。改正案は、2条で「教育の目標」を掲げ、16条以降の「教育行政」規定をつかって、文科省がそれを定義し、学校や社会に貫徹していくという戦略に基づいた文章です。その文科省の意図を、野党も、与党の委員も理解していなかったのかもしれません。子どもの心をどう育てるか。それを官僚組織が定義して教育現場におろしていく。その怖さが浮かび上がらなかった。

 ◇首相発言波及

 議論が収束していかない中、意外にも劇的な展開を演出したのは小泉首相だ。02年から福岡市の小学校で使われた通知表の社会で、愛国心の評価項目があることについて聞かれると、「あえてこういう項目をもたなくても良いのではないかというのが率直な感想であります」。その後、別の委員とのやりとりでも「小学生に対してね、愛国心があるかどうか、私はそんな評価なんか必要ないと思いますね」と、明快に答えた。

 西原 あれで、すでに学習指導要領に入っていた愛国心と、その評価の問題が注目されることになってしまい、「必要ない」と答えたことで、文科省のシナリオも狂ってしまった。今国会で唯一の建設的なやりとりでした。何を言われても靖国参拝を続けた「内心の自由の大家」、小泉さんならではの発言かもしれませんね。もっとも法案では内心の自由が色々な形で脅かされているので、これで安心というわけでは全くないのですが。

 ◇キーは民主党

 野党第1党の民主党はどうだったか。

 西原 詰めるべきところを詰めていません。対案は出しても、与党案の問題点を追及する姿勢が弱かった。与党案と民主党案で違いが鮮明なのは、教育委員会の扱いと、国と地方の役割分担です。ここを詰められると、規制改革とも絡んで、与党内で意見が割れてしまうことになったかもしれない。

 秋には小泉首相の総裁任期が切れることもあって、今後の展開は不透明だ。与党案と民主案の調整はあるのだろうか。

 西原 重要なのは、民主党がどう動くか。公明党は改正案の変更を受け入れる姿勢ではありません。民主党の出方次第で、自民党が公明に配慮して現行改正案をとるのか民主案を取り込むのか、選択を迫られる場面が出てこないとも限らないでしょう。

◆歴代大臣、改正への思い訴える


 衆院の特別委には、10人もの歴代文相、文科相が出席=表=し、改正への思いを小泉首相らに語った。

 「早く、深い審議がしたかった」。冒頭から並々ならぬ熱意を見せた町村信孝氏は、小泉首相に「自民党は改正に格別の思い入れがある。総理の郵政民営化への思いと同じ、あるいはそれ以上」と迫った。

 河村建夫氏も、首相が所信表明で「米百俵の精神」を示したことを指摘し、「教育基本法の改正で大きな起承転結ができる」と促した。

 「答弁は何百時間かしましたが、質問は10年ぶりでヘタクソでございます」と質問に入ったのは鳩山邦夫氏。祖父の鳩山一郎・元首相が昭和30年代に改正の必要を指摘していたと歴史をひもとくと、一気に1万年以上さかのぼり、「後氷期になってすぐに文明の二つの源流ができる(中略)4大文明はみんな自然を破壊する人間中心の文明(中略)日本には縄文以来、自然と共生するすばらしい文明が(中略)誇りやアイデンティティーがないと愛国心は生まれてこない」と文明論を展開した。

 基本法改正について最も詳しい政治家の一人とされる保利耕輔氏は「教育の制度論を少し今日はやってみたい」と語り始め、義務教育の具体的目標、中等教育の定義、高等学校の位置づけなどをみっちりときいた。小坂文科相は「私は委員ほど詳しくはございませんけれども」と聴き入った。

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