自衛隊派遣「恒久法」案　海外任務に治安維持も　自民が骨子　　2006/08/24 09:30

　自民党の国防部会防衛政策検討小委員会（石破茂委員長）は二十三日、自衛隊の海外派遣を随時可能にする「恒久法」の法案骨子をまとめた。国連決議や国際機関の要請がなくても多国籍軍への参加を可能とし、新たに治安維持任務を追加して武器使用基準を緩和する。八月中にも条文化し、来年の通常国会への提案を目指す構えだ。

　九月の自民党総裁選で、小泉純一郎首相の後継に選出されることが有力視される安倍晋三官房長官は、同法案の検討に前向きだが、海外での武力行使や、集団的自衛権の行使を禁じる憲法との整合性が問われそうだ。

　従来のＰＫＯ協力法や、時限立法のテロ特措法、イラク特措法は、いずれも海外派遣の際は国連決議や国際機関の要請が必要だった。だが骨子は要請がなくても「わが国が国際的協調の下に活動を行うことが特に必要」な場合は可能とした。紛争当事国からの要請がない場合の派遣も認める。

　また自衛隊の海外任務に、これまで認められていなかった「治安維持」と他国要人などの「警護」「船舶検査」の三活動を追加。これらの活動を「効果的に実施するため」、正当防衛と緊急避難に限定していた武器使用権限を拡大する。

　具体的には、通行妨害の排除や、施設・物品の防護、侵害行為を行った犯人の逃亡防止などの際の武器使用を想定。自衛隊が武器を持って救助に向かう「駆けつけ警護」なども認める。派遣活動は「非国際的武力紛争地域」（従来の「非戦闘地域」を改称）に限定し、国会の事前承認を義務付ける。

　同法案には自民党内にも慎重論があるほか、野党はすでに反対を表明しており、法案提出までには曲折がありそうだ。

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060824&j=0023&k=200608235769

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