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Re: <五百旗頭真神戸大学教授の防衛大学校長就任にあたって>晩節を汚すことになるのでは?(五十嵐仁の転成仁語)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo26/msg/436.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 9 月 08 日 13:30:17: KbIx4LOvH6Ccw
 

(回答先: 防衛大学校長、小泉メルマガで首相批判―「朝日新聞」 投稿者 天木ファン 日時 2006 年 9 月 08 日 12:07:41)

http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/jingo607k.htm から転載。

7月23日(日)

晩節を汚すことになるのでは?

晩節を汚すことになるのではないかと心配しています。防衛大学校の校長に就任することが決まった、五百旗頭真神戸大学教授のことです。
 どのような理由で、就任を受諾されたか分かりません。でも、あの五百旗頭先生も時代の流れに竿を差すことになったのかと、いささかガッカリしました。


 五百旗頭さんからすれば、「安全保障と防衛力の懇談会」の一員になっていましたから、それほど違和感はないのかもしれません。いつか、私と一緒に掲載された共同通信のインタビューでも、軍事的安全保障を評価していましたし……。
 しかし、それでも、基本的にはリベラルな立場であると思っていました。これまでの研究や発言は、基本的にはそのような立場に立つものだったのではないでしょうか。
 五百旗頭さん自身、今日の『毎日新聞』の「時代の風」で、「中には『なぜ、あなたのような人が』といぶかる知人もいる。私が軍事関係者のようでなく、リベラルに見えるので意外に感じるという」と、書いています。


 しかし、「私は安全保障をとても大事に思っている。安全保障とは、さまざまな脅威から国民の存在を守ることである」というのが、五百旗頭さんの説明です。だから、防衛大学校の校長を引き受けたのだ、と仰りたいのでしょうが、それは直接には結びつきません。
 五百旗頭さんは、「国民の生存を守る」ための「最後の手段であるのが自衛隊」だとも仰っています。しかし、その自衛隊については憲法上の位置づけが問われ、「国民の生存を守る」どころか戦争に巻き込む恐れはないのか、米軍との一体化によって侵略の手先にされてしまうのではないかなど、さまざまな議論があることは、よくご存知のはずです。
 そのような「新しい事態」の下で防衛大学校の校長になるということは、どのような意味を持つのでしょうか。この点に対する自覚や警戒感が、五百旗頭さんにはあるのでしょうか。


 今日の『毎日新聞』の五百旗頭さんの記事を読んで、驚いたことが2つあります。一つは、記事のほとんどが、五百旗頭さんも被災した阪神・淡路大震災の話で占められていることです。災害救助で自衛隊が大きな役割を果たしていることは認めますが、それはそのための専門部隊が存在していないための代替にすぎません。
 大震災などの災害救助が重要だというのであれば、そのための専門部隊を充実させるべきだと、なぜ言わないのでしょうか。そのための専門組織が十分でないから、その代わりに自衛隊という軍事組織を用いなければならないという現実を、どうして真正面から批判しないのでしょうか。
 大震災だけでなく、現に今進行している大雨被害や洪水、地滑り災害などは、毎年のように繰り返され、「国民の生存」や「国民の生命」が脅威にさらされ、あるいは失われています。それなのに、そのような脅威に対して「国民の生存」を守るための集団が、自衛隊という軍事組織の形でしか存在していないというのは、どう考えてもおかしなことではないでしょうか。


 五百旗頭さんには、このような問題意識は全くありません。それどころか、自衛隊のあり方については、牧歌的と言えるほど楽観的な見方をしてます。
 この点も、私が驚いたことの一つです。この間の事態をきちんと見ていたのか、と訝しく思われるほどの楽観論が、五百旗頭さんの記述からはうかがえます。
 五百旗頭さんは、「国の防衛という本来の任務に、ミサイル防衛という新たな分野が加わった。国内、国外の災害派遣は地球異変の下で増える一方である。そして狭くなる地球の安全のために、国際平和協力活動も忙しい」と書いていますが、これらは全て必要かつ有益であると考えているようです。そこからは、「多くの仕事に関わるようになった」自衛隊の変貌に対する危惧も懸念もうかがうことはできません。


 とはいえ、すでに防衛大学校の校長への就任は決まったことです。このうえは、五百旗頭さんが今日進行しつつある日本の軍事化の促進に利用され、晩節を汚すことのないようにと望むばかりです。
 その点で、五百旗頭さんには、校長として防衛大学校でぜひ行って欲しいことがあります。その一つは、「ミサイル防衛」の実効性についての研究です。
 どれほどの命中精度があるのか、距離の近さや時間的制約はネックにならないのか、そして何よりも、配備されたミサイルの数よりも多くのミサイルが発射されるような事態があり得る場合、それでもなお、ミサイル防衛は有効に機能するのか、などの点について研究していただきたいということです。


 第2には、「国内、国外の災害派遣」についての研究です。本来は軍事組織である自衛隊が「災害派遣」されることの是非を、真正面から検討する必要があるのではないでしょうか。
 自衛隊を改組・再編して「災害派遣」のための専門部隊を充実するべきではないか、訓練の内容や装備についても、「災害派遣」を前提にしたものに変える必要があるのではないか、特に、「国外」への派遣ということであれば、軍事組織ではない方が好ましいのではないかなど、「災害派遣」体制充実のための研究を進めていただきたいものです。


 第3には、「国際平和協力活動」についてです。これまでの活動実績についての総括が必要でしょう。それが、どの程度、現地の役に立ち、どのような評価を受けているのか、費用対効果についてのバランスシートを作成していただきたいと思います。
 もっと重要なのは、国連の下にはない「有志連合」としての自衛隊派遣についての総括でしょう。「テロとの戦い」ということで、インド洋では米英の艦船への給油を行い、イラクのサマーワでは地上部隊が「復興支援活動」に従事し、航空自衛隊は今も米軍物資などを空輸しています。
 それが、政府の説明通りの状況の下で、説明通りの効果を上げたのかどうか。とりわけ、現地の人々にどう評価されているのか、防衛大学校としての独自の調査でもやったらいかがでしょうか。


 日本の防衛政策は大きく転換し、五百旗頭さんの仰るとおり、自衛隊は「新しい事態を迎え」ています。とりわけ、イラク戦争への加担と在日米軍再編による一体化の進展は自衛隊に化学変化を起こし、これまでとは全く異なった「怪物」にしてしまう危険性があります。
 そのような「化学変化」を拒み、「国民の生存」を守るという方向で、大きな役割を果たしていただきたいものです。五百旗頭さんは「リベラルに見える」だけではなく、本当にリベラルだったのだという評価が退任に当たってなされることを、私としては願うばかりです。

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