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崩壊する日本 (Nevada Economic Report)
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投稿者 baka 日時 2006 年 9 月 14 日 22:12:50: RQJEnV9HbG4Tk
 


1.崩壊する日本

今、日本社会は崩壊に瀕しているといっても過言ではありません。
このレポートでかねてから指摘してきています<日本社会崩壊>ですが、もはや直ぐそこにまで来ていると言えるのです。
子供を虐待する親、親を殺す子供、遊びの為に平気で強盗に走る母親、税金を横領しておきながら開き直る政治家、公務員・・・・。数え上げればきりがありません。
殆どすべての国民が今、漠然と一体日本はどうしたのか?と思っているはずです。こんな日本ではなかった、と。

しかし、現実は厳しく、そして事態は更に悪化し続けていっています。
もはや、日本は取り返しのつかない状態に陥ってしまったといえるのです。
では、なぜここまで日本は悲惨な状況に陥ってしまったのでしょうか?
『待ってくれ、日本のどこが悲惨なんだ。自分たちは世界一裕福な暮らしをして、食べきれないほどの食事をしているこの日本が悲惨な筈ないではないか。ブランド品は溢れ返り、高級外車は走り回り、別荘地は売れ、億ションも売れに売れて一体どこが悲惨なんだ。』という方もおられるはずです。確かにそういうところもあります。
銀座に行けばブランド品店が軒を連ね、デパートでは高級品が溢れかえっています。

<勝ち組>には“たまらない(最高の)”社会になっている今の日本ですが、反面、<負け組>にとっては、“耐えられない”社会になっているのです。
先日、貧乏と虐められ自殺した中学生がいましたが、今の社会は貧乏を蔑む社会になっているのです。
そして、これがありとあらゆる人の心を蝕み、社会を崩壊に導いているのです。

先日このようなことがありました。
関西出身の方が別荘地に移り住み、立派な家で、悠々自適な引退生活を送っている方と話す機会があったのですが、この方は<典型的な勝ち組>に入ります。
親戚にも法務大臣がいるということをしきりに強調されていましたが、ではその人格は? 異常なまでもの<勝ち組意識>なのです。
弱い者に優しくするという心が全くないのです。
例えば、弊社グループが自立支援していますホームレスに対しては、甘やかしてはいけない、厳しく対応するのが当然であると、頭ごなしに述べていました。
精一杯働き、何とか自立しようとしているホームレスに慈悲の心など必要ない、徹底的に働かせればよいのだ、という意見なのです。
好き好んでホームレスになる者はいません。皆、何らかの事情があり、ホームレスにまで落ち込んだのです。精神的にも肉体的にも、がたがたになっている彼らに暖かい心を持って接することが出来ないのです。
鼻から「ホームレスは汚い、働かない」という偏見があるのです。
勿論、どうしようもないホームレスも多くいます。しかしながら、精一杯働き、人生を変えたいと願うホームレスも多くいるのです。

多くの難民を支援している富士メガネの金井会長はこのように述べておられました。『難民(人)を救うには何が必要ですか』という問いに『優しさ』です、と。
今、日本人にこの『優しさ』が昔ほどあるでしょうか?
困っている人を見れば助ける、という優しさがあるでしょうか?
『自分だけが良い生活をすればよい、自分が努力してこの地位に達したんだ。他人からとやかく言われる筋合いはない・・・』。
このように思っている<勝ち組>が多くいます。
確かに努力してその地位に就いたのでしょうが、ならばなぜ弱いものを助ける、哀れむという心がないのでしょうか? <本当の勝ち組>であれば、心の優しさはあるはずです。今、幸せを謳歌している<勝ち組>の多くの方は、今後、<負け組>に落ち込んだ多くの国民から尊敬され、羨望の眼差しで見られるのではなく、疎まれ、攻撃の対象になるはずです。

『(負け組に落ち込んだのは)自分たちの分を横取りした<勝ち組>のせいだ。このような<勝ち組>を襲って取れるだけとってしまっても誰も文句はいわない』と。
昔、義賊という泥棒がいましたが、今後、形を変えた“にせ義賊”が出てくることになるはずです。昔の義賊は自分の為に泥棒・略奪をしたのではなく、困っている多くの庶民の為に略奪・泥棒をし、分け与えたのです。
今後、日本に出てくる“にせ義賊”は、自分のためだけに略奪・泥棒を働くのです。心は義賊気取りですが、実態は自分が<勝ち組>と同じ良い生活を送れるのであれば、それでよいのです。

ありとあらゆるところでこの“にせ義賊”が現れ、社会を荒らしまわりますが、大方の<負け組>日本国民はたいした反応は示さないでしょう。
『どうせやられるのは金持ち・勝ち組だけだろう?自業自得だ』と・・・。
そして、多くの<負け組>は、この“にせ義賊”の予備軍になるかもしれません。
いくら働いてもいくら頑張っても、生活は楽にならず、かえって苦しくなっていっている今の<負け組>にとって、何らかの切っ掛けで“にせ義賊”になり、<勝ち組>を襲ったほうが生活は楽になるのであれば、襲わない方がおかしい、という判断も当然となります。そしてこの“にせ義賊”が低年齢化するはずです。
貧乏とののしられ虐められ自殺した中学生はこの“にせ義賊”化を選ばず、自らの命を絶つことにより、結末をつけたわけですが、多くの場合はそうではないはずです。

生活保護費・児童扶養手当を削減する動きが日本国中で見られますが、これで生活苦に落ち込む家庭で育った子供はどのような心を持つでしょうか?
もがき苦しむ親を見て子供はどのような心になるでしょうか? 社会を恨む心を持ったとしましても何ら不思議ではありません。先日このような事例が報じられていました。

『43歳の女性が離婚して病気の為に働けない状態に陥った。生活保護費、児童扶養手当をあわせ月額20万円の収入で、ここから家賃6万円を払い、のこり14万円が生活費となっていた。ところがこの息子(定時制高校)が15歳になった今、生活保護費の母子加算分の1万円が減額され、来年度は更に8,000円減額されることになっている。』
この息子はこの家庭の窮状をみてこのように述べたといわれています。
『お母さん、もう給食要らないよ』、これで一学期の給食費1万円が浮くからです。『息子にこんな思いをさせるなんて』(母親)

勿論、家庭が生活苦にあえぎながら、心優しく育っていく子供も多くいます。
しかしながら、社会に出た途端、『一生自分も苦しむ生活を送ることになる』となれば、どうでしょうか? 今、日本社会は、階級が固定化されてきているのです。
今の<勝ち組>は余程へまをしない限り、一生安泰な生活を送り、家族も一生楽に暮らしていけます。
ところが、<負け組>はどうもがきましても、余程のことがない限り、一生<負け組>に落ち込んだままになり、悲惨な生活を送ることになるのです。
社会主義国のような固定化された社会に閉じ込められるようになってきているのです。

9月2日付週刊ダイヤモンドではこのような特集を組んでいます。
『リストラ父さん、フリーター息子 悲惨世代』
政府(内閣府)が発表しました『平成18年度版経済財政白書』では、正規雇用者は3,300万人に減少し、非正規雇用者(フリーター等)は1,600万人に増加し、雇用者数の3人に1人が非正規雇用者になっているのです。

そして、平成18年度版労働経済白書では、驚くべき数字を挙げています。
20歳代の年収150万円以下の低年収層は2002年度には21.8%にも達しているのです。
これら若者のうち20歳から24歳の非正規雇用者数は30%を越えており、25歳から29歳まででも20%を越えているのです。
即ち20歳代の50%以上がフリーター等の非正規雇用者になっているということなのです。

そしてこの非正規雇用者の年収は生活が出来るかどうかというぎりぎりの水準であり、年金・健康保険も払えない状態に陥っているのです。
では、彼らに出口はあるのでしょうか? 即ち、正社員への道です。まずありえません。
企業側からすれば、非正規雇用者は多くの場合は現場で、低賃金で働かし、いつでも解雇できる都合のよい存在だからです。使い捨てのような存在なのです。
企業側の利益至上主義がある以上、フリーター等は都合のよい調節弁であり、正社員への道は余程のことがないかぎりありえません。

ところで、この週刊ダイヤモンドの特集では、正社員・非正社員の生涯年収も記載しています。

正社員

2億3,500万円

(女性 1億8,600万円)
非正社員

6,500万円

(女性   5,000万円)
驚くべき差だと言えます。上記の数字は18歳から60歳までの42年間の生涯賃金総額であり、一年あたりでは以下のようになります。

正社員

約560万円

(女性:440万円)
非正社員

約155万円

(女性:119万円)
非正社員の年収では通常の健康的な生活が出来るものではありません。
しかしながら、これが実態なのです。多重債務者も根本は、上記で言えば155万円の年収を得ながら560万円の年収をとっているものと同じような生活を送ろうとして無理し、借金に頼っている事例が多いのです。

勿論、パチンコ・競馬等の負けが込み、借金に走る事例もあるようですが、大方は自分の収入以上の生活をしようとして借金に頼っているのです。
全ては収入が少ないことに尽きるのです。
そして社会が荒れてくるのはこの低年収化が原因であり、今後もこれは続きます。

では、なぜ、今、低年収化が目立つようになってきたのでしょうか?右記のグラフ1-1をご覧ください。
このグラフは正規雇用者・非正規雇用者の推移ですが、1996年から非正規雇用者が急増し、正規雇用者が急減してきているのがお分かり頂けると思います。
即ち、企業は正社員を減らし、パート・派遣等の非正規雇用者に置き換えてきたのです。
法律改正もこの後押しをしたわけですが、政府・経団連あげて企業の利益のみを追求する政策を行い、結果、正社員になれない若者が急増したのです。

結果、企業は空前の利益をあげ税収も増えましたが、国民、特に高校・大学を卒業した若者の多くは低年収を受け入れざるを得なくなったのです。
右記のグラフ1-2を見て頂ければ、この非正規雇用者比率が1996年から急激に上昇しているのがお分かり頂けると思います。
そして、小泉政権(2001年4月より)になり、総額で174兆円という膨大な国債が発行され、隠れ債務(借金等)を含めれば200兆円にも迫る支出が行われたことで大企業の業績は劇的に回復したのです。

今の景気は、企業が人件費を削ったところに、政府が200兆円もの支出をした結果成り立っているとも言えるのです。
即ち、企業は人件費を削り<負け組>国民からお金を奪い、政府は174兆円もの国債を投入し事実上0%金利にして企業の金利負担を減らし、国民から利息収入を奪ったとも言えるのです。

ここで、今後何が起こるかを予測するために、余り注目をあびていない【雇用者報酬】という統計を分析してみたいと思います。以下の数字(前年同月比)をご覧ください。

<雇用者報酬の伸び率>
2005年10月−12月期 : +2.6%
2006年 1月− 3月期 : +2.1%
2006年 4月− 6月期 : +1.6%

期を追うごとに報酬の伸びが減少してきているのがお分かり頂けると思います。この【雇用者報酬】は、企業が従業員にいくら還元しているかを表している統計ですが、企業は雇用者報酬の伸びを減らし始めているのです。
政府は、企業業績もよく、最長の景気回復と言っていますが、企業は利益の伸びを保つために従業員への賃金支給(増額)を徐々に減らし始めているのです。
今はまだ伸びていますがこのままいけば、2006年7−9月期には±0となり、10月−12月期にはマイナス成長に陥るかも知れません。

統計上、企業収益の伸びのピークは2004年第4四半期というのが通説となっており、企業が利益を従業員に還元する前に利益のピークを迎え、今後は減少するという事態に陥るのです。
企業は収益を上げようとして、労働者の賃金を引き下げる動きを余計に強めてくるはずであり、これで真っ先にしわ寄せを受けるのは<負け組>労働者になります。
即ち、フリーター・パート等の非正規雇用者になるのです。

更に、右記のグラフ1-3をご覧ください。
これは37インチ薄型TVの実勢販売価格の推移ですが、まさにつるべ落としの様相を見せてきているのがお分かり頂けると思います。
先日の広告では、シャープの32インチの薄型TVが15万円割れとなっていましたが、ポイント還元を計算しますと13万円余りになり、今のような在庫急増・販売不振が続けば今後10万円割れも時間の問題かもしれません。
これでは企業は利益など出るものではありません。売れば売るほど赤字になります。
結果どうなるでしょうか? 企業は減産(生産調整)に入るはずです。
生産調整をすることになれば、真っ先に非正規雇用者は解雇されるでしょうし、残った者の賃金も引き下げられることになるはずです。
結果、今より更に生活が出来ない非正規雇用者が増えてくることになるのです。
そして、生活保護費以下の収入しかない非正規雇用者が急増することになります。しかもこれは20歳代の若者だけではなく、35歳以上の中高年フリーター・パートにも拡大していくのです。

ところで、この生活保護ですが、有り得ない事態が存在しています。
生活保護受給資格がありながら生活保護を受けていない割合が80%にも達しているという試算があり、今、124万人(2004年)が生活保護を受けていますが、これは実際の20%にしか過ぎないというのです。大多数の生活困窮者は未だに異常なまでもの貧困にあえいでいると見られ、以前も指摘しましたが、OECDもこの点を強く指摘しています。

OECDが指摘しました日本の貧困率は13.5%と米国(13.7%)についで世界第2位ですが、統計の取り方によって、日本の貧困率は15.3%に跳ね上がり世界一になるとされています。
しかもこのOECDの数字は2000年時点であり、今は更に悪化しているはずであり、日本は今や世界でも最も貧困層が多い異常な社会になっているといえるのです。

今、日本は底辺から社会が崩れ始めているのです。このままの事態を放置すれば、今わが世の春を謳歌しています<勝ち組>も余りにも危ない社会になり、日本を脱出せざるを得ない事態に追い込まれることは必至だと言えます。

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