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沖縄「密約」事件と国家犯罪 国賠訴訟と「西山陳述書」 池田龍夫(ジャーナリスト)(ベリタ)
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投稿者 近藤勇 日時 2006 年 9 月 22 日 22:44:53: 4YWyPg6pohsqI
 

沖縄「密約」事件と国家犯罪 国賠訴訟と「西山陳述書」 池田龍夫(ジャーナリスト)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200609222151515

日米両政府は2006年5月1日、「在日米軍再編」最終報告書にサインした。前年秋から「日米安全保障協議委員会」(2プラス2)で協議していた重大案件で、米政府が全世界をにらんだ米軍トランスフォーメーションの一環としての「在日米軍再編」であるとの認識が必要だ。その観点から最終報告書を点検すると、「日米軍事一体化」がますます鮮明になってきたことが読み取れる。 
 
 日米が合意した「ロードマップ」には、「@米ワシントン州にある『米陸軍第一軍団司令部』を、2008年9月までに神奈川県の米軍キャンプ座間に移転させる。A沖縄駐留米海兵隊約1万5000人のうち約8000人と家族約9000人を、2014年までにグアムへ移転させる。B米軍普天間飛行場を、2014年までに名護市の米軍キャンプ・シュワブ区域の辺野古岬へ移転させる」と記されており、この3点が再編計画の柱といえる。 
 
 特に「(d)沖縄再編案間の関係」の項に、米国の対日政策の強固な布石を感じた。「▼全体的なパッケージの中で、沖縄に関連する再編案は、相互に結びついている。▼特に、嘉手納以南の統合及び土地の返還は、第3海兵機動展開部隊要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転完了に懸かっている。▼沖縄からグアムへの第3海兵機動展開部隊の移転は、@普天間飛行場代替施設の完成に向けた具体的な進展Aグアムにおける所要の施設及びインフラ整備のための日本の資金的貢献に懸かっている」と、明らかに“パッケージ決着”を日本側に迫る内容である。 
 この取り決めに基づいて、グアム移転経費として約60・9億j(約7000億円)の負担を日本側に押し付けた。米側負担分が、日本側負担より少額の41・8億jだから、法外な移転経費の請求だ。また、ローレス米国務副長官が最終合意のあと「米軍再編に伴う日本側の負担総額は3兆円」と口走った背景に、米国の腹黒い対日戦略を感じる。合理的な積算根拠を示さずに“掴み金”的なカネを日本側に強要する、米外交の常套手段は相変わらずで、「日米同盟」の名のもとに騙され続ける日本外交の非力が嘆かわしい。 
 
 敗戦後61年、沖縄の本土復帰から34年の歳月が流れたが、沖縄は今も「米軍基地の島」である。米軍再編→日米軍事一体化が進行する現在、奇しくも沖縄返還時の密約問題がクローズアップされてきた。佐藤栄作政権が推進した沖縄返還に関し、毎日新聞記者が暴いた「沖縄密約事件」。有罪判決を受けた西山太吉・元記者が2005年春、国を相手取って「国家賠償訴訟」を起こし、現在も東京地裁で審理が続いている。 
 
 2000年と2002年の米外交文書公開によって、30数年前の佐藤・ニクソン日米首脳が調印した「沖縄返還協定」の中に密約があったことが暴露されてしまった。しかし、日本政府は情報公開に応じないばかりか、「密約はなかった」と否定し続けている。2006年2月には「吉野証言」が飛び出して、「佐藤政権時代の国家的犯罪」の様相が一層濃くなってきた。「吉野証言」については既に本欄で取り上げたが、当時の日米交渉のキーマンと言える吉野文六・外務省アメリカ局長(当時)が、長年の“密約否定発言”を翻して、密約の存在を認めた証言の重みは頗る重い。 
 
 新事実が次々明るみに出てきている中で、「西山国賠訴訟」口頭弁論が1年半近く東京地裁で続けられ、2001年11月に大きなヤマ場を迎えようとしている。8月29日の第7回弁論で、加藤謙一裁判長が「次回に、原告本人の当事者尋問を行う」と伝えたからである。第6回弁論(6月6日)の際に裁判長が「陳述書提出」を求め、原告側代理人・藤森克美弁護士から「原告本人(西山太吉氏)の陳述書」「米国務省(国防分析研究所)の報告書」 「我部政明・琉球大教授の著作」などが8月中旬までに提出されていた。それらを確認のうえ、原告本人尋問が決まったわけで、次回(11月7日)の尋問時間は、主尋問(原告側代理人による尋問)40分、反対尋問(国側代理人による尋問)20分の予定である。 
 藤森弁護士は「原告本人の尋問時間を90分で申請していたが、半分弱の40分に削られた。しかし、立証趣旨や尋問事項を制限されなかったので、制約を受けず網羅的に尋問を行う機会が確保されたという点で、評価したい」と感想を述べている。 
 
 東京地裁に8月提出された「原告本人の陳述書」を精読したが、最新資料にまで目を通して密約問題を分析した記述に説得力があった。日米交渉の経緯を追究し、第4章(『密約隠し』の再生産)では、「2000年の米公文書は沖縄返還協定調印後間もなく国務省が、2002年のそれは協定発効後に米国の国家安全保障局が作成したもので、いずれも外交交渉の過程ではなく、その終了後に用意された文書である。そして、吉野氏といえば協定調印時の外務省アメリカ局長であり、かつ二通の秘密文書のイニシアルの本人であって、それこそ実務の最高責任者として交渉の全容に精通している人物である。 
 米公文書の内容は電信文のそれとも完全に整合し、また、吉野氏がその重要部分を認めたことからも、そこに一語の狂いもあろうはずのない性質のものである。もし、現政府が、このような厳正な事実をあえて否定しようとするのなら、それ相応の立証責任をともなわねばならない」と鋭く迫っている 
 
 西山氏が30数年前「沖縄密約」を暴いたきっかけは「基地返還に伴う米軍用地復元補償費400万j」の疑惑だったが、それは“氷山の一角”。沖縄返還実現を“花道”に引退を目論んだ佐藤栄作政権が、ベトナム戦争で財政ピンチに直面した米政府の無謀な要求を次々呑み、“密約”の形で日本が巨額のカネを貢いだ構図が、白日のもとに曝されてしまった。その後発掘された新資料で明らかになったように、「密命を受けた柏木雄介―ジューリック両財務担当官によって敷かれたレールに乗って、作為的な沖縄返還定案が出来上がった」と判断するのが妥当な分析である。 
 
 澤地久枝さんの名著『密約』は30年近く絶版になっていたが、最近、岩波現代文庫から復刊された。執拗に不条理な事件を追った澤地さんの思いは深く、巻末の「沈黙をとくー2006年のあとがき」の文章が素晴らしかった。沖縄問題の底の深さ。「佐藤栄作内閣のもとに、本土復帰した沖縄は、今なお依然として米軍基地の島でありつづけている」と、次のように今日的問題点を指摘している。 
 「米軍独自の戦略によって、沖縄にいる海兵隊の一部はグアムへ移駐する。その費用は7000億円の支出を日本は求められて支払う。日本の分担金は3兆円といわれる。日米安保条約にはじまる日米間の『密約』の堆積。国家機密の壁によって阻まれ、主権者が知り得ず、したがって論議はされず、効果的な反対表明もない長年月の結果がいま、事実として日本の主権者に課せられつつあるのだ。この本で私は政府の対米『密約』と男女関係との比重の倒錯、本質のすりかえを初心者らしいしつこさで追及した。当時、『氷山の一角』という認識はあったが、隠された全容が、主権国家であることを揺るがすほどのものであること、憲法とくに第9条改変へ向かわざるを得ない本質を含むことまで考え及ばなかった」と率直に告白し、「低次元の問題にまんまとすりかえられた『密約』問題は、世紀を超えて日本を拘束する対米関係からこぼれた『ほころび』であった。責任を問われるべき佐藤首相以下、ほとんどが故人となった。本質を見抜けず、『すりかえ』を許した主権者の責任は、現在の政治状況の前に立つ私たちに示唆と教訓を残しているはずである」と結んだ文章に感慨を覚えた。 
 「沖縄密約」事件をきちんと総括することが、日本の今後を考える上で極めて重要であると、痛切に感じた。 
 
 
 
       「西山陳述書」の一部を抜粋 
「西山陳述書」は第1章から第5章まで多岐にわたっているため、「対米支払い」に関する記述の一部をピックアップして紹介させていただく。(原文のまま) 
 
▼沖縄の1972年返還は、それより2年半前の1963年11月、ワシントンで行われた当時の佐藤首相とニクソン米大統領との会談の結果、発表された「日米共同声明」により決定した。この共同声明が出来上がるまでの日米間の交渉については、返還が実現した1972年5月15日から2ヵ月後に完成した「沖縄返還――省庁間調整のケース・スタディ」と題する米国務省の秘密文書の中に、克明に記述されている。この文書については、秘密解除後まもなくの1996年4月、朝日新聞が核密約問題に限って、一部報道したことがあるが、文書全体の内容と問題点は、これまで紹介されないまま今日に至っている。この文書は、米国務省が3人の情報関係の専門家に委託し、これら専門家が、交渉に携わった関係者の一人一人に面接、聴取した結果を「誰々が何月何日に……」といった具合に、日取りを追って、その実態を詳細かつ綿密に記録したもので、恐らく沖縄返還交渉の核心を知る上で、これ以上の外交文書はないといっても過言ではない。(ちなみに、日本の外務省は、沖縄返還については、戦後の他の重要な外交案件、例えば日韓交渉、日米新安保条約交渉などとともに、いまだに、その関連文書のほとんどを開示していない。)この文書によって判るのは、沖縄返還交渉は、1969年11月の日米共同声明発表の時点で、その骨格というべきものは、すべて固まっていたという事である。もちろん、最大の難点とされた財政問題、すなわち、対米支払い問題も日米双方の間で、5億j以上の額で合意に達し、合意議事録まで作成されたのである。にもかかわらず、この事実は日本側からの申入れで伏せられ、声明には一切盛り込まれないまま,後になって、協定に,ウソを書いてみせかける(秘密電文中にあるアピアランス)か、あるいは、交渉結果そのものを隠してしまう外交上、あまり例のない国家犯罪へと発展していくのである。 
 
▼沖縄返還の“密約”問題の焦点ともいえる財政問題に移るが、その前に、強調しておきたいことがある。それは、本件の“密約”なるものは、通常いわれる“裏取引”にとどまるものではなく、条約、協定案にかかわるという点である。いうまでもなく、条約、協定案は、国の予算案同様、衆院通過後の“自然承認”が認められている最高度の承認案件である。憲法上、国会は、国権の最高機関であり、その国会の最高度の承認案件に、かりにもウソ、ゴマカシがあるとすれば、そのこと自体が、違憲・違法であることは、まさに、自明の理であり、司法の世界では、イロハの「イ」に属する話であろう。しかるに、審理を尽した一審においてさえ、“密約”を“遺憾”としながらも“違法”の判示までは下せなかった。有価証券報告書の“虚偽表示”あるいは、“粉飾決算”の場合、株主に損害を与えるとして、必ずといってよいほど“有罪”となる。納税者(主権者でもあるが)の権利・義務に、直接かかわる財政関係の協定案の“虚偽表示”は、そのような部類のものとはグレードの異なる重大犯罪ではないのか。こうした原則的疑問を呈すること自体、極めて不自然なことであるが、ある意味では、それは国の水準を如実に示していることにもなる。“承認案件”に触れることは、自らの退路を断つという心理が、裁判官に働いたのかもしれないが、最高裁のこれについての初歩的な誤判からも窺えるように、検察側証人による徹底した偽証とその偽証を利用して訴訟を主導した、検察側のこれまた徹底的な“裁判妨害”こそが“違法”回避の判示をもたらした最大の要因であったといえる。 
 
▼財政問題については、1969年6月頃から、まず、日米双方の閣僚レベルで原則的な話し合いが始まった。ここで、わが方の福田蔵相は、一見、不可解な態度を取り始める。ケネディ財務長官との会談で「今度の財政問題の折衝は、日本の大蔵省と米財務省、つまり,両財務当局の間だけで、余人を交えずに、進めていきたい」といった具合に、普通、外務省中心に行われる外交交渉とは、やや異なる交渉のやり方を提案したのである。また、「沖縄をカネで買った」(米秘密文書)という日本の議会の批判をかわすため、財政問題の決着は共同声明発表後まで持ち越したいとも提案した。交渉方式を財務当局に厳密に限定しようとする背景には、もともと困難な事態が予想されていたこの問題を打開するには、まず政府内部からの横ヤリや批判を排しながら、ことを秘密裡に運ばなければならない場面が必ず出てくる。それには、交渉の主体を、佐藤―福田ラインの直接指導下におく必要があるという判断があったからで、この点については、吉野文六元外務省アメリカ局長も、そのオーラル・ヒストリー(2003年)の中で、いみじくもこう語っている。「……沖縄に関わる資金の問題は、我々から言えば『けしからん』と思うけれども、それはアメリカ大使館が柏木財務官とか、その他の国際金融局(注・大蔵省)の事務方と、我々の知らぬ間にひそひそと計算して、数字を積み上げていたんです。最後になって、大蔵省の方から『これだけになるよ』と言って来たわけです。『そんなものは知らんよ。お前の方でこそこそやっていたのだから、協定に書くわけにはいかん』と我々は頑張っていたのです……」と述懐している。しかし、いくら外務省が頑張ってみても、もとはといえば、佐藤―福田ラインの了承の下に決まったのであるから、どうしようもなかったのである。 
 
▼1969年11月10日にまとまった柏木―ジューリック合意は、日本側の意向により、差し当たっては、口頭(オーラル)によるものとし、佐藤・ニクソン共同声明発表後、10日経った12月2日に両代表が秘密覚書(SECRET−MEMO)にサインした。それによる対米支払いの概要は次のようなものである。 
(1)電力、水道などの米資産の買い取り費として、1億7500万j 
(2)基地移転及び返還に関係する一括解決金として2億j(返還後、5年間に、 
物品、役務で提供) 
(3)日本銀行は、ニューヨーク連銀に、最低6000万jを25年間、無利子で預金する。(注・それにより、米側に、1億1200万jを供与することになる) 
(4)米軍関係の日本人労働者に、日本の社会保障制度を適用することにともなう費用として3000万j 
 このような財政問題の取り決めに当たって日米間で最も難航したのは、日本側が、国会対策上、費目ごとの厳正な積み上げ方式を主張したのに対し、米側は、それでは、期待する金額には、到底届かないとして、掴み金方式を提示し、そのいずれを採用するかで争った点であった。しかし、米側の主張は固く、結局、日本側が歩み寄り、大ざっぱな費用計算でハジキ出した米資産買い取り以外は、基地移転や返還関係費用の名目で2億jの掴み金をしはらうことになった。これを合計すると、3億7500万jとなる。これに、預金利子相当分の1億1200万jその他を加えると5億2000万j近くの金額となる。ケース・スタディは、これについて「5億2000万jで合意」と記述し、米国防省あたりは、6億ドルを要求していたが、国務省は、期待以上の金額として歓迎の意向を示したと書いている。端的に言えば、沖縄返還の対米支払いを米側は、その内訳を問題にせず、常に「掴み金」としてとらえていたのである。2000年、2002年の米外交機密文書及び最近の“吉野発言”で証明されたように、後になった柏木―ジューリック秘密合意に加算されたのが、米軍用地復元補償費400万j、VOA施設の海外移転費1600万j、計20000万jであり、この総額の中身を国内説明できるように、編成(いわば偽装)し直した上で、協定化する作業が70年から71年前半にかけて行われたのである。 
 
▼柏木―ジューリックで決った対米支払いのうち、預金利子の免除や基地従業員への社会保障の適用を除いたいわば“真水”部分の額は、合計で3億7500万jである。2000年発掘の米外交文書にあるように、「……もともと財政的には、3億jで解決するはずが、3億2000万jに増えてしまった。……増加分は、返還土地の原状回復要求に対する400万jとVOAA施設の移転費1600万j。日本政府がこれらのコストを特別に追加支出することは伏せなければならない……」ということに照らせば、この3億7000万jはまず、3億jと7500万jに分離され、この7500万jが米軍施設改善移転費6500万jと返還に伴う基地従業員の労務管理費1000万jとして特別扱いになったということができる。もとは1本のものだったのだ。この点で、米公文書は「日本政府が…基地施設改善移転費枠が設けられている事実を極秘にしているのは…3億2000万jを超える解決では国会を納得させられないと考えているからだ」と明確に解説している。さらに、この費用が極秘になったのは、単なる基地の移転や改良は、米側の負担とするという日米地位協定の枠をはみ出すので、(877号電信文中の“リベラルな解釈”の部分)国会通過は容易でないと見たからでもある。要約すれば、3億2000万jという対米支払いは、柏木・ジューリック合意から派生したもので、それは、1億7500万jという米資産買い取り費、軍用地復元補償及びVOA移転費の日本側による肩代わり金(追加支出)2000万jそれに残余の1億2500万jの「掴み金」から成り立っているのである。 
 米公文書の「3億2000万jに関する合意は、返還協定7条にある通り、資産買い取りのための1億7500万jは例外だが、内訳を合意する気はなかった。それはできないことだった。……日本政府が内訳をどう説明しようと自由だ。……」という記述は、この問題の実態をずばりと突いている。「3公社、労務関係費、第8項(注・核抜き)のそれぞれにいかに割り振るかは日米でよく打合せ、対議会説明の食違いなく必要以外の発言はせざるよう米側と完全に一致する必要がある」(1034号電信文)――という日本政府の懸念は、もし、米側がもらう額の立場上、気がゆるんで国内の報道機関などに、「あの中には日本側からの追加支出2000万jが含まれている」ことを漏らすようなことにでもなれば、大変な事態になるという恐れからきている。この間の事情は、2002年に発見された米秘密文書を見ればよくわかる。同文書は次のように記述している。 
 
「2、日本の立場――日本政府のこの問題に対するアプローチは、いかなるアメリカとの密約の存在もきっぱりと否定するというものである。さらに、アメリカへのいかなる資金提供もないと否定するものである(原告注・だから、いまでも日本政府は否定し続けている)。日本政府は、報道機関からの追及に対して、我々(アメリカ政府)も同一歩調をとるように要求してきている。 
 3、推奨されるアメリカの立場――我々は、上院に対しては、条約に関する聴聞会において、密約事項として、この補償問題の処理について告知しているが、もしこの問題が今後、議会や報道機関の厳密な追及の対象になるとすれば、我々は、補償額が推定400万jを超えないことを追認することは避けられないだろう。また、この問題で密約が存在するという事態を追認することは避けられないだろう…」。 
 
 密約発覚後の事態ではあれ、このように、日本側と米側の立場は明確に異なっている。だから、3億2000万jの内訳について電信文中の日本側の懸念は深刻なものだったと言えよう。 
 検察側証人は、この3億2000万jについて、5億j、6億jもする本来の主張を譲歩させたとウソの証言をし、地裁もそれを前提に判示した。しかし、事実はこれまで述べてきたように、米側は、実質5億数千万jに達する支払額を獲得して満足していたのである。同証人は、この3億2000万jの内訳は、資産買い取り費1億7500万j、人件費増加分7500万j、核兵器撤去費7000万jから成り、密約事項は、一切ないと証言した。 
 さらに請求権については協定上、規定された米側による「自発的支払い」は、文字通りの「自発的支払い」であり、電信文の「請求権」の項目で「財源の心配までしてもらっていることは多としている…」と述べている点についても、それは、3億2000万jという金額全体についての謝意を表明したものと証言した。この点は、さすがに地裁も納得せず、「合理的根拠がない」と突っぱねたが、事実は、米外交文書による説明に留まらず、最近になって、吉野証人もそれが“偽証”であることを認めたのである。 

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