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投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 2 月 24 日 21:54:00: mY9T/8MdR98ug
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070215/119150/?P=1

人口減少、少子高齢化は日本に限った話ではない。成長著しいアジア各国だが、2050年までに人口増加を原動力とした“ボーナス期間”は次々に終わりを迎える。2050年までを見通した長期世界経済予測を試みた日本経済研究センターの小峰隆夫・経済分析部主任研究員(法政大学教授)に、アジアの未来について聞いた。(聞き手は、日経ビジネス オンライン副編集長=水野 博泰)






NBO 人口減少、少子高齢化の時代に突入し、日本経済は転換期を迎えていますが、世界的に見ると、これは日本に限った話ではないようですね?



小峰 ええ、アジア各国の人口構成は今後50年間で激変していきます(グラフ1グラフ2)。



 日本は既に少子高齢化が進み、人口減少が始まっています。“人口先進国”として先頭に立っています。ただし、ほかのアジア各国も少し遅れて日本の後に続いてきます。第2グループは、韓国、シンガポール、中国などです。これらの国々では既に少子化が進んでいて、やがて労働力人口が減り、いずれ人口も減少に転じます。その次に第3グループがあります。タイ以外のASEAN(東南アジア諸国連合)の各国とインドです。我々はこれを「人口の雁行形態」と呼んでいます。



アジア──世界経済の成長センターが転機を迎える




 人口構造の変化は、経済に相当大きな影響を及ぼします。労働力人口の減少は経済成長の厳しい制約になる。それから貯蓄率が下がります。高齢化が進むと貯蓄を取り崩す人が増えるからです。そうすると、投資活動が制約されます。これから2050年までの間に、そういう局面にアジア各国が次々に直面することになるでしょう。人口が経済を規定するという前提で計算してみると、2010年代ぐらいから第2グループの国々の経済成長が減速します。2020年代以降には第3グループの国々でも減速が始まります。



 このような2050年までを見通した長期予測結果を、「世界経済長期予測 人口が変える世界とアジア」として今年1月にまとめました。



 これまでアジアは世界経済の成長センターだと言われてきましたが、それは永遠に続くものではなく、我々の予測では意外と近い将来に転機が来るという結果が得られたのです。アジアの減速シナリオを示した予測は初めてなのではないでしょうか。アジア楽観論に一つの警鐘を鳴らすものだと考えています。



NBO 人口に関しては、中国とインドの伸びが著しいですね?



小峰 中国もインドも人口大国ですが、両国は様相がかなり違います。中国は第2グループにあって、2020年代以降成長が減速し、2040年代になると経済成長率は1%ぐらいになるという「中国減速シナリオ」を描いています。中国はやがて米国を抜いて世界一の経済大国になりますが、その後減速するので米国に抜き返されることになる(グラフ3)。



 それに対してインドは第3グループにいて、まだ人口がそれほど経済を制約していないので、2040年代でも3%ぐらいの成長率を維持するでしょう。インドは間もなく日本を抜いてどんどん成長していきます。



 2050年時点では、中国のGDP(国内総生産)は日本の7倍弱、インドは3.8倍と予測しています。経済規模で日本を大きく上回る国が、これからどんどん出てきます。世界第2位の経済大国だという意識を持っている日本人からすると、かなり衝撃的なのですが、人口が10倍以上も開きがあるのだから、当たり前だと考えるしかありません。



 問題は、日本は中途半端な経済大国への道を歩み始めているのではないかということです。



“中大国ニッポン”は独自の道を切り開けるか



NBO それは政治、経済、軍事、あらゆる方面で?



小峰 通貨もそうです。米国やEU(欧州連合)は「超大国モデル」です。独自の支配的な通貨があって、巨大な経済圏がある。日本の場合にはそこまでは大きくはない。今でも突出して大きくないし、これからはどんどん相対的にも小さくなっていく。しかし、小さすぎて取るに足らないというわけではない。例えば北欧諸国のように規模が小さければ、付加価値の高い特定の産業に特化して、1人当たり所得が高くて国民全体が豊かという経済をつくり出すこともできる。いわば、「小国繁栄モデル」です。



 日本は「超大国モデル」でも「小国繁栄モデル」でもない。「中大国モデル」という独自の道を開拓できるかどうかが、今後も日本が豊かであるための大きな課題になるはずです。



 こうした分析のために、我々は「人口ボーナス」と「人口オーナス(重荷)」というとらえ方で整理しました。


 経済が発展するとまず乳幼児の死亡率が下がって人口が増えます。すると労働力人口、つまり働く人が増える。次に少子化が進んで子供が減りますが、この段階ではまだ高齢化は進んでいないのでお年寄りはあまり多くない。働く人が最も多くなる時期です。経済全体の稼働率が高まって経済は元気になる。これを人口ボーナスと言います。



次々に「人口ボーナス」を使い果たしていくアジア各国




 しかし、やがてこの膨らんだ労働力人口が高齢化していきます。最初の少子化の層が労働力人口になっていくので働く人が減る。働く人に比べてお年寄りの割合がどんどん上がり、働く人の負担が増える。すると、経済全体の稼働率が下がる。人口が経済にとって向かい風になってくることを人口オーナスと言います。



 従属人口指数(生産年齢人口に対する子どもと高齢者の人口の比率)が減っていく時が人口ボーナスの期間で、上がっていく時が人口オーナスの期間です。日本は1950年から90年までが人口ボーナスの期間でした。90年以降、人口オーナスの期間に入っています。アジアの国々のほとんどが、65年、70年ぐらいから人口ボーナスに入っていました。人口構成が経済成長の追い風になっていたのです。アジアが元気だった大きな要因です。しかし、第1グループの国々では2010年ぐらいから人口ボーナスが尽きて、人口オーナスの時代に入る。人口が逆風になってくるのです(グラフ4)。





NBO 日本は15年以上前から人口オーナスの時代に入っているわけですね?



小峰 そうです。少子化対策、男女共同参画、ワークライフバランス、就業と子育ての両立などを盛んに議論しているのは、人口オーナスに対して経済社会がどう対抗するかについて知恵を絞っているということです。アジアの人口先進国として日本が真っ先に向かい風を受けている。日本が少子化問題を克服して、男女共同参画社会、高齢者が安心して暮らせるような社会を築くことができれば、アジアの国々が人口オーナスになった時に日本をモデルにすることができる。日本のためにもアジアのためにも重要なことです。



 日本やアジアでは少子化、高齢化の進行スピードがものすごく速い。欧米でも同じことが起きていたのですが、50年、100年かけてゆっくり進みました。日本は25年ぐらいであっという間に駆け抜けてしまった。アジア各国も同じなんです。だから、心の準備とか制度的な準備が間に合わない可能性がある。今、日本であたふたと慌てているのは、人口変化があまりにも急速だったので備える余裕がなかったからなのです。ましてや、アジア各国が十分に準備できるかというと、これは相当怪しい。



NBO どういうことですか?



小峰 人口ボーナスはいつか必ず終わります。その時に、その国がどのぐらいの豊かさを持っているかによって人口オーナスに対する耐久力が決まってくるのです。日本の場合には、人口ボーナスが終わった1990年頃には先進国になっていて、所得水準も高かった。今、高齢者に対する負担が大変だとは言っても、何とかなっているわけです。いきなり年金がなくなるわけではない。韓国も大丈夫でしょう。でも、中国やインドなどの後続の国々は人口ボーナスが終わった時の所得水準は日本の半分とか、それ以下になるでしょう(グラフ5)。



 豊かさが先進国レベルに達しない状態で人口ボーナスが終わり、いつ終わるか分からない人口オーナスに入っていくとすれば、そうした国々では日本よりもはるかに厳しい選択を迫られることになるかもしれない。年金、医療をはじめとする社会制度の多くが破綻して大混乱に陥る恐れがあります。



人口先進国ニッポンがアジアの進むべき道を描く



NBO それにしても、中国の人口は2020年代にピークを迎え、その後、急減するという予測結果は驚きですね。



小峰 中国に詳しい人にこれを見せると、「いや、大丈夫です。そんなことにはなりません。中国は既に“一人っ子政策”を見直して、人口が減り過ぎないように考えていますから」と言います。もしかしたら、大丈夫なのかもしれません。しかし、政策当局のこうあってほしいという意図とは全く無関係に、人口は変化するものなのだというのが日本の経験でした。



 中国がだんだん自由な経済、自由な思想の国になってくる中で、国家が考えることが果たしてどのぐらい実現できるのか。こと人口政策に関しては、かなり怪しいと思います。人口減に中国がどのように立ち向かうのかは、世界的に見ても今世紀前半の大きな課題になるでしょう。



 少子化が進む限り、人口オーナスは永遠に続きます。これに対抗するには、出生率を上げて少子高齢化そのものをストップさせるか、人口オーナスを前提とした社会をつくるしかありません。人口先進国である日本の試みは、アジアが近未来に進むべき道を描くことでもあるのです。


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