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【全訳】『アングロ・アメリカのテロ戦争:概観』byミシェル・チョスドウスキー(1)
http://www.asyura2.com/0601/war77/msg/171.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2005 年 12 月 30 日 07:39:42: SO0fHq1bYvRzo
 

【全訳】『アングロ・アメリカのテロ戦争:概観』byミシェル・チョスドウスキー(1)


これはモントリオール大学経済学教授ミシェル・チョスドウスキーの論文The Anglo-American War of Terror: An Overviewの和訳です。長い文章ですので、3〜4回に分けて、1週間ほどかけて和訳して投稿します。

この論文は2005年12月14〜17日に、マレーシアのクアラルンプールで行われたペルダナ世界平和フォーラム(the Perdana Global Peace Forum 2005)で発表されたもので、同年12月21日付でグローバル・リサーチ誌に掲載されました。

この中でチョスドウスキーはwar on terror(テロに対する戦争)に代えて、war of terror(テロの戦争)という表現を使っています。つまり英・米勢力が第2次大戦後から一貫してテロによる戦争、あるいは、テロを戦争と呼び換えた犯罪を行ってきたことを指します。現在そこにイスラエルが本格参加しようとしています。

原文中の“Anglo-American”という表現には、私の訳文では「英・米勢力(の)」「アングロ・アメリカ(の)」の2つの訳を使い分けています。この表現は単なる「英・米両国」ではなく、表向きの姿に関わらず昔から両国を根底の部分で結び付けるアングロ・サクソン支配階層を示唆します。ただチョスドウスキーは敢えて文章化していないのですが、そこには当然ユダヤ系資本が介在します。「言わずもがな」ということでしょう。

(参照)
http://www.asyura2.com/0510/war75/msg/194.html
【全訳】米国はネオ・リベラリズムをどのようにイラクに移植してきたのか(ハーバート・ドセナ:CSCAweb)
http://www.asyura2.com/0510/war75/msg/439.html
ウオール・ストリートに住む「ブッシュの神」(IAR-Noticias:マニュエル・フレイタス)


なお、「・・・・・・・」と《 》で囲まれた部分は、著者による他の資料の引用部分、【 】は私からの訳注です。(もし誤訳や訂正すべき箇所などを発見されましたら、ご遠慮なくご指摘願いたいと思います。)


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http://globalresearch.ca/index.php?context=viewArticle&code=CHO20051221&articleId=1576

『アングロ・アメリカのテロ戦争:概観』

ミシェル・チョスドウスキー著

2005年12月21日

the Perdana Global Peace Forum 2005で紹介された論文
Putra World Trade Centre, Kuala Lumpur, Malaysia,
14-17 December 2005


戦争と軍事化に関する討論は、国の主権についての幅広い論争を引き起こす。

マレーシアの首都で開かれたこの重要なイヴェントに参加できたことに、私は経済学者として格別の喜びを感じる。この国は、その歴史の中での極めて重大な時期、1997年のいわゆるアジア危機の高まりの中で、ワシントン合意と国際的な金融支配者に立ち向かう勇気に満ちた姿勢をとったのである。

マハティール・モハマド博士閣下の舵取りのもとで、リンジット【訳注:マレーシアの通貨単位】の崩落を防ぐために注意深く計画された財政措置がとられた。それが起こっていたら、タイやインドネシアや韓国で起こったと同様の、経済的な混乱、倒産と貧窮が続くところだったのだ。

これらの1997年の措置は主要なネオリベラルの政策に力強く対抗した。振り返ってみると、これは実に重大な決定だった。それはこの国の歴史に語り継がれるだろう。それは、「経済・財政戦争」として端的に表現される事柄の理解にとっての基本を形作るものである。

今日我々は、戦争とマクロ経済操作は絡み合ったものである、と理解するに至っている。軍事化は経済戦争を支える。またその逆に、「経済改革」として婉曲的に語られるものが軍事化と地政学的な政策を支えるのである。


●序論

この世界は近代史の中で最も深刻な危機の十字路に立っている。第2次世界大戦以来最大級の軍事展開の中で、アメリカ合衆国と英国の不朽の同盟が軍事的冒険に乗り出してしまったようである。それは人類の未来を危機にさらすものだ。

その下に横たわる歴史的な背景を理解することは極めて重要である。この戦争計画はネオコンの計画による産物に限られるのではない。冷戦時代の出発点以来、「トルーマン・ドクトリン」からブッシュによる「対テロ戦争」に至るまで、そこには延々と続く糸、一貫した米国軍事ドクトリンが存在するのだ。

外交政策顧問のジョージ・F.コナンは、後に「トルーマン・ドクトリン」と呼ばれるようになった国務省報告を1948年にまとめた。

この1948年の文書が伝えるものは、「封じ込め」から「先制攻撃」の戦争に至るまでの、米国外交政策の一貫性である。この観点からすれば、ブッシュ政権下でのネオコンの政策は第2次大戦後の外交政策大綱の絶頂として受け取るべきであろう。後者【訳注:「先制攻撃」を指す】は、世界の大部分の地域における米国が主導した一連の戦争と軍事侵略によって特徴付けられる。朝鮮戦争、ヴェトナム戦争、アフガニスタンから、CIAに後押しされたラテンアメリカと東南アジアでの軍事クーデターに至るまで、その目的は米国の軍事的優位と世界的な経済支配を確保することであった。それが最初に形作られたのは冷戦開始時の「トルーマン・ドクトリン」の下においてである。

明らかな政治姿勢の相違にも関わらず、一連の民主党と共和党の政権は、ハリー・トルーマンからジョージ・W.ブッシュにいたるまで、この世界規模の軍事政策を実行してきたのだ。

さらに、ケナンの文章は英・米同盟(an Anglo-American alliance)の形成を指し示した。それは最近におけるワシントンとロンドンの間の密接な関係を特徴付けている。この同盟は、石油産業、防衛産業、および国際金融の甚大な経済利益に対応している。それは、多くの観点から、公式には第2次世界大戦の結果として解体されたことになっている大英帝国の、アングロ・アメリカ的拡大である。

トルーマン・ドクトリンは同様にこのアングロ・アメリカ軍事枢軸の中にカナダが含まれることを示唆している。もっと言うと、ケナンは米国と対抗しうる大陸欧州権力の発展を阻止することの重要性をも理解していた。

中国とインドを含むアジアを視野に入れて、ケナンは軍事的な解決を打ち出すことの重要性を指し示した。
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《直接的な軍事力という概念に関わらなければならないであろう時は近づいている。そのときには理想主義的なスローガンに邪魔されることが少なければ少ないほど、より良いことであろう。》
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●国連を弱体化させる

冷戦の開始からは、その目的はソヴィエト連邦の究極的な破壊に置かれるべきものであった。ワシントンは純然たる国際機関としての国連の弱体化を目指していた。それはブッシュ政権のもとで大幅に達成されてきた目的である。
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《米国において国連に対する世論の最初の盛り上がり方が極めて大きなものであったため、これは繰り返し主張されているとおりだが、我々がこの戦後の時代にこれ【訳注:国連を指す】を我々の政治方針の礎石とする以外に選択の余地が無い、ということは多分真実だろう。時としてそれは有益な目的に仕えてきた。しかし次第にそれは解決よりも問題のほうを多く作るようになっている。そして我々の外交的努力を相当に消耗させるものになってきている。そして、主要な政治目的にとって国連の多数派を利用しようとする我々の努力の中で、我々はいつの日か我々に立ち向かってくるかもしれない危険な武器をもてあそんでいるのだ。我々の側で極めて注意深い研究と見通しが必要とされる、そのような状況である。》(ケナン、1948年)
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●冷戦後

ユーゴスラビア、アフガニスタン、そしてイラクの戦争は同一の「軍事道程表」の各部分である。軍関係書類によって明らかなことだが、米国の戦争日程はイラン、シリアそして北朝鮮だけではなく、同時に以前の冷戦時の敵であるロシアと中国をも標的としている。

我々は介入の種々の形態よって特徴付けられた世界的な軍事計画にかかわりあっている。それには、国内の準軍人グループといわゆる武装解放勢力の支援を受ける隠密の軍事・諜報作戦が含まれている。これらの作戦は、国の社会体制の中で、社会的、民族的、政治的な分裂を作り出すことを目的として大掛かりに仕掛けられ、最終的には国々の全面的な破壊をもたらす。ユーゴスラヴィアで起こったように、である。

その一方で、米国が後ろ盾となる「民主化」日程が含むものは、国々の国内事情への介入である。しばしばその国の政府を不安定化させ全面的な「自由市場」改革を強制する目的を持っている。この見地からすれば、米国に後押しされた軍事クーデターに続くハイチへの不法な侵略は、それは同時にカナダとフランスに支援されたものだったが、ワシントンの世界的軍事計画で必須の一部分となっているのだ。


●戦争とグローバリゼイション

戦争とグローバリゼイションは密接に関係付けられた過程である。軍事・諜報作戦は新しい経済的な地平の開拓と国家経済の改革を支える。ウオール・ストリートの権力、石油巨大企業、そして米国・英国の防衛産業が、否定のしようもなくこの過程の背後に控えている。

最終的に、米国の「対テロ戦争」の目的は、主権を持った国々を、開かれた地域(言い換えると「自由貿易地域」)に変えることなのだ。致命的なマクロ経済改革を押し付けることと同時に「軍事的手段」を通して、である。このマクロ経済改革はIMFと世界銀行の保護の下に遂行されるもので、しばしば何百万人もの人々を赤貧に陥れながら、国家経済を切り崩し破壊する役に立つものである。その結果、戦争に引き続いて債務者と保証人たちによって押し付けられる、いわゆる「再建計画」が、対外債務を限りなく膨れ上がらせていくのだ。

捻じ曲げられた論理によって、対外債務に財源を与えられる「戦後復興」は、米国の侵略者に対して支払われているのだ。何十億ものドルが、ベクテルやハリーバートンなどといった欧米の総合建設企業に流れ込んでいる。この二つとも米国国防総省と密接につながっているのである。


●イランとシリア:次の戦争の場面

国家安全保障文書の中で明らかにされることだが、この戦争の中心的な目標は中東の石油の富を征服し奪い取ることである。この見方によると、中東から中央アジアの広い地域は世界の石油と天然ガス資源の70%を包み持っている。それは米国のそれの30倍である。

ウオール・ストリートと軍産複合体に同盟する英・米巨大石油産業は、米国の軍事行程の背後に消しがたく存在している。

この戦争の次の場面はイランとシリアである。両国はすでに標的として特定されている。

イランはサウジアラビア(25%)とイラク(11%)に続き世界第3の石油とガス埋蔵量を誇っている。米国はイラン爆撃のための口実を作るために国連安全保障委員会の共犯を求めている。それは世界の平和に対する脅威という形で持ち出されているのだ。

イスラエルがイランに対する軍事作戦を立ち上げる中心的な役割を果すことが予定されている。

この作戦は準備完了の状態である。もしもそれが起こったならば、戦争は中東全体およびそれを超える範囲に広がることになるだろう。同時に、イスラエルが英・米勢力軍事枢軸の公式メンバーとなることだろう。

2005年の初期に、数々の大規模な軍事演習が東地中海で行われた。それには軍隊の展開と兵器システムのテストが含まれる。軍事計画会議が米国、イスラエル、トルコの間で持たれた。ワシントン、テルアヴィヴ、アンカラの間で軍と政府の要人たちが行き来しているのである。

軍事協力の分野を確保する見通しを持った、そして(あるいは)、イランと対決する方向を持つ米国・イスラエル主導の軍事作戦を支える目的を持った集中的な外交交渉が、国際的なレベルで行われてきているのだ。イランの核計画に関する国連安保委員会の解決案が口実を準備する。それは米国の計画にとって軍事侵略を正当化するために用いられるものだ。

2004年11月のNATOとイスラエル間での軍事協力合意は実に重要である。数ヶ月後にイスラエルは始めてNATOと合同軍事訓練を行った。それには同時に多くのアラブ諸国も参加したのだ。

膨大な軍事ハードウエアーの構築は、起こりうるイランに対する攻撃のための準備として行われているのだ。イスラエルは米国からおよそ5千の「高性能飛行兵器"smart air launched weapons"」の供与を受けている。それには約5百のBLU「バンカー・バスター爆弾」が含まれている。


●通常の戦闘場面での核兵器:「市民にとっては安全である」

戦術核兵器(ミニ・ニューク)を用いるイランへの攻撃が同時に予想されてきた。ヒロシマ原爆の3分の1から6分の1に当たる爆発能力を持った戦術核兵器は通常の戦闘場面での使用が認められている。

このミニ・ニュークは防御用の兵器としても再定義されている。それは「市民にとって安全である」「なぜなら爆発が地下で起こるからである」。2003年12月の上院での決定は、それの通常の戦闘場面での使用を承認しているのである。

イランに対する空爆は、中東から中央アジアの幅広い地域にこの戦争を拡大させる働きをするかもしれない。テヘランはもし攻撃を受けたら、イスラエルに対する直接の弾道ミサイル攻撃の形で復讐するだろう、と明言している(CNN, 8 Feb 2005)。これらの攻撃はまたペルシャ湾の米国軍事基地を目標にする可能性がある。それは戦闘拡大から全面戦争へのシナリオへと我々を導くものであろう。

最近の展開では、イスラエル軍はアリエル・シャロン首相によって、イランの核濃縮施設への「起こりうる攻撃に対して(2006年の)3月の終りまでに準備を整えておく」ように命令されている(The Sunday Times, 11 December 2005)。

一方では、イランが防空能力を構築しつつある。ロシアは最近、イランに対して29ほどのM1対ミサイル・システムを売る計画であると発表している。

イランに対する計画された攻撃はちょうど都合よく起きたシリア軍のレバノンからの撤退とも関連があると理解すべきである。それはイスラエル軍の展開にとって新たな空間を開いてくれたのだ。アンカラとテル・アヴィヴの間の合意に続き、米国・英国・イスラエルの軍事計画へのトルコの参加もまた一つの要点である。


●世界規模の軍事日程

中東での戦争は用心深く決定された軍事日程の一部なのだ。アメリカ新世紀計画(the Project for a New American Century :PNAC)が、2000年9月、つまりジョージ・W.ブッシュがホワイトハウスに登る数ヶ月前に形成されたのだが、それは「アメリカ防衛再構築」というタイトルのもとに世界支配のための青写真を発表した。

このPNACは、国防総省の諜報幹部、共和党、そして米国の外交政策形成に黒幕的役割を果す強力な外交問題評議会(the Council on Foreign Relations :CFR)と結び付いている、一つのネオコン系シンク・タンクである。

PNACが宣言した目的は
  ・アメリカの祖国を守る
  ・複合的で同時進行する主要な戦闘場面で戦い断固として勝利する
  ・安全保障の形成に関連する「保安隊」の役を演ずる
  ・「軍事における革命」を推し進めるために米国軍を改革する
国防副長官ポール・ウォルフォヴィッツ(現在は世界銀行総裁だが)、国防長官ドナルド・ラムズフェルド、そして副大統領ディック・チェイニーが、2000年の大統領選挙に先立ってPNACの青写真を依頼していたのである。

PNACは征服の道程表の概要を作る。それは次のように求めている。《米国の直接的な任務は、中央アジアと中東全域で『経済的な世界支配を確保する観点を持って』『基地を前進させる』。その一方で可能性のあるいかなる『ライバル』をも、つまりアメリカの「自由市場」経済のヴィジョンに取って代わるいかなる実行可能な方策をも、圧殺していく。》(Chris FloydのBush's Crusade for Empire, Global Outlook, No. 6, 2003を見よ。)

戦場における戦闘とは異なり、いわゆる「保安隊の機能」は、懲罰的な爆撃、隠密の諜報作戦、そして米軍特殊部隊の派遣などを含む様々な軍事干渉の方法を使用する、世界的な軍警察機能の形態を伴う。


●新たな兵器システム

PNACの「軍事における革命」(これは新しい兵器システムの発達を意味するが)は、「戦略的防衛主導権"Strategic Defense Initiative"」から成り立っている。それは宇宙空間の軍事化および新世代核兵器開発の二本立てである。
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《核兵器を核攻撃に対する反撃のために使う、というのが長い間米国の方針だったが、新しい方針は米国に、紛争を米国の望む条件で早期に終結させることや米軍の成功を確保させることを含む数多くの理由によって、核兵器を持たない国々に対しても核兵器を使用することを許す。》(Jorge Hirshの声明。Global Researchを見よ。)
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=viewArticle&code=MCD20051101&articleId=1173
Danger of US sponsored Nuclear War
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