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トホホ戦争映画観る前に読め 『戦艦大和の最後』(反米嫌日戦線)
http://www.asyura2.com/0601/war77/msg/190.html
投稿者 片瀬テルミドール夏希 日時 2005 年 12 月 31 日 04:39:32: x0P0raHFBfKZU
 

http://anarchist.seesaa.net/article/11189038.html

俺は、第2次世界大戦のマニアだ。子供の頃、よく読んでいたマガジンやサンデーのグラビアを飾っていたのはゼロ戦や戦艦大和であり、そのカッコ良さに憧れていった。決定的だったのは、小学校4年生のとき(1971年)に放映されていたアニメ『決断』を見た事である。太平洋戦争をアニメ化したもので、絵もリアルな劇画調のものであった。クラスの同級生が『仮面ライダー』にうつつを抜かしていた頃、俺は『決断』を見ていた。提供はサッポロビール。世界の三船が出演していた『男は黙ってサッポロビール』のCMも、今思えば『決断』の男らしい世界にピッタリだったのかも知れない。

http://www.h2.dion.ne.jp/~sws6225/

これをきっかけに俺は日本軍大好き人間になってしまい、しまいには、いまでも発行されている、戦争復古調雑誌『丸』を毎月、親に買ってもらい、わけ判らず日本海軍のファンになっていたのだ。

その頃、プラモデルでウォーターライン・シリーズってのがあった。日本海軍艦艇のプラモで、初めて買ったのが戦艦『陸奥』。その後、巡洋艦『鈴谷』と買い揃え、もちろん『大和』も買った。『大和』は『陸奥』と較べると、大砲もたくさん積んでいるし、艦橋も近代的でカッコ良かった。なんせ『陸奥』には無いレーダーが『大和』には付いていたから。後で、そのレーダーはお粗末な物だし、自慢の46センチ砲は役に立たなかったと知ってがっかりするのだが。

まぁ、とにかく昭和30年代に少年だった人にとって、戦艦『大和』とは思い入れのあるものだ。今で言えばガンダムみたいなものと言えるかも知れない。

さて、そんな戦艦大和が好きだった俺も、『カミカゼ特攻隊』に代表される卑怯な戦法を取るような、非科学的で精神主義重視の日本軍が嫌いになってから、雑誌『丸』は読むのを止めた。小学校6年のときであった。中学になってもプラモデルは作っていたが、興味はロックや女の子に移っていったのだ。

そして、久々に今年、大和に注目した。映画『男たちの大和/YAMATO』である。予告編も無い時から期待して封切りに見に行ったら、その不出来にガッカリしたのは、いままでこのブログで書いてきたとおり。

本当の戦闘はどうだったのか、と思っていたら、書店に吉田満の『戦艦大和の最後』が角川文庫で平積みされていた。映画人気にあやかった便乗商売なのかもしれんが読んでみた。

結論から言えば、この本は戦記の傑作である。正直、読みながら泣けた。文章が文語体で、日本軍の気分に没入できる。もっと、早い時点で読んでいればと悔やまれる程の内容だ。作者の吉田満自身が、「天1号作戦」時の大和に副電測士として、艦橋に立っていた1人なのだとは知らなかった。面白く無いわけが無い。映画も、無駄な現代劇を挿入せずに、これをそのまま再現すれば良かったのだ。

文中には、映画で使用された逸話が多数記載されており、とくに出港直前に結婚した兵が多い事に驚く。新妻の写真をしたため、彼らは出陣した。死ぬと判っていたのに、結婚を急いだのはなぜか。自分が死ぬ理由を明確にしたかったのか。

他に映画で描かれなかった重要な事件も多い。特に俺は、映画では描かれなかった、『大和』沈没後の惨劇が印象に残った。

奇跡的に駆逐艦「冬月」に助けられた吉田は頭に怪我をしており、治療室に向かうのだが、そこは死屍累々、足の踏み場もなく、数歩毎につまずき倒れるも、倒れて身を横たえたら、生暖かき人肉の床であったと。そして、吉田が聴いたのは…

「初霜」(駆逐艦)救助艇に拾われたる砲術士、漏らして言う…
救助艇忽ちに漂流者を満載、なおも追加する一方にて、危険状態に陥る 更に収拾せば転覆避け難く、全員空しく海の藻くずとならん
しかも船べりにかかる手はいよいよ多く、その力激しく、艇の傾斜、放置を許さざる状況に至る
ここに艇指揮および乗組下士官、用意の日本刀の鞘を払い、犇めく腕を、手首よりばっさばっさと斬り捨て、または足蹴にかけて突き落とす せめて、すでに救助艇にある者を救わんとの苦肉の策なるも、斬らるるや敢えなくのけぞって堕ちゆく、その顔、その眼光、瞼より終生消え難からん
剣を揮う身も、顔面蒼白、油汗滴り、喘ぎつつ船べりを走り廻る 今生の地獄絵なり…

この犠牲となった兵も、靖国に祀られているのだろうが、遺族は、まさか日本軍によって殺されたとは知らされていないのだろうね。

他にも、爆弾飛び交う極限状態の中、結構笑っていたり、出撃前に、味方の戦闘機「紫電」を撃墜していたり(これこそ犬死に)、映画でも主役となっている25ミリ機銃は、弾の初速が遅く、米軍機に当てるのは「恰も素手にて飛蝶を追うに似たるか」と言われていたことなど、興味深い事実が満載である。

文中に出てくるが、当時、大和「艦内に喚き合うも憚るところなし」と言われた言葉には驚く他無い。

「少佐以上銃殺、海軍を救うの道このほかになし」

そこまで、日本海軍は硬直な組織となり、腐りきっており、大和は自慢は愚か、多くの若者を道連れにした「世界三大馬鹿」だったのだ。

posted by 死ぬのはやつらだ at 03:38

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