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米国・イスラエル・トルコによるイラン核攻撃が最終段階に入った
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投稿者 馬鹿まるだし 日時 2006 年 1 月 20 日 04:18:26: XrXUVCoFJUfoI
 

イラン核攻撃が最終段階に(06年1月9日)

以前から反戦派の間で米国がイランに対する核戦争を準備しているという議論が飛び交っていたが、このほどトロント大学グローバル・リサーチ研究所のミッシェル・ショスドウスキイ教授が「米国、イスラエル、トルコの3カ国が、イランを核弾頭でもって戦争を仕掛けるという計画が最終段階に入った」という分析を発表した。

2006/01/09

2005年初頭から、さまざまな準備が見られた。
たとえば、ワシントン、テルアビブ、アンカラ、それにNATO本部があるブルッセ ルの間にシャトル外交が展開された。一方イラン側も12月には米国の攻撃に備 えて、ペルシア湾での大規模な軍事演習を行った。 最近では、ポーター・ゴスCIA長官がアンカラを訪問し、トルコのエルドガン首相 に対して、イランの核および軍事施設に対する空爆するに当たって、政治的、軍 事的支援、とくにトルコ諜報機関の作戦支援を要請した。

イスラエルの高官によれば、シャロン首相は、昨年末、06年3月にイラン攻撃 を行うことをイスラエル軍に許可した、という。この3月という予想は、IAEAの イラン核開発報告書が国連に提出される時期と一致する。イスラエル側はこれが 報告書に影響を与えると信じているようだ。つまり、安保理のイラン制裁があれ ば、イスラエルの軍事行動を正当化することを可能にすることが出来ると判断し たようだ。 NATOの関与についてはまだ明らかではないが、NATOはすでに米国のイラン攻撃を 追認したと見られる。

1.「衝撃と驚愕(Shock and Awe)」作戦

 イラク戦争の作戦名であったこの作戦の本部は、ネブラスカ州のOffutt空軍基 地にあるペンタゴンと米戦略司令部に置かれた。 しかし、米軍筋によると、イランに対しては空爆が中心となり、その規模は対イ ラク戦争の時のShock and Awe作戦に匹敵するものだという。今回は、B−2型ス テルス爆撃機が、カタールからのF−117ステルス戦闘機部隊の支援を受けて、 ディエゴガルシア、あるいは米国本土から直接イラン国内の20数ヵ所の各施設 を核爆撃する。

 昨年11月、米戦略司令部は「Global Lightening」作戦を行い、攻撃準備が整 ったことを宣言した。これについては、アジアのマスメディアは、ターゲットは 北朝鮮だと報道したが、作戦の時期から見て、むしろイランをターゲットとした 作戦であった。 

2.NATOとアラブ諸国の合意

 この攻撃についてEU内では目だった反対はない。現在ワシントン、パリ、ベル リン間で交渉が続けられているが、イラク侵攻時のようなフランスとドイツの外 交面での反対はないようだ。一方、アラブ諸国は米・イスラエルの軍事作戦に非 公式の協力を約束している。2004年11月には、イスラエル軍の将軍が、NATO 司令部で、エジプト、ヨルダン、チュニジア、モロッコ、アルジェリア、モーリ タニアなどの地中海諸国の将軍たちと会合した。またNATO・イスラエル議定書が 署名された。

 その後、シリア海岸沖で、米、イスラエル、トルコの3軍が共同作戦を行った 。翌年2月、イスラエルはいくつかのアラブ諸国とともに、「反テロ作戦」を行 った。 国際メディアはイランが世界平和の敵であると報道している。 反戦派はこのメディア戦争に飲み込まれてしまった。少なくとも反戦運動のテ ーマになっていない。この「外科的爆撃」は戦争ではなくて、「平和維持の軍事 作戦」であり、「イランの核施設を直接攻撃する」のであって、あたかもイラン の核兵器開発を止める有力な手段であるという世論を作ることに成功している。

3.ミニ核兵器は市民を救う?

 戦術核兵器による先制攻撃は2002年以来、ブッシュ政権の戦争ドクトリン である。イランを核攻撃することは破壊的な結果をもたらす、という点について は、マスメディアは沈黙している。この「外科的爆撃」では通常兵器と核兵器を 同時に使用することは明白である。2003年の米上院の決議には、新世代の戦 術核兵器、つまり広島の6倍の威力を持った「低度な?」「ミニ核兵器」は地下 で爆発するので、「市民に安全である」と見なされている。

 “権威ある”科学者を動員した宣伝で、ミニ核兵器は戦争ではなく平和の道具 に仕立て上げられている。「低度の」核兵器は戦場で使用可能となっており、通 常兵器とともに、イランや北朝鮮などならず者国家に対する米国の反テロ戦争で 使用される。なぜなら、現行の核兵器は全面核戦争に使用され、あまりにも破壊 的である。しかし、低度の核兵器はそんなに破壊的ではない。したがって、使用 可能であり、それだけ、抑止力をもつ。

 ペンタゴンによれば、5,000トンの威力を持つミニ核兵器は、地下深く爆 発するので市民には安全であるという。長崎の原子爆弾の威力は21,000ト ン、広島は15,000トンであった。つまり、ミニ核兵器1個の威力は広島の 3分の1ということになる。 しかし、この“低度の”核兵器であるB61-11が地中に潜る精度は非常に低い。 これまでの実験では40,000フィートの上空から落とした時、爆発する前に 地下20フィートしか潜ることができなかった。しかも地上で爆破する時と比較 して、はるかの多くの核エネルギーを地上にもたらすことがわかった。

4.USYTTCOMとは

 戦術核兵器での先制核攻撃作戦はネブラスカの米戦略司令部のもとに置かれて おり、ペルシ湾、ディエゴガルシア基地、イスラエル、そしてトルコなどの米国 連合司令部隊に連携している。これはUSSTRTCOMと呼ばれ、通常兵器と核兵器を含 む「グローバル攻撃計画」の任務を与えられている。 そして、2005年1月以来、USSTRTCOMはイラン攻撃の準備のために、新たに 「Joint Functional Component Command Space and Global Strike (JFCCGS)」 という部隊が創設された。議会でも承認されたブッシュ政権の2002年先制攻 撃戦略にしたがって核攻撃を開始する権限を与えられた。

5.コンセプト・プラン8022とは

 JFCCGSはイランまたは北朝鮮に対する核攻撃を開始する準備が整ったことを示 しており、その作戦はコンセプト・プラン(CONPLAN)8022と名づけられてい る。このプランは海軍と空軍が潜水艦と爆撃機をともなった「核攻撃パケージ」 を作るための実践計画である。JFCCSGSはCONPL8022、つまりイランに対する 核戦争、を実行する任務を持っている。そして、CONPLANの発動を命令するのは、 軍の最高司令官であるブッシュ大統領である。CONPLANはこれまでのように地上部 隊を派遣しない。またこれまでの戦争計画とは違い、小規模の戦闘にとどまる。

6.イスラエルの役割

 2004年半ば以降、イスラエルは、イランを目標にした米国製の通常・核兵 器の拡大に努めてきた。これは米国の軍事援助によるもので、2005年5月に 完了した。 イスラエルは、米国の軍事援助で、500個の「Bunker−Buster爆弾」を含む 数千個のスマート爆弾を購入した。これは戦術核兵器である。 これはロシアのプーチン大統領のイスラエル訪問と同時期にペンタゴンの国防 治安協力庁が発表したもので、ロッキード社製造のBunker−Buster爆弾100個 をイスラエルに売却した。メディアによれば、それはイスラエルの核の野望に対 する警告であると報じた。

 また米国はより性能の良いGBU−28システムを売却した。これは地下深く建設 された司令部を破壊することが出来る。これは2003年イラク戦争において、 最も威力のある通常兵器であり、1発で数千人の市民を殺すことが出来るもので ある。イスラエル空軍はF15爆撃機にGBU−28爆弾を搭載している。 B61−11は通常兵器BLUE113の核兵器バージョンであるが、これBunker−Buster 爆弾と同じである。

7.戦争の拡大

 CNNは2005年2月8日、「イラン政府は、攻撃されれば、イスラエルに対し て核ミサイル攻撃で持って報復する」と報じた。これにはイラクとペルシア湾岸 諸国の米軍事施設も含まれるだろう。これは大規模戦争の拡大シナリオである。 現在、アフガニスタン、イラク、パレスチナの3地域に戦争の脅威がある。イ ランに対する核空爆は中東と中央アジアの大規模な戦争に拡大する可能性がある 。

 またシリア軍が撤退した後のレバノンにイスラエル軍が侵入する危険も出てく る。昨年のトルコ・イスラエル協定により、トルコが米・イスラエル作戦に参加 する可能性も高い。 イランは最近ロシアから29Tor M−対ミサイルシステムを購入した。10月に は、ロシアの協力により、イランはスパイ衛星、Sinah−1をロシア製ロケットで 大気中に発射した。続いて同様の対ミサイルが大気中に送られることになってい る。

 これまで、米国のイスラエルのスパイ衛星がイランのイスラム導師のひげまで 追跡できていた。英紙『サンデイ・タイムズ』はロシアとイランの間で10億ド ルの最新防御システムの売買が成立したことを報じている。

(北沢洋子)


アジア太平洋資料センター(PARC)
http://www.parc-jp.org/main/a_project/theme/kitazawa/kitazawa060109

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