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中国をスターリンに献上した男:なぜ米国は、やすやすと中国を共産党の手に渡してしまったのか?-国際派日本人養成講座441-
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投稿者 愛国心を主張する者ほど売国奴 日時 2006 年 5 月 07 日 14:49:37: tTp1/cyvuKUmU
 

■■ Japan On the Globe(441)■ 国際派日本人養成講座 ■■■■

地球史探訪: 中国をスターリンに献上した男

 なぜ米国は、やすやすと中国を共産党の手に渡
してしまったのか?
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国民文化講座 「フランスから見た祖国日本」
竹本忠雄先生 評論家(美術・文芸)
4月22日(土)午後2時〜 明治神宮「参集殿」(東京都)
【主催】社団法人 国民文化研究会 【後援】産経新聞社
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■1.アメリカの無為無策■

 ソ連軍が日ソ中立条約を破って、満洲に侵入したのは、8月
15日のわずか6日前の事だった。その後、ソ連は、日本が築
いた「アジアの工場」、重工業の発展した満洲[a]を一気に占
領した。ここで、こんな歴史上の"if"を考えてみよう。

 1945年8月に米軍が極東に莫大な兵力を展開していたら、
米国と中国(蒋介石の国民党政府)の同盟軍が(日本の)
関東軍の降伏を受け入れた時点で、ソ連はあえて満洲に侵
攻しただろうか? [1,p161、()内は弊誌注]

 その結果は、こうなったろう。[1,p160]

* 米国は満洲ならびに朝鮮を獲得し、やがて当地の占領軍
としてすんなり、国民党軍が来たことだろう。

* 満洲の主権が日本から中国にすみやかに移されたならば、
満洲の大工場群はロシアの略奪や破壊をまぬかれて無傷
で残ったことだろう。

* そして1945年以降1949年秋まで国民党政府を悩ませた軍
事経済問題(共産党との内戦)は解決に向かったはずだ。

 その結果、中国は共産党政権の手には落ちなかっただろう。
そうなれば毛沢東の大躍進政策や文化大革命などで数千万人が
犠牲になる事態を防げたはずである[b,c]。さらに自由中国と
の共存は、わが国を含むアジア諸国にとっても、そしてアメリ
カにとっても、はるかに住みやすい世界であったろう。

 しかし、アメリカはその手段をとらなかった。世界最強の軍
事力と経済力を持ちながら、ソ連が満洲を略奪し、共産党軍を
支援して、国民党軍を台湾に追い落とすのを、手をこまねいて
傍観していた。それはなぜか。

■2.ロシア帝国の利権回復を約束したヤルタ会談■

 アメリカのソ連に対する異様な譲歩は、1945年2月にソ連ク
リミア半島のヤルタで開かれたヤルタ会談に遡る。そこではル
ーズベルト(アメリカ)・チャーチル(イギリス)・スターリ
ン(ソ連)の3首脳が集まり、以下の点を決めた。

・大連を「国際的商業港」とし、ソ連の利権が優先的に保証さ
れること。ソ連は旅順を租借して海軍基地として復興させる
こと。

・大連まで至る「東清鉄道」と「南満洲鉄道」はソ連と中国の
合弁会社によって共同で操業する。

・ソ連は日露戦争敗北で割譲した南樺太を取り戻し、さらに日
本固有の領土である千島列島を領有する。

 すなわち、日露戦争前にロシア帝国がもっとも勢力圏を拡張
した頃の権益をすべて取り戻すという密約である。

 こんな重大な権益の割譲合意が、蒋介石には秘密のまま、な
された。わずか1年3ヶ月前のカイロ会談では、満洲における
中国の利権は存分に尊重される、という正式な合意があったの
に。蒋介石はのちに、ヤルタ会談での合意内容を聞いて、ショッ
クで打ちのめされたという。

 こういう大規模な利権の見返りに、ソ連が約束したのは対日
参戦だった。ルーズベルト大統領は、この会談に寄り添ってい
た陸軍参謀総長ジョージ・マーシャルから、日本との戦況が悪
化し、ロシアの支援がなければ勝利はおぼつかない、と報告さ
れていたのである。

■3.「スターリンの手など必要なかった」■

 ヤルタ会談が行われた頃、米軍はすでにフィリピンのレイテ
島を攻略して日本の連合艦隊を破り、マニラを占領していた。
アメリカの爆撃機が、連日、日本の各都市を絨毯爆撃していた。
日本の輸送船は大半が沈められ、海上の封鎖は日本の首根っこ
を押さえていた。

 統合参謀本部議長のレーヒーは、当時の戦局を、後の著書に
こう書いている。

 (1944年)9月の初めには、徹底的な海と空からの攻撃で
日本は敗色濃厚だった。しかし、九州島上陸に始まる水陸
両面からの本土進攻によって日本を降伏させる計画が(マ
ーシャルが参謀総長を務める)陸軍から提案された----戦
略空軍の支援を受けた海軍がすでに日本を打ち負かしてい
たという事実を理解できなかったようだ。陸軍は大規模な
本土上陸作戦を計画していたのみならず、対日戦勝利のた
めにはロシアの参戦が欠かせないと思いこんでいた。
[1,p103、()内は弊誌注]

 レーヒーは、太平洋地域での陸海軍司令官であるマッカーサ
ー、ニミッツと、日本の本土攻撃を仕掛けなくとも、海軍と空
軍の戦力で日本を降伏させることができると合意していた。

 敗北が時間と消耗の問題にすぎないところまで日本を追
いつめたと私は確信していた。それゆえ、太平洋で敵を殲
滅するのにスターリンの手など必要なかった。陸軍は私の
意見を聞こうともしないし、ルーズベルトは(ロシア参戦
の見返りに、満洲の利権を与えると)取引する用意をして
いた。[1,108、()内は弊誌注]

 さらに、マーシャルは、すでに敗北を覚悟した日本が和平を
探っていたという事実をルーズベルトにひた隠しにした。
[1,p99]

 ソ連は東シベリアに30個師団ほどの兵力を抱えていたが、
装備は不十分だった。そのために、アメリカは80万トンもの
装備を提供した。

 この装備を活用して、ソ連は、ヤルタ会談での約束通り、日
本の降伏の6日前に満洲に侵攻し、8億ドルとも言われる工場
設備などを「戦利品」として略奪したのである。

■4.スターリンのマーシャル賞賛■

 日本降伏の4ヶ月後、1945年12月、マーシャルはトルーマ
ン大統領から中国における全権特使に任命され、13ヶ月滞在
する。その直前に、マーシャルは自分の対中政策を大統領に承
認させていたようだ。レーヒー将軍は、回想録の中でこう語っ
ている。

 マーシャルが訪中するときに私は居合わせた。彼は、共
産主義者(中国共産党)と手を結ばないと米国は支援しな
いと蒋介石に言うつもりだと語った。戻ったとき、おなじ
ことを言った。私は二回とも彼は間違っていると思った。
[1,p152]

 同時期にモスクワでスターリンと会見したバーンズは、こん
な会話があった事を記している。

 彼(スターリン)はマーシャル将軍を賞賛して、中国問
題に決着をつけられる人間はマーシャル以外にないと言っ
た。スターリンは正確にはこう言ったかもしれない、自分
が満足できるように、と。[1,p151]

■5.中国共産党のマーシャル歓迎■

 フリーダ・ウトレーの『中国物語』によれば、中国共産党も、
「マーシャル将軍を諸手を上げて歓迎した。」

 歓迎されたマーシャルは何をしたか。任務開始早々、マーシャ
ルは国民党軍と共産党軍に停戦を持ちかけ、蒋介石が大幅に譲
歩して、停戦が実現した。しかし、翌1946年4月には、共産党
軍が停戦協定を破り、長春を陥落させた。蒋介石軍は長春を奪
い返し、共産党軍は北に遁走した。

 マーシャルは、共産党の要請を受けて、蒋介石と交渉し、再
停戦を実現させた。しかし、その後も共産党軍はゲリラ活動を
続け、ダムや橋の爆破、鉱山や工場への攻撃を続けた。それで
も蒋介石軍は戦略地点を数多く確保し、共産党軍は次第に後退
していった。

■6.マーシャルのえこひいき■

 優勢な国民党軍を抑えるべく、マーシャルは武器や弾薬の通
商禁止措置を取った。対立する一方のみに肩入れするのは、中
立政策に反する、という言い分であった。そして、マーシャル
は英国にも同様の政策をとらせた。米英から軍需物資の買い入
れが出来なくなると、徐々に国民党軍の勢いは鈍っていった。

 その一方では、マーシャルはソ連の共産党軍支援に、見て見
ぬふりをしていた。ソ連は満洲の日本軍が残した武器弾薬、さ
らにはアメリカから援助された80万トンの装備の一部を共産
党軍に与えていた。

 蒋介石の勢力は、1946年11月頃がピークだった。マーシャ
ルは蒋介石に圧力をかけ、無条件の即時停戦命令を出させた。

 11月16日、周恩来はマーシャルを訪ねて、共産軍の本拠
地である内陸部の延安まで、米軍機を飛ばせて欲しいと頼んだ。
蒋介石軍が延安を攻撃する恐れがあり、もしそうなれば、和平
交渉の望みが潰えることになる、と脅したからである。

 マーシャルは、蒋介石に対して強硬に反対した。もし、攻撃
が実施されれば、「自分は任務を終えるつまりだ(すなわち、
アメリカは中国から一切、手を引く)」と語った。

 12月1日、マーシャルは蒋介石との会談で、こう警告した。
「延安の共産軍はとても強力なので制圧を期待しても無理だ」
「彼らを政府に参加させる努力が先決である」

 こうしたマーシャルの態度は、国民党軍の志気低下をもたら
したろう。米国は国民党軍に対して、軍事物資の購入の道を閉
ざし、共産党軍をもう少しで撃破できそうになると、常に「停
戦」と称してストップをかける。同盟国アメリカは自分たちを
見捨てているのではないか、と、勝利の望みを失った国民党軍
からの遁走や、共産軍への寝返りが始まった。

■7.ソ連と中国共産党へのおみやげ■

 マーシャルは、1947年1月、米国に戻り、国務長官に就任し
た。中国を離れるにあたって、こんな声明を発表している。

 共産主義者のなかに正真正銘のリベラル・グループがあ
り、とりわけ地方政府で目立つ腐敗に嫌気がさして共産主
義に宗旨替えした若者が多い----彼らは近い将来、共産主
義イデオロギーを確立しようとする無慈悲な手段よりも中
国人の利益を優先するように私には見えた。[1,p203]

 これがマーシャルの本音であるとしたら、米国の外交政策を
主導する国務長官としては、あまりにもナイーブな見解である。
しかし、中国共産党のプロパガンダとしたら、これ以上、強力
な応援演説はありえないだろう。

 着任早々、マーシャルは3月にモスクワに飛んだが、その前
に、北中国の平定に当たっていた海兵隊の部隊に帰国命令を発
した。これは中国共産党とモスクワへの良いお土産であった。

■8.腹心アチソンの二枚舌■

 マーシャルと連携して、その腹心ディーン・アチソン国務次
官も、国民党軍への軍事支援を求める議会をこう制した。

 現在の中国政府は(共産党と内戦中の)ギリシャ政府が陥っ
ているような状況下にない。崩壊にはほど遠い。共産主義
に敗れる恐れはない。共産主義者との戦いは過去20年と
同様順調である。[1,p228]

 こう言って、蒋介石への軍事支援は不要だとしたアチソンは、
わずか2年後には、今度はすでに手遅れで、支援は役に立たな
い、と語った。

 不幸だが逃れられない事実は、中国内戦の不吉な結果は
米国政府の手に余るということだ。全力を尽くしてわが国
が行った、あるいは行ったはずのことは、その結果を変え
るに至らなかった。わが国にできることはいっさい残され
ていない。[1,p228]

 こういう人間が、当時の米国外交を牛耳っていたのである。

■9.「中国は共産主義支配になることは必定である」■

 1947年夏、中国での情勢を懸念して、ウェデマイヤー将軍が
調査に派遣された。その報告書には、こう書かれていた。

 満洲の状況はかなり悪化しているので、ソ連の衛星国家
化を食い止めるために迅速な行動が求められる----そうな
ると中国、米国、国連にとってゆゆしき事態となろう。結
局、中国は共産主義支配になることは必定である。
[1,p235]

 ウェデマイヤーが見たのは、米国からの援助どころか、軍需
物資の購入さえ拒否されて苦しんでいる国民党軍の姿であった。
たとえば、1万6千台ものトラックなどが、交換部品の不足に
よって動いていなかった。米国が部品供給の約束を破ったから
である。

 しかし、こうした真実を述べたウェデマイヤーの報告書は、
マーシャルの不興を買い、2年間も握りつぶされていた。

 翌1948年3月、米国議会で蒋介石支援を求める声が高まり、
2億75百万ドルの経済支援と1億25百万ドルの軍事支援を
行う案を議決した。

 しかし、マーシャルとアチソンの牛耳る国務省は、早期実行
を求める中国大使の懇請にもかかわらず、2ヶ月もその実行を
棚上げにした。6月に、ある上院議員から痛烈に批判されると、
国務省はようやく重い腰を上げたが、シアトルから最初の船積
みが行われたのは11月9日だった。この間に、国民党軍の敗
北は決定的となり、共産軍は翌1948年4月に首都・南京を制圧、
12月に中華人民共和国の建国を宣言した。

 ルーズベルト大統領が、日本を戦争に追い込んだ背景に、ソ
連のスパイの暗躍があった事が、すでに歴史的文書の公開で明
らかにされている[d]。そして、日本が真珠湾攻撃を行うとい
う情報を握りつぶして、全面戦争の幕開けを図ったのが、まさ
に陸軍参謀総長・マーシャルであった。

 赤い魔の手は米国を操り、日本を満洲・中国から撃退させた
上で、そっくりスターリンに献上したのである。
(文責:伊勢雅臣)

■リンク■
a. JOG(239) 満洲 〜 幻の先進工業国家
 傀儡国家、偽満洲国などと罵倒される満洲国に年間百万人以
上の中国人がなだれ込んだ理由は?
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h14/jog239.html
b. JOG(109) 中国の失われた20年(上)
 〜2千万人餓死への「大躍進」
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h11_2/jog109.html
c. JOG(110) 中国の失われた20年(下)
 〜憎悪と破壊の「文化大革命」
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h11_2/jog110.html
d. JOG(116) 操られたルーズベルト
 ソ連スパイが側近となって、対日戦争をそそのかした
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h11_2/jog116.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。
(まぐまぐ版では、httpのあとに「:」を補ってください)

1. ジョゼフ・マッカーシー『共産中国はアメリカがつくった』★★
成甲書房、H17
http //www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4880861928/

http://blog.mag2.com/m/log/0000000699/107172705?page=1#107172705

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